天翔ける巫女~レコンキスタ失われた愛を求めて

青の雀

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3.巫女衣装

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 いよいよ時間旅行に旅立つため、美子は準備を進めていく。未開の古代史の中に行くことになるので、食料、医薬品、武器、ライターマッチ、洗面道具、着替えも必要かもしれない。

 同行するガイドはいない。強いて言えば、ラファエル神?でも、彼は異世界の神であり、ニッポンの神ではない。でもいないよりは、マシかと思う。怒られるかもしれないけどね。

 現代人が古代に行けば、神としてもてはやされるか、畏怖の対象として恐れられるか、あるいは……生口(せいこう)として、奴隷のようないけにえにされるか、計り知れない。だから念には念を入れ、数日前から、聖女魔法の練習をしている。何かあれば、転移魔法でこの世に戻ってこられるように。

 将軍様のお召しがあれば、戻ってこられるというけど、次、いつお召しがあるかわからないから。

 美子が来てから、ほかの妾から苦情が来ているという。将軍様が美子ばかりを寵愛していると騒ぎ、そのため将軍様は、今まで疎遠であった妾のところに順番に顔を出しておられると聞く。

 ただ将軍様のお情けが欲しいという理由だけではない。妾には、高官の娘が多数含まれている。政治的な意味合いがあるから、将軍様も無下にはできない。

 だからいざとなれば、自分の身ぐらい自分で守れないと古代へ旅立つ決心がつかない。

 食料も女官に頼み、後宮の外の食料品店で、カロリーメイクのバッタものとしょうゆカップラーメンを買ってきてもらい、そのほかは女官の好きなものを買ってきて、と言いカップラーメンとカロリーメイクだけを受け取り、おつりを含めてすべて女官にあげた。

 相変わらず、言葉はわからないけど、身振り手振りでどうにかなる。お小遣いとして持たされているお金は、将軍様に抱かれる度に、おそらくニッポン円にして100万円相当のものをもらえているみたい。だから一晩で5回なら、500万円それに寵愛手当なるものが付く。だからもう、5000万円相当のものがもらえているけど、使い道がない。地下銀行でニッポンへ送れるらしいけど、送る相手がみんな死んじゃっていない。

 将軍様に抱かれることを除けば、ニッポンにいた時と生活水準は変わらない。後宮の外には出られないけど、通っていた大学の講義もZOOMで見られる。どういう仕組みになっているか、まるでわからないけど。

 美子が欲しいものがあると、言えば何でも手に入る状況にはある。たとえば、銀座の有名な洋菓子店のゼリーが食べたいといえば、次の日の夕食までには、必ずお取り寄せしているという具合。

 巫女のアルバイトができないことと両親や同級生がいないことだけが変わりがない。

 その日、遅くに将軍様のお召しがあった。急なお召しで何も支度が出来ていないけれど、急いでお風呂に入り、カラダを綺麗にする。

 全裸のまま、巫女衣装に着替えて、将軍様が来られるのを待つ。

 拉致されてきたときの巫女衣装から数えて、もう18着目になる。インターネットで様々なエロい巫女衣装がコスプレ用に売っていて、将軍様に抱かれるときは必ず巫女衣装に着替えさせられる。

 美子自身も巫女衣装が嫌いというわけでもないから、時折可愛い巫女衣装を見つけたら、女官に言って注文している。

 その衣装が届いたときは、必ず、将軍様の手により、着せられ、将軍様の目の前でくるりと回ってみせなければならない。そして再び、将軍様の手により脱がされ、コトに及ぶということ。

 将軍様はかなり疲れたご様子で、心配。高官の娘の味がよろしくないどころか、あの手この手で将軍様を引き留めようとなさり、かなりご立腹であるとか?女官長から聞いた話。

 どうやって、お慰めすればよろしいのかしら?

 でも、そんな心配は杞憂だった。将軍様は、美子のスケスケ巫女衣装を見た途端、鼻血を出しながら、激しく求めてこられ、結局空が白ばむまで続く。700万円プラスアルファの稼ぎ?

 カラダのあちこちが痛むけど、将軍様が満足して戻られてから、古代へと旅立つことにする。
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