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大学時代
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神様からプレゼントだけをもらって帰宅したアンリとまりあは、打ち合わせの内容を聞くことを失念してしまっていた。
早くカタログギフトの中身が見たいということに心を奪われていたのだ。
結局、何も選ばないまま、再びブティックを訪れる。カタログギフトはいつでも、選べるのだから、何も焦ることはない。
ブティックには、もう客が来ていて、女神様はしきりに次々とカラダを勧めているようだが、今度のお客様は、異世界から来られた公爵令嬢風の女性だった。
しばらく隠蔽で隠れていたが、埒が明かないのでいったん帰り、ランチをしてからもう一度行くことにしたのだ。
「そういえば、まりあの前世の名前って聞いてなかったよな?」
「最初は、キャロライン・ルビンスタイン、その次に転生して1時間ぐらいで殺されたときの名前がミランダ、その次がキャロラインの双子の妹という設定を作ってのキャサリン、今のところ最後が花園まりあ。」
「1時間で殺されるのは、キツイなぁ。」
「もうね、何が何だかわからないうちに双子の姉に殺されていたのよ。」
「双子の設定はコワイな。もうひとりの自分がいるわけだろ・何か心の中を見透かされているような気がする。」
「まぁね、そうかもしれないけど、あれはお姉さんのエスメラルダが嫉妬に狂っていたからね。最初のキャロラインには、キャサリンという双子の妹はいなかったのよ。キャロラインが死ぬときに聖女様に覚醒してしまって。それからは、異世界の神様が放してくれず、ずっと異世界転生だったんだけどね。女神様と異世界神様ってなんかわからないけど因縁があったみたいで、今世はステファニー様がこっちの世界で生きられるように取り計らってくれたのよ。」
「んじゃぁ、コードネームはキャロラインって呼ぶよ。俺だけアンリというのも不自然だからね。」
「ありがとう。」
昼食を終えて、ブティックに戻ってみると、既に商談が終わられていて、女神様はお茶を飲んで、寛いでいらっしゃる。
「なーに?忘れ物?さっき、来た彼女、異世界人なんだけど婚約者に裏切られて、死に追いやられたみたい。異世界人って簡単に婚約破棄したり、人を殺したりするわね。」
「ニッポンでも同じじゃないか?簡単に人をイジメ、阻害して、相手が死ぬまで追いつめる。」
「言われてみればそうね。ニッポンは、島国で文化が発達しているから、やることが陰険と言うか、陰湿よね。」
「さっき、打ち合わせの内容を聞き忘れていたもので。」
ステファニー女神様とアンリがため息をついているので、まりあが口をはさむ。
「ああ、そうだったわね。今度の依頼もイジメよ。イジメというよりは、パワハラに近いかもしれない。」
案件の内容は、大企業の課長が部下の係庄屋主任に対し、最初は口撃で最後は必ず手を出し、殴る蹴るの暴力に発展するのだけど、仕事での失敗は本来上席が取るものなのに、部下に責任を押し付け自分は知らぬ存ぜぬで逃げる。
部下が100パーセント悪い場合は、その部下を放逐し、自分は出世する代わりに、そのポストに信心を抜擢し、すべての事件の概要が明らかになれば、その新人にすべて責任を擦り付ける。
この手の話は、職場にはゴマンとあり珍しくもなんともないが、これを神様は解決しろと言っている。
なんと、世間知らずな。前者の場合は、人がひとりしにそうだから、が理由らしい。
今、助けてもそう言うやつは、またいつかどこかで死ぬよ。遅いか早いかだけの問題だと思うんだけど。
助けられる命は救いたい。というのが神様の言い分。
神様にそこまで言われたら、重い腰を上げざるを得ない。
調べてみると大企業の営業部で日常的に行われている光景。
「お前は人間のクズだ。こんな売り上げしか上げられないなら、もう戻ってくるな!」
「営業成績が悪い奴は、会社の窓から(31階窓は開かない)ここから身投げしろ!」
階段から突き落とされる物までいる。
「エレベーターは使うな!営業は体力だ。」
うーん。確かに酷いかも?
「営業事務の仕方が悪い!今夜は残業をしろ!」
ちなみに今夜はクリスマスイヴでデートの予定があるので、ソワソワしている女子社員に
「俺を慰めろ!」
ズボンのチャックを開ける上司。
ああ、これはひどいわ。パワハラだけでなく、セクハラまでやってる。
仕方なく、上司のイチモツを凍らせてやり、それまでのパワハラの様子をすべて映像として、社内イントラネットに流す。
改善されなければ、この映像を労働局、厚生労働省に渡し、厳正な処分を求めるという文書を付ける。
それでも改善が見込めない場合は、TV局に流す。
ここまで脅して、ようやくその課長は、依願退職したが退職金は満額出たらしい。
おかしいでしょ?ニッポンの企業、でも課長のアソコは溶けて流れりゃ皆同じ。
早くカタログギフトの中身が見たいということに心を奪われていたのだ。
結局、何も選ばないまま、再びブティックを訪れる。カタログギフトはいつでも、選べるのだから、何も焦ることはない。
ブティックには、もう客が来ていて、女神様はしきりに次々とカラダを勧めているようだが、今度のお客様は、異世界から来られた公爵令嬢風の女性だった。
しばらく隠蔽で隠れていたが、埒が明かないのでいったん帰り、ランチをしてからもう一度行くことにしたのだ。
「そういえば、まりあの前世の名前って聞いてなかったよな?」
「最初は、キャロライン・ルビンスタイン、その次に転生して1時間ぐらいで殺されたときの名前がミランダ、その次がキャロラインの双子の妹という設定を作ってのキャサリン、今のところ最後が花園まりあ。」
「1時間で殺されるのは、キツイなぁ。」
「もうね、何が何だかわからないうちに双子の姉に殺されていたのよ。」
「双子の設定はコワイな。もうひとりの自分がいるわけだろ・何か心の中を見透かされているような気がする。」
「まぁね、そうかもしれないけど、あれはお姉さんのエスメラルダが嫉妬に狂っていたからね。最初のキャロラインには、キャサリンという双子の妹はいなかったのよ。キャロラインが死ぬときに聖女様に覚醒してしまって。それからは、異世界の神様が放してくれず、ずっと異世界転生だったんだけどね。女神様と異世界神様ってなんかわからないけど因縁があったみたいで、今世はステファニー様がこっちの世界で生きられるように取り計らってくれたのよ。」
「んじゃぁ、コードネームはキャロラインって呼ぶよ。俺だけアンリというのも不自然だからね。」
「ありがとう。」
昼食を終えて、ブティックに戻ってみると、既に商談が終わられていて、女神様はお茶を飲んで、寛いでいらっしゃる。
「なーに?忘れ物?さっき、来た彼女、異世界人なんだけど婚約者に裏切られて、死に追いやられたみたい。異世界人って簡単に婚約破棄したり、人を殺したりするわね。」
「ニッポンでも同じじゃないか?簡単に人をイジメ、阻害して、相手が死ぬまで追いつめる。」
「言われてみればそうね。ニッポンは、島国で文化が発達しているから、やることが陰険と言うか、陰湿よね。」
「さっき、打ち合わせの内容を聞き忘れていたもので。」
ステファニー女神様とアンリがため息をついているので、まりあが口をはさむ。
「ああ、そうだったわね。今度の依頼もイジメよ。イジメというよりは、パワハラに近いかもしれない。」
案件の内容は、大企業の課長が部下の係庄屋主任に対し、最初は口撃で最後は必ず手を出し、殴る蹴るの暴力に発展するのだけど、仕事での失敗は本来上席が取るものなのに、部下に責任を押し付け自分は知らぬ存ぜぬで逃げる。
部下が100パーセント悪い場合は、その部下を放逐し、自分は出世する代わりに、そのポストに信心を抜擢し、すべての事件の概要が明らかになれば、その新人にすべて責任を擦り付ける。
この手の話は、職場にはゴマンとあり珍しくもなんともないが、これを神様は解決しろと言っている。
なんと、世間知らずな。前者の場合は、人がひとりしにそうだから、が理由らしい。
今、助けてもそう言うやつは、またいつかどこかで死ぬよ。遅いか早いかだけの問題だと思うんだけど。
助けられる命は救いたい。というのが神様の言い分。
神様にそこまで言われたら、重い腰を上げざるを得ない。
調べてみると大企業の営業部で日常的に行われている光景。
「お前は人間のクズだ。こんな売り上げしか上げられないなら、もう戻ってくるな!」
「営業成績が悪い奴は、会社の窓から(31階窓は開かない)ここから身投げしろ!」
階段から突き落とされる物までいる。
「エレベーターは使うな!営業は体力だ。」
うーん。確かに酷いかも?
「営業事務の仕方が悪い!今夜は残業をしろ!」
ちなみに今夜はクリスマスイヴでデートの予定があるので、ソワソワしている女子社員に
「俺を慰めろ!」
ズボンのチャックを開ける上司。
ああ、これはひどいわ。パワハラだけでなく、セクハラまでやってる。
仕方なく、上司のイチモツを凍らせてやり、それまでのパワハラの様子をすべて映像として、社内イントラネットに流す。
改善されなければ、この映像を労働局、厚生労働省に渡し、厳正な処分を求めるという文書を付ける。
それでも改善が見込めない場合は、TV局に流す。
ここまで脅して、ようやくその課長は、依願退職したが退職金は満額出たらしい。
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