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5.マクシミリアン
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どう見ても、アイリス様の形勢が不利。どうして、そこまでやらなければならないのかしら?
結局、アイリス様は、1か月間の停学処分になられたわ。お気の毒ね。それを機会に、しばらく隣国へ留学されるみたい。公爵家も停学では、外聞が悪いので、急遽決まったことみたいだった。
こういう時に王太子殿下が点数稼ぎすべきものと思っているのに、王太子殿下は、もはやミッシェルとセックスすることだけに夢中になり、腑抜けになってしまわれた。
男爵令嬢リリアーヌの気持ちもわからないではない、せっかく乙女ゲームの世界に転生したのに、全然、攻略対象者の注目を集められず、アイリスを煽るも、どこかもどかしさを感じざるを得ない状況。
それにしても、最近、放課後になると確かに王太子殿下一人が姿をくらませられる。いったい、どこに行っておられるのか?
まあ、リリアーヌからすれば、王太子が不在でも、他の攻略対象者を狙えればいいだけの話だけど、やっぱり、ここは玉の輿を狙いたいもの。
殿下の取り巻き連中も、放課後になると、頻繁に姿をくらませる殿下のことを心配している。
「いたか?」
首を振っているのは、騎士団長の息子のカール・ブルゴーニョ、聞いていたのは、宰相の息子のマクシミリアン・パルシャンティア。
頭脳明晰で、マクシミリアンに解決できない問題はないと評される人物。銀髪銀眼で、王太子と人気を二分しているイケメンなのだ。
「いったい、どこに行かれたのだろうか?」
そこへノー天気な声がかかる。
「マクシミリアン様ぁ、あの……お勉強を見てもらいたいのですけどぉ、今、大丈夫でしょうかぁ?」
「あ“?今は、忙しいので、また、後でな。」
くるりと背を向け、冷たくあしらうも、女子生徒から、さすがに絶大な人気を博しているだけのことはあり、さりげない気配りもできる。
近くにいた職員に、リリアーヌ嬢が勉強を見てほしいと言われているので、教員に連絡を頼むと言っているのだ。
そういうところがモテる男は違うのだろうな。感心していると、なぜかそのマクシミリアン様が、ミッシェルに気が付いて、近寄ってこられた。
「君は、確か、カフェで倒れた女子生徒だね?すまないが王太子殿下を見かけなかっただろうか?」
ええ。先ほどまで一緒に乳繰り合っていました。とは、とても言えない。
「見かけたら、お知らせしますね。」
去ろうとしたところ、腕を掴まれ、引き戻される。
げ!気づかれた?さっきまで、王太子殿下のモノがミッシェルのナカに入っていたから?
「何やら、アナタから、いい匂いがしますね。男を惑わすようないい匂いがします。あ!これは、とんだ失礼なことを言ってしまいました。どうか、お許しを。良ければ、そこのカフェで、お茶でもいかがですか?」
驚いた!こんなイケメンが、ナンパするとは、思ってもみなかったことで……。
「ええ。喜んで、ご馳走してくださるのなら、参りますわよ?」
「もちろんです。さ、行きましょう。」
カフェに行くはずが、どういうわけか、理科室に連れ込まれ、マクシミリアン様は、入り口で何重もの魔法をかけられている。
「あの……、お茶するのではなかったのですか?」
「うむ。そのつもりだったのだが、どうにも我慢が出来なくなってしまって、申し訳ない。君は、確か、ミッシェル・アインシュタイン侯爵令嬢だったね?」
「はい。そうですが……?」
「だったら、問題ないよね?」
「は?何が……。……ふっ。」
不意に、マクシミリアン様に唇を塞がれてしまう。
え?え!え!? どういうこと?問題ないって、どういう意味?
こっちは、大アリなんですけどー!
