前世記憶持ちの悪役令嬢は聖女様呼ばわりされることが嫌で嫌で仕方がない~乙女ゲームのヒロインにゲームクリアしてもらうために奮闘する

青の雀

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新しい出会い

32.毛羽たき

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 ジャクリーンは、レバトリー家の領地で絶大な人気を博している。

 私財をなげうって、見たこともないフルーツの栽培に尽力してくれていることと、自分たちの生活が少しでも楽になるように、と身を粉にして、働いている姿に、領民は感銘を覚えている。

 そして、領民は、ジャクリーンのことを次第に聖女様と呼ぶようになった。

 「だから違うって、言っているでしょ?わたくしは、女医ではあるけれど、聖女様では決してございませんの。」

 「いいじゃないか?領民がそうやって、ジャッキーのことを慕ってくれているのだから。」

 「でも、いずれ本物の聖女様が出てこられたときに、このニセモノ!とか言われて、処刑されたら困るもの。」

 「もし、本物の聖女様が現れたとしても、ジャッキーの今までの行いは、聖女様以上なものだから、二人聖女として容認されるよ。」

 「いやいやいやいや。世の中、そんな甘いものではございませんことよ。きっと、断罪されることになるわ。」

 「もし、断罪されるようなことになったら、俺が必ず身の潔白を証明してやるから心配しないで、こっちにおいで。」

 お言葉は大変うれしい。でも、これからまた激しく抱かれるのかと思うと、少々コワイ。シャルマン様はどちらかと言えば、淡白な方だと思っていたが、知り合って半年、どんどんセックスがエスカレートしてこられる。

 考えてみれば、まだ高校生なのだから、これから10年間は、激しいばかりのセックスになるだろう。

 でもそれでは、さくらの記憶があるおばちゃんは、身が持たない。コンドームがあるから、妊娠の危険性は少なくなったとはいえ、もうアソコはヒリヒリと悲鳴をあげつづけている。

 「あの……、誰か愛人を作られたらいかがでしょうか?夜伽用の女性を傍に置かれたら……。」

 「そんなことできるわけがないだろう?俺は心からジャクリーンを愛しているのだよ。ジャクリーン以外の女性を傍に置きたいと思っていないし、ジャッキー以外の女性ではダメなのだよ。それとも、ジャッキーはもう俺に飽きてしまって、誰かほかの男が欲しいのか?」

 フルフルと大きくかぶりを振る。

 「わたくしも、シャルマン様のことは大好きです。愛しています。シャルマン様以外の男性を好きになどなれるはずはございません。」

 「それなら……。」

 結局、シャルマン様の腕に捕まってしまった。

 唇を吸われ、歯をこじ開けられて、舌をからめとられる。もう、息ができないほどの激しいキス。

 ドレスの上から、胸をわしづかみにされ、揉まれる。

 あんなにヒリヒリしていたのに、もう下半身が疼いてきて、早く入れてほしいと強請っている。

 そんな心とカラダの反応が違うことにジャクリーンは戸惑いつつも、結局、カラダが買ってしまう。欲望には抗えないのだ。

 もう四十八手も残りわずかで、今では、もうヤったという体位をシャルマン様は好んで、何度も抱かれている。

 微妙に角度が違うだけで快感ポイントが増える。それはシャルマン様にも言えることなのだろう。新しい体位を試すことより、より深く結びつきがある体位を好まれるようだ。

 思えばシャルマン様とロストバージンの時も、対面座位で、変わった体位からヤってしまったわけで。もう今更感かもしれない。基本的にシャルマン様は、初めての時の影響からか、対面で向かい合って、がお好みのよう。より深いところまで繋がり、二人の肌が隙間なく密着しているところがお好きみたい。

 ジャクリーンも後ろから包み込まれるようなセックスよりも、シャルマン様と向かい合っての方がなんとなく落ち着く。

 今日も今日とて、まずはクンニから始まり、両足をシャルマン様の両肩に持ち上げられてのインサートに始まり、上体を抱き起されて向かい合っての対面座位、この体位で特に好まれるところは、感じすぎて、ジャクリーンが状態をのけ反らすと、正面にジャクリーンのおっぱいが誘うように揺れる。これをシャルマン様は思う存分堪能できるから、好きだという。

 最後はのけ反ったままのジャクリーンに覆いかぶさり、正常位でフィニッシュを決めるというパターンが、最近は、特にお好みらしい。

 今日もそのパターンだと半ばあきらめていたが、正常位には移行せず、シャルマン様の膝からいったん降ろされ、新しいコンドームを装着されて、なぜか、ジャクリーンの両手両足を紐で括られる。

 え?なんとなくイヤな予感がする。四十八手の中の一手らしいが、シャルマン様は、ジャクリーンを縛ったまま、どこかへ行かれてしまう。

 まさか、放置プレイ?

 戻ってこられたシャルマン様はきちんと着衣されている。そして、手には1本の毛羽たきがある。

 「うそ!まさかと思うけど、それで全身をくすぐる気でいるの?」

 「そうだよ、さっき、俺に夜伽用の女を勧めたからお仕置きが必要だと思ってね。」

 「いや、やめて。」

 「大丈夫さ。すぐに気持ちよくなる。」

 最初は、くすぐったいだけだったが、すぐに喘ぎ声をあげるほど気持ちよくなってくる。それに加えて、ジャクリーンの敏感なところを手で、指で、舌で、とことん攻めまくられる。

 「お願い。も、もうシャル様のが欲しい。」

 「まだだ。もう二度とあんなこと言わないと誓え!」

 「誓う。誓います。シャル様はわたくしだけの夫ですもの。わたくし以外の女を抱かないで。」

 「よく言えました。」

 シャルマン様はズボンを脱ぎ、下半身をあらわにして、ジャクリーンの膝をおっぱいに近づけるように屈伸させたまま、そこにズプリと刺された。

 ひとしきり、腰を動かされた後、再び、毛羽たき地獄がジャクリーンを襲う。これを何度も繰り返され、しまいに失神してしまった。
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