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大学時代
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ワールドカップが開催され、東都大学サッカー部も世界の強豪の試合運びを見学することになったので、ついでに現地のカレッジとの親善試合もある。
大輔にとれば、あの人身売買以来の外遊になるのだが、チームメンバーのほとんどが初めての海外旅行となるため浮足立っているのがわかる。
中にはカノジョに化粧品のお土産を頼まれ、入念にチェックをしている者までいる。
大輔以外のチームメンバーは期待に胸を躍らせ、それぞれ搭乗口へ来たのだ。
今回の飛行ルートはアンカレッジ経由ではなく赤い国の上空を飛んで近道していくから、約半分の飛行距離で行く。でも大輔ことアンリにとっては、祖国の真上を通過することになるから、遠目力を遣い祖国の現状を見てこようと思う。
もし惨憺たる様子なら、サッカー人生をなげうってでも祖国のために働きたい。その時、まりあはついて来てくれるだろうか?
心配しながら乗り込むと、他の国のサッカー選手も載っていた。あちらはファーストクラス、当然だよな。大輔たち大学生はエコノミークラスである。
そのほかの国でもビジネスクラスに乗っている選手もいた。
それでも大輔の姿に気づいた他国の有名な選手であるにもかかわらず、大輔に話しかけてくる。大輔は、神通力のおかげもあり、全世界の言葉が話せるし、わかる。それより以前の記憶があるから、母国語、赤い国語、英語、フランス語、ドイツ語、とヨーロッパの言語はだいたいわかる。
大輔はネィティヴのような流ちょうな言葉で返事すると、相手国の選手は皆一様に驚く。ユーラシア大陸で陸続きだったから、移民や交流が盛んであったのが良かったことなのかもしれない。
チームメンバーは皆、あこがれの選手がエコノミーに大輔に会いに来てくれていることが嬉しくてたまらない様子。一緒に写真に納まって、一生の宝物になると喜んでいる。
そこでもまた大輔は、外国の選手から「ぜひ、一緒のチームに入らないか?」と誘いを受けるが、祖国の現状を見てからでないと決められないし、キーハンターの仕事もある。
アンリ・モロゾフ時代の知り合いに会うが、相手はずいぶん年老いた感じになっていた。
その知り合いは、アンリ・モロゾフと出会ったみたいだと感激していて、大輔のことを
「懐かしい知り合いと持っている雰囲気がよく似ている。連絡先を交換してほしい。」
キャビンアテンダントからシートベルト着用を求められ、それぞれの席に戻っていく。
大輔は祖国の現状を見るため、窓際の席を譲ってもらう。
まもなく祖国の上空と言う所で、機体に大きな衝撃が走る。ちょうど大輔が座っているあたりに当たったようだが結界のため、大きな損傷はなかったようだが、2発目、3発目がコックピット付近とエンジンをやられたため機体が大きく揺らぐ。
一般旅客機なのに、爆撃を受けたようだ。なぜ?
この飛行機には、各国の有名選手が乗っているため、テロを起こされてしまったようだ。
大輔はまりあが張ってくれた結界があるので墜落しても助かるだろうが、この高度から落ちれば、普通の人間はひとたまりもない。
機体の頭を下にした格好で、ぐるぐる回りながら落ちていくことがわかる。機内は阿鼻叫喚の地獄のよう。気を失っている者、失禁している者、様々。大輔の神通力で機体を平常に戻そうと試みる。
以前、神様を呼べる笛を貰っていたことを思い出し、それを何度も懸命に吹き続けたら、大勢の神様が駆けつけてくれて、どうやら爆撃を受けたはずでも開催国の目的地まで飛べそうになったのだ。
それに気が付けば、まりあも駆けつけてくれていて、まりあは対面で大輔の膝の上に載っている。もちろん隠蔽をかけているので、他の者たちには見えない。
でもこの場では、イチャイチャできないから、辛抱しているとまりあは機体全体に結界を張ってくれたのだ。もうミサイル攻撃されても平気だ。
さらなるミサイルが飛んでくると、他の応援の神様たちは迎撃ではなく元の発射台に向かうようにプログラムを変えてくれて、テロリストたちの息の根を止める。
まりあは大輔の唇にチュっと音がするようなキスを残し、ニッポンへ帰って行った。それを大輔はテレパシーで「ありがとう」を送る。
結局、祖国の有様を見る暇もなく、開催国に着き観戦に勤しむ。
大輔が乗った飛行機での事故は、マスコミに大きく取り上げられ「奇跡のレジェンドは、また奇跡を起こす!」
現地のマスコミからも追いかけられ、親善試合が終わると観光もしないで、そそくさと帰る羽目に。
チームメンバーからは、お土産も買えないとブーイングが起こるが、あの時死んでいてもおかしくなかった状態だったことから皆口を噤む。
かわりに空港の免税店でこれでもかというほど、ニッポン人で賑わったことは間違いないようです。
大輔にとれば、あの人身売買以来の外遊になるのだが、チームメンバーのほとんどが初めての海外旅行となるため浮足立っているのがわかる。
中にはカノジョに化粧品のお土産を頼まれ、入念にチェックをしている者までいる。
大輔以外のチームメンバーは期待に胸を躍らせ、それぞれ搭乗口へ来たのだ。
今回の飛行ルートはアンカレッジ経由ではなく赤い国の上空を飛んで近道していくから、約半分の飛行距離で行く。でも大輔ことアンリにとっては、祖国の真上を通過することになるから、遠目力を遣い祖国の現状を見てこようと思う。
もし惨憺たる様子なら、サッカー人生をなげうってでも祖国のために働きたい。その時、まりあはついて来てくれるだろうか?
心配しながら乗り込むと、他の国のサッカー選手も載っていた。あちらはファーストクラス、当然だよな。大輔たち大学生はエコノミークラスである。
そのほかの国でもビジネスクラスに乗っている選手もいた。
それでも大輔の姿に気づいた他国の有名な選手であるにもかかわらず、大輔に話しかけてくる。大輔は、神通力のおかげもあり、全世界の言葉が話せるし、わかる。それより以前の記憶があるから、母国語、赤い国語、英語、フランス語、ドイツ語、とヨーロッパの言語はだいたいわかる。
大輔はネィティヴのような流ちょうな言葉で返事すると、相手国の選手は皆一様に驚く。ユーラシア大陸で陸続きだったから、移民や交流が盛んであったのが良かったことなのかもしれない。
チームメンバーは皆、あこがれの選手がエコノミーに大輔に会いに来てくれていることが嬉しくてたまらない様子。一緒に写真に納まって、一生の宝物になると喜んでいる。
そこでもまた大輔は、外国の選手から「ぜひ、一緒のチームに入らないか?」と誘いを受けるが、祖国の現状を見てからでないと決められないし、キーハンターの仕事もある。
アンリ・モロゾフ時代の知り合いに会うが、相手はずいぶん年老いた感じになっていた。
その知り合いは、アンリ・モロゾフと出会ったみたいだと感激していて、大輔のことを
「懐かしい知り合いと持っている雰囲気がよく似ている。連絡先を交換してほしい。」
キャビンアテンダントからシートベルト着用を求められ、それぞれの席に戻っていく。
大輔は祖国の現状を見るため、窓際の席を譲ってもらう。
まもなく祖国の上空と言う所で、機体に大きな衝撃が走る。ちょうど大輔が座っているあたりに当たったようだが結界のため、大きな損傷はなかったようだが、2発目、3発目がコックピット付近とエンジンをやられたため機体が大きく揺らぐ。
一般旅客機なのに、爆撃を受けたようだ。なぜ?
この飛行機には、各国の有名選手が乗っているため、テロを起こされてしまったようだ。
大輔はまりあが張ってくれた結界があるので墜落しても助かるだろうが、この高度から落ちれば、普通の人間はひとたまりもない。
機体の頭を下にした格好で、ぐるぐる回りながら落ちていくことがわかる。機内は阿鼻叫喚の地獄のよう。気を失っている者、失禁している者、様々。大輔の神通力で機体を平常に戻そうと試みる。
以前、神様を呼べる笛を貰っていたことを思い出し、それを何度も懸命に吹き続けたら、大勢の神様が駆けつけてくれて、どうやら爆撃を受けたはずでも開催国の目的地まで飛べそうになったのだ。
それに気が付けば、まりあも駆けつけてくれていて、まりあは対面で大輔の膝の上に載っている。もちろん隠蔽をかけているので、他の者たちには見えない。
でもこの場では、イチャイチャできないから、辛抱しているとまりあは機体全体に結界を張ってくれたのだ。もうミサイル攻撃されても平気だ。
さらなるミサイルが飛んでくると、他の応援の神様たちは迎撃ではなく元の発射台に向かうようにプログラムを変えてくれて、テロリストたちの息の根を止める。
まりあは大輔の唇にチュっと音がするようなキスを残し、ニッポンへ帰って行った。それを大輔はテレパシーで「ありがとう」を送る。
結局、祖国の有様を見る暇もなく、開催国に着き観戦に勤しむ。
大輔が乗った飛行機での事故は、マスコミに大きく取り上げられ「奇跡のレジェンドは、また奇跡を起こす!」
現地のマスコミからも追いかけられ、親善試合が終わると観光もしないで、そそくさと帰る羽目に。
チームメンバーからは、お土産も買えないとブーイングが起こるが、あの時死んでいてもおかしくなかった状態だったことから皆口を噤む。
かわりに空港の免税店でこれでもかというほど、ニッポン人で賑わったことは間違いないようです。
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