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世界へ
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まりあを攫った犯人は、ストーカーの仕業だった。まりあが奇跡の女子大生と騒がれているときからのまりあのファンで、あの日、たまたまユニバーサルドリームランドでまりあを見かけたところ、子供を二人連れて帰省していることがわかり、突発的に犯行に及んだものの子供が二人いたはずなのに、いつの間にかまりあだけになっていることから、犯行の発覚を恐れ、あの建物の裏口付近の普段倉庫として使われている場所にまりあを残して逃亡したのだ。
あの建物が日替わりで外観が変わっていることも知らずに、まりあにクロロホルムをかがせ、そのまま放置したらしい。
犯人の始末は、まりあが任せてほしいと頑として譲らず、俺は真理亜の死体ようにやらせてみることにした。結果、また、何でもギフトが買えると言って、喜んでいる。
まりあの魔力の源は俺らしいが、俺の神通力の源は、なんといっても体力だから、まずは子供たちを鍛えることにしたのだ。
そして体力がそこそこできたら、上の子にはサッカーを教えるつもりでいる。ジュニアユースに入れるのもひとつの手だが、俺が手ずから教えて、モノにならないと判断した場合は止めさせ、違う道に引導を渡せるから。
俺のポジションはFWだが、サッカーの基本は、まず走ること。
俺は異空間の中にグランドを作り出し、そこで大吉に何度も走らせることにした。おもしろがって、大安も走りたがるが、大安にはまだ早い。それでも大吉の後を懸命に追いかけ、走る姿はなかなかかわいい。
まりあは息子をランナーにするつもりかと聞くが、ボールを触らせるのは後でも十分、間に合うフィールドを駆け回る体力がなければ、サッカーなどできない。
来る日も来る日も、俺は大吉を走らせた。大吉も嫌がりもせず、俺と共に走ることを喜び。
「しんどいけど、パパと一緒にいられるから嬉しい。」
なんて可愛いことを言ってくれる。
そのうち大吉に変化が現れる。神通力のパワーが増してきたのだ。
そしてあまり期待していなかった大安にも、その変化がみられる。
やはり方向性は間違っていないようだ。
筋トレはまだ早い。とりあえず今は走らせ、大吉がお昼寝の時間になったら、そろそろボールを触らせてみようかと思うのだが、今日はなかなかオネムになってくれない。
昼間、思いっきりカラダを動かしているので、夜泣きもせず、夜は爆睡してくれるみたい。
「パパ、僕にもボール触らせてよ。」
げ!なんで、大安がお昼寝したら、そろそろボールを触らせることがわかったの?どうして?どうして?
俺の頭をグルグル回して、考えてもわからない。
「だってパパの考えていることぐらいお見通しだよ。視えるんだもん。」
「視える⁉」
まさかとは、思うが大安はもう神通力の鑑定力が備わっているのか?
「これ、読心術なのかと思っていたら、鑑定力というのか。ありがとう。僕もこの力をもてあましていたんだ。僕たちが夜、眠った後、ママがパパを襲っていることも知っているよ。パパは『もう寝かせてくれよ。』と言ってもママがパパに馬乗りになって……。ウグっ。」
いつのまにか、まりあが大安の口をふさいで異空間の外の部屋へ連れ出した。
ああ、末恐ろしい。
でもサッカー選手としては、相手の考えていることが読めるということはいいことかもしれない。
あの建物が日替わりで外観が変わっていることも知らずに、まりあにクロロホルムをかがせ、そのまま放置したらしい。
犯人の始末は、まりあが任せてほしいと頑として譲らず、俺は真理亜の死体ようにやらせてみることにした。結果、また、何でもギフトが買えると言って、喜んでいる。
まりあの魔力の源は俺らしいが、俺の神通力の源は、なんといっても体力だから、まずは子供たちを鍛えることにしたのだ。
そして体力がそこそこできたら、上の子にはサッカーを教えるつもりでいる。ジュニアユースに入れるのもひとつの手だが、俺が手ずから教えて、モノにならないと判断した場合は止めさせ、違う道に引導を渡せるから。
俺のポジションはFWだが、サッカーの基本は、まず走ること。
俺は異空間の中にグランドを作り出し、そこで大吉に何度も走らせることにした。おもしろがって、大安も走りたがるが、大安にはまだ早い。それでも大吉の後を懸命に追いかけ、走る姿はなかなかかわいい。
まりあは息子をランナーにするつもりかと聞くが、ボールを触らせるのは後でも十分、間に合うフィールドを駆け回る体力がなければ、サッカーなどできない。
来る日も来る日も、俺は大吉を走らせた。大吉も嫌がりもせず、俺と共に走ることを喜び。
「しんどいけど、パパと一緒にいられるから嬉しい。」
なんて可愛いことを言ってくれる。
そのうち大吉に変化が現れる。神通力のパワーが増してきたのだ。
そしてあまり期待していなかった大安にも、その変化がみられる。
やはり方向性は間違っていないようだ。
筋トレはまだ早い。とりあえず今は走らせ、大吉がお昼寝の時間になったら、そろそろボールを触らせてみようかと思うのだが、今日はなかなかオネムになってくれない。
昼間、思いっきりカラダを動かしているので、夜泣きもせず、夜は爆睡してくれるみたい。
「パパ、僕にもボール触らせてよ。」
げ!なんで、大安がお昼寝したら、そろそろボールを触らせることがわかったの?どうして?どうして?
俺の頭をグルグル回して、考えてもわからない。
「だってパパの考えていることぐらいお見通しだよ。視えるんだもん。」
「視える⁉」
まさかとは、思うが大安はもう神通力の鑑定力が備わっているのか?
「これ、読心術なのかと思っていたら、鑑定力というのか。ありがとう。僕もこの力をもてあましていたんだ。僕たちが夜、眠った後、ママがパパを襲っていることも知っているよ。パパは『もう寝かせてくれよ。』と言ってもママがパパに馬乗りになって……。ウグっ。」
いつのまにか、まりあが大安の口をふさいで異空間の外の部屋へ連れ出した。
ああ、末恐ろしい。
でもサッカー選手としては、相手の考えていることが読めるということはいいことかもしれない。
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