71 / 76
新しい出会い
71.懐妊
しおりを挟む
夏休みが終わり、明日から学園だというその日に、ジャクリーンは重大なことを思い出す。
それは、夏休みの間、一度も女の子の日になっていなかったということ。本来ならお盆前後に……いや、この世界でお盆はない。8月16日頃に来るべきはずのものが来ていないということをすっかり忘れていた。
ひょっとして、妊娠できたかもしれない。でも、そうなればシャルマン様の子供という可能性も否めない。
夏休みに入り、10日間ほど、2週間ぐらいだったかな?毎日、抜かずの3発をされていたはず、朝まで繋がったままというのもザラにあったから、その種なしだったかどうかはわからない。
これまたややこしい話になってきたと思うわ。とにかく妊娠検査薬を買ってこなきゃ、話にならない。
クローゼットの中のマンションを通り、本郷近くのドラッグストアで検査薬を買ってみる。
おしっこを検査薬にかけるだけ、その後蓋をして3分間待つと(ラーメンみたい?)要請か淫成果の反応が出る。これは生理日が過ぎると急速におしっこの中のhCG(ヒト絨毛性性線刺激ホルモン)というホルモン分泌量が増えることにより、着床の有無を調べるというもの。
結果は、やはり陽性だった。最後の生理日から逆算すると妊娠6週目あたり、2か月というところ。
いきなりレバトリー公爵に言うのも変だし、アルフレッド様とシャルマン様からレバトリー公爵様に行ってもらえるようにしようか?
マンションから領地の執務室に行くと、シャルマン様はまだ、お仕事中だったけど、
「シャルマン様、あの……、お話があります。」
「どうした?何かあったか?」
いつものように、穏やかで優しい笑顔にホッとする。
妊娠したことを告げると、
「おめでとう。アルフレッドには、もう言ったか?」
「いえ、まだです。シャルマン様が父親の可能性も出てきたので、先にシャルマン様にお伝えしようと思ったわけです。」
「え?そうなのか?それなら嬉しいのだが、俺は種無しだと思っていたから諦めていたのだよ。どうして、俺の種だとわかるのか?」
「はっきりとは、わかりませんが、着床、いえ妊娠の時期を逆算していくと、その可能性もあると思って。」
最後の方は、消え入るような小さな声になっていく。
「そうか。妊娠の時期を逆算することができるのか?やはり異世界の医学は進んでいるようだな。俺の方から父に言っておくよ。カラダを大切にして、早く眠るがいいよ。」
マンションを通り、モデルルームの中に入ると、すでにアルフレッド様がいらした。妊娠のことはまだ、話していないのに、どうやら夜伽目的で来られているみたい。
「アルフレッド様、少しお話があります。」
「うん。いいよ。今夜も異世界へ行く?」
「その前に、懐妊しました。」
「え!本当に。嬉しいな。俺もやっと父親になれるのか……。」
まだ、アルフレッド様のお子かどうかわからないのに、すっかりはしゃいでらっしゃるので言いにくい。
もう、このモデルルームに足を踏み入れていいかどうかも迷っているというのに、アルフレッド様は、今日も、やる気満々のご様子。
その頃、王都のタウンハウスでレバトリー公爵が苦悶の表情を浮かべている。
ジャクリーン懐妊の知らせがシャルマン様よりもたらされ、その種がシャルマンの可能性が高いと知らされたからである。
レバトリー公爵は、公爵家として、アルフレッドの子種であろうが、シャルマンの子種であろうが、レバトリー家の世継ぎとして、孫として、なんら変わりがないと思っていたのだが、もし生まれてきた子が聖女様のおっしゃる通り、シャルマンの子で茶髪茶色の瞳であった場合、兄弟仲が悪くなることは目に見えている。
しかもアルフレッドに夜伽を命じたのは、自分であるから、今更聖女様に手を出すなとは、言いにくい。いつまで経っても懐妊なさらぬようなら、自分も聖女様を抱く気でいたぐらいだから、シャルマンの種で妊娠できるのなら、早く言ってよ。と言いたいところだ。
後は、聖女様がうまく立ち回ってくれることを祈るしかない。他力本願になって申し訳ないが、公爵家の嫡男と次男が殺し合いをすることになりかねない事態だけは避けたい。
それに公爵自身も、聖女様をこの腕に抱いていたならば、嫡男から殺されかねない恨みを抱かせてしまうところだったのだ。この世界、男性の浮気は容認されるようなところがあるが、女性の浮気は絶対許されない。それをアルフレッドに夜伽を命令させてまで、聖女様を懐妊させたかったのであるが、これでは本末転倒の事態を引き起こしたのは、すべて家長である自分の責任になる。
聖女様にお子が生まれたら、シャルマンに家督を譲り隠居を願い出ようとするか?
