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ラブジルへ移籍を決めた理由は、ニッポン人学校の存在だった。
やはり二人の息子には、ニッポン人として教育を受けさせたいと考えたから、最初は単身赴任で行くつもりだったが、あれから家族で何度も話し合いを持ち、みんなで移住することにしたのだ。
いくら異空間があったとしても、やはり家族は一緒にいるべきだとの結論を得る。
おかげで俺の浮気計画はおじゃんになったが、致し方ない。
俺は浦島桃太郎神様に引継ぎをして今度はラブジル担当の神様を紹介されることになる。
一応、子供たちにも半神の心得と立場を教えるいい機会だと思う。でも子供たちにはキーハンターの仕事はまだ早い。まずは子供らしく少しずつ大きくなってほしい。
子供も連れては行くが、挨拶だけして、後はなぜかステファニー女神様のところで遊ばせておく。
ステファニーは精神年齢が若いのか、子供たちのいい遊び相手になってくれている。
ラブジルの神様の名前は、メリッサ・ジュルバという女神様だが、色っぽい。俺はしばらく見とれていると、まりあから強烈な肘鉄をくらわされた。
やっぱりラブジルを選んで正解だったのかもしれない。
美人の色っぽい女神様でキーハンターの仕事も楽しくなりそうだ。
メリッサ様は、早速仕事の依頼をしてきた。それは、コーヒー豆に毒を仕込む事件が多発しているらしい。
収穫時には異常がないことから、流通の途中で仕込まれているのだろうということだった。犯人の生死は問わないということなので、また武闘派の俺の出番だとほくそ笑む。
メリッサ様にイイ所を見せて、「あら、ステキ♡」なんてことになるかもしれない。
まりあは張り切っている俺を見て冷ややかな目をしている。
それからラブジルのチームに寄り挨拶をして、今夜はホテルで宿泊予定だ。
チェックインを済ませ、ホテルの部屋に荷物を置くなり、それぞれ転移を使ってニッポンのわが家へ帰る。
そしてまりあの手作りの料理を食べてそれぞれの部屋に戻り眠るのだが、寝る前にまりあが俺にメリッサ神様のことをネチネチ言い出した。
力の裏付けのない正義は無力なり
正義の裏付けがない力は暴力なり
「いい言葉だろ?俺は正義の元で、武力を使っている。武は止戈也(しかなり)。本来の武道は、争いを止めることなんだよ。今度生まれ変わったら、サッカー選手でなく、武術化になろうと思っている。だが、半神だから生まれ変われないかもな。」
「わかったわ。でもメリッサ様といるときに大輔君の顔は鼻の下を伸ばして、みっともない。デレデレするのはやめてね。」
「うるさい!俺は元からこういう顔だ。もう寝るぞ。明日早いからな。」
「ねぇ、ちょうだい。大輔君が欲しい。」
「この淫乱女が!俺が朝まで抱きしめてやるから、寝ろ。」
まりあを抱きながら、俺はコーヒー豆のことを思う。
おそらくコーヒー豆栽培農家の仕業か?ライバルの豆を売れなくするため?でも、みんなが飲まなくなれば、元も子もない。
翌朝、再びラブジルへ行く。
チームからは、郊外に立派な1戸建てをプレゼントされるも、どうも気に入らない。近所はすべて、チームメンバーの住まいであるが、どうしてもニッポン家屋のほうが住みやすい。
前世は靴を履いたままの生活だったが、ニッポンで暮らすようになってから土足は気持ち悪く居心地が悪い。
畳の部屋で大の字になって寝転がりたいのだ。
妻と子供たちも同意見で、この洋館を異空間にしまい込み、その場所にあのニッポン家屋を出す。外側の外壁のかわりに、松、桜、ヒノキを植え、結界を張る。
ニッポンではあの場所に建っていたはずの建物が急になくなると騒ぎになるから、ニッポンのあの土地の上に幻影を作り出し、さもそこに建っているかのように偽装する。
ニッポンの固定資産税が別途、必要となるが致し方ない。そのかわり泥棒に入られる心配がない。結界が張ってあるから大丈夫なはずでも、庭石1個でも貴重品らしいから、念には念を入れる。
俺が入ったチーム名は、アモーレ「愛」を意味する言葉。ニッポン人の感覚からすれば、気恥ずかしくなるようなチーム名だが、ラブジルでは日常当たり前のように使われている言葉だから、なんともないらしい。
なぜ俺がアモーレを選んだかと言えば、神の手を持つと言われているゴールキーパーがいるからだ。
俺とはポジションが違っていても天才と呼ばれる人物には会っておくべきだと考えたから。まして、同じチームになれるとあれば、願ったり叶ったりだ。
練習試合がある。その間中奴の動きを見る俺。あれはアレだな、動体視力の良さと勘だと思う。
誰かがゴールを狙ったとき、微妙に空気感が違う。奴はその違いをいち早く気づき、準備態勢に入っているのだと思う。
種明かしがわかれば、なんてことない。俺がゴールを狙う時は、空気感をずらせばいいだけの話ではないか。一瞬、時を止め、ゴールの前に再開する。奴はタイミングを失い、止められない。ズルだが、仕方ない。
あいつは首をかしげている。ロッカールームであいつから話しかけられる。
「どうやって空気感を消しているのだ?」
自分から種明かしをしてきやがった。やっぱり空気感だったのか。
「別に何も。」
誰が時を止めているなんて、言うか!
