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新しい出会い
42.アルフレッド1
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シャルマン様の弟のアルフレッドと同じクラスになったことをきっかけに少しずつだが、義弟として、距離は縮まっていく。
というのも、最近は、休みの日のたびに、シャルマン様はバラエティ番組に収録のため異世界ニッポンへは行かれるが、ジャクリーンとのデートはおざなりになりつつある。交際が始まって1年が過ぎたから、ちょうど倦怠期の真っ最中なのかもしれないけれど、ちょっとジャクリーンは寂しい思いをしている。
そのかわり、異世界ニッポンでのボディガードにと名乗り出てくれたのが、アルフレッド君。
アルフレッドも、開通して以来の異世界にワクワクしている。あの時は、初めて大学へ行った時のこと、学食へ行って、山盛りご飯に驚いた経験がある。
異世界は楽しい。レバトリー家の人間の共通の認識。でも、いつも兄のシャルマンが聖女様を独り占めにして、婚約者だから仕方がないとしても、異世界へなかなか連れて行ってもらえない。
だから兄が聖女様のお相手をしていないときぐらいは、自分が代わりにお守りしてもいいのではないかと思うようになったのだ。
でも異世界に一人で行くのは、心細い。言葉が通じまい。だから聖女様と一緒なら安心して行けるということもある。
聖女様からの呼び出しで、学園の中庭に行くと、いつの間にか食堂のような?建物が立っている。先ほどまでは、確かになかった建物だが、その前に聖女様が立っておられる。
「中へ。」
入ってみると、そこは聖女様の領地へ、いつの間にか行っていた。
「制服のままでは行けないから、ここで着替えてから行くわね。」
ファッション雑誌を何冊か手渡され、何が期待?と聞かれる。驚いたことにその雑誌の中に兄のシャルマンが映っていることだった。
「ああ、それね。シャルマン様が出ていらっしゃるのよ。渋谷でスカウトされたことがきっかけで、今やテレビに雑誌にと人気者になっていらっしゃるわ。アルフレッド様も、そんなのに興味ある?」
「……。」
正直なところ、よくわからないから返事のしようがない。
「どっちにしたって、まずはニッポン語を覚えなきゃね。」
「とにかく今、お兄様が来ているものをそのまま出すから着てみて。」
アルフレッド君の方がシャルマン様よりも伸び伸びと育ったせいか?背が高い。肩幅も広いからXLサイズのものを出してみると、これがまたよく似合う。かっこいい。
どちらかというとシャルマン様は文官肌で、アルフレッド君は部とはナノだ。だから体格が違う。
攻略対象の一人、エドモンドの取り巻き連中のニコラス・マキャベリ騎士団長の三男と一緒に、よく剣の鍛錬をしているところを見かける。
攻略対象は、エドモンドを除いて、みんな比較的いい子ばかり、エドモンドを際立たせるため、モブ扱いが気の毒になるくらいだ。
そのせいで、いつでもジャクリーン・アナザーライトが悪役令嬢になってしまうのだけど。そもそも浮気者のエドモンドがいけない。エドモンドが婚約者だけを見ないから、悪役令嬢に仕立て上げられてしまう。
だからもう二度とエドモンドの婚約者にはならない。この先何度、婚約者候補になったとしても断り続けるつもりでいる。
だから今世では、アルフレッド君に幸せになってもらいたい。
でもそれでは、乙女ゲームは成立しないだろう。ヒロインは略奪愛をしなければハッピーエンドにならないから、Game Clearにならない。
そもそも乙女ゲームの設定がおかしいと思う。開発者は、きっとモテない喪男に決まっていると思う。
他人の不幸せの上に真実の幸せは存在しない。
こんな当たり前のことさえ理解できない不心得者がGameを作っているから、こういうことになるのだ。
ここで怒り心頭になっても仕方がないから、さっさとレバトリー家に行く。待てよ?この領地からしょっちゅう本郷の大学へ行っているから、いちいちレバトリー家を通さなくてもいいような気がしてきた。
でも、アルフレッド君は、れっきとしたレバトリー家のご令息だから、やっぱりここは手順を踏んだ方が間違いはない。
思い直して、レバトリー家へ向かう。
珍しく玄関に着き、一応ベルを鳴らす。アルフレッド君と一緒だから、別にいいのだけど、彼にとっては、「ただいま」と言って帰れる家なのだから。
「あら、お珍しい若奥様、今日は、旦那様はお留守でございますが……。アルフレッド坊ちゃま、おかえりなさいませ。」
「これからアルフレッド様と異世界へ行くのだけど、何か御用事あるかと思って。」
「少々、お待ちいただけますか?中へ入って、お待ちください。」
玄関から入ったのは、正々堂々とアルフレッド様を連れ歩くことへの口実のため、後からシャルマン様に聞かれても、気を悪くされないための心遣いなのだ。自分の婚約者が弟と二人きりで出かけたとなれば、少しぐらいはヤキモチ焼いて、くださるかもしれないけど、それはそれで嬉しいことだけど、この乙女ゲームの世界では、まだまだふしだらと言われる世界なので、アリバイのため、レバトリー家を訪ねたのだ。
というのも、最近は、休みの日のたびに、シャルマン様はバラエティ番組に収録のため異世界ニッポンへは行かれるが、ジャクリーンとのデートはおざなりになりつつある。交際が始まって1年が過ぎたから、ちょうど倦怠期の真っ最中なのかもしれないけれど、ちょっとジャクリーンは寂しい思いをしている。
そのかわり、異世界ニッポンでのボディガードにと名乗り出てくれたのが、アルフレッド君。
アルフレッドも、開通して以来の異世界にワクワクしている。あの時は、初めて大学へ行った時のこと、学食へ行って、山盛りご飯に驚いた経験がある。
異世界は楽しい。レバトリー家の人間の共通の認識。でも、いつも兄のシャルマンが聖女様を独り占めにして、婚約者だから仕方がないとしても、異世界へなかなか連れて行ってもらえない。
だから兄が聖女様のお相手をしていないときぐらいは、自分が代わりにお守りしてもいいのではないかと思うようになったのだ。
でも異世界に一人で行くのは、心細い。言葉が通じまい。だから聖女様と一緒なら安心して行けるということもある。
聖女様からの呼び出しで、学園の中庭に行くと、いつの間にか食堂のような?建物が立っている。先ほどまでは、確かになかった建物だが、その前に聖女様が立っておられる。
「中へ。」
入ってみると、そこは聖女様の領地へ、いつの間にか行っていた。
「制服のままでは行けないから、ここで着替えてから行くわね。」
ファッション雑誌を何冊か手渡され、何が期待?と聞かれる。驚いたことにその雑誌の中に兄のシャルマンが映っていることだった。
「ああ、それね。シャルマン様が出ていらっしゃるのよ。渋谷でスカウトされたことがきっかけで、今やテレビに雑誌にと人気者になっていらっしゃるわ。アルフレッド様も、そんなのに興味ある?」
「……。」
正直なところ、よくわからないから返事のしようがない。
「どっちにしたって、まずはニッポン語を覚えなきゃね。」
「とにかく今、お兄様が来ているものをそのまま出すから着てみて。」
アルフレッド君の方がシャルマン様よりも伸び伸びと育ったせいか?背が高い。肩幅も広いからXLサイズのものを出してみると、これがまたよく似合う。かっこいい。
どちらかというとシャルマン様は文官肌で、アルフレッド君は部とはナノだ。だから体格が違う。
攻略対象の一人、エドモンドの取り巻き連中のニコラス・マキャベリ騎士団長の三男と一緒に、よく剣の鍛錬をしているところを見かける。
攻略対象は、エドモンドを除いて、みんな比較的いい子ばかり、エドモンドを際立たせるため、モブ扱いが気の毒になるくらいだ。
そのせいで、いつでもジャクリーン・アナザーライトが悪役令嬢になってしまうのだけど。そもそも浮気者のエドモンドがいけない。エドモンドが婚約者だけを見ないから、悪役令嬢に仕立て上げられてしまう。
だからもう二度とエドモンドの婚約者にはならない。この先何度、婚約者候補になったとしても断り続けるつもりでいる。
だから今世では、アルフレッド君に幸せになってもらいたい。
でもそれでは、乙女ゲームは成立しないだろう。ヒロインは略奪愛をしなければハッピーエンドにならないから、Game Clearにならない。
そもそも乙女ゲームの設定がおかしいと思う。開発者は、きっとモテない喪男に決まっていると思う。
他人の不幸せの上に真実の幸せは存在しない。
こんな当たり前のことさえ理解できない不心得者がGameを作っているから、こういうことになるのだ。
ここで怒り心頭になっても仕方がないから、さっさとレバトリー家に行く。待てよ?この領地からしょっちゅう本郷の大学へ行っているから、いちいちレバトリー家を通さなくてもいいような気がしてきた。
でも、アルフレッド君は、れっきとしたレバトリー家のご令息だから、やっぱりここは手順を踏んだ方が間違いはない。
思い直して、レバトリー家へ向かう。
珍しく玄関に着き、一応ベルを鳴らす。アルフレッド君と一緒だから、別にいいのだけど、彼にとっては、「ただいま」と言って帰れる家なのだから。
「あら、お珍しい若奥様、今日は、旦那様はお留守でございますが……。アルフレッド坊ちゃま、おかえりなさいませ。」
「これからアルフレッド様と異世界へ行くのだけど、何か御用事あるかと思って。」
「少々、お待ちいただけますか?中へ入って、お待ちください。」
玄関から入ったのは、正々堂々とアルフレッド様を連れ歩くことへの口実のため、後からシャルマン様に聞かれても、気を悪くされないための心遣いなのだ。自分の婚約者が弟と二人きりで出かけたとなれば、少しぐらいはヤキモチ焼いて、くださるかもしれないけど、それはそれで嬉しいことだけど、この乙女ゲームの世界では、まだまだふしだらと言われる世界なので、アリバイのため、レバトリー家を訪ねたのだ。
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