「騒いでも無駄だ。この部屋に防音魔法と隠ぺい魔法をかけ、しかも視覚誤認魔法と人払い魔法まで重ねがけしたから、叫んでも誰も来ないよ。つまり、ここにいるのは、君と僕の二人だけだってことさ。」
結局、アイリス様は、1か月間の停学処分になられたわ。お気の毒ね。それを機会に、しばらく隣国へ留学されるみたい。公爵家も停学では、外聞が悪いので、急遽決まったことみたいだった。
こういう時に王太子殿下が点数稼ぎすべきものと思っているのに、王太子殿下は、もはやミッシェルとセックスすることだけに夢中になり、腑抜けになってしまわれた。
男爵令嬢リリアーヌの気持ちもわからないではない、せっかく乙女ゲームの世界に転生したのに、全然、攻略対象者の注目を集められず、アイリスを煽るも、どこかもどかしさを感じざるを得ない状況。
それにしても、最近、放課後になると確かに王太子殿下一人が姿をくらませられる。いったい、どこに行っておられるのか?
まあ、リリアーヌからすれば、王太子が不在でも、他の攻略対象者を狙えればいいだけの話だけど、やっぱり、ここは玉の輿を狙いたいもの。
殿下の取り巻き連中も、放課後になると、頻繁に姿をくらませる殿下のことを心配している。
「いたか?」
首を振っているのは、騎士団長の息子のカール・ブルゴーニョ、聞いていたのは、宰相の息子のマクシミリアン・パルシャンティア。
頭脳明晰で、マクシミリアンに解決できない問題はないと評される人物。銀髪銀眼で、王太子と人気を二分しているイケメンなのだ。
「いったい、どこに行かれたのだろうか?」
そこへノー天気な声がかかる。
「マクシミリアン様ぁ、あの……お勉強を見てもらいたいのですけどぉ、今、大丈夫でしょうかぁ?」
「あ“?今は、忙しいので、また、後でな。」
くるりと背を向け、冷たくあしらうも、女子生徒から、さすがに絶大な人気を博しているだけのことはあり、さりげない気配りもできる。
近くにいた職員に、リリアーヌ嬢が勉強を見てほしいと言われているので、教員に連絡を頼むと言っているのだ。
そういうところがモテる男は違うのだろうな。感心していると、なぜかそのマクシミリアン様が、ミッシェルに気が付いて、近寄ってこられた。
「君は、確か、カフェで倒れた女子生徒だね?すまないが王太子殿下を見かけなかっただろうか?」
ええ。先ほどまで一緒に乳繰り合っていました。とは、とても言えない。
「見かけたら、お知らせしますね。」
去ろうとしたところ、腕を掴まれ、引き戻される。
げ!気づかれた?さっきまで、王太子殿下のモノがミッシェルのナカに入っていたから?
「何やら、アナタから、いい匂いがしますね。男を惑わすようないい匂いがします。あ!これは、とんだ失礼なことを言ってしまいました。どうか、お許しを。良ければ、そこのカフェで、お茶でもいかがですか?」
驚いた!こんなイケメンが、ナンパするとは、思ってもみなかったことで……。
「ええ。喜んで、ご馳走してくださるのなら、参りますわよ?」
「もちろんです。さ、行きましょう。」
カフェに行くはずが、どういうわけか、理科室に連れ込まれ、マクシミリアン様は、入り口で何重もの魔法をかけられている。
「あの……、お茶するのではなかったのですか?」
「うむ。そのつもりだったのだが、どうにも我慢が出来なくなってしまって、申し訳ない。君は、確か、ミッシェル・アインシュタイン侯爵令嬢だったね?」
「はい。そうですが……?」
「だったら、問題ないよね?」
「は?何が……。……ふっ。」
不意に、マクシミリアン様に唇を塞がれてしまう。
え?え!え!? どういうこと?問題ないって、どういう意味?
こっちは、大アリなんですけどー!
「騒いでも無駄だ。この部屋に防音魔法と隠ぺい魔法をかけ、しかも視覚誤認魔法と人払い魔法まで重ねがけしたから、叫んでも誰も来ないよ。つまり、ここにいるのは、君と僕の二人だけだってことさ。」
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