32 / 40
プロ
32
しおりを挟む
赤い国から忍び寄る不吉な影に俺は悩む。
赤い国から目の敵にされる理由など思いつかないからだ。アンリの妻はレイプされた後になぶり殺しされたのだ。それで志願して、兵役に就いただけなのに、なぜ今さらアンリの魂を持つ者を探さないといけないのか?
俺は、転生して、その後半神になった身だから、ちょっとやそっとでは死なない。それにまりあの結界もある。
妻のまりあもそうだ。だが、俺の実家の両親はどうだ?もし、本当に俺が邪魔な存在なら、まずは両親を狙うのでは?という気がしてきた。
まりあに言うと、セルゲイ・ロマノフが現れた時に既に実家とご両親に結界を張ったと聞く。仕事が早い!さすがは、俺の愛妻だけのことはある。
アンドリー・エルショバは、あれ以来姿を見ないからきっと、他の神様が始末してくれたのだろう。
俺は、8年前?いやもう9年になるかという第3次世界大戦について、なぜ赤い国軍がいちサッカー選手に過ぎない俺に対し、敵意を持ったかを調べることにしたのだ。
幸い、シトロエンは、もう3年間契約を延長したいと申し出てくれたので、それに乗る気になったからだ。
亡き妻のためにも。その真相がわからないと、もう前に進めないような気がする。
第一、まりあに対して失礼なような気がする。ひょっとしたら、俺がいた部隊は、俺のせいで全滅したかもしれないという疑念が出てきたからである。
調べを進めていくうちに、祖国ベルンドーラで同じチームにいた奴がどうやら関係しているようだ。
そいつはスパイ容疑で、赤い国に捕まり拷問されたのちに殺されているのだが、どうやら苦し紛れに死ぬ間際に俺の名前を出したことがわかる。
俺はすぐさま神界へ飛び、当時の俺に対する供述を削除させ、記録と記憶を抹消するように依頼したのだ。
すべては俺に対する嫉妬が原因だったのだ。第一線でいつも活躍していた俺に対し、そいつはたまに補欠でベンチ入りだったから。
たかがそんなことぐらいで、嫉妬され妻子を殺されてしまったのだ。そして部隊全員の命も。
腹が立つし、情けない。どこにもぶつけようがない怒りに身を焦がす。
それをまりあは何も言わず、ただ抱きしめてくれる。そして背中をポンポンと叩いてくれるのだ。
不思議と落ち着く、前世のおふくろがよくそうやって、俺をあやしてくれたことを思い出す。
「ありがとう。もう大丈夫だ。」
そこでまりあは俺に衝撃の一言を!
「新しい命を授かったみたいなの。今日、病院へ行ってきたのよ。あと半年ぐらいで生まれるって。」
赤い国から目の敵にされる理由など思いつかないからだ。アンリの妻はレイプされた後になぶり殺しされたのだ。それで志願して、兵役に就いただけなのに、なぜ今さらアンリの魂を持つ者を探さないといけないのか?
俺は、転生して、その後半神になった身だから、ちょっとやそっとでは死なない。それにまりあの結界もある。
妻のまりあもそうだ。だが、俺の実家の両親はどうだ?もし、本当に俺が邪魔な存在なら、まずは両親を狙うのでは?という気がしてきた。
まりあに言うと、セルゲイ・ロマノフが現れた時に既に実家とご両親に結界を張ったと聞く。仕事が早い!さすがは、俺の愛妻だけのことはある。
アンドリー・エルショバは、あれ以来姿を見ないからきっと、他の神様が始末してくれたのだろう。
俺は、8年前?いやもう9年になるかという第3次世界大戦について、なぜ赤い国軍がいちサッカー選手に過ぎない俺に対し、敵意を持ったかを調べることにしたのだ。
幸い、シトロエンは、もう3年間契約を延長したいと申し出てくれたので、それに乗る気になったからだ。
亡き妻のためにも。その真相がわからないと、もう前に進めないような気がする。
第一、まりあに対して失礼なような気がする。ひょっとしたら、俺がいた部隊は、俺のせいで全滅したかもしれないという疑念が出てきたからである。
調べを進めていくうちに、祖国ベルンドーラで同じチームにいた奴がどうやら関係しているようだ。
そいつはスパイ容疑で、赤い国に捕まり拷問されたのちに殺されているのだが、どうやら苦し紛れに死ぬ間際に俺の名前を出したことがわかる。
俺はすぐさま神界へ飛び、当時の俺に対する供述を削除させ、記録と記憶を抹消するように依頼したのだ。
すべては俺に対する嫉妬が原因だったのだ。第一線でいつも活躍していた俺に対し、そいつはたまに補欠でベンチ入りだったから。
たかがそんなことぐらいで、嫉妬され妻子を殺されてしまったのだ。そして部隊全員の命も。
腹が立つし、情けない。どこにもぶつけようがない怒りに身を焦がす。
それをまりあは何も言わず、ただ抱きしめてくれる。そして背中をポンポンと叩いてくれるのだ。
不思議と落ち着く、前世のおふくろがよくそうやって、俺をあやしてくれたことを思い出す。
「ありがとう。もう大丈夫だ。」
そこでまりあは俺に衝撃の一言を!
「新しい命を授かったみたいなの。今日、病院へ行ってきたのよ。あと半年ぐらいで生まれるって。」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
あの味噌汁の温かさ、焼き魚の香り、醤油を使った味付け——異世界で故郷の味をもとめてつきすすむ!
ねむたん
ファンタジー
私は砂漠の町で家族と一緒に暮らしていた。そのうち前世のある記憶が蘇る。あの日本の味。温かい味噌汁、焼き魚、醤油で整えた料理——すべてが懐かしくて、恋しくてたまらなかった。
私はその気持ちを家族に打ち明けた。前世の記憶を持っていること、そして何より、あの日本の食文化が恋しいことを。家族は私の決意を理解し、旅立ちを応援してくれた。私は幼馴染のカリムと共に、異国の地で新しい食材や文化を探しに行くことに。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる