12 / 14
12.祟り
しおりを挟む
蘆屋道満の屋敷は、都のはずれにあり、やや辺鄙なところに居を構えている。
安倍晴明とは違い、どちらかと言えば、世捨て人のような隠遁生活をしているように見える。
どうして、ここまで穏やかな人が安倍晴明などという売り出し中の人に喧嘩を売ろうとしたのか?その答えは、安倍晴明が勝ったから、勝った者の歴史が残っていると思われる。安倍晴明が、自分の名前をより高めるために蘆屋道満に喧嘩を売ったのであろう。
ミコが屋敷を訪ねると、快く招き入れて、お茶でもてなしてくれる。
「天翔ける巫女殿のことは古来の伝書にて、存じておったが、まさか本当に出会えるとは思ってもみなかったこと。これは、よい死に土産ができたものよ。」
帝からの仰せというならば、仕方がないことかもしれないけれど、晴明は式神相手に性欲処理をしていたが、道満はどうなのだろうか?
「がはは。儂はもう歳だから、そっちの方は、もう枯れておってな。でも、ミコ殿さえよければ、もうひと踏ん張りしてもよいぞ?……冗談だよ、気にすることはない。」
でも、カラダは、筋肉質で、アソコも大きい。
ミコは思わず、生唾を飲み込むと、やおら、道満のシンボルを手に取り、うっとりとした表情で、それを口に含む。
「な、な、何をなされる!巫女殿、正気か?」
この時代に、まだ口淫というものがあったかどうかは、わからないけど、
「今宵は、一夜の夢を見てくださいませ。道満さま。」
そう言いながら、道満の上に己の身を乗せ、奥までズプリと刺し、前後左右に円を描くように腰を動かす。
ついでに言えば、この時、道満に結界を張ることに成功する。生命がいかに卑怯者であったとしても、これで命だけでも、守れるだろう。
恍惚とした表情を道満も浮かべ、
「生きているということは、これほどよかったものかと今更ながらに実感できたわい。ありがとう。巫女殿。」
突如、猛烈なめまいを感じてしまう。
これは、将軍様よりのお召しがかかったということ。ちょうど、道満殿も欲を吐き出され、グッタリとされている間に、道満殿に、最後のキスをして、将軍様のところへ、急ぐ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その次に来たときは、もう遣唐使を廃止した菅原道真の時代までになってしまう。宇多天皇から醍醐天皇の時代に勢力を得たのだが、その後、悲運に見舞われる。
あの後、安倍晴明と対決した蘆屋道満さまは、ご無事だったかどうか、知る由もない。
醍醐天皇は宇多天皇から、引き継いだ時、右大臣に菅原道真、左大臣に藤原時平の体制で政を進めようとしたが、藤原時平は策謀により、菅原道真に「謀反の疑いがある。」とでっち上げ、その結果、太宰府に左遷されてしまいます。
いわゆる昌泰の変として知られているのだが、流罪になって2年後、悲しみのうちに逝去される。
伝説では、その後、道真は鬼に転生して、自分を嵌めた藤原家に対して、怨霊となり復習していく。
中臣鎌足の子孫が思わぬ形で、歴史にかかわってくることから、ミコは少々、複雑な気分になる。
御所の清流殿で会議をしている最中、清流殿の柱に落雷し、柱が燃え、藤原時平をはじめとする冤罪事件の首謀者はことごとく、感電死して、真っ黒に焼けこげる。
醍醐天皇は、その話を聞き及び、それだけでショック死してしまう。当時の人間からすれば、菅原道真公が雷神となり、自分を陥れた憎き藤原一族をことごとく滅してしまいたかったのだろうと同情が集まる。
同じ清流殿の中にいた者でも、菅原道真公に同情した者達は無傷で、まるで寝たい澄ましたかのように、藤原家に天罰を落としたのだ。
その後、感電死だけでなく、伝染病になった者、落馬して死んだ者などが現れる。さらなる祟りを恐れた藤原家は、天皇家の北西に当たる地に怨霊を鎮めるための社を建立する。それが現在の北の単万宮である。
安倍晴明とは違い、どちらかと言えば、世捨て人のような隠遁生活をしているように見える。
どうして、ここまで穏やかな人が安倍晴明などという売り出し中の人に喧嘩を売ろうとしたのか?その答えは、安倍晴明が勝ったから、勝った者の歴史が残っていると思われる。安倍晴明が、自分の名前をより高めるために蘆屋道満に喧嘩を売ったのであろう。
ミコが屋敷を訪ねると、快く招き入れて、お茶でもてなしてくれる。
「天翔ける巫女殿のことは古来の伝書にて、存じておったが、まさか本当に出会えるとは思ってもみなかったこと。これは、よい死に土産ができたものよ。」
帝からの仰せというならば、仕方がないことかもしれないけれど、晴明は式神相手に性欲処理をしていたが、道満はどうなのだろうか?
「がはは。儂はもう歳だから、そっちの方は、もう枯れておってな。でも、ミコ殿さえよければ、もうひと踏ん張りしてもよいぞ?……冗談だよ、気にすることはない。」
でも、カラダは、筋肉質で、アソコも大きい。
ミコは思わず、生唾を飲み込むと、やおら、道満のシンボルを手に取り、うっとりとした表情で、それを口に含む。
「な、な、何をなされる!巫女殿、正気か?」
この時代に、まだ口淫というものがあったかどうかは、わからないけど、
「今宵は、一夜の夢を見てくださいませ。道満さま。」
そう言いながら、道満の上に己の身を乗せ、奥までズプリと刺し、前後左右に円を描くように腰を動かす。
ついでに言えば、この時、道満に結界を張ることに成功する。生命がいかに卑怯者であったとしても、これで命だけでも、守れるだろう。
恍惚とした表情を道満も浮かべ、
「生きているということは、これほどよかったものかと今更ながらに実感できたわい。ありがとう。巫女殿。」
突如、猛烈なめまいを感じてしまう。
これは、将軍様よりのお召しがかかったということ。ちょうど、道満殿も欲を吐き出され、グッタリとされている間に、道満殿に、最後のキスをして、将軍様のところへ、急ぐ。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その次に来たときは、もう遣唐使を廃止した菅原道真の時代までになってしまう。宇多天皇から醍醐天皇の時代に勢力を得たのだが、その後、悲運に見舞われる。
あの後、安倍晴明と対決した蘆屋道満さまは、ご無事だったかどうか、知る由もない。
醍醐天皇は宇多天皇から、引き継いだ時、右大臣に菅原道真、左大臣に藤原時平の体制で政を進めようとしたが、藤原時平は策謀により、菅原道真に「謀反の疑いがある。」とでっち上げ、その結果、太宰府に左遷されてしまいます。
いわゆる昌泰の変として知られているのだが、流罪になって2年後、悲しみのうちに逝去される。
伝説では、その後、道真は鬼に転生して、自分を嵌めた藤原家に対して、怨霊となり復習していく。
中臣鎌足の子孫が思わぬ形で、歴史にかかわってくることから、ミコは少々、複雑な気分になる。
御所の清流殿で会議をしている最中、清流殿の柱に落雷し、柱が燃え、藤原時平をはじめとする冤罪事件の首謀者はことごとく、感電死して、真っ黒に焼けこげる。
醍醐天皇は、その話を聞き及び、それだけでショック死してしまう。当時の人間からすれば、菅原道真公が雷神となり、自分を陥れた憎き藤原一族をことごとく滅してしまいたかったのだろうと同情が集まる。
同じ清流殿の中にいた者でも、菅原道真公に同情した者達は無傷で、まるで寝たい澄ましたかのように、藤原家に天罰を落としたのだ。
その後、感電死だけでなく、伝染病になった者、落馬して死んだ者などが現れる。さらなる祟りを恐れた藤原家は、天皇家の北西に当たる地に怨霊を鎮めるための社を建立する。それが現在の北の単万宮である。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

金蝶の武者
ポテ吉
歴史・時代
時は天正十八年。
関東に覇を唱えた小田原北条氏は、関白豊臣秀吉により滅亡した。
小田原征伐に参陣していない常陸国府中大掾氏は、領地没収の危機になった。
御家存続のため、選ばれたのは当主大掾清幹の従弟三村春虎である。
「おんつぁま。いくらなんでもそったらこと、むりだっぺよ」
春虎は嘆いた。
金の揚羽の前立ての武者の奮戦記 ──
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
拾われ子だって、姫なのです!
田古みゆう
歴史・時代
南蛮人、南蛮人って。わたくしはれっきとした倭人よ!
お江戸の町で与力をしている井上正道と、部下の高山小十郎は、二人の赤子をそれぞれ引き取り、千代と太郎と名付け育てることに。
月日は流れ、二人の赤子はすくすくと成長した。見目麗しい姿と珍しい青眼を持つため、周囲からは奇異の眼で見られる。こそこそと噂をされるたび、千代は自分は一体何者なのだろうかと、自身の出自について悩んでいた。唯一同じ青眼を持つ太郎と悩みを分かち合おうにも、何かを知っていそうな太郎はあまり多くを語らない。それがまた千代を悶々とさせていた。
そんな千代を周囲の者は遠巻きに見ながらも、その麗しさに心奪われる者は多く、やがて年頃の千代にも縁談話が持ち上がる。
しかし、当の千代はそんなことには興味がなく。寄ってくる男を、口八丁手八丁で退けてばかり。
果たして勝気な姫様の心を射止める者が、このお江戸にいるのかっ!?
痛快求婚譚、これよりはじまりはじまり〜♪

if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。
枢軸国
よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年
第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。
主人公はソフィア シュナイダー
彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。
生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う
偉大なる第三帝国に栄光あれ!
Sieg Heil(勝利万歳!)
富羅鳥城の陰謀
薔薇美
歴史・時代
時は江戸中期。若き富羅鳥藩主が何者かに暗殺され富羅鳥城から盗み出された秘宝『金鳥』『銀鳥』。
『銀鳥』は年寄りの銀煙、そして、対の『金鳥』は若返りの金煙が吹き上がる玉手箱であった。
そう、かの浦島太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱と同じ類いのものである。
誰しもが乞い願う若返りの秘宝『金鳥』を巡る人々の悲喜こもごも。忍びの『金鳥』争奪戦。
『くノ一』サギと忍びの猫にゃん影がお江戸日本橋を飛び廻る!

架空戦記 旭日旗の元に
葉山宗次郎
歴史・時代
国力で遙かに勝るアメリカを相手にするべく日本は様々な手を打ってきた。各地で善戦してきたが、国力の差の前には敗退を重ねる。
そして決戦と挑んだマリアナ沖海戦に敗北。日本は終わりかと思われた。
だが、それでも起死回生のチャンスを、日本を存続させるために男達は奮闘する。
カクヨムでも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる