ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄？ご冗談でしょ(笑)

大聖女オーロラ

４二度目の人生

オーロラは、もうすぐ転生するというとき、ドメイン国王夫妻に、まもなく自分も生まれ変わり、今度こそマクセル様と幸せになるという決意を込めて、挨拶に行く。

　「今の話は、真か？それならば、転生の神様に私たち夫婦の子として、産まれてきては、もらえないだろうか？カンブリアは、神界で再婚したのなら、その再婚相手との子として、オーロラ嬢が生まれてきて、私たち夫婦の子として、マクセルの魂を持った子供が生まれてきてほしいのだ。」

　ええ？そんなこと可能だろうか？安請け合いはできないから、義母の女神様に聞いてみよう。

　義母に聞いたら、不可能というわけでもなさそう？でも、国王妃殿下は高齢出産になるが、大丈夫だろうか？

　聞けば、あの夜空の映像が余程ショッキングだったらしく、ほとんど寝たきりになっておられるという。出産は体力勝負である。ただでさえ、高齢なところへ持ってきて、夜空映像のおかげで気鬱になっておられるのに、果たして無事男の子を産めるのであろうか？

　初産でないにしても、一度、ゴールデニアはその王妃様と面談することにしたのだ。

　「もう一度、マクセルをこの手で抱けるのなら、頑張ります。どうか、もう一度、わたくしに授けてくださいませ。」

　王妃殿下も必死である。

　そこへ国王陛下も来られる。

　「何卒、もう一度、私たちにマクセルをください。よろしくお願いします。」

　「わかりましたわ。わたくしから転生の神に掛け合ってみましょう。ただし、もう少し健康になってくださいませ。毎日、お二人で散歩をしてください。腹筋と背筋を鍛えること、それとウォーキングと言って太ももの筋肉を鍛えることが一番、手っ取り早い。大腿四頭筋が体の中で一番筋肉が集まっているところ、それを鍛えることで体は丈夫になります。」

　「はぁ、散歩ですか？」

　「わたくしは、マクセルをもらえるのならやりますわよ。アナタ！今から歩きに行きましょう。」

　こういうことは、女性のほうが積極的である。

　ゴールデニアは、神界へ戻りアマテラスと転生の神に相談するのである。

　もう一度、人間界へ行き、オーロラという大聖女を身ごもり産むのだ。今度は、レオナルド一世様との半神として？になるのか？もともと大聖女だから、神と同格だよね？ま、どうなるのかはわからないが、名実ともにオーロラが娘になることはありがたい。

　それから、ゴールデニアは、レオナルド一世様の魂を持つカンブリア公爵と名実ともに再婚したのである、

　久々の人間界での夫婦生活は熱い！神界でも同じ夜を過ごしていても、人間界とはまるで違うのである。言葉では言い尽くせない快楽がある。

　もと人間の聖女は、人間界で経験がないから、神界でも満足しているだけなのである。

　そして、カンブリア公爵夫妻とドメイン国王夫妻は、同じ時期に身籠り、280週と10日後、それぞれ男の子と女の子を産むのである。

　その間、オーロラは、というと相変わらず神界で聖女の仕事をしていたのだが、破水に陣痛というときに慌てて、人間界へ降りていくと、義母？産みの母になるのか？ゴールデニアが苦し気な表情をしていたので、思わず「お母さん、しっかりして！」と手を握って叫んだ途端、目の前が真っ暗になって、前方から一条の光が！

　「まぶしい！」と自分では、言ったつもりが周囲には「おぎゃぁ」としてしか聞こえなかったらしい。

　こうして、オーロラは2度目の人生を歩み出す。