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番外編

11.王営ギルド

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 それからというものシャルパンティア家では、定期的に異世界へ行くようになり、公爵邸の中では、いつも異世界の珍しいものや美味しいものが当たり前になっていく。

 舅と姑は、すっかりコンドームとオモチャにハマり、夜の営みもお盛んなご様子。

 あの日以来、姑はいつもご機嫌で美しい。お茶会が行われる日の朝には、異世界へ、あのパーラーにスイーツを買いに行かれるぐらい。熱心な信者となられたのである。もちろん、ミッシェルは荷持ち兼案内役兼通訳で、同行する。その時は料理長や侍女長も付いて来る。

 アフタヌーンセットスタンドは、ドワーフの師匠に同じようなものを作ってもらい、それにお皿を重ねて乗せるようにしている。

 でも異世界旅のことは、公爵邸だけの秘密にしている。だって、200年も前のご先祖様の遺言を真に受けて探し当てたなんて話、誰も信用してくれない。

 国王陛下へのお土産は、大好評で、これを王営ギルドを作り、販売しようという話にまで広がる。

 「もっと早く、これがあれば、クリストファーもあんなバカをせずとも済んだのかもしれないし、せっかく五体満足に生まれてきたものを……。」

 「まだ、どの令嬢が王家の種を孕んでいるかがわからないのですから、お気を落としのなきよう。」

 「そうなのだがな、そのために婚約者を幼いうちに決めておると言うのに、今まで婚約者になった令嬢も婚約した王子もロクなことがないゆえ、クリストファーの時から、その制度はやめにしたのが裏目に出てしまい、いけなかったようだ。」

 マクシミリアンも知らなかったこと、クリストファー殿下が学園の女子生徒を片っ端からお手付きをしていたことは、薄々勘づいていたが、まさかその女生徒を側近の間で輪姦していたことまでは、知らずにいた。

 ミッシェルから訴えがあった時も、まさか?としか言いようがなかったのだが、アソコが千切れた側近たちの姿を目の当たりにした女生徒から次々に乱暴されたという被害が報告されたので、調査したところ、そのことが明るみに出たのである。

 何も貴族令嬢を襲わなくても、王子にならカラダを開きたいと思う女性がいくらでもいたと思うのに、残念な結果に言葉はない。

 だがマクシミリアンは、この事件の背後には、あのリングの呪いがあることを知っている。ミッシェル自身は気づいていないようだが、ミッシェルを襲ったことで、リングの呪いが発動し、事件が明るみに出たのだ。もし、ミッシェルを襲っていなかったのなら、いまだに被害者は増え続け、王家の種がどこまで拡散されるかは、わかったものではない。

 マクシミリアンは、生涯ただ一人の妻をミッシェルと生まれながらにして、決まってはいたが、巡り会うのに時間を要してしまった。

 ミッシェルも、リングのことは乳母から聞いていたが、まさかあのリングにそんな呪いじみた性質があったことなど知らないはず。ミッシェルも、マクシミリアンとしかできない運命にあったことは間違いないことでも、本人はその事実を知らないでいる。

 もし、ベルミー国のダニエル殿下が浮気心を起こさず、ミッシェルを妻としたならば、初夜に悲劇が起こっていただろう。その時に王家の騎士から、切り殺されてもおかしくはない。

 運命の強制力というものは、抗えない。

 だから、婚約破棄されてくれて、ありがとうと感謝の意を述べたい気持ちになる。

 ところで、宰相が持ち帰ったお土産のコンドームは、貴族間で大流行の兆しを見せている。

 娼館へ行かずとも、奥さん相手にヤっても、子供ができる心配はない。避妊薬や避妊魔法などに頼らずとも、安心して楽しめる。

 今までは、奥さんとヤって、子供ができた場合、高齢出産の危険性と外聞の悪さに困惑したものだが、これからは、大っぴらに妻と愛の交歓をできる。
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