29 / 40
大学時代
29
しおりを挟む
瞬く間にアンリは4年生になる。いよいよプロのチームを決めなければいけない。
まりあの就活も一向に進んでいない。
二人はできれば同じチームの専属になりたいのだが、まりあはサッカーができないから管理栄養士として、献立を考え食事面から選手の健康管理を支えたい。
まだ付き合っていることを公にしていないので、もし公表すれば同じチームに雇ってもらえるだろうか?
大輔は前世のチームからオファーを受けるものの、祖国は焼け野原になっていて、まだまだ復興には時間がかかる。
チームメンバーだった者もあの戦争で多くが命を落としている。気心が知れ、一番言葉に問題がないから戻りたいが、キーハンターの仕事があるから、ニッポンに留まるしかないだろう。
まりあもまた奇跡の女子大生が卒業するとあって、タレントに転向しないかという誘いが多数ある。
大輔はまりあに飽きることなく、一途に愛しているし、まりあもまた同様である。二人は話し合い水面下で、結婚話を勧める。
安林家と花園家、双方の顔合わせを行い、いざ発表という段階になったときにロクルート事件が起こり、その対応にキーハンターが駆り出されることになったのだ。
家族にはキーハンターの仕事のことは伏せているが、今は忙しいとだけ言い、発表は先延ばしとなる。
ロクルート事件は、榎並宏昌が自社の未公開株を政界、官界、マスコミ界にばら撒き受領者側が66億7000万円の利益を得たという事件、ただの贈収賄事件ならキーハンターが呼ばれることはない。
特に被害者はいないように思うのだが?いや、自殺している人がいるらしい。それが自殺としては不自然で、殺された疑いがあるらしい。というか神界では殺されたと認定している。
キーハンターに与えられた仕事は、その犯人を見つけ出し、被害者に代わって復讐をすること。
被害者は現総理の金庫番の秘書で、遺体の傍に遺書が置いてあったという。生前から「自殺だけはやっちゃいかん。」と言っていたのに、自身が自殺するなど考えられないという奥様の証言がある。
それと左手首に17か所の傷があり、側にカミソリが落ちていたが、死因は首吊り自殺である。
尾籠な話だが、普通自ら首を吊ると脱糞するのだが、奥様の話によれば下着は綺麗なままだったらしい。
総理が受け取った金額は1億5100万円と5000万円の貸付金、別に普通じゃないの?事件が明るみになった時は、すでに5000万円は完済されていた。
当時の検察官が「事件性なし、シロ」と判断、公表の有無については総理側の意向であると返答があったため、秘書は楽観視しえいたのだが、赤新聞にリークされてしまい、総理から大激怒と大叱責を受け、相当なストレスを受ける。
これが自殺の原因とされるが、果たしてそうであろうか?
時を同じくして、平和銀行事件なるものが発生する。鉄くずやから財を成した創業者小宮が銀行業を創業し、飲食店や客商売の客向けに夜間まで窓口を開きピーク時には資金量1兆1500億円にまでなった銀行である。
創業者死去後のお家騒動の時に、顧問弁護士の井出が実権を握るようになる。
井出は不良債権を整理するため小宮家に平和銀行の持ち株と小宮家の土地家屋を拠出するように求めるが息子はこれを拒否したため、銀行から追放されてしまう。
これに激怒したのが、創業者夫人でなんと!友清銀行系に売却してしまう。
井出は焦り株買い戻しに奔走しているときに、金蒔絵時代行列という金屏風を購入し、裏金を作れば友清から株を買い戻せるという話に乗るが、これは実は詐欺。
金屏風を購入しても株は買い戻せず、差額は大物政治家(大蔵大臣)へ流すというメモに秘書の名前が記されていた。
井出は他にも不正経理を行い闇社会に資金を流出させた疑いがある。
結局、井出は特別背任罪で逮捕される。
総理か井出かにより、殺されたのだろうという結論が出る。褒め殺しされていた総理だから、関係ないとは言えない。
今回も大輔の「うらめしや~」作戦で行くことになったのだ。
秘書に化けて関係者の夢枕に順番に立つ。片っ端から出るので、けっこう夜は忙しい。また、関係者が多すぎるというのも難航する一つの理由。
