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聖女クリスティーヌ
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神界へ来た最初の夜は、マーガレット様とビクトリア様の勧めもあり。クリスティーヌは、神殿に泊ったのであるが、神殿のお風呂はびっくりするぐらい気持ちが良かったのである。このお風呂に入っているからこそ、あんなに若くいられるのだろうか?
次の日も次の日も女子会と称するお茶会?は続くのである。
実のところ、聖女軍団を結成し、みんなで鍛錬をしているのである。教師役は女神様のゴールデニア様で、
「息を吸って、はい、止める。何事も基本が大事よ。ビックリするぐらい、強くなって、男どものハナを明かせてやりましょう。」
「「「「「「はーい。」」」」」」
ミロクは、不満顔である。せっかく神界へクリスティーヌと二人きりでデートをしたかったのに、兄嫁や母、姉に盗られてしまって、喋ることもままならないでいる。
でも文句を言うと、却って怒られるから辛抱をしているのだ。もうすっかり、姉や兄嫁、母のお気に入りとなっているクリスティーヌのことは、少々自慢気でもあるのだが、まだ彼女にもしていないというのに。
特訓のせいかか、みるみるうちに上達していくクリスティーヌ、若いから覚えるのが早いのである。他の元聖女たちも、昔取った杵柄であれよあれよと上達していくのである。
「これなら、いつ討伐命令が出ても大丈夫ね。」
「ねぇ、ウチのゴンロク火魔法が使えるから、覚えて見ない?聖魔法に火魔法が加われば、鬼に金棒だと思うの。」
「ヒミコいいの?」
「いいわよ。最近、ウチの人ったら、わたくしのことキレイになったって、言ってくれるのよ。ここで、みんなと訓練している成果だと思うわ。」
「なんだかんだ言って、ノロケているんじゃない。」
他の聖女たちは、どんな理由であれ、新しい魔法を覚えたいので、目を輝かせている。
そういうことで、鍛冶の神のところへ7人で押しかける。
ゴンロクいや、鍛冶の神は大挙して押しかけたので、たじたじになっている。
「アンタ、みんなを連れてきたわよ。早く火魔法を教えなさいよ。」
そこそこキレイどころが7人押しかけ、まんざらでもない鍛冶の神様。
こうして、火魔法を習得した聖女たちは、意気揚々と帰って行く。
初めて神界に来た時からずっと、クリスティーヌは神殿暮らしをしているのである。ネバーランドウエストの伯父のお城なんて、鳥の巣かウサギ小屋にしか見えない。
ずっとここで暮らしたい。だんだんとそう思うようになってきたクリスティーヌ、ゴールデニア様は、八岐大蛇討伐が済んだら、誰かいい方を紹介してくださるというから、楽しみにしているのである。
別にミロク様でもいいんだけど、ちょっとコワイから。
ミロク様を見るだけで、緊張して汗が噴き出る。できれば、違う方がいいな♡
ミロクは一週間も、神界に滞在していたのだから、最後に深海をクリスティーヌに見せて、地上へ戻ることにしたのだ。その間、クリスティーヌがどれほど強くなっているかも知らずに、相変わらず、偉そうな態度である。
「もう帰るぞ。ずいぶん、サボってしまったからな。」
「あの……わたくしにとって、ミロク様はいかなるお立場の方なのでしょうか?」
「へ?それはだな……、一緒に八岐大蛇を討伐するためにだな。」
「それが済んだら?」
そんなこと聞かれると思っていなかったから、しどろもどろになっている。アマテラスの息子のくせに意外とヘタレなのだ。
「ゴールデニア様が、わたくしにいい方をご紹介してくださるそうです。」
「え=っ!姉貴が?ちょっと待ってて。」