シャルマン自身も信じられないと思っていたが、今、妊娠6週目だと言われれば、6週間前、確かにその頃は、シャルマン歯科抱いていなかったので、信じるしか仕方がない。
やっぱり楽しいからと言って、異世界のオモチャ、コンドームばかりを使っていたので懐妊が遅れただけだとわかり、ホッとしている。これで男として、不能者でないということがハッキリしたのだから。
それは、夏休みの間、一度も女の子の日になっていなかったということ。本来ならお盆前後に……いや、この世界でお盆はない。8月16日頃に来るべきはずのものが来ていないということをすっかり忘れていた。
ひょっとして、妊娠できたかもしれない。でも、そうなればシャルマン様の子供という可能性も否めない。
夏休みに入り、10日間ほど、2週間ぐらいだったかな?毎日、抜かずの3発をされていたはず、朝まで繋がったままというのもザラにあったから、その種なしだったかどうかはわからない。
これまたややこしい話になってきたと思うわ。とにかく妊娠検査薬を買ってこなきゃ、話にならない。
クローゼットの中のマンションを通り、本郷近くのドラッグストアで検査薬を買ってみる。
おしっこを検査薬にかけるだけ、その後蓋をして3分間待つと(ラーメンみたい?)要請か淫成果の反応が出る。これは生理日が過ぎると急速におしっこの中のhCG(ヒト絨毛性性線刺激ホルモン)というホルモン分泌量が増えることにより、着床の有無を調べるというもの。
結果は、やはり陽性だった。最後の生理日から逆算すると妊娠6週目あたり、2か月というところ。
いきなりレバトリー公爵に言うのも変だし、アルフレッド様とシャルマン様からレバトリー公爵様に行ってもらえるようにしようか?
マンションから領地の執務室に行くと、シャルマン様はまだ、お仕事中だったけど、
「シャルマン様、あの……、お話があります。」
「どうした?何かあったか?」
いつものように、穏やかで優しい笑顔にホッとする。
妊娠したことを告げると、
「おめでとう。アルフレッドには、もう言ったか?」
「いえ、まだです。シャルマン様が父親の可能性も出てきたので、先にシャルマン様にお伝えしようと思ったわけです。」
「え?そうなのか?それなら嬉しいのだが、俺は種無しだと思っていたから諦めていたのだよ。どうして、俺の種だとわかるのか?」
「はっきりとは、わかりませんが、着床、いえ妊娠の時期を逆算していくと、その可能性もあると思って。」
最後の方は、消え入るような小さな声になっていく。
「そうか。妊娠の時期を逆算することができるのか?やはり異世界の医学は進んでいるようだな。俺の方から父に言っておくよ。カラダを大切にして、早く眠るがいいよ。」
マンションを通り、モデルルームの中に入ると、すでにアルフレッド様がいらした。妊娠のことはまだ、話していないのに、どうやら夜伽目的で来られているみたい。
「アルフレッド様、少しお話があります。」
「うん。いいよ。今夜も異世界へ行く?」
「その前に、懐妊しました。」
「え!本当に。嬉しいな。俺もやっと父親になれるのか……。」
まだ、アルフレッド様のお子かどうかわからないのに、すっかりはしゃいでらっしゃるので言いにくい。
もう、このモデルルームに足を踏み入れていいかどうかも迷っているというのに、アルフレッド様は、今日も、やる気満々のご様子。
その頃、王都のタウンハウスでレバトリー公爵が苦悶の表情を浮かべている。
ジャクリーン懐妊の知らせがシャルマン様よりもたらされ、その種がシャルマンの可能性が高いと知らされたからである。
レバトリー公爵は、公爵家として、アルフレッドの子種であろうが、シャルマンの子種であろうが、レバトリー家の世継ぎとして、孫として、なんら変わりがないと思っていたのだが、もし生まれてきた子が聖女様のおっしゃる通り、シャルマンの子で茶髪茶色の瞳であった場合、兄弟仲が悪くなることは目に見えている。
しかもアルフレッドに夜伽を命じたのは、自分であるから、今更聖女様に手を出すなとは、言いにくい。いつまで経っても懐妊なさらぬようなら、自分も聖女様を抱く気でいたぐらいだから、シャルマンの種で妊娠できるのなら、早く言ってよ。と言いたいところだ。
後は、聖女様がうまく立ち回ってくれることを祈るしかない。他力本願になって申し訳ないが、公爵家の嫡男と次男が殺し合いをすることになりかねない事態だけは避けたい。
それに公爵自身も、聖女様をこの腕に抱いていたならば、嫡男から殺されかねない恨みを抱かせてしまうところだったのだ。この世界、男性の浮気は容認されるようなところがあるが、女性の浮気は絶対許されない。それをアルフレッドに夜伽を命令させてまで、聖女様を懐妊させたかったのであるが、これでは本末転倒の事態を引き起こしたのは、すべて家長である自分の責任になる。
聖女様にお子が生まれたら、シャルマンに家督を譲り隠居を願い出ようとするか?
シャルマン自身も信じられないと思っていたが、今、妊娠6週目だと言われれば、6週間前、確かにその頃は、シャルマン歯科抱いていなかったので、信じるしか仕方がない。
やっぱり楽しいからと言って、異世界のオモチャ、コンドームばかりを使っていたので懐妊が遅れただけだとわかり、ホッとしている。これで男として、不能者でないということがハッキリしたのだから。
0
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる