2 / 6
2
しおりを挟む
父が長期出張に出かけたある日のこと、突然、父の後妻だという女が訪ねてきて、公爵邸に飛び込んできたのだ。
「あなたがジュリアスティちゃんね、初めまして。私があなたの新しいお母様ですよ。こちらは姉のリリアーヌと妹のルルアンヌですわ。二人とも、ご挨拶なさい。」
執事も家令も誰一人、父が再婚することなど聞いていない。そして、ジュリアスティ自身も初耳のことで……。
でも名前と年齢と家族構成を知っているということは?
お父様ったら、わたくしの婚約だけはお急ぎになられて、ご自分のことを言うのをお忘れになられてしまわれたのかしら。
「お待ちください、新しい奥様、旦那様からわたくしどもは何も伺っておりませんもので、旦那様から確認が取れるまでは、屋敷に入ることはご遠慮くださいませ。」
「なんですってー!私が嘘を吐いているとでも?アナタは言いたいわけですわね?」
「いえいえ、そういうわけではございませんが、旦那様のお許しがなければ、何人たりとも、この家に入れるわけにはまいりません。」
「だったら、すぐにブルーフォード国に連絡を取りなさいよっ!」
旦那様の、お父様の赴任先の国名をズバリ言い当てられ、執事も家令もジュリアスティも本物?と思ってしまったのだ。
これがすべての間違いの始まり。
「荷物を運ぶのを、手伝ってちょうだい!」
公爵家の使用人総出で、新しい奥様アナベル様の引っ越しのお手伝いをすることになったのである。
すべての部屋を見て回り、アナベルは、さっさと亡き母の部屋を自分の部屋にし、娘たち二人の部屋をジュリアスティが使っていた部屋を横取りする。
「その部屋は先妻の奥様が使われてたお部屋で、旦那様から、そのまま保存するように、と申しつかっておりまして……、そちらのお部屋は、ジュリアスティお嬢様のお部屋で。」
「うるさいわねっ!この部屋が気に入ったのよ。この娘たちもこの部屋が気に入ったんだから、ベッドをもう一つ入れて頂戴な。狭くても辛抱しなさい。」
「ジュリアスティちゃん、イイでしょう。この娘たちに使わせても?」
「……。」
「ほら、本人がイイって言ってんだから、さっさとベッドを運びなさいよ。ああ、そうだ。このベッドはジュリアスティちゃんがお使いになるから、新品のベッドを2台注文してくださる?そして、そうね。ジュリアスティちゃんの新しいお部屋を決めてあげるわ。上のお部屋なんて、よろしくなくて?」
ジュリアスティは屋根裏部屋に追いやられ、使用人も口出しができない。
そして、食事もジュリアスティは食堂を使うことを禁止され、屋根裏部屋で食事する羽目になったのです。
大事な跡取りお嬢様が、そんな目に遭っていても、誰もお守りすることができない。何か反論すると、すぐ「クビよ。」と言われるから。
ジュリアスティの持ち物だったドレスも宝石も、亡き母の形見のドレスも宝石も、全部アナベル母子にとられてしまう。
そんなある日、ボンド公爵家とモンシャトレ公爵家からハートフルス家に厳重抗議が来る。
内容は、聞いてビックリ!
