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番外編
1.出会い
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あれから何世代が過ぎたのであろうか。
シャルパンティア家で誕生した嫡男のシンボルに、生まれながらにして、リングが付いたまま誕生した男児がいる。
どんなに取ろうとしても、外れないことから、両親はご先祖に倣って、マクシミリアン2世と名付けることにする。
初代と同様、頭脳明晰で、マクシミリアンに解けない問題は存在しないと評される。
シャルパンティア家は、代々、宰相の家系で現当主が、宰相をしている。
マクシミリアン2世のリングの対となる令嬢が見つからないのだ。シャルパンティア夫人は、同じ年頃の貴族令嬢の赤ちゃんの時に、珊瑚のお見舞いとして、ずいぶん、令嬢のおむつ替えに協力しに行ったものだが、一人として、対のリングをお持ちの令嬢に出会うことはなかったのである。
大きくなれば、お互いが勝手に惹かれあうのがリングの力だとしか教わっていない。もし、リングの相手が見つからなければ、マクシミリアンは一生結婚できず、廃嫡せざるを得なくなってしまう。恐ろしい呪いのリングでもある。
学園に入学する年頃になっても、マクシミリアンは、同い年の令嬢どころか、すべての女性に対して心を閉ざしているように見受けられる。
父は、マクシミリアンは男色ではないかと疑いを持つが、男色であろうとなかろうと、リングの女性でなければ、根元から折れてしまうか、ちぎれてしまうの2択なので、無理に女性と引き合わせることはしない。
閨教育もできないが、もしリングの女性が見つかれば、問題なくできるのだろうか?という不安もある。
何はともあれ、学園の3年生になった時、隣国から留学生がやってきた。彼女の名前は、ミッシェル・アインシュタイン。ご先祖様と同じ名前にマクシミリアンは興味を示す。
ミッシェルに興味があるのは、マクシミリアンだけではなかったのだ。王太子殿下と、その側近連中も、彼女に関心がある素振りを示しているが、彼女は、その気がないように思えたのだ。
マクシミリアンは、本来なら、王太子殿下の側近となるべきところ、リングのせいで、側近になることを辞退したのだ。側近になれば、殿下が飽きてしまった女性の相手をしなければならない。その時にリングがあると、マクシミリアンは不能にならざるを得なくなるので、辞退させてもらったのだ。
王太子殿下は、女癖が悪く、手当たり次第に女子生徒と関係を持たれる。その後始末に筆頭公爵の嫡男は走り回っているのだ。
ある日の放課後、ミッシェルが中庭に一人でいるのを見かけ、思い切って声をかけてみた。
「こんにちは。」
気のせいか、なんとなくミッシェルのカラダからいい匂いがする。ずっと嗅いでいたいような?男を惑わす危険な匂いのような気もした。
「学園には、もう慣れましたか?」
「ええ。おかげさまで。ここには知り合いがいないので、気持ちが楽ですわ。」
「どうして、留学を?」
「……、隣国に婚約者がおりましたが、新しく転校してきた女子生徒に夢中になり、わたくしと婚約破棄したいと申し渡されて、……キズモノ令嬢なのです。だから、この学園を卒業したら、修道院送りになる身ですの。」
「ええ!アナタのような魅力的な女性なのに?ですか?」
「魅力なんて、何もございませんわ。」
「だったら、私とお友達になっていただけませんか?私も故あって、女性とお付き合いが難しいのです。でも、お友達なら、たぶん問題なく行けると思いますし、それに何より、アナタのお名前はウチのご先祖様のお名前と同じなのです。」
「まぁ!そんな偶然あるのですか?実は、我が家のご先祖様にもマクシミリアン様という方がおいでですの。」
それからは、放課後になると中庭や、図書館で逢瀬を愉しむようになっていく。
逢瀬と言っても、デートではない。他愛ない世間話をするだけだったが、マクシミリアンに取り、初めての女性の友達にワクワクしたのも事実。
シャルパンティア家で誕生した嫡男のシンボルに、生まれながらにして、リングが付いたまま誕生した男児がいる。
どんなに取ろうとしても、外れないことから、両親はご先祖に倣って、マクシミリアン2世と名付けることにする。
初代と同様、頭脳明晰で、マクシミリアンに解けない問題は存在しないと評される。
シャルパンティア家は、代々、宰相の家系で現当主が、宰相をしている。
マクシミリアン2世のリングの対となる令嬢が見つからないのだ。シャルパンティア夫人は、同じ年頃の貴族令嬢の赤ちゃんの時に、珊瑚のお見舞いとして、ずいぶん、令嬢のおむつ替えに協力しに行ったものだが、一人として、対のリングをお持ちの令嬢に出会うことはなかったのである。
大きくなれば、お互いが勝手に惹かれあうのがリングの力だとしか教わっていない。もし、リングの相手が見つからなければ、マクシミリアンは一生結婚できず、廃嫡せざるを得なくなってしまう。恐ろしい呪いのリングでもある。
学園に入学する年頃になっても、マクシミリアンは、同い年の令嬢どころか、すべての女性に対して心を閉ざしているように見受けられる。
父は、マクシミリアンは男色ではないかと疑いを持つが、男色であろうとなかろうと、リングの女性でなければ、根元から折れてしまうか、ちぎれてしまうの2択なので、無理に女性と引き合わせることはしない。
閨教育もできないが、もしリングの女性が見つかれば、問題なくできるのだろうか?という不安もある。
何はともあれ、学園の3年生になった時、隣国から留学生がやってきた。彼女の名前は、ミッシェル・アインシュタイン。ご先祖様と同じ名前にマクシミリアンは興味を示す。
ミッシェルに興味があるのは、マクシミリアンだけではなかったのだ。王太子殿下と、その側近連中も、彼女に関心がある素振りを示しているが、彼女は、その気がないように思えたのだ。
マクシミリアンは、本来なら、王太子殿下の側近となるべきところ、リングのせいで、側近になることを辞退したのだ。側近になれば、殿下が飽きてしまった女性の相手をしなければならない。その時にリングがあると、マクシミリアンは不能にならざるを得なくなるので、辞退させてもらったのだ。
王太子殿下は、女癖が悪く、手当たり次第に女子生徒と関係を持たれる。その後始末に筆頭公爵の嫡男は走り回っているのだ。
ある日の放課後、ミッシェルが中庭に一人でいるのを見かけ、思い切って声をかけてみた。
「こんにちは。」
気のせいか、なんとなくミッシェルのカラダからいい匂いがする。ずっと嗅いでいたいような?男を惑わす危険な匂いのような気もした。
「学園には、もう慣れましたか?」
「ええ。おかげさまで。ここには知り合いがいないので、気持ちが楽ですわ。」
「どうして、留学を?」
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「だったら、私とお友達になっていただけませんか?私も故あって、女性とお付き合いが難しいのです。でも、お友達なら、たぶん問題なく行けると思いますし、それに何より、アナタのお名前はウチのご先祖様のお名前と同じなのです。」
「まぁ!そんな偶然あるのですか?実は、我が家のご先祖様にもマクシミリアン様という方がおいでですの。」
それからは、放課後になると中庭や、図書館で逢瀬を愉しむようになっていく。
逢瀬と言っても、デートではない。他愛ない世間話をするだけだったが、マクシミリアンに取り、初めての女性の友達にワクワクしたのも事実。
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