ギフト：非常のライセンス 転生レジェンドは、悪を懲らしめる

大学時代

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　大輔とまりあは3年生になった。いよいよ専門課程のゼミが始まる

　キーハンターの仕事も今までのようにいかず、また大輔はサッカー部の主力メンバーになるから試合も、常時スタメンで出るようになる。

　そうなると世界からのスカウトマンが頻繁にニッポンに来ることになる。スカウトマンが外貨を落としてくれるから、ニッポンは潤う。

　大輔は授業料全額免除になるのだが、大輔自身はキーハンターの報酬があるから、どちらでもいいことだが、両親はたいそう喜ぶ。

　東都大学側は、花形選手を世界のプロチームに引き抜かれないための予防策として、またニッポン政府より要請があり全額免除に踏み切った。

　そうなるとまたイライラしだすのがあの人、西崎洋一。西都大学の理事で不動産業の社長。息子の洋平をNリーガーにしたいがために、今まで数多くの刺客を送り込み、ことごとく失敗している。

　西崎洋一は、再び東都大学との試合を申し込むようにサッカー部に圧力をかけるが、息子の洋平はすでに監督から引退勧告を受けている身ということも気づかずにいる。

　東都大学と西都大学の対抗試合が決まるが、今回、安林大輔はスタメンから外されることが決まる。

　なぜなら、西都みたいな三流チームに一流選手が出ることはないという監督の判断がある。

　東都の二軍メンバーが相手をして十分だろうと、西都からすればナメられた話なのだ。

　そうとは知らない西崎洋一は、またも刺客を雇い、安林大輔にサッカー選手としての寿命を奪えと命じる。

　スタメンから外された大輔は、相変わらずロッカールームと自宅を転移で往復するだけで、一歩も外へは出ない。

　刺客も外出しない大輔に業を煮やす。外で動いている大輔を見ないものだから、実家のほうを張ってもダメ。大輔が住んでいるというマンションの前で張ってもダメ。大学生のフリをして、講義に出ることを試みるが、守衛さんに見つかり逃げる。また、どの講義を受講しているかもわからないから、張り込みのしようがない。

　刺客はこうなれば、試合当日を狙うしかないと覚悟を決め、当日早朝からグランドの一角を陣取る。

　しかし、安林大輔なる人物はいっこうに現れない。

　また雇い主の息子西崎洋平も来ないまま、キックオフ。

　雇い主の西崎洋一は、グランドに安林大輔が来ていないことに、刺客がうまくいったと思い込み上機嫌であるのだが、当の息子が来ていないことに気づき怪訝な表情でいる。

　監督になぜ西崎洋平が来ていないことを訪ね、真相を知った洋一は大激怒して監督をクビにしてしまう。

　西崎洋平は、親父の期待を一身に背負い、苦しんでいたのだ。今日、帰宅したら絶対に怒られる。そう思い込み自ら命を絶つ。

　父親の西崎洋一は今まで何のために刺客を雇って、数多くのスタープレイヤーをつぶしてきたかを反省する。

　そして西都の理事を辞め、息子の洋平の菩提を弔い、ひっそりとした余生を送る。