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来世:タータン国宿屋の女将として
74.学園生活
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マーチ学園の教員は女性ばかりでなく、男性教員もいるというのに、そんなふしだらな格好をしていたら、いずれ間違いが起こると危惧している。
しばらくしてから、その心配が現実のものとなる。
スケバンの中でも最も偉そうにしていた公爵令嬢のアンナ・ビリーブ。日ごろから、アンナは自分程偉いものはないと豪語している。
偉いのは、アンタじゃなくて、お父様でしょ?と言ってやりたいが、わたくし達双子には、一度も絡んでこない。要するにブサイクだから。ブスでも貴族令嬢というだけで、偉そうに他人を見下すことは許せない。
まともな共学学園を追い出されたくせに。
お尻丸出しにしていたら、どんなブスでも、どんなにモテなくても相手になる男はいるというもの。
それが理科の先生でオスマン先生、理科室でアンナを相手にイチャイチャしているのだが、音や声が廊下にまで、筒抜けになっていて、恥ずかしい声が丸聞こえになっている。
これって、教育上よろしくないことは、確かだけど……。
仕方なく生活指導の先生と学園長に連絡する。学園長は、廊下にまで響き渡っている声に顔をしかめる。
勢いよく理科室の扉を開け放った学園長は、開口一番にオスマン先生をクビにし、そのあと公爵令嬢アンナ・ビリーブを停学処分にする。
二人は盛り上がっていたところに冷水を浴びせられ、オスマン先生は一気に萎えていく。それを物欲しそうに見つめているアンナ。
学園長から制服を着るように促されたアンナは、渋々、制服を着るが、スカート丈があまりにも短いことを指摘され、退学処分になってしまう。
ビリーブ公爵は、娘が退学処分になったことで、学園長に抗議するも、
「我が学園始まって以来の不祥事でございますれば、ご理解のほどを……」
それでも一歩も引かないビリーブ公爵に、魔道具で問題の画像を見せることにした。
誰と誰の画像か、わからなかったビリーブ公爵は、それが娘の画像ということを知り、息巻く。
「おのれ!相手の男は誰だ?成敗してくれる!」
だが、学園長から制服を着るように促されたアンナの画像を見て、黙りこくってしまったのだ。
どう見ても、自分の娘が若い教師を誘惑して、コトに及んだとしか見えない。スカート丈が、異様に短過ぎる。
結局、ビリーブ公爵は娘のアンナを勘当にするも、その前にアンナは家にあるだけの宝石を持って、オスマン先生と逃げた。
だが、3か月もしないうちに、自ら修道院の門をたたく羽目になったのだ。
公爵令嬢として、何不自由なく育ったアンナには、庶民の暮らしなどできるはずもない。掃除も、洗濯も、食事の支度も満足にできない。だからと言って、セックスが格別にイイわけでもない女の行く末など知れているというもの。
オスマン先生は、アンナが持参金として持ってきた宝石をすべてネコババし、夜逃げ同然に逃げてしまったのだ。
朝になるとアンナが起き出してくる前に、金目のものをすべて持ち、この国を捨てる。
行く場所が無くなってしまったアンナは、もう修道院へ行くしかなかったのである。
アンナが退学になってからというもの、学園はいたって平和になった。他の貴族令嬢も今まで、幅を利かせていたが、アンナみたいな公爵令嬢でも、退学になるとわかってからは、めっきり大人しくなったのである。
それに制服を改造して、異様なまでのミニスカートもなくなり、冬でも、節度のあるアレンジしかしなくなった。
アイリーンとアフロディーテは、別に学園に行かなくても、十分すぎる教養はある。
でも、前世の学園生活は殊の外、楽しかったので、今世もまた通学することにしたまでだった。
この学園は、ちょっと問題があったけど、アフロディーテが石に変えるまでもなく、学園内で無事解決できてよかったと思っている。
しばらくしてから、その心配が現実のものとなる。
スケバンの中でも最も偉そうにしていた公爵令嬢のアンナ・ビリーブ。日ごろから、アンナは自分程偉いものはないと豪語している。
偉いのは、アンタじゃなくて、お父様でしょ?と言ってやりたいが、わたくし達双子には、一度も絡んでこない。要するにブサイクだから。ブスでも貴族令嬢というだけで、偉そうに他人を見下すことは許せない。
まともな共学学園を追い出されたくせに。
お尻丸出しにしていたら、どんなブスでも、どんなにモテなくても相手になる男はいるというもの。
それが理科の先生でオスマン先生、理科室でアンナを相手にイチャイチャしているのだが、音や声が廊下にまで、筒抜けになっていて、恥ずかしい声が丸聞こえになっている。
これって、教育上よろしくないことは、確かだけど……。
仕方なく生活指導の先生と学園長に連絡する。学園長は、廊下にまで響き渡っている声に顔をしかめる。
勢いよく理科室の扉を開け放った学園長は、開口一番にオスマン先生をクビにし、そのあと公爵令嬢アンナ・ビリーブを停学処分にする。
二人は盛り上がっていたところに冷水を浴びせられ、オスマン先生は一気に萎えていく。それを物欲しそうに見つめているアンナ。
学園長から制服を着るように促されたアンナは、渋々、制服を着るが、スカート丈があまりにも短いことを指摘され、退学処分になってしまう。
ビリーブ公爵は、娘が退学処分になったことで、学園長に抗議するも、
「我が学園始まって以来の不祥事でございますれば、ご理解のほどを……」
それでも一歩も引かないビリーブ公爵に、魔道具で問題の画像を見せることにした。
誰と誰の画像か、わからなかったビリーブ公爵は、それが娘の画像ということを知り、息巻く。
「おのれ!相手の男は誰だ?成敗してくれる!」
だが、学園長から制服を着るように促されたアンナの画像を見て、黙りこくってしまったのだ。
どう見ても、自分の娘が若い教師を誘惑して、コトに及んだとしか見えない。スカート丈が、異様に短過ぎる。
結局、ビリーブ公爵は娘のアンナを勘当にするも、その前にアンナは家にあるだけの宝石を持って、オスマン先生と逃げた。
だが、3か月もしないうちに、自ら修道院の門をたたく羽目になったのだ。
公爵令嬢として、何不自由なく育ったアンナには、庶民の暮らしなどできるはずもない。掃除も、洗濯も、食事の支度も満足にできない。だからと言って、セックスが格別にイイわけでもない女の行く末など知れているというもの。
オスマン先生は、アンナが持参金として持ってきた宝石をすべてネコババし、夜逃げ同然に逃げてしまったのだ。
朝になるとアンナが起き出してくる前に、金目のものをすべて持ち、この国を捨てる。
行く場所が無くなってしまったアンナは、もう修道院へ行くしかなかったのである。
アンナが退学になってからというもの、学園はいたって平和になった。他の貴族令嬢も今まで、幅を利かせていたが、アンナみたいな公爵令嬢でも、退学になるとわかってからは、めっきり大人しくなったのである。
それに制服を改造して、異様なまでのミニスカートもなくなり、冬でも、節度のあるアレンジしかしなくなった。
アイリーンとアフロディーテは、別に学園に行かなくても、十分すぎる教養はある。
でも、前世の学園生活は殊の外、楽しかったので、今世もまた通学することにしたまでだった。
この学園は、ちょっと問題があったけど、アフロディーテが石に変えるまでもなく、学園内で無事解決できてよかったと思っている。
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