「まるで、時が止まったかのような感じだ。」
それで俺はヒントを得る。そうだ!時を止めれば、どんなに不利な状況でも勝てるはず。俺がヨボヨボの爺さんになって、戦力外通知を受けたら、一度やってみよう。
奴のせいではないが、コーヒー豆の毒入り事件を捜査することを妻のまりあに任せっぱなしにしていたことに気づく。
まりあは子供を動員して、調べているようだ。
子供たちの話では、大型スーパーの店員のうち一人が怪しげな動きをしている、と言う。
大型トラックがスーパーのガレージに入り、倉庫に荷物を運んでいく。トラックが走り去った後、その従業員が伝票を片手に倉庫に入っていく。
ここまでは、ごく普通の業務、問題はその後、倉庫の中からなかなか出てこない。ほかの従業員は、とっくに出ているというのに。
検品にこんな時間がかかるのか?不審に思い、俺が倉庫へ、一応隠蔽をかけていく。
奴は積みあがっているコーヒー豆の袋を一袋ずつ降ろし、その中に毒を仕込んでいた。
「やっぱり、お前が毒を入れていたのか!」
そいつはびくりと肩を震わせ、振り向くが俺の姿はない。
「誰だ!どこにいる?出てこい!」
「なぜこんなことをしたのか、正直に話せば、命だけは助けてやろう。」
「ふっ。小賢しいことを。姿を現せ!」
そいつが銃を取り出し、構えている。
俺はそいつの頭上めがけて、コーヒー豆の袋をひとつ投げ落としてやった。
「わっ!ズキューン!」
そいつは肩で息をしながら、辺りを見回している。
俺は後ろから、そいつの腰あたりを蹴飛ばし、そいつが前につんのめって倒れたところを後頭部を足で踏みつけ
「もう一度聞く、なぜこんなことをした?」
「い、言う。リベートだ。最近は、一般家庭でもインスタントコーヒーが普及している。いちいち豆を挽いてコーヒーを沸かすところが少なくなってきているがインスタントコーヒーを作っている会社がさらに売れ、儲かればリベートがもらえる。だから、コーヒー豆のイメージダウンを狙ってした。店長も社長もこのことは知っている。俺は頼まれてやっただけなんだ。こんな仕事やりたくないのに!」
そうか。こいつだけを捕まえてもダメだということだな。
俺はテレパシーでキャッシーと連絡を取る。
社長と店長を捕まえて、ここに連れてきてもらうためだ。
今の話が本当かどうかを確かめなくては、会社ぐるみの犯行かどうか、そして命じたインスタントコーヒーのメーカーにも。
ことはイメージダウンにだけで済まされない。毒入りコーヒー豆で飲んだ人が死んでいるのだから。命は命でないと報われない。それが俺の一貫した姿勢だ。
倉庫に入ってきた社長と店長が目にしたのは、検品係の男が天上の梁からつるされているところ。
そして自白した音声が、ずっと流れている。
「な、な、なん、なんだこれは?早く降ろしてやれ!儂は関係ないぞ。店長の責任だ。」
「インスタントコーギーメーカーの社長を呼べ。さもなければ、お前たち全員を殺す。」
「わ、わ、わかった。少し時間をくれ。」
社長はガードマンを呼び、この正体不明の侵入者を取り押さえようと考えたが、そんなことは半神には、お見通しで、そのまま社長をロープで縛り上げ、上から吊るす。
そして社長の携帯電話からインスタントコーヒーメーカーの社長を呼び出し、まとめて気を失わせ、異空間の中へ入れ、メリッサ様のところへ連れていく。
メリッサ様は大満足なご様子で、ごほうびとして俺を撫でてくれました。どこを?は秘密です。まりあがやきもちを焼くので。
やはり二人の息子には、ニッポン人として教育を受けさせたいと考えたから、最初は単身赴任で行くつもりだったが、あれから家族で何度も話し合いを持ち、みんなで移住することにしたのだ。
いくら異空間があったとしても、やはり家族は一緒にいるべきだとの結論を得る。
おかげで俺の浮気計画はおじゃんになったが、致し方ない。
俺は浦島桃太郎神様に引継ぎをして今度はラブジル担当の神様を紹介されることになる。
一応、子供たちにも半神の心得と立場を教えるいい機会だと思う。でも子供たちにはキーハンターの仕事はまだ早い。まずは子供らしく少しずつ大きくなってほしい。
子供も連れては行くが、挨拶だけして、後はなぜかステファニー女神様のところで遊ばせておく。
ステファニーは精神年齢が若いのか、子供たちのいい遊び相手になってくれている。
ラブジルの神様の名前は、メリッサ・ジュルバという女神様だが、色っぽい。俺はしばらく見とれていると、まりあから強烈な肘鉄をくらわされた。
やっぱりラブジルを選んで正解だったのかもしれない。
美人の色っぽい女神様でキーハンターの仕事も楽しくなりそうだ。
メリッサ様は、早速仕事の依頼をしてきた。それは、コーヒー豆に毒を仕込む事件が多発しているらしい。
収穫時には異常がないことから、流通の途中で仕込まれているのだろうということだった。犯人の生死は問わないということなので、また武闘派の俺の出番だとほくそ笑む。
メリッサ様にイイ所を見せて、「あら、ステキ♡」なんてことになるかもしれない。
まりあは張り切っている俺を見て冷ややかな目をしている。
それからラブジルのチームに寄り挨拶をして、今夜はホテルで宿泊予定だ。
チェックインを済ませ、ホテルの部屋に荷物を置くなり、それぞれ転移を使ってニッポンのわが家へ帰る。
そしてまりあの手作りの料理を食べてそれぞれの部屋に戻り眠るのだが、寝る前にまりあが俺にメリッサ神様のことをネチネチ言い出した。
力の裏付けのない正義は無力なり
正義の裏付けがない力は暴力なり
「いい言葉だろ?俺は正義の元で、武力を使っている。武は止戈也(しかなり)。本来の武道は、争いを止めることなんだよ。今度生まれ変わったら、サッカー選手でなく、武術化になろうと思っている。だが、半神だから生まれ変われないかもな。」
「わかったわ。でもメリッサ様といるときに大輔君の顔は鼻の下を伸ばして、みっともない。デレデレするのはやめてね。」
「うるさい!俺は元からこういう顔だ。もう寝るぞ。明日早いからな。」
「ねぇ、ちょうだい。大輔君が欲しい。」
「この淫乱女が!俺が朝まで抱きしめてやるから、寝ろ。」
まりあを抱きながら、俺はコーヒー豆のことを思う。
おそらくコーヒー豆栽培農家の仕業か?ライバルの豆を売れなくするため?でも、みんなが飲まなくなれば、元も子もない。
翌朝、再びラブジルへ行く。
チームからは、郊外に立派な1戸建てをプレゼントされるも、どうも気に入らない。近所はすべて、チームメンバーの住まいであるが、どうしてもニッポン家屋のほうが住みやすい。
前世は靴を履いたままの生活だったが、ニッポンで暮らすようになってから土足は気持ち悪く居心地が悪い。
畳の部屋で大の字になって寝転がりたいのだ。
妻と子供たちも同意見で、この洋館を異空間にしまい込み、その場所にあのニッポン家屋を出す。外側の外壁のかわりに、松、桜、ヒノキを植え、結界を張る。
ニッポンではあの場所に建っていたはずの建物が急になくなると騒ぎになるから、ニッポンのあの土地の上に幻影を作り出し、さもそこに建っているかのように偽装する。
ニッポンの固定資産税が別途、必要となるが致し方ない。そのかわり泥棒に入られる心配がない。結界が張ってあるから大丈夫なはずでも、庭石1個でも貴重品らしいから、念には念を入れる。
俺が入ったチーム名は、アモーレ「愛」を意味する言葉。ニッポン人の感覚からすれば、気恥ずかしくなるようなチーム名だが、ラブジルでは日常当たり前のように使われている言葉だから、なんともないらしい。
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あいつは首をかしげている。ロッカールームであいつから話しかけられる。
「どうやって空気感を消しているのだ?」
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「別に何も。」
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まりあは子供を動員して、調べているようだ。
子供たちの話では、大型スーパーの店員のうち一人が怪しげな動きをしている、と言う。
大型トラックがスーパーのガレージに入り、倉庫に荷物を運んでいく。トラックが走り去った後、その従業員が伝票を片手に倉庫に入っていく。
ここまでは、ごく普通の業務、問題はその後、倉庫の中からなかなか出てこない。ほかの従業員は、とっくに出ているというのに。
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奴は積みあがっているコーヒー豆の袋を一袋ずつ降ろし、その中に毒を仕込んでいた。
「やっぱり、お前が毒を入れていたのか!」
そいつはびくりと肩を震わせ、振り向くが俺の姿はない。
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「なぜこんなことをしたのか、正直に話せば、命だけは助けてやろう。」
「ふっ。小賢しいことを。姿を現せ!」
そいつが銃を取り出し、構えている。
俺はそいつの頭上めがけて、コーヒー豆の袋をひとつ投げ落としてやった。
「わっ!ズキューン!」
そいつは肩で息をしながら、辺りを見回している。
俺は後ろから、そいつの腰あたりを蹴飛ばし、そいつが前につんのめって倒れたところを後頭部を足で踏みつけ
「もう一度聞く、なぜこんなことをした?」
「い、言う。リベートだ。最近は、一般家庭でもインスタントコーヒーが普及している。いちいち豆を挽いてコーヒーを沸かすところが少なくなってきているがインスタントコーヒーを作っている会社がさらに売れ、儲かればリベートがもらえる。だから、コーヒー豆のイメージダウンを狙ってした。店長も社長もこのことは知っている。俺は頼まれてやっただけなんだ。こんな仕事やりたくないのに!」
そうか。こいつだけを捕まえてもダメだということだな。
俺はテレパシーでキャッシーと連絡を取る。
社長と店長を捕まえて、ここに連れてきてもらうためだ。
今の話が本当かどうかを確かめなくては、会社ぐるみの犯行かどうか、そして命じたインスタントコーヒーのメーカーにも。
ことはイメージダウンにだけで済まされない。毒入りコーヒー豆で飲んだ人が死んでいるのだから。命は命でないと報われない。それが俺の一貫した姿勢だ。
倉庫に入ってきた社長と店長が目にしたのは、検品係の男が天上の梁からつるされているところ。
そして自白した音声が、ずっと流れている。
「な、な、なん、なんだこれは?早く降ろしてやれ!儂は関係ないぞ。店長の責任だ。」
「インスタントコーギーメーカーの社長を呼べ。さもなければ、お前たち全員を殺す。」
「わ、わ、わかった。少し時間をくれ。」
社長はガードマンを呼び、この正体不明の侵入者を取り押さえようと考えたが、そんなことは半神には、お見通しで、そのまま社長をロープで縛り上げ、上から吊るす。
そして社長の携帯電話からインスタントコーヒーメーカーの社長を呼び出し、まとめて気を失わせ、異空間の中へ入れ、メリッサ様のところへ連れていく。
メリッサ様は大満足なご様子で、ごほうびとして俺を撫でてくれました。どこを?は秘密です。まりあがやきもちを焼くので。
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