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大聖女オーロラ
1婚約破棄のち元サヤ
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今日は学園の卒業記念祝賀パーティなのだが、この学園は晴れたら、野外でオープンカフェ形式の立食パーティが行われるのである。
本日も晴天なり。それで屋外でのパーティなのである。青空の下での飲食は楽しい。
参加者は、卒業生、学園関係者、父兄、国王陛下とその重鎮たちの貴族。
このパーティがこのパーティが終われば、晴れて結婚式が行われる。
それは、この物語の主人公オーロラ・カンブリアにとっても待ちに待った愛する王子様との挙式なのである。
ここのところ、その王子様は聞いた話によると、少々マリッジブルー気味だと伺っている。男の人はそうなのかしら?いつまでも独身気分を味わいたいから、結婚式が近づくと気鬱になる人が多いらしい。
それでも昨日、お会いしたときはいつもと変わらぬ愛を囁いてくださいましたので、きっと大丈夫でしょう。
ところが、今、目の前にいらっしゃる王子様はというと、大変難しい顔をしていらっしゃいます。
「公爵令嬢オーロラ・カンブリア、貴様との婚約は今をもって破棄するものとする。」
まさか?まさか!
高らかに宣言されるのは、王太子殿下のマクセル・フォン・ドメイン様である。
「それは、どういうことでございましょうか?」
「すまぬ。もう貴様のことは愛していないのである。今まで、辛抱してきたのだが、明日、結婚式だと思うとどうしても貴様とは結婚したくないのである。」
「そんな……、昨日まで愛を囁いてくださっていたではありませんか?酷いですわっ!わたくしを騙していらっしゃったのですね。ひどいですっ!あんまりですわっ!」
そのままオーロラは、テーブル席の合間を縫って、断崖まで行き、身を躍らせたのである。
「待てっ!オーロラ!」
オーロラを追いかけて、断崖まで行ったときはもう手遅れで、オーロラは頭を下に落下していく最中でした。
崖の上で茫然と佇むマクセル様、
「俺はどうして、あんな……思ってもいないことを口にしてしまったんだろう。愛しているのに、オーロラ。」
マクセル様は、本心からオーロラに愛想尽かししたわけではない。ただ、幸せそうにしているオーロラに少し意地悪をしてやろうと思っただけ。
ほんの少しの意地悪がこんな結果を招くとは、夢にも思っていなかったのだ。
オーロラの父カンブリア公爵も崖の上に到着して、
「待ってろー!今、助けに行くぞー!」
突如、崖下のあたりが爆発でもあったのかと思えるほどの光に包まれる。しばらくすると、背中から金色の翼を生やしたオーロラが気絶したまま、浮かんでいるのである。
「「「「「聖女様だ!」」」」」
誰かがそう叫ぶと、全員、跪いている。マクセルとカンブリア公爵を除いて。
「早く、聖女様を引っ張り上げるのだ!」
誰かがそう叫び、我に返った貴族たちが、アグネスの身体に触れようとしたら、一閃の光とともに、背中から白い羽根を生やした明らかに女神様と思われる女性が現れたのである。
「聖女様に触るではない!無礼者!」
「このお方をどなたと心得る。このお方は地上に1000年ぶりに現れた大聖女様なるぞ!控えおろう、頭が高い!これよりオーロラ聖女様は、我が神界へ連れて参る。その方らは、聖女様を死に追いやった罪で、こうしてくれるは!」
女神様が地面を一蹴りなさると、そこからみるみるうちに凍っていくのである。
「女神様!お待ちを!」
女神ゴールデニアはゆっくりと振り向く。
オーロラの父カンブリア公爵が半分凍り付きながら、必死の形相でいる。
「その方は、オーロラの父君であったな、その方の命は助ける。でないと、オーロラが悲しむのでな。」
「あり難き幸せと言いたいところですが、オーロラとともに、私もその神の国へ連れて行ってやもらえないでしょうか?」
「いいとも!」
ゴールデニアは、ほっとしたこのままでは、未成年者拉致誘拐になりかねないから。
そんなこんなを話しているうちに、かろうじて凍っていないのは、カンブリア公爵だけになっていたのである。それ以外の人間はすべて、氷像と化していたのだ。そこで、聖女オーロラが目覚めると、父と女神様がいらっしゃる。
よく見ると我が愛するマクセル様が凍り付いているではないか!オーロラはすぐさまマクセルの元に駆け寄り、自分の体温で、マクセル様を溶かそうと試みる。
「何をしているのだ!オーロラ、そんな男のことは放っておいて、これから女神様とともに神の国へ行くのだ。」
「嫌です。わたくしが愛したマクセル様をこのまま放ってはいけません。」
そうこうしているうちに、マクセル様が正気を取り戻したのだ。
「ごめんよう。ちょっと意地悪を言いたくなっただけなんだ。オーロラ愛している。」
「わたくしもマクセル様を愛しています。」
二人は抱き合い、人目もはばからずイチャイチャし始めたのである。
「ウォッホン!大聖女オーロラよ、わたくしとともに神の国へ行く気はないか?」
「はい、せっかくの思し召しでございますが、ご遠慮いたしたく存じます。わたくしが聖女であるのなら、地上に現れた意味がございます。その理由をまっとうしたいのでございます。それがたとえ、いばらの道であったとしても。」
「立派だ。よくぞ申した。それでこそ我が娘だ。」
女神ゴールデニアは困った顔をするも、オーロラがそういうのだから、仕方がない。全員が凍り付いた魔法を解除し、神界へ帰ることにしたのである。
「大聖女オーロラよ、この機会を逃してたら、永遠に神界へは参れぬようになるがそれでもよいか?神界へ行けば、神と同格になり、不老不死となるのだぞ?」
「はい、わたくしは愛するマクセル様と共に同じ時間を生きとう存じます。」
「あい、わかった。それでは二度と大聖女オーロラの前に姿は現さない。達者で生きろよ。」
女神ゴールデニアは、それだけ言い残し神界へ戻って行ったのだ。
ところが、またしても神界から来なければならない事態が起ころうとは、ゴールデニアはこの時は予想だにしなかったのである。
本日も晴天なり。それで屋外でのパーティなのである。青空の下での飲食は楽しい。
参加者は、卒業生、学園関係者、父兄、国王陛下とその重鎮たちの貴族。
このパーティがこのパーティが終われば、晴れて結婚式が行われる。
それは、この物語の主人公オーロラ・カンブリアにとっても待ちに待った愛する王子様との挙式なのである。
ここのところ、その王子様は聞いた話によると、少々マリッジブルー気味だと伺っている。男の人はそうなのかしら?いつまでも独身気分を味わいたいから、結婚式が近づくと気鬱になる人が多いらしい。
それでも昨日、お会いしたときはいつもと変わらぬ愛を囁いてくださいましたので、きっと大丈夫でしょう。
ところが、今、目の前にいらっしゃる王子様はというと、大変難しい顔をしていらっしゃいます。
「公爵令嬢オーロラ・カンブリア、貴様との婚約は今をもって破棄するものとする。」
まさか?まさか!
高らかに宣言されるのは、王太子殿下のマクセル・フォン・ドメイン様である。
「それは、どういうことでございましょうか?」
「すまぬ。もう貴様のことは愛していないのである。今まで、辛抱してきたのだが、明日、結婚式だと思うとどうしても貴様とは結婚したくないのである。」
「そんな……、昨日まで愛を囁いてくださっていたではありませんか?酷いですわっ!わたくしを騙していらっしゃったのですね。ひどいですっ!あんまりですわっ!」
そのままオーロラは、テーブル席の合間を縫って、断崖まで行き、身を躍らせたのである。
「待てっ!オーロラ!」
オーロラを追いかけて、断崖まで行ったときはもう手遅れで、オーロラは頭を下に落下していく最中でした。
崖の上で茫然と佇むマクセル様、
「俺はどうして、あんな……思ってもいないことを口にしてしまったんだろう。愛しているのに、オーロラ。」
マクセル様は、本心からオーロラに愛想尽かししたわけではない。ただ、幸せそうにしているオーロラに少し意地悪をしてやろうと思っただけ。
ほんの少しの意地悪がこんな結果を招くとは、夢にも思っていなかったのだ。
オーロラの父カンブリア公爵も崖の上に到着して、
「待ってろー!今、助けに行くぞー!」
突如、崖下のあたりが爆発でもあったのかと思えるほどの光に包まれる。しばらくすると、背中から金色の翼を生やしたオーロラが気絶したまま、浮かんでいるのである。
「「「「「聖女様だ!」」」」」
誰かがそう叫ぶと、全員、跪いている。マクセルとカンブリア公爵を除いて。
「早く、聖女様を引っ張り上げるのだ!」
誰かがそう叫び、我に返った貴族たちが、アグネスの身体に触れようとしたら、一閃の光とともに、背中から白い羽根を生やした明らかに女神様と思われる女性が現れたのである。
「聖女様に触るではない!無礼者!」
「このお方をどなたと心得る。このお方は地上に1000年ぶりに現れた大聖女様なるぞ!控えおろう、頭が高い!これよりオーロラ聖女様は、我が神界へ連れて参る。その方らは、聖女様を死に追いやった罪で、こうしてくれるは!」
女神様が地面を一蹴りなさると、そこからみるみるうちに凍っていくのである。
「女神様!お待ちを!」
女神ゴールデニアはゆっくりと振り向く。
オーロラの父カンブリア公爵が半分凍り付きながら、必死の形相でいる。
「その方は、オーロラの父君であったな、その方の命は助ける。でないと、オーロラが悲しむのでな。」
「あり難き幸せと言いたいところですが、オーロラとともに、私もその神の国へ連れて行ってやもらえないでしょうか?」
「いいとも!」
ゴールデニアは、ほっとしたこのままでは、未成年者拉致誘拐になりかねないから。
そんなこんなを話しているうちに、かろうじて凍っていないのは、カンブリア公爵だけになっていたのである。それ以外の人間はすべて、氷像と化していたのだ。そこで、聖女オーロラが目覚めると、父と女神様がいらっしゃる。
よく見ると我が愛するマクセル様が凍り付いているではないか!オーロラはすぐさまマクセルの元に駆け寄り、自分の体温で、マクセル様を溶かそうと試みる。
「何をしているのだ!オーロラ、そんな男のことは放っておいて、これから女神様とともに神の国へ行くのだ。」
「嫌です。わたくしが愛したマクセル様をこのまま放ってはいけません。」
そうこうしているうちに、マクセル様が正気を取り戻したのだ。
「ごめんよう。ちょっと意地悪を言いたくなっただけなんだ。オーロラ愛している。」
「わたくしもマクセル様を愛しています。」
二人は抱き合い、人目もはばからずイチャイチャし始めたのである。
「ウォッホン!大聖女オーロラよ、わたくしとともに神の国へ行く気はないか?」
「はい、せっかくの思し召しでございますが、ご遠慮いたしたく存じます。わたくしが聖女であるのなら、地上に現れた意味がございます。その理由をまっとうしたいのでございます。それがたとえ、いばらの道であったとしても。」
「立派だ。よくぞ申した。それでこそ我が娘だ。」
女神ゴールデニアは困った顔をするも、オーロラがそういうのだから、仕方がない。全員が凍り付いた魔法を解除し、神界へ帰ることにしたのである。
「大聖女オーロラよ、この機会を逃してたら、永遠に神界へは参れぬようになるがそれでもよいか?神界へ行けば、神と同格になり、不老不死となるのだぞ?」
「はい、わたくしは愛するマクセル様と共に同じ時間を生きとう存じます。」
「あい、わかった。それでは二度と大聖女オーロラの前に姿は現さない。達者で生きろよ。」
女神ゴールデニアは、それだけ言い残し神界へ戻って行ったのだ。
ところが、またしても神界から来なければならない事態が起ころうとは、ゴールデニアはこの時は予想だにしなかったのである。
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