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16.海斗視点1
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俺、広瀬海斗30歳、大地川建設の社長の息子で、恵まれたこのルックスのおかげで、昔から女を口説くことなく、女はいつも抱いてほしそうな顔をしてやってくる。
俺に近寄ってくる女は、「種の保存」のために媚を売ってくるのだろうけど、正直いい加減にしてくれと言いたくなる。
俺はめんどくさいと思いつつも、据え膳食わぬは男の恥っていうやつのせいで、片っ端から抱きまくった。
でも一度だけ、一度抱いた女と二度はごめんだ。
どの女とも、一度抱いただけなのに、カノジョ気取りになるから、中には俺のプライベートのことまで、アレコレ指図してくる。
だから、一度しか抱かないと決めていて、抱くときに念押しして了解を取っているにもかかわらず、だ。
一度抱いただけで、もう俺と結婚できると勘違いしていた女には、驚いた。その女はバージンだったみたいだが、俺にバージンを捧げたからって、どうして結婚という二文字が出てくるのか理解しがたい。
俺は、その女をヤり捨てた。それ以来、バージンは気を付けていたのだ。
結婚なんてものは、バージンかバージンでないかは関係ない。バージンなど面倒なだけだ。痛い痛いと騒ぎ、マグロ女を抱きたいとは思わない。バージンな奴ほどバージンに価値があると思っているようで、あんなもの何の価値もない。
俺は生まれて初めて、俺の方から抱きたいと思える女に出会ってしまったのだ。
まどかとの出会いは、偶然だった。
あの日、社内の女が俺に言い寄ってきて。いかにも自分が美しいということをわかっていて、言い寄ってきたのだ。確かに美人かもしれないが、冷たい印象がある。ヤり逃げができないから、社内の女を抱くことはあり得ないことなのだ。
そもそも俺はこういう自信過剰な女は嫌いだ。相談があると呼び出されたので、近くのカフェを指定すると色仕掛けで、俺を落とそうとしてきやがった。
「あの……副社長、わたし、前から副社長のことが好きで、その……。副社長にとっては遊びであってもかまいません。ですから、私と一夜を共にしていただけませんか?」
女は組んでいた足を左右に組み替える。ミニスカートから覗く足は綺麗だが、見えそうで見えない。俺を誘惑しているつもりか!
このテの誘いは、入社してから何度となくあったのだが、副社長に就任してから、エスカレートしてきたのだ。
女子社員となど、アバンチュールにならない!こんな厄介な女と寝たら、後々面倒ごとになる未来しか思い浮かばない。
「それで?仕事の相談ではないのなら、失礼するよ。無駄な時間を過ごしてしまった。」
「あ、あの……待って、待ってください。申し訳ありません。」
女は俺を怒らせたことを詫びていたようだが、もう聞く耳を持たない。俺は、腹立ち紛れでテーブルにあった伝票を持ち、そのまま立ち去った。
カフェを出て、3メートルほど歩いたときに前の交差点で、大きなクラクション音がして、思わず音の方へ眼を向ける。
若い女性が交差点で座り込んでいるのが見え、とっさにその交差点に入り、女性を引きずり出した。
見るとその女性は、泣きはらした上に涙らしきもので顔をグショグショに濡らしていた。
自殺しようとしていたのか?
交差点から引きずり出した女性は、大した怪我はないようだが、タイツが破れ、足を擦りむいているように見えた。
「危ないじゃないか!」
とっさに出た言葉だが、よくよくその女性の顔を見ると、なかなか可愛い顔をしている。それにカラダつきも俺のタイプにぴったりだ。華奢な体に柔らかそうな大きな胸。
さっきの社内の女とは比べ物にならないほど魅力的だ。
よろけながら、立ち上がり礼をしてくる女性をこのまま帰してしまうには、あまりにももったいない。
俺は下心を隠しながら、女性に送っていくことを約束する。
俺に近寄ってくる女は、「種の保存」のために媚を売ってくるのだろうけど、正直いい加減にしてくれと言いたくなる。
俺はめんどくさいと思いつつも、据え膳食わぬは男の恥っていうやつのせいで、片っ端から抱きまくった。
でも一度だけ、一度抱いた女と二度はごめんだ。
どの女とも、一度抱いただけなのに、カノジョ気取りになるから、中には俺のプライベートのことまで、アレコレ指図してくる。
だから、一度しか抱かないと決めていて、抱くときに念押しして了解を取っているにもかかわらず、だ。
一度抱いただけで、もう俺と結婚できると勘違いしていた女には、驚いた。その女はバージンだったみたいだが、俺にバージンを捧げたからって、どうして結婚という二文字が出てくるのか理解しがたい。
俺は、その女をヤり捨てた。それ以来、バージンは気を付けていたのだ。
結婚なんてものは、バージンかバージンでないかは関係ない。バージンなど面倒なだけだ。痛い痛いと騒ぎ、マグロ女を抱きたいとは思わない。バージンな奴ほどバージンに価値があると思っているようで、あんなもの何の価値もない。
俺は生まれて初めて、俺の方から抱きたいと思える女に出会ってしまったのだ。
まどかとの出会いは、偶然だった。
あの日、社内の女が俺に言い寄ってきて。いかにも自分が美しいということをわかっていて、言い寄ってきたのだ。確かに美人かもしれないが、冷たい印象がある。ヤり逃げができないから、社内の女を抱くことはあり得ないことなのだ。
そもそも俺はこういう自信過剰な女は嫌いだ。相談があると呼び出されたので、近くのカフェを指定すると色仕掛けで、俺を落とそうとしてきやがった。
「あの……副社長、わたし、前から副社長のことが好きで、その……。副社長にとっては遊びであってもかまいません。ですから、私と一夜を共にしていただけませんか?」
女は組んでいた足を左右に組み替える。ミニスカートから覗く足は綺麗だが、見えそうで見えない。俺を誘惑しているつもりか!
このテの誘いは、入社してから何度となくあったのだが、副社長に就任してから、エスカレートしてきたのだ。
女子社員となど、アバンチュールにならない!こんな厄介な女と寝たら、後々面倒ごとになる未来しか思い浮かばない。
「それで?仕事の相談ではないのなら、失礼するよ。無駄な時間を過ごしてしまった。」
「あ、あの……待って、待ってください。申し訳ありません。」
女は俺を怒らせたことを詫びていたようだが、もう聞く耳を持たない。俺は、腹立ち紛れでテーブルにあった伝票を持ち、そのまま立ち去った。
カフェを出て、3メートルほど歩いたときに前の交差点で、大きなクラクション音がして、思わず音の方へ眼を向ける。
若い女性が交差点で座り込んでいるのが見え、とっさにその交差点に入り、女性を引きずり出した。
見るとその女性は、泣きはらした上に涙らしきもので顔をグショグショに濡らしていた。
自殺しようとしていたのか?
交差点から引きずり出した女性は、大した怪我はないようだが、タイツが破れ、足を擦りむいているように見えた。
「危ないじゃないか!」
とっさに出た言葉だが、よくよくその女性の顔を見ると、なかなか可愛い顔をしている。それにカラダつきも俺のタイプにぴったりだ。華奢な体に柔らかそうな大きな胸。
さっきの社内の女とは比べ物にならないほど魅力的だ。
よろけながら、立ち上がり礼をしてくる女性をこのまま帰してしまうには、あまりにももったいない。
俺は下心を隠しながら、女性に送っていくことを約束する。
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