それでも根気よくやれば、誰かが尻尾を出す。あとは、そいつを謀殺して、異空間にしまい込み任務は完了となる。
大輔とまりあは結婚することを公表しようとしたら、またしてもマスコミがスクープという形で発表した。別にスキャンダルでも何でもない。
マスコミは、実家の両親に突撃取材を試みるも
「まりあさん?いいお嬢さんですわ。お料理がとてもお上手でよく前からごちそうになっていますわ。あんな娘さんが本当に大輔でいいのかどうか、却ってこちらが恐縮していますわ。」
「大輔君か?男気があって好青年だから何も心配していないよ。安心して娘を任せられる。」
結局、なんだかんだと言っておきながら祝福ムードに包まれる。
奇跡のレジェンドと奇跡の女子大生の結婚は、これほどお似合いのカップルもいないと、若すぎると反対していたコメンテーターが一斉に掌返しを始める。
卒業式の翌日、大学のチャペルを借りて、そこで挙式。新居は……なんでもギフトで買うつもり。
式には浦島桃太郎神様とステファニー女神様が参列してくださり、参列者全員に祝福をくださったのだが、結界のほうが使えるか?という話。
大輔はNリーグのチームでシトロエンというチームに3年契約で決まり、新居から通うことに決まる。契約金は新人としては破格の15億円。
もう契約金だけで、一生遊んで暮らせるというもの。まりあはシトロエンの管理栄養士におさまる。
まりあの作った献立は、ほんの少し運気が上がるということでなかなか好評なのだ。それはそれで大輔にとっても鼻高々で、いつも仲良くしていられる秘訣でもある。
まりあの就活も一向に進んでいない。
二人はできれば同じチームの専属になりたいのだが、まりあはサッカーができないから管理栄養士として、献立を考え食事面から選手の健康管理を支えたい。
まだ付き合っていることを公にしていないので、もし公表すれば同じチームに雇ってもらえるだろうか?
大輔は前世のチームからオファーを受けるものの、祖国は焼け野原になっていて、まだまだ復興には時間がかかる。
チームメンバーだった者もあの戦争で多くが命を落としている。気心が知れ、一番言葉に問題がないから戻りたいが、キーハンターの仕事があるから、ニッポンに留まるしかないだろう。
まりあもまた奇跡の女子大生が卒業するとあって、タレントに転向しないかという誘いが多数ある。
大輔はまりあに飽きることなく、一途に愛しているし、まりあもまた同様である。二人は話し合い水面下で、結婚話を勧める。
安林家と花園家、双方の顔合わせを行い、いざ発表という段階になったときにロクルート事件が起こり、その対応にキーハンターが駆り出されることになったのだ。
家族にはキーハンターの仕事のことは伏せているが、今は忙しいとだけ言い、発表は先延ばしとなる。
ロクルート事件は、榎並宏昌が自社の未公開株を政界、官界、マスコミ界にばら撒き受領者側が66億7000万円の利益を得たという事件、ただの贈収賄事件ならキーハンターが呼ばれることはない。
特に被害者はいないように思うのだが?いや、自殺している人がいるらしい。それが自殺としては不自然で、殺された疑いがあるらしい。というか神界では殺されたと認定している。
キーハンターに与えられた仕事は、その犯人を見つけ出し、被害者に代わって復讐をすること。
被害者は現総理の金庫番の秘書で、遺体の傍に遺書が置いてあったという。生前から「自殺だけはやっちゃいかん。」と言っていたのに、自身が自殺するなど考えられないという奥様の証言がある。
それと左手首に17か所の傷があり、側にカミソリが落ちていたが、死因は首吊り自殺である。
尾籠な話だが、普通自ら首を吊ると脱糞するのだが、奥様の話によれば下着は綺麗なままだったらしい。
総理が受け取った金額は1億5100万円と5000万円の貸付金、別に普通じゃないの?事件が明るみになった時は、すでに5000万円は完済されていた。
当時の検察官が「事件性なし、シロ」と判断、公表の有無については総理側の意向であると返答があったため、秘書は楽観視しえいたのだが、赤新聞にリークされてしまい、総理から大激怒と大叱責を受け、相当なストレスを受ける。
これが自殺の原因とされるが、果たしてそうであろうか?