ミロク様は、そのままどこかへ行かれた。待っていると、いろいろな神様からお声がかかる。
「君が1000年ぶりに現れた聖女様なんだね?名前は、確かクリスティーヌ様だったか?可愛いね。今度、僕とデートしようよ。何なら、これからいいところへ連れて行ってあげるよ。」
「だめだめ、ロイスは調子のいいことを言って、ね、良かったら、僕とデートしようよ。天にも上るぐらい気持ちよくさせてあげるよ。」
「マーカス、それはセクハラだぞ!」
「なんだょ。変な意味にとるなよ!欲求不満じゃねぇのかよ!」
「なんだとぉ!」
とそこへ、アマテラス様が通りかかられると、その若い神たちは、ささっと道を開ける。
「ほぅ、これはビッキーが言っていた噂のクリスティーヌ様だな、儂はアマテラス、この国で王をしとる。」
「はじめまして、クリスティーヌと申します。奥方様には、大変よくしていただいております。」
「そうか、そうか。いつまでもゆっくりしていくがいい。八岐大蛇は、まだしばらくは動かない。動くまで、ここでゆるりといたせ。」
「はい、でも今日帰るつもりで、ミロク様をお待ち申し上げております。」
「よいよい。儂が良いというのであるから。ミロクだけ帰せばいいのだ。」
「でも……。ミロク様は、コワイです。怒られるかも?」
「大丈夫だ。そなたは、神殿に戻るがよかろう。妻はクリスティーヌがいなくなると悲しむのでな。ここにいなさい。」
「はい、そういうことでしたら。」
アマテラスは、クリスティーヌを神殿まで送り届ける。
戻ってきたミロクは、クリスティーヌがいないことを騒ぎ出して、癇癪を起している。
「クリスティーヌどこへ行った?隠れていないで、出てきなさい。」
「クリス!さっさと出てこい!もう、帰るぞ!」
アマテラスが、
「ミロク!何を騒いでおる!」
「あ、いや……クリスの姿が見えないので、探しておりました。」
「クリスは神殿に還したぞ、」
「は?なんで?今日、帰るというのに。」
「ビクトリアが、クリスのことを気に入ってな、側にいてほしいらしいのだ。そういうことだから、八岐大蛇が動くまで、儂が預かることにした。文句あるか?」
「それでは、鍛錬がおろそかになってしまいます。」
「バカ者!相手は、聖女様なるぞ!鍛錬など必要あるまい!」
「はぁ。」
「お前は、そんなんでは女にモテぬぞ。もっと優しく接してやれ。」
「そういわれましても、どのように接すればいいか正直わかりません。」
「クリスのことは、愛しくないのか?」
「愛しいです。」
「なら、行動で示せ。今のままでは、鬼教官だぞ、ミロクは。」
がははは。と笑いながら、アマテラスは去っていく。
同じようなことを赤クマにも言われている。でも、どうしたらいいかわからないのだ。
どうやって、愛を伝えればいいのか。
姉には、クリスに紹介しないでくれとは、言ったが、
「じゃあ、猶予を上げるわ。討伐までにきちんと、クリスに愛を伝えなさい。それができなければ、後が使えているのよ。クリスを嫁さんにしたいという若い神は大勢いるのよ。アマテラス2世を少しは、見習いなさい。ま0ガレット様の木を引こうと必死だったのだからね。」
まだ、その頃は、俺は生まれていなかった?いや、赤ちゃんだったから、覚えていない。
仕方なく、参考になるかもしれないと思い、長兄が国王を務めているノースリバー国に向かう。そして、兄貴にいろいろ聞くと。
「定番は、命を懸けてお守りします、だな。今度、八岐大蛇討伐だろ?ある意味チャンスかもしれんぞ。しっかりやれ。」
そう言われてもな、父アマテラスから「相手は聖女様だ!お前より強いかもしれんぞ。」と言われている。俺は、本当にクリスよりも強いのだろうか?だんだん心配になってきて、俺は地上に戻って、密かに鍛錬を積む。こうしなければ、クリスを失うかもしれない不安に勝てない。
クリスはクリスで相変わらず、聖女軍団で特訓をしている。基本、まじめなのだ。サボっている罪悪感より、身体を動かしている方が気持ちいいというのもある。
まもなく大蛇、決戦です。
次の日も次の日も女子会と称するお茶会?は続くのである。
実のところ、聖女軍団を結成し、みんなで鍛錬をしているのである。教師役は女神様のゴールデニア様で、
「息を吸って、はい、止める。何事も基本が大事よ。ビックリするぐらい、強くなって、男どものハナを明かせてやりましょう。」
「「「「「「はーい。」」」」」」
ミロクは、不満顔である。せっかく神界へクリスティーヌと二人きりでデートをしたかったのに、兄嫁や母、姉に盗られてしまって、喋ることもままならないでいる。
でも文句を言うと、却って怒られるから辛抱をしているのだ。もうすっかり、姉や兄嫁、母のお気に入りとなっているクリスティーヌのことは、少々自慢気でもあるのだが、まだ彼女にもしていないというのに。
特訓のせいかか、みるみるうちに上達していくクリスティーヌ、若いから覚えるのが早いのである。他の元聖女たちも、昔取った杵柄であれよあれよと上達していくのである。
「これなら、いつ討伐命令が出ても大丈夫ね。」
「ねぇ、ウチのゴンロク火魔法が使えるから、覚えて見ない?聖魔法に火魔法が加われば、鬼に金棒だと思うの。」
「ヒミコいいの?」
「いいわよ。最近、ウチの人ったら、わたくしのことキレイになったって、言ってくれるのよ。ここで、みんなと訓練している成果だと思うわ。」
「なんだかんだ言って、ノロケているんじゃない。」
他の聖女たちは、どんな理由であれ、新しい魔法を覚えたいので、目を輝かせている。
そういうことで、鍛冶の神のところへ7人で押しかける。
ゴンロクいや、鍛冶の神は大挙して押しかけたので、たじたじになっている。
「アンタ、みんなを連れてきたわよ。早く火魔法を教えなさいよ。」
そこそこキレイどころが7人押しかけ、まんざらでもない鍛冶の神様。
こうして、火魔法を習得した聖女たちは、意気揚々と帰って行く。
初めて神界に来た時からずっと、クリスティーヌは神殿暮らしをしているのである。ネバーランドウエストの伯父のお城なんて、鳥の巣かウサギ小屋にしか見えない。
ずっとここで暮らしたい。だんだんとそう思うようになってきたクリスティーヌ、ゴールデニア様は、八岐大蛇討伐が済んだら、誰かいい方を紹介してくださるというから、楽しみにしているのである。
別にミロク様でもいいんだけど、ちょっとコワイから。
ミロク様を見るだけで、緊張して汗が噴き出る。できれば、違う方がいいな♡
ミロクは一週間も、神界に滞在していたのだから、最後に深海をクリスティーヌに見せて、地上へ戻ることにしたのだ。その間、クリスティーヌがどれほど強くなっているかも知らずに、相変わらず、偉そうな態度である。
「もう帰るぞ。ずいぶん、サボってしまったからな。」
「あの……わたくしにとって、ミロク様はいかなるお立場の方なのでしょうか?」
「へ?それはだな……、一緒に八岐大蛇を討伐するためにだな。」
「それが済んだら?」
そんなこと聞かれると思っていなかったから、しどろもどろになっている。アマテラスの息子のくせに意外とヘタレなのだ。
「ゴールデニア様が、わたくしにいい方をご紹介してくださるそうです。」
「え=っ!姉貴が?ちょっと待ってて。」
ミロク様は、そのままどこかへ行かれた。待っていると、いろいろな神様からお声がかかる。
「君が1000年ぶりに現れた聖女様なんだね?名前は、確かクリスティーヌ様だったか?可愛いね。今度、僕とデートしようよ。何なら、これからいいところへ連れて行ってあげるよ。」
「だめだめ、ロイスは調子のいいことを言って、ね、良かったら、僕とデートしようよ。天にも上るぐらい気持ちよくさせてあげるよ。」
「マーカス、それはセクハラだぞ!」
「なんだょ。変な意味にとるなよ!欲求不満じゃねぇのかよ!」
「なんだとぉ!」
とそこへ、アマテラス様が通りかかられると、その若い神たちは、ささっと道を開ける。
「ほぅ、これはビッキーが言っていた噂のクリスティーヌ様だな、儂はアマテラス、この国で王をしとる。」
「はじめまして、クリスティーヌと申します。奥方様には、大変よくしていただいております。」
「そうか、そうか。いつまでもゆっくりしていくがいい。八岐大蛇は、まだしばらくは動かない。動くまで、ここでゆるりといたせ。」
「はい、でも今日帰るつもりで、ミロク様をお待ち申し上げております。」
「よいよい。儂が良いというのであるから。ミロクだけ帰せばいいのだ。」
「でも……。ミロク様は、コワイです。怒られるかも?」
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「はい、そういうことでしたら。」
アマテラスは、クリスティーヌを神殿まで送り届ける。
戻ってきたミロクは、クリスティーヌがいないことを騒ぎ出して、癇癪を起している。
「クリスティーヌどこへ行った?隠れていないで、出てきなさい。」
「クリス!さっさと出てこい!もう、帰るぞ!」
アマテラスが、
「ミロク!何を騒いでおる!」
「あ、いや……クリスの姿が見えないので、探しておりました。」
「クリスは神殿に還したぞ、」
「は?なんで?今日、帰るというのに。」
「ビクトリアが、クリスのことを気に入ってな、側にいてほしいらしいのだ。そういうことだから、八岐大蛇が動くまで、儂が預かることにした。文句あるか?」
「それでは、鍛錬がおろそかになってしまいます。」
「バカ者!相手は、聖女様なるぞ!鍛錬など必要あるまい!」
「はぁ。」
「お前は、そんなんでは女にモテぬぞ。もっと優しく接してやれ。」
「そういわれましても、どのように接すればいいか正直わかりません。」
「クリスのことは、愛しくないのか?」
「愛しいです。」
「なら、行動で示せ。今のままでは、鬼教官だぞ、ミロクは。」
がははは。と笑いながら、アマテラスは去っていく。
同じようなことを赤クマにも言われている。でも、どうしたらいいかわからないのだ。
どうやって、愛を伝えればいいのか。
姉には、クリスに紹介しないでくれとは、言ったが、
「じゃあ、猶予を上げるわ。討伐までにきちんと、クリスに愛を伝えなさい。それができなければ、後が使えているのよ。クリスを嫁さんにしたいという若い神は大勢いるのよ。アマテラス2世を少しは、見習いなさい。ま0ガレット様の木を引こうと必死だったのだからね。」
まだ、その頃は、俺は生まれていなかった?いや、赤ちゃんだったから、覚えていない。
仕方なく、参考になるかもしれないと思い、長兄が国王を務めているノースリバー国に向かう。そして、兄貴にいろいろ聞くと。
「定番は、命を懸けてお守りします、だな。今度、八岐大蛇討伐だろ?ある意味チャンスかもしれんぞ。しっかりやれ。」
そう言われてもな、父アマテラスから「相手は聖女様だ!お前より強いかもしれんぞ。」と言われている。俺は、本当にクリスよりも強いのだろうか?だんだん心配になってきて、俺は地上に戻って、密かに鍛錬を積む。こうしなければ、クリスを失うかもしれない不安に勝てない。
クリスはクリスで相変わらず、聖女軍団で特訓をしている。基本、まじめなのだ。サボっている罪悪感より、身体を動かしている方が気持ちいいというのもある。
まもなく大蛇、決戦です。
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