前世記憶持ちの悪役令嬢は聖女様呼ばわりされることが嫌で嫌で仕方がない~乙女ゲームのヒロインにゲームクリアしてもらうために奮闘する

青の雀

文字の大きさ
上 下
32 / 76
新しい出会い

32.毛羽たき

しおりを挟む
 ジャクリーンは、レバトリー家の領地で絶大な人気を博している。

 私財をなげうって、見たこともないフルーツの栽培に尽力してくれていることと、自分たちの生活が少しでも楽になるように、と身を粉にして、働いている姿に、領民は感銘を覚えている。

 そして、領民は、ジャクリーンのことを次第に聖女様と呼ぶようになった。

 「だから違うって、言っているでしょ?わたくしは、女医ではあるけれど、聖女様では決してございませんの。」

 「いいじゃないか?領民がそうやって、ジャッキーのことを慕ってくれているのだから。」

 「でも、いずれ本物の聖女様が出てこられたときに、このニセモノ!とか言われて、処刑されたら困るもの。」

 「もし、本物の聖女様が現れたとしても、ジャッキーの今までの行いは、聖女様以上なものだから、二人聖女として容認されるよ。」

 「いやいやいやいや。世の中、そんな甘いものではございませんことよ。きっと、断罪されることになるわ。」

 「もし、断罪されるようなことになったら、俺が必ず身の潔白を証明してやるから心配しないで、こっちにおいで。」

 お言葉は大変うれしい。でも、これからまた激しく抱かれるのかと思うと、少々コワイ。シャルマン様はどちらかと言えば、淡白な方だと思っていたが、知り合って半年、どんどんセックスがエスカレートしてこられる。

 考えてみれば、まだ高校生なのだから、これから10年間は、激しいばかりのセックスになるだろう。

 でもそれでは、さくらの記憶があるおばちゃんは、身が持たない。コンドームがあるから、妊娠の危険性は少なくなったとはいえ、もうアソコはヒリヒリと悲鳴をあげつづけている。

 「あの……、誰か愛人を作られたらいかがでしょうか?夜伽用の女性を傍に置かれたら……。」

 「そんなことできるわけがないだろう?俺は心からジャクリーンを愛しているのだよ。ジャクリーン以外の女性を傍に置きたいと思っていないし、ジャッキー以外の女性ではダメなのだよ。それとも、ジャッキーはもう俺に飽きてしまって、誰かほかの男が欲しいのか?」

 フルフルと大きくかぶりを振る。

 「わたくしも、シャルマン様のことは大好きです。愛しています。シャルマン様以外の男性を好きになどなれるはずはございません。」

 「それなら……。」

 結局、シャルマン様の腕に捕まってしまった。

 唇を吸われ、歯をこじ開けられて、舌をからめとられる。もう、息ができないほどの激しいキス。

 ドレスの上から、胸をわしづかみにされ、揉まれる。

 あんなにヒリヒリしていたのに、もう下半身が疼いてきて、早く入れてほしいと強請っている。

 そんな心とカラダの反応が違うことにジャクリーンは戸惑いつつも、結局、カラダが買ってしまう。欲望には抗えないのだ。

 もう四十八手も残りわずかで、今では、もうヤったという体位をシャルマン様は好んで、何度も抱かれている。

 微妙に角度が違うだけで快感ポイントが増える。それはシャルマン様にも言えることなのだろう。新しい体位を試すことより、より深く結びつきがある体位を好まれるようだ。

 思えばシャルマン様とロストバージンの時も、対面座位で、変わった体位からヤってしまったわけで。もう今更感かもしれない。基本的にシャルマン様は、初めての時の影響からか、対面で向かい合って、がお好みのよう。より深いところまで繋がり、二人の肌が隙間なく密着しているところがお好きみたい。

 ジャクリーンも後ろから包み込まれるようなセックスよりも、シャルマン様と向かい合っての方がなんとなく落ち着く。

 今日も今日とて、まずはクンニから始まり、両足をシャルマン様の両肩に持ち上げられてのインサートに始まり、上体を抱き起されて向かい合っての対面座位、この体位で特に好まれるところは、感じすぎて、ジャクリーンが状態をのけ反らすと、正面にジャクリーンのおっぱいが誘うように揺れる。これをシャルマン様は思う存分堪能できるから、好きだという。

 最後はのけ反ったままのジャクリーンに覆いかぶさり、正常位でフィニッシュを決めるというパターンが、最近は、特にお好みらしい。

 今日もそのパターンだと半ばあきらめていたが、正常位には移行せず、シャルマン様の膝からいったん降ろされ、新しいコンドームを装着されて、なぜか、ジャクリーンの両手両足を紐で括られる。

 え?なんとなくイヤな予感がする。四十八手の中の一手らしいが、シャルマン様は、ジャクリーンを縛ったまま、どこかへ行かれてしまう。

 まさか、放置プレイ?

 戻ってこられたシャルマン様はきちんと着衣されている。そして、手には1本の毛羽たきがある。

 「うそ!まさかと思うけど、それで全身をくすぐる気でいるの?」

 「そうだよ、さっき、俺に夜伽用の女を勧めたからお仕置きが必要だと思ってね。」

 「いや、やめて。」

 「大丈夫さ。すぐに気持ちよくなる。」

 最初は、くすぐったいだけだったが、すぐに喘ぎ声をあげるほど気持ちよくなってくる。それに加えて、ジャクリーンの敏感なところを手で、指で、舌で、とことん攻めまくられる。

 「お願い。も、もうシャル様のが欲しい。」

 「まだだ。もう二度とあんなこと言わないと誓え!」

 「誓う。誓います。シャル様はわたくしだけの夫ですもの。わたくし以外の女を抱かないで。」

 「よく言えました。」

 シャルマン様はズボンを脱ぎ、下半身をあらわにして、ジャクリーンの膝をおっぱいに近づけるように屈伸させたまま、そこにズプリと刺された。

 ひとしきり、腰を動かされた後、再び、毛羽たき地獄がジャクリーンを襲う。これを何度も繰り返され、しまいに失神してしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

結婚しましたが、愛されていません

うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。 彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。 為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……

悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。 二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。 けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。 ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。 だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。 グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。 そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...