時を同じくして、平和銀行事件なるものが発生する。鉄くずやから財を成した創業者小宮が銀行業を創業し、飲食店や客商売の客向けに夜間まで窓口を開きピーク時には資金量1兆1500億円にまでなった銀行である。
創業者死去後のお家騒動の時に、顧問弁護士の井出が実権を握るようになる。
井出は不良債権を整理するため小宮家に平和銀行の持ち株と小宮家の土地家屋を拠出するように求めるが息子はこれを拒否したため、銀行から追放されてしまう。
これに激怒したのが、創業者夫人でなんと!友清銀行系に売却してしまう。
井出は焦り株買い戻しに奔走しているときに、金蒔絵時代行列という金屏風を購入し、裏金を作れば友清から株を買い戻せるという話に乗るが、これは実は詐欺。
金屏風を購入しても株は買い戻せず、差額は大物政治家(大蔵大臣)へ流すというメモに秘書の名前が記されていた。
井出は他にも不正経理を行い闇社会に資金を流出させた疑いがある。
結局、井出は特別背任罪で逮捕される。
総理か井出かにより、殺されたのだろうという結論が出る。褒め殺しされていた総理だから、関係ないとは言えない。
今回も大輔の「うらめしや~」作戦で行くことになったのだ。
秘書に化けて関係者の夢枕に順番に立つ。片っ端から出るので、けっこう夜は忙しい。また、関係者が多すぎるというのも難航する一つの理由。
それでも根気よくやれば、誰かが尻尾を出す。あとは、そいつを謀殺して、異空間にしまい込み任務は完了となる。
大輔とまりあは結婚することを公表しようとしたら、またしてもマスコミがスクープという形で発表した。別にスキャンダルでも何でもない。
マスコミは、実家の両親に突撃取材を試みるも
「まりあさん?いいお嬢さんですわ。お料理がとてもお上手でよく前からごちそうになっていますわ。あんな娘さんが本当に大輔でいいのかどうか、却ってこちらが恐縮していますわ。」
「大輔君か?男気があって好青年だから何も心配していないよ。安心して娘を任せられる。」
結局、なんだかんだと言っておきながら祝福ムードに包まれる。
奇跡のレジェンドと奇跡の女子大生の結婚は、これほどお似合いのカップルもいないと、若すぎると反対していたコメンテーターが一斉に掌返しを始める。
卒業式の翌日、大学のチャペルを借りて、そこで挙式。新居は……なんでもギフトで買うつもり。
式には浦島桃太郎神様とステファニー女神様が参列してくださり、参列者全員に祝福をくださったのだが、結界のほうが使えるか?という話。
大輔はNリーグのチームでシトロエンというチームに3年契約で決まり、新居から通うことに決まる。契約金は新人としては破格の15億円。
もう契約金だけで、一生遊んで暮らせるというもの。まりあはシトロエンの管理栄養士におさまる。
まりあの作った献立は、ほんの少し運気が上がるということでなかなか好評なのだ。それはそれで大輔にとっても鼻高々で、いつも仲良くしていられる秘訣でもある。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

〈完結〉【コミカライズ・取り下げ予定】思い上がりも程々に。地味令嬢アメリアの幸せな婚約
ごろごろみかん。
恋愛
「もう少し、背は高い方がいいね」
「もう少し、顔は華やかな方が好みだ」
「もう少し、肉感的な方が好きだな」
あなたがそう言うから、あなたの期待に応えれるように頑張りました。
でも、だめだったのです。
だって、あなたはお姉様が好きだから。
私は、お姉様にはなれません。
想い合うふたりの会話を聞いてしまった私は、父である公爵に婚約の解消をお願いしにいきました。
それが、どんな結末を呼ぶかも知らずに──。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる