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豆餅を3個食べただけで、お腹がズシリと重くなり、がぜんやる気が出てくるところが不思議だ。
吹雪は器用に豆餅を食べミネラルウォーターもキャップの開け方を教えると、すんなり満足していたみたいだけど、隼人は……いいのだろうか?鹿に人間の食べ物を与えても、という不安はあったが、そのあたりは、意外にも吹雪が神獣としての先輩風をふかし、面倒をみているようなので、安心した。
豆餅を隼人の口に近づけ、もぐもぐと咀嚼する姿は愛らしい。もっとも、神獣は実体のないカラダなので、食べなくても、どうってことないのだが、人間だけが食べていると欲しがるかもしれないし、食べ物で恨みは買いたくない。
ミネラルウォーターも折りたたみの洗面器を懐から出し、それにペットボトルから注ぎ入れ、隼人が飲めるようにしてくれている。
その洗面器は東急ハンズで買ったものだけど、吹雪が気に入っているみたいなので、あげたんだっけ。
現代のカーナビは、適切に越前市までの道のりを示してくれているが、この時代には、まだ衛星がなかったため、進むべき道がけもの道であり、途中で寸断されていたりとなかなか思うように勧めない。
そこで檸檬は、敦賀の手前で、車を降り、異空間にしまう。そして、利休様の背負っていらっしゃる荷物も、檸檬の異空間に入れ、ここから先は、空を飛んでいくことにする。左手に海を眺めながら、まっすぐ飛べば、だいたいの位置はわかるだろう。
利休様は、隼人の背に乗せ、出発進行とする。
「ひゃぁっ。白鹿の背に乗るのは初めてだが、馬より乗り心地が良いようなものだ」
「我は、人間を乗せたことがないが、聖女様の思し召しなのだから、仕方がない。しっかりと我の首に摑まるがよい」
檸檬は、利休様自身にも浮遊魔法をかけたので、180センチの大男でも、隼人にとっては、重力を感じないのか、空高く舞い上がる。
吹雪は自力で飛べるものの、楽をしたいのか、檸檬にしがみついてくる。こういうところは、ちゃっかりしているというか、なんというか。
目指すは、越前の織田(おた)、なんと織田一族の発祥の地があるということをスマホで調べ上げた。おそらくその地に布陣していると思われる。
やっぱ、陣地というからには、かがり火で灯していると思う。それらしき光源を求めて、ひたすら北上すること30分、どうやら能登まで行ってしまったみたい。行き過ぎた。あわてて引き返すも、それらしきかがり火はない。
檸檬は、早との横に並び2人と1頭と1匹がスッポリ収まる結界を張り、その中で会話をすることにした。
「千宗易様、どこにふじんされておるか、ご存知なのでは?」
「詳しくは、しらん。だが、もう少し陸地に近寄れば、織田家の家紋がみえるはずじゃが?」
要するに、高度を落とせということね。
檸檬は、結界ごと、高度を落とし、陸地から50メートルぐらいの低いところを飛ぶようにした。すると何やら、かがり火をたいているところに目が行き、近づいてみると、「欣求浄土」と書いてある。
ん?
何やら、見覚えのある文字。
「あれは、ひょっとして!?」
「一向一揆じゃ」
「ええっ!」
何を隠そう檸檬は、京都東山にある女子学園を小学校から中学までを卒業しているのだ。その学園は、浄土真宗大谷派の教えを旨とする学園で、報恩講の時などは、早く学校が終わり、生徒全員におはぎがふるまわれたことを鮮明に覚えている。
それが美味しくて、楽しくて、壺切りの茶と同じぐらい楽しみにしていた行事で、生活の中に知らず知らずのうちに、ご開祖親鸞聖人の教えが溶け込んでいるように思えたのだ。
「まさか!?一向一揆鎮圧のため、織田軍が出張ってきているのですか?」
「そうとも!わしは、堺から鉄砲の弾を1000個信長様に献上するつもりで参じたのだ」
「そんな……、無力な民に鉄砲だなんて、火力が違いすぎます!あの方たちは、ただ極楽浄土への道を信じて、念仏を唱えているだけの存在なのです。それを一方的に、ひどいではありませんか?」
「政に利用されている愚かな信徒なのだ。愚かにも下間頼照の口車に乗せられ躍らされている」
「それは信長公がおっしゃっているだけでは、ございませんか?」
「信長公は天下を狙っている御仁、一向宗を排除せねば、天下など到底とれぬ。だからこの戦に、御屋形様は必至なのであろう」
「降りてください。殺戮をする方への手助けなど、私には無理です」
「そうか。あいわかった。檸檬殿は、平和な時代に生まれ育ったのだな、うらやましい限りだ。楽しい旅を共にできて感謝する。気を付けて帰られよ」
敦賀で利休と別れ、そのまま転移魔法で、現代の京都に帰ってくるものの、どうにも利休様が気になる。
織田家・豊臣家の茶坊主になるのだから、無事に戻ってこられることはわかっているけど……、京都に戻ったその足で、檸檬は京都東山女子学園の図書室に向かう。
もっと歴史を勉強しなきゃ。あの暗闇で暗殺されそうになったことと、一向一揆とは、つながっているのか?
線利休様が、鉄砲弾を持っていることを知って、襲ったのか?
首を突っ込まなくてもいい話だと分かっているが、どうにも落ち着かない。さっきまで隼人の背中に跨っていた利休様が、時の権力者に護摩をするようなことなど……考えたくもない。
難しい顔をしながら国立博物館の東端の交差点を渡る。ここから坂道を登りきったところに京都東山女子学園はある。
通学時間帯は、綺麗に着飾った女子学生がたくさん通るところから、その名も「女坂」と呼ばれる名所でもある。
吹雪は、檸檬の方に乗っていて、ご機嫌なのか、鼻歌を歌っている。隼人は、生まれたての子時価よりもさらに小さく縮んでもらって、いつも持ち歩いているトートバッグの中に入れているけど、角が邪魔でしかtがない。
実際には、幻影なのだから突かれるようなことはないのだけど……。気分として、お腹や胸を突かれているような気がする。
「ねえ、隼人、他に何か変身できる姿ってないの?」
トートバッグの中で、隼人は唸っている。
「あ、あ、無理ならいいわよ」
隼人がトートバッグの淵に足を?手を?かけたかと思えば、突如、白煙が上がって、銀髪にブラウンの瞳、白のTシャツにGパンといういでたちのかっこいい外国人の若い男性が突っ立ていた。
「かっこいいわ。隼人、素敵」
それを見ていた吹雪が対抗心を燃やし、また修験者の恰好をするが、こちらはモサーッとしていて
「吹雪は、お猿さんの方が可愛くて、好きよ」
しょんぼりとして、元の姿に戻る。
隼人の姿は、顕現化もできるが、今は女子大に向かっているので、幻の姿になってもらうことにする。
「あれ?檸檬じゃないの?久しぶり~♪って、まさか東大から出戻ってきたってわけじゃないわよね?」
「ちょうど、お里帰りしたから、ちょっと調べものしに来たのよ」
「へぇー。ウチの大学にそんな価値ある本アル?」
「ねえ、檸檬先輩って、東京大学に行ったって話、本当だったんですか?」
「ちょっとぉ、それどういう意味よ?」
「いえ、悪い意味ではなくて、……その……今度、東大生と合コンできたらいいかなぁって、思って」
「ああ、合コンね。それでいつ東京へ行くの?」
「いややわぁ、先輩。なんでウチらが東京へ行かなあかんの?合コンするなら、男の方が動くべきじゃないの?」
それが当然だとばかりに胸を張っているけど、東京には、お茶の水に聖心、白百合に東京女子、日本女子と東大生御用達の大学が目白押しって言うことがわかっていない。
その娘たちも決して、東大生を彼氏に捕まえるために安穏しているわけではなく、日ごろから礼儀正しく振舞い、教養を身に着け、合コン前日にはエステに行き、と涙ぐましい努力をしての花嫁候補の座を維持しているというのに。
当然、東山女子のような夜遊びに興じているわけではない。
吹雪は器用に豆餅を食べミネラルウォーターもキャップの開け方を教えると、すんなり満足していたみたいだけど、隼人は……いいのだろうか?鹿に人間の食べ物を与えても、という不安はあったが、そのあたりは、意外にも吹雪が神獣としての先輩風をふかし、面倒をみているようなので、安心した。
豆餅を隼人の口に近づけ、もぐもぐと咀嚼する姿は愛らしい。もっとも、神獣は実体のないカラダなので、食べなくても、どうってことないのだが、人間だけが食べていると欲しがるかもしれないし、食べ物で恨みは買いたくない。
ミネラルウォーターも折りたたみの洗面器を懐から出し、それにペットボトルから注ぎ入れ、隼人が飲めるようにしてくれている。
その洗面器は東急ハンズで買ったものだけど、吹雪が気に入っているみたいなので、あげたんだっけ。
現代のカーナビは、適切に越前市までの道のりを示してくれているが、この時代には、まだ衛星がなかったため、進むべき道がけもの道であり、途中で寸断されていたりとなかなか思うように勧めない。
そこで檸檬は、敦賀の手前で、車を降り、異空間にしまう。そして、利休様の背負っていらっしゃる荷物も、檸檬の異空間に入れ、ここから先は、空を飛んでいくことにする。左手に海を眺めながら、まっすぐ飛べば、だいたいの位置はわかるだろう。
利休様は、隼人の背に乗せ、出発進行とする。
「ひゃぁっ。白鹿の背に乗るのは初めてだが、馬より乗り心地が良いようなものだ」
「我は、人間を乗せたことがないが、聖女様の思し召しなのだから、仕方がない。しっかりと我の首に摑まるがよい」
檸檬は、利休様自身にも浮遊魔法をかけたので、180センチの大男でも、隼人にとっては、重力を感じないのか、空高く舞い上がる。
吹雪は自力で飛べるものの、楽をしたいのか、檸檬にしがみついてくる。こういうところは、ちゃっかりしているというか、なんというか。
目指すは、越前の織田(おた)、なんと織田一族の発祥の地があるということをスマホで調べ上げた。おそらくその地に布陣していると思われる。
やっぱ、陣地というからには、かがり火で灯していると思う。それらしき光源を求めて、ひたすら北上すること30分、どうやら能登まで行ってしまったみたい。行き過ぎた。あわてて引き返すも、それらしきかがり火はない。
檸檬は、早との横に並び2人と1頭と1匹がスッポリ収まる結界を張り、その中で会話をすることにした。
「千宗易様、どこにふじんされておるか、ご存知なのでは?」
「詳しくは、しらん。だが、もう少し陸地に近寄れば、織田家の家紋がみえるはずじゃが?」
要するに、高度を落とせということね。
檸檬は、結界ごと、高度を落とし、陸地から50メートルぐらいの低いところを飛ぶようにした。すると何やら、かがり火をたいているところに目が行き、近づいてみると、「欣求浄土」と書いてある。
ん?
何やら、見覚えのある文字。
「あれは、ひょっとして!?」
「一向一揆じゃ」
「ええっ!」
何を隠そう檸檬は、京都東山にある女子学園を小学校から中学までを卒業しているのだ。その学園は、浄土真宗大谷派の教えを旨とする学園で、報恩講の時などは、早く学校が終わり、生徒全員におはぎがふるまわれたことを鮮明に覚えている。
それが美味しくて、楽しくて、壺切りの茶と同じぐらい楽しみにしていた行事で、生活の中に知らず知らずのうちに、ご開祖親鸞聖人の教えが溶け込んでいるように思えたのだ。
「まさか!?一向一揆鎮圧のため、織田軍が出張ってきているのですか?」
「そうとも!わしは、堺から鉄砲の弾を1000個信長様に献上するつもりで参じたのだ」
「そんな……、無力な民に鉄砲だなんて、火力が違いすぎます!あの方たちは、ただ極楽浄土への道を信じて、念仏を唱えているだけの存在なのです。それを一方的に、ひどいではありませんか?」
「政に利用されている愚かな信徒なのだ。愚かにも下間頼照の口車に乗せられ躍らされている」
「それは信長公がおっしゃっているだけでは、ございませんか?」
「信長公は天下を狙っている御仁、一向宗を排除せねば、天下など到底とれぬ。だからこの戦に、御屋形様は必至なのであろう」
「降りてください。殺戮をする方への手助けなど、私には無理です」
「そうか。あいわかった。檸檬殿は、平和な時代に生まれ育ったのだな、うらやましい限りだ。楽しい旅を共にできて感謝する。気を付けて帰られよ」
敦賀で利休と別れ、そのまま転移魔法で、現代の京都に帰ってくるものの、どうにも利休様が気になる。
織田家・豊臣家の茶坊主になるのだから、無事に戻ってこられることはわかっているけど……、京都に戻ったその足で、檸檬は京都東山女子学園の図書室に向かう。
もっと歴史を勉強しなきゃ。あの暗闇で暗殺されそうになったことと、一向一揆とは、つながっているのか?
線利休様が、鉄砲弾を持っていることを知って、襲ったのか?
首を突っ込まなくてもいい話だと分かっているが、どうにも落ち着かない。さっきまで隼人の背中に跨っていた利休様が、時の権力者に護摩をするようなことなど……考えたくもない。
難しい顔をしながら国立博物館の東端の交差点を渡る。ここから坂道を登りきったところに京都東山女子学園はある。
通学時間帯は、綺麗に着飾った女子学生がたくさん通るところから、その名も「女坂」と呼ばれる名所でもある。
吹雪は、檸檬の方に乗っていて、ご機嫌なのか、鼻歌を歌っている。隼人は、生まれたての子時価よりもさらに小さく縮んでもらって、いつも持ち歩いているトートバッグの中に入れているけど、角が邪魔でしかtがない。
実際には、幻影なのだから突かれるようなことはないのだけど……。気分として、お腹や胸を突かれているような気がする。
「ねえ、隼人、他に何か変身できる姿ってないの?」
トートバッグの中で、隼人は唸っている。
「あ、あ、無理ならいいわよ」
隼人がトートバッグの淵に足を?手を?かけたかと思えば、突如、白煙が上がって、銀髪にブラウンの瞳、白のTシャツにGパンといういでたちのかっこいい外国人の若い男性が突っ立ていた。
「かっこいいわ。隼人、素敵」
それを見ていた吹雪が対抗心を燃やし、また修験者の恰好をするが、こちらはモサーッとしていて
「吹雪は、お猿さんの方が可愛くて、好きよ」
しょんぼりとして、元の姿に戻る。
隼人の姿は、顕現化もできるが、今は女子大に向かっているので、幻の姿になってもらうことにする。
「あれ?檸檬じゃないの?久しぶり~♪って、まさか東大から出戻ってきたってわけじゃないわよね?」
「ちょうど、お里帰りしたから、ちょっと調べものしに来たのよ」
「へぇー。ウチの大学にそんな価値ある本アル?」
「ねえ、檸檬先輩って、東京大学に行ったって話、本当だったんですか?」
「ちょっとぉ、それどういう意味よ?」
「いえ、悪い意味ではなくて、……その……今度、東大生と合コンできたらいいかなぁって、思って」
「ああ、合コンね。それでいつ東京へ行くの?」
「いややわぁ、先輩。なんでウチらが東京へ行かなあかんの?合コンするなら、男の方が動くべきじゃないの?」
それが当然だとばかりに胸を張っているけど、東京には、お茶の水に聖心、白百合に東京女子、日本女子と東大生御用達の大学が目白押しって言うことがわかっていない。
その娘たちも決して、東大生を彼氏に捕まえるために安穏しているわけではなく、日ごろから礼儀正しく振舞い、教養を身に着け、合コン前日にはエステに行き、と涙ぐましい努力をしての花嫁候補の座を維持しているというのに。
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