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6人目の妻 さなえ

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 それから、俺はまた研究開発に打ち込んだ。新しい空気を浄化する装置を開発した。その特許申請をする前に、大手のシャ〇プに、特許権を横取りされた。似たようなものを考えても、早い者勝ちだから仕方がない。

 しかし、シャ〇プの特許には内容に不備があり、その使用権料に対し、莫大な賠償請求がなされた。これが、シャ〇プが破綻した一因である。
 俺は、どこまで運がいいのだろう。神に感謝した。もし、その特許が俺のほうが早かったら、今まで蓄えてきた財産を一瞬で失うことばかりか、借金地獄に陥るところだった。

 俺は、その特許を完全な形に直し、再申請した。特許は認められた。

 仕事がらみで会ったさなえは、大企業の経理OLだった。使用権料の支払いについて電話で何度か問い合わせがあった後に出会う機会があった。
 日本人なのに、Fカップの巨乳だった。肌の色は透き通るような白さだった。目は二重で大きく、はっきりとした顔立ちの美形だ。さなえが勤めている会社の社長や専務から、しょっちゅう言い寄られているみたいだった。

 一目で気に入り、何度も口説いた。大企業の社長があの手この手を用いても、落ちなかった女だ。相当手ごわいと感じた俺は、探偵を雇い、さなえの身辺調査をした。
 さなえは、後妻の子だった。上に腹違いの姉2人と兄がいた。高校を出てすぐ今の会社に勤務し、最近、ローンを組んで、ファミリータイプのマンションを購入したようだった。男はいないようで、一人暮らしをしていた。

 俺はどうしても、さなえが欲しくなり、さなえの住むマンションに押し掛けた。

 オートロック式のマンションだった。
 さなえは、驚きながらも玄関ドアを開けてくれた。
 犬が2匹いて、俺を見て吠えたてられた。番犬がいたのだ。

 さなえがお茶を出してくれたので、番犬はおとなしくなった。

 その隙をついて、さなえに抱きつきキスをした。特に抵抗をしなかったので、俺はさらにエスカレートした。背中に手を回し、ブラのフォックをはずし着ているニットのセーターをまくり上げ、右手で揉んだ。

 やはり、さなえのおっぱいは大きかった。いや、大きすぎた。片手ではあり余るおっぱいを揉みしだくのに、格闘した。

「ガブ」

 夢中になっていたら、犬に噛まれた。

 主人が襲われていると思ったのだろう。実際、襲っていたが…。いったん動きを休止したら、さなえが薬箱を持ってきて、手当てしてくれた。

 「結婚を前提として、お付き合いしたい。」と申し出た。

 さなえは、快く頷いてくれた。
 それから俺は家に帰らず、さなえの部屋に入り浸った。
 さなえは、料理を作るのが上手だった。嫁さんにしたいと心から願った。

 キングサイズのダブルベッドを買って、さなえの部屋に入れた。

 さなえと入籍した1年後、さなえが病気になった。子宮がんだった。

 子宮の全摘手術をした。

 俺の子供を産めなくなったさなえは、離婚を申し出た。

 俺は慰謝料として1億円と残りのローン全額を支払った。
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