第1王子様と第3王子様にリリアーヌとルルアンヌがちょっかいを出しているらしい。
王子様の前で全裸になり、王子様の股間を触りながら、年頃の王子様は、それだけでイチコロになってしまわれる。
「ねぇ、アレクサンドル様ぁ、ボンド公爵令嬢なんて、ほっといて私といいことしない?」
「フランシス様ぁ、私と気持ちいいことしましょう。」
貴族間の政略での決まり事を無視する所業に怒り心頭で、ハートフルス家に抗議が来たのだ。
調べてみたら、継母子の悪行はそれだけにとどまらず、継母のアナベルはこともあろうに国王陛下の愛人の座を狙っているという。
継母子は、媚薬を用い、陛下と二人の王子様、ひょっとすれば、第2王子のクリストファー様にも仕掛けているのかもしれない。
お父様もこの手で誑し込まれたのだろうか?と考えるよりも、今度は第2王子様からの呼出し命令がある。
婚約してから初めての呼出しだが、着ていくものがない。すべて、継子にとられてしまったから、侍女のとっておきのドレスを手直しして、着ていくことになったのである。
「公爵令嬢ジュリアスティ・ハートフルス、貴様との婚約は、本日今この時をもって、破棄させてもらうこととする!」
高らかに宣言されてしまったのである。
「なぜでございますか?貴様の義理の姉妹が俺の兄弟たちを誑し込んでいるからだ。そのような姉妹がいる令嬢と婚約を続ければ、俺がズルしているように見え、王位継承権を失うからだ。すまない。違約金は、きちんと支払うから、婚約はなかったことにしてほしい。」
決して、本心からクリストファーが言っているのではない。でもその時は、こうするよりほかに手はなかったのだ。
「わかりましたわ。そういうことであれば、致し方ございませんわ。クリストファー殿下、どうぞご立派な王様になってくださいませ。」
そう言って、お城を後にする。
翌日、莫大友言える婚約違約金が支払われたのだが、家令に預け、この家を出て行こうと思うと、家の者に告げると、
「お嬢様が出て行かれるのはおかしいことでございます。むしろ、出て行くのはあいつらのほうです。でも、どうしても出て行かれ、お父様のところへ行きたいと仰せなら、我々使用人も全員で、お嬢様と行動を共に致しますとも。」
「ありがとう。お気持ちだけでも嬉しいし、心強いわ。」
その日は、継母子共に外出する日であった。国王陛下は、側妃の選定と王子2人の婚約者を変更するに際して、最終的な評議会が行われる。そのために二人の継子と継母もその評議会にて、証言するためである。
出かける前に家令は馬車の御者に、一言言っている。
3人が馬車で出かけた後、大急ぎで、引っ越し準備を始める。ジュリアスティが婚約破棄されてから、少しずつ用意をしてきたから、準備はあっという間に終わる。
馬車を何台か連ねて、国境を目指すのだが、お母様と少しの間でもある思いでの家をこのままにしておくのは忍びない。
燃やしてから、出て行こうかと悩む。使用人の中にアイテムボックス持ちがいたので、「家一軒ぐらいなら入りますよ。」と軽く申し出てくれたので、それに任せることにし、家も持っていくことにしたのだ。
継母と継子を王城まで、送り届けた馬車は、王城で馬車を停めず、そのまま国境を目指すのだった。
評議会では、まずアナベル、リリアーヌ、ルルアンヌの身分を調べることになったのだが、アナベルは平民の出で、二人の娘も平民の親から生まれたものだということが判明する。平民出身者はお妃候補にはなれない。そして、ハートフルス公爵家とも、何の関係もないことが判明するのであった。
後妻のような顔をして、ハートフルス家に入り込んだが、手続きが一切されていなく単なる居候だとわかったのである。
これはもう犯罪者レベルで、その家の跡取りお嬢様を蔑ろにしていた咎で、3人とも牢屋に入れられる。
王城から、そのことの連絡をハートフルス家にしても、もぬけの殻どころか、家ごと出奔した後だったから、さらに3人の罪状は重くなる。
いくら、媚薬を使い身体で王子様を誑し込んだところで、王子様は一切助けない。国王陛下もしかりである。それほど、アナベルが良かったわけではないが、ただどんな要求でも呑む毒婦のようなところが魅力的だったのである。暇つぶしの遊び相手と言ったところ。
ハートフルス公爵の赴任先へ連絡するにも、行って帰ってくるだけで半年はかかるという遠い国へ行ったから、今さら戻って来いとも言えず、評議会は解散するのである。
第1王子のアレクサンドル様と第3王子のフランシス様は、二人の毒娘にひっかかったことで、王位継承権を失ってしまう。
第2王子のクリストファー様は、それならばあの時、無理に婚約破棄などせずに婚約を継続していれば良かったと後悔するが、これも後の祭りとなってしまったことである。
「あなたがジュリアスティちゃんね、初めまして。私があなたの新しいお母様ですよ。こちらは姉のリリアーヌと妹のルルアンヌですわ。二人とも、ご挨拶なさい。」
執事も家令も誰一人、父が再婚することなど聞いていない。そして、ジュリアスティ自身も初耳のことで……。
でも名前と年齢と家族構成を知っているということは?
お父様ったら、わたくしの婚約だけはお急ぎになられて、ご自分のことを言うのをお忘れになられてしまわれたのかしら。
「お待ちください、新しい奥様、旦那様からわたくしどもは何も伺っておりませんもので、旦那様から確認が取れるまでは、屋敷に入ることはご遠慮くださいませ。」
「なんですってー!私が嘘を吐いているとでも?アナタは言いたいわけですわね?」
「いえいえ、そういうわけではございませんが、旦那様のお許しがなければ、何人たりとも、この家に入れるわけにはまいりません。」
「だったら、すぐにブルーフォード国に連絡を取りなさいよっ!」
旦那様の、お父様の赴任先の国名をズバリ言い当てられ、執事も家令もジュリアスティも本物?と思ってしまったのだ。
これがすべての間違いの始まり。
「荷物を運ぶのを、手伝ってちょうだい!」
公爵家の使用人総出で、新しい奥様アナベル様の引っ越しのお手伝いをすることになったのである。
すべての部屋を見て回り、アナベルは、さっさと亡き母の部屋を自分の部屋にし、娘たち二人の部屋をジュリアスティが使っていた部屋を横取りする。
「その部屋は先妻の奥様が使われてたお部屋で、旦那様から、そのまま保存するように、と申しつかっておりまして……、そちらのお部屋は、ジュリアスティお嬢様のお部屋で。」
「うるさいわねっ!この部屋が気に入ったのよ。この娘たちもこの部屋が気に入ったんだから、ベッドをもう一つ入れて頂戴な。狭くても辛抱しなさい。」
「ジュリアスティちゃん、イイでしょう。この娘たちに使わせても?」
「……。」
「ほら、本人がイイって言ってんだから、さっさとベッドを運びなさいよ。ああ、そうだ。このベッドはジュリアスティちゃんがお使いになるから、新品のベッドを2台注文してくださる?そして、そうね。ジュリアスティちゃんの新しいお部屋を決めてあげるわ。上のお部屋なんて、よろしくなくて?」
ジュリアスティは屋根裏部屋に追いやられ、使用人も口出しができない。
そして、食事もジュリアスティは食堂を使うことを禁止され、屋根裏部屋で食事する羽目になったのです。
大事な跡取りお嬢様が、そんな目に遭っていても、誰もお守りすることができない。何か反論すると、すぐ「クビよ。」と言われるから。
ジュリアスティの持ち物だったドレスも宝石も、亡き母の形見のドレスも宝石も、全部アナベル母子にとられてしまう。
そんなある日、ボンド公爵家とモンシャトレ公爵家からハートフルス家に厳重抗議が来る。
内容は、聞いてビックリ!
第1王子様と第3王子様にリリアーヌとルルアンヌがちょっかいを出しているらしい。
王子様の前で全裸になり、王子様の股間を触りながら、年頃の王子様は、それだけでイチコロになってしまわれる。
「ねぇ、アレクサンドル様ぁ、ボンド公爵令嬢なんて、ほっといて私といいことしない?」
「フランシス様ぁ、私と気持ちいいことしましょう。」
貴族間の政略での決まり事を無視する所業に怒り心頭で、ハートフルス家に抗議が来たのだ。
調べてみたら、継母子の悪行はそれだけにとどまらず、継母のアナベルはこともあろうに国王陛下の愛人の座を狙っているという。
継母子は、媚薬を用い、陛下と二人の王子様、ひょっとすれば、第2王子のクリストファー様にも仕掛けているのかもしれない。
お父様もこの手で誑し込まれたのだろうか?と考えるよりも、今度は第2王子様からの呼出し命令がある。
婚約してから初めての呼出しだが、着ていくものがない。すべて、継子にとられてしまったから、侍女のとっておきのドレスを手直しして、着ていくことになったのである。
「公爵令嬢ジュリアスティ・ハートフルス、貴様との婚約は、本日今この時をもって、破棄させてもらうこととする!」
高らかに宣言されてしまったのである。
「なぜでございますか?貴様の義理の姉妹が俺の兄弟たちを誑し込んでいるからだ。そのような姉妹がいる令嬢と婚約を続ければ、俺がズルしているように見え、王位継承権を失うからだ。すまない。違約金は、きちんと支払うから、婚約はなかったことにしてほしい。」
決して、本心からクリストファーが言っているのではない。でもその時は、こうするよりほかに手はなかったのだ。
「わかりましたわ。そういうことであれば、致し方ございませんわ。クリストファー殿下、どうぞご立派な王様になってくださいませ。」
そう言って、お城を後にする。
翌日、莫大友言える婚約違約金が支払われたのだが、家令に預け、この家を出て行こうと思うと、家の者に告げると、
「お嬢様が出て行かれるのはおかしいことでございます。むしろ、出て行くのはあいつらのほうです。でも、どうしても出て行かれ、お父様のところへ行きたいと仰せなら、我々使用人も全員で、お嬢様と行動を共に致しますとも。」
「ありがとう。お気持ちだけでも嬉しいし、心強いわ。」
その日は、継母子共に外出する日であった。国王陛下は、側妃の選定と王子2人の婚約者を変更するに際して、最終的な評議会が行われる。そのために二人の継子と継母もその評議会にて、証言するためである。
出かける前に家令は馬車の御者に、一言言っている。
3人が馬車で出かけた後、大急ぎで、引っ越し準備を始める。ジュリアスティが婚約破棄されてから、少しずつ用意をしてきたから、準備はあっという間に終わる。
馬車を何台か連ねて、国境を目指すのだが、お母様と少しの間でもある思いでの家をこのままにしておくのは忍びない。
燃やしてから、出て行こうかと悩む。使用人の中にアイテムボックス持ちがいたので、「家一軒ぐらいなら入りますよ。」と軽く申し出てくれたので、それに任せることにし、家も持っていくことにしたのだ。
継母と継子を王城まで、送り届けた馬車は、王城で馬車を停めず、そのまま国境を目指すのだった。
評議会では、まずアナベル、リリアーヌ、ルルアンヌの身分を調べることになったのだが、アナベルは平民の出で、二人の娘も平民の親から生まれたものだということが判明する。平民出身者はお妃候補にはなれない。そして、ハートフルス公爵家とも、何の関係もないことが判明するのであった。
後妻のような顔をして、ハートフルス家に入り込んだが、手続きが一切されていなく単なる居候だとわかったのである。
これはもう犯罪者レベルで、その家の跡取りお嬢様を蔑ろにしていた咎で、3人とも牢屋に入れられる。
王城から、そのことの連絡をハートフルス家にしても、もぬけの殻どころか、家ごと出奔した後だったから、さらに3人の罪状は重くなる。
いくら、媚薬を使い身体で王子様を誑し込んだところで、王子様は一切助けない。国王陛下もしかりである。それほど、アナベルが良かったわけではないが、ただどんな要求でも呑む毒婦のようなところが魅力的だったのである。暇つぶしの遊び相手と言ったところ。
ハートフルス公爵の赴任先へ連絡するにも、行って帰ってくるだけで半年はかかるという遠い国へ行ったから、今さら戻って来いとも言えず、評議会は解散するのである。
第1王子のアレクサンドル様と第3王子のフランシス様は、二人の毒娘にひっかかったことで、王位継承権を失ってしまう。
第2王子のクリストファー様は、それならばあの時、無理に婚約破棄などせずに婚約を継続していれば良かったと後悔するが、これも後の祭りとなってしまったことである。
22
お気に入りに追加
211
あなたにおすすめの小説

婚約破棄を言い渡された私は、元婚約者の弟に溺愛されています
天宮有
恋愛
「魔法が使えない無能より貴様の妹ミレナと婚約する」と伯爵令息ラドンに言われ、私ルーナは婚約破棄を言い渡されてしまう。
家族には勘当を言い渡されて国外追放となった私の元に、家を捨てたラドンの弟ニコラスが現れる。
ニコラスは魔法の力が低く、蔑まれている者同士仲がよかった。
一緒に隣国で生活することを決めて、ニコラスは今まで力を隠していたこと、そして私の本来の力について話してくれる。
私の本来の力は凄いけど、それを知ればラドンが酷使するから今まで黙っていてくれた。
ニコラスは私を守る為の準備をしていたようで、婚約破棄は予想外だったから家を捨てたと教えてくれる。
その後――私は本来の力を扱えるようになり、隣国でニコラスと幸せな日々を送る。
無意識に使っていた私の力によって繁栄していたラドン達は、真実を知り破滅することとなっていた。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
21時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。

婚約者を奪われた私は、他国で新しい生活を送ります
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルクルは、エドガー王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。
聖女を好きにったようで、婚約破棄の理由を全て私のせいにしてきた。
聖女と王子が考えた嘘の言い分を家族は信じ、私に勘当を言い渡す。
平民になった私だけど、問題なく他国で新しい生活を送ることができていた。

婚約破棄された令嬢のささやかな幸福
香木陽灯(旧:香木あかり)
恋愛
田舎の伯爵令嬢アリシア・ローデンには婚約者がいた。
しかし婚約者とアリシアの妹が不貞を働き、子を身ごもったのだという。
「結婚は家同士の繋がり。二人が結ばれるなら私は身を引きましょう。どうぞお幸せに」
婚約破棄されたアリシアは潔く身を引くことにした。
婚約破棄という烙印が押された以上、もう結婚は出来ない。
ならば一人で生きていくだけ。
アリシアは王都の外れにある小さな家を買い、そこで暮らし始める。
「あぁ、最高……ここなら一人で自由に暮らせるわ!」
初めての一人暮らしを満喫するアリシア。
趣味だった刺繍で生計が立てられるようになった頃……。
「アリシア、頼むから戻って来てくれ! 俺と結婚してくれ……!」
何故か元婚約者がやってきて頭を下げたのだ。
しかし丁重にお断りした翌日、
「お姉様、お願いだから戻ってきてください! あいつの相手はお姉様じゃなきゃ無理です……!」
妹までもがやってくる始末。
しかしアリシアは微笑んで首を横に振るばかり。
「私はもう結婚する気も家に戻る気もありませんの。どうぞお幸せに」
家族や婚約者は知らないことだったが、実はアリシアは幸せな生活を送っていたのだった。

元婚約者がマウント取ってきますが、私は王子殿下と婚約しています
マルローネ
恋愛
「私は侯爵令嬢のメリナと婚約することにした! 伯爵令嬢のお前はもう必要ない!」
「そ、そんな……!」
伯爵令嬢のリディア・フォルスタは婚約者のディノス・カンブリア侯爵令息に婚約破棄されてしまった。
リディアは突然の婚約破棄に悲しむが、それを救ったのは幼馴染の王子殿下であった。
その後、ディノスとメリナの二人は、惨めに悲しんでいるリディアにマウントを取る為に接触してくるが……。

侯爵令嬢は限界です
まる
恋愛
「グラツィア・レピエトラ侯爵令嬢この場をもって婚約を破棄する!!」
何言ってんだこの馬鹿。
いけない。心の中とはいえ、常に淑女たるに相応しく物事を考え…
「貴女の様な傲慢な女は私に相応しくない!」
はい無理でーす!
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
サラッと読み流して楽しんで頂けたなら幸いです。
※物語の背景はふんわりです。
読んで下さった方、しおり、お気に入り登録本当にありがとうございました!

完結 穀潰しと言われたので家を出ます
音爽(ネソウ)
恋愛
ファーレン子爵家は姉が必死で守って来た。だが父親が他界すると家から追い出された。
「お姉様は出て行って!この穀潰し!私にはわかっているのよ遺産をいいように使おうだなんて」
遺産などほとんど残っていないのにそのような事を言う。
こうして腹黒な妹は母を騙して家を乗っ取ったのだ。
その後、収入のない妹夫婦は母の財を喰い物にするばかりで……

婚約破棄されたので、隠していた力を解放します
ミィタソ
恋愛
「――よって、私は君との婚約を破棄する」
豪華なシャンデリアが輝く舞踏会の会場。その中心で、王太子アレクシスが高らかに宣言した。
周囲の貴族たちは一斉にどよめき、私の顔を覗き込んでくる。興味津々な顔、驚きを隠せない顔、そして――あからさまに嘲笑する顔。
私は、この状況をただ静かに見つめていた。
「……そうですか」
あまりにも予想通りすぎて、拍子抜けするくらいだ。
婚約破棄、大いに結構。
慰謝料でも請求してやりますか。
私には隠された力がある。
これからは自由に生きるとしよう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる