天翔ける巫女~レコンキスタ失われた愛を求めて

青の雀

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10.安倍晴明との出会い

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 中大兄皇子は、実母の斉明天皇が亡くなり正式に即位しないまま百済の救援要請に派兵してしまう。

 遠征軍は、白村江の戦でボロ負けしてしまいますが、日本も百済や高句麗のように唐・新羅の連合軍に攻め滅ぼされるかもしれないという危機感を募る。

 九州北部に防人を配し、太宰府には水城と言われる長大な土塁と濠を作り、また数多くの山城を増設し、唐・新羅からの来週に備えることとしたのだ。



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 鳴くよ(794年)鶯平安京

 次に美子(みこ)がやってきた時代は、一気に平安京まで飛ぶ。

 坂上田村麻呂が征夷大将軍として、蝦夷討伐に大軍を送り出した直後のこと。

 ちなみに征夷とは蝦夷を征服するという意味にちなんで名づけられたものである。

 時代は、奈良から京都に代わっているが、ミコはとりあえず、奈良のウリが住んでいる洞窟を目指すことにした。

 ウリは、長老として?若いイノシシの頭になっているが、相変わらずのハーレム状態で、お盛んなところは変わっていない。

 ミコの姿を見つけると、嬉しそうに駆け寄ってくる。そして、自分と奥さんたちと子供たち全員に結界をかけてくれと、せがんでくる。

 ウリはイーグルに連絡を取ると、イーグルもまた、新しい奥さんを連れて、洞窟にやってくる。イーグルの奥さんにも結界を張ってやり、とりあえず北方向の京都を目指す。

 京の都は上空から見ても、やはり碁盤の目になっている。

 さて、今回はどんな出会いがあるかしらね。

 ふらふらと飛んでいると、広い邸宅が見えてきたので、その庭に下り立つと、そこは、安倍晴明の邸宅であった。

 「ほぉ、これは珍しい天翔ける巫女殿ではないか?」

 「わたくしのことをご存知で?」

 「古代の書物にお主のことが書いてあったのを読んだ記憶がある。」

 「そうですか?ご母堂様は息災であらせられますか?」

 「葛葉の伝説か……。」

 「いずれ、蘆屋道満なる人物と対決することでしょう。その時に道満が使う呪いに惑わされぬように、その根拠となる解呪を授けましょうぞ。」

 ミコは晴明の頭上に金粉を振りかけて、再び浮遊魔法で頭上に舞い上がり、去っていく。

 もちろん、ミコにそんな力はない。だが、不思議な天翔ける巫女が来て、安倍晴明に金粉を振りかけたということが重要なのであり、人々はこれに尾ひれを着けて、話を大きくするに違いない。

 また、安倍晴明自身も「信じるものは救われる。」といったサブリミナル効果もあり、より自信を持つということでもある。

 「それにしても摩訶不思議な女性だ。イイ女に違いはないが、美しいだけではなく、何か芯に秘めたものを持っておられる。また、会いたい……。」

 安倍晴明は後世にも名をはせる陰陽師で、現在はご神体として、京都の一条戻り橋の近くに神社がある。

 その専門分野は広く天文学、呪術、占星学、神道、仏教、方位学に渡り、目くらましや幻術、魔術まで使いこなしていたという説がある。

 その頃、ミコは、安倍晴明か、久しぶりにイイ男を見たわ。うふふ。

 他の男に抱かれるのは、禁忌事項ではなかったと思う。だから、いいよね。一度ぐらい味見しても?

 次の日、安倍晴明の真所に姿話表したミコだったが、晴明は他の女性とハッスル中で、興醒めする。

 なんだー。がっかり。

 でも、他人のセックスって、ちょっと興味がある。ミコは隠ぺい魔法をかけたまま、しばらく見入ることにする。

 パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。パンっ。

 「「はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。」」

 ふーん。なんだか、つまらないわね。

 無言で、行為をしているのを見ても、面白くもなんともない。それにしても、この時代は男性が女性のところへ行く通い婚が普通だったはずなのに、もしや晴明様は囲われているのだろうか?それとも、相手をしている女性役は、式神だったりしてね。まさか?

 性欲処理の為だけに式神を抱いているなど、考えたくないけど……ありうるか?

 そーろと、帰ろうとしていると、

 「待たれよ。巫女殿。とんだところを見られてしまったな。」

 「あっは。気づいてました?」

 「昼間と同じ、かぐわしい香りがしたので、気づいたのだ。」

 「そっか、ニオイまでは……迂闊でしたわ。お邪魔してしまって、すみません。すぐ、お暇しますから。」

 「いや、しばし、話がしたい。」

 ミコは夜這いに行って、話がしたいと言われてもね……。戸惑いながらも、なぜか待っていることに驚いてしまう。

 「……グ……はぁ。はぁ。はぁ。……。」

 声明は身支度を整えると、ミコに舞う気治る。さっきまで、組み敷かれていた式神は、いつの間にやらどこかへ行ってしまっている。
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