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セレンティーヌがイケメン王子様を引っ叩いたことについては、王子が無礼を働いたとして、謝罪された上で、お咎めなしとなったのである。
王子は、貴族用の座敷牢?に入れられたそうだ。思いがけず、よそ者の冒険者にアテレックの恥部をさらしてしまった結果となってしまう。
アテレック王家も、王子と聖女がうまくいけば?という下心があっての席順だったのだが、それが裏目に出てしまう。
陛下がパーティに遅れられた理由が、イケメン王子に「くれぐれも聖女様の前では酒を飲むな。」ということを釘刺していたにもかかわらず、どんどん酒を飲みすぎ、酒癖の悪さが露呈したのである。
勲章だけでもありがたいと思っていた聖女様一行に、口止めの意味を兼ねて法外な報奨金が出たのである。
妻帯者の冒険者は大喜びしているが、細君は、それがイケメン王子の口止め料であると見破る。
イケメン王子の酒癖の悪さは、ほぼ酒乱レベル、聖女様の力で治そうと思えば治せるが、セレンティーヌはほっとく、今に肝臓がやられて、ほっといた方が早死にするから。その方が民衆のためにも、いいのでは?
あんな顔だけ王子が王位に就くより、もっとまともな者が王位に就いた方が100倍いい。
セレンティーヌは、せっかく冒険者の奥様方にドレスをプレゼントしたのだから、ともう一度ドレスを着る機会を上げようと、アテレックを出国する前に、ドレスコードのあるパーティを開くことにする。
会場は、いつものマンションの屋上では味気ないから、またアクリル板で会場を探す。
迎賓館にしようか、それともスカイツリー?アベノハルカスもいいかも?でも、屋上は風がきつすぎて、飛ばされちゃうかもしれない。
お料理は帝国ホテルの仕出しを取ろう。あとは、会場選びだけ。ベルサイユ宮殿なんていいかも?でも血塗られた歴史があるからなぁ。それにベルサイユ宮殿にはトイレがなく、庭でみんな用を足していたらしいよ。そのニオイ消しのためにフランスでは、香水が発達したんだってさ。
それでは、シンデレラ城にしようか?階段で靴を落としたら、玉の輿に乗れる?というゲン担ぎをするのもいいかもしれない。
美女と野獣のお城もいいよね。もちろん王子様に変身してからのお城だよ。
いろいろ悩んだあげく、デズニーのシンデレラ城を買い、そこでセレンティーヌは住居とすることにしたのである。玉の輿願望丸出し。
長年住み慣れた公爵邸を異空間に仕舞いこむ。でも、冒険先で、シンデレラ城を出すほどの場所がなかったら、また出番にするつもりでいる。
冒険者の家族からの反響は良かった。これから毎月1回ぐらいは、着飾ってパーティをすることになったのである。
これも福利厚生の一環である。旦那の冒険者の衣装は黒の燕尾服だけでも、ご家族の奥様方のドレスは、毎月新調することにしたのである。たまには、時間がない時はアクリル板で買うこともあるけど、アクリル板でのドレス購入はなかなか評判がいいらしい。なぜなら、ソーシャルダンス用の衣装だから、踊りやすいように、美しく華やかなドレスに仕立ててある。
貞淑な貴族令夫人が着るような、コルセットで、身体をとことん締め付け、首が詰まったものではなく、胸や太ももが露になったドレスで旦那を挑発するらしい。もちろんブラジャーも寄せてあげるものを一緒に買って、渡す。パンティもショーツやズロース型のものでもなく、衣装に合わせて同じ色のものを選ぶ。万が一、見えても衣装の一部にしか見えないようなものを選ぶ。
まぁ、後はお好きにやってくださいな。
それぞれの旦那はまんざらでもなさそう。自分の妻が美しく着飾ることに誇りを感じているようで、うっかり、パーティの日程を組むのを忘れてしまったら、旦那のほうから、
「今月はいつやりますか?」と問い合わせが来る。
今月も、ついうっかり忘れたのである。なぜ忘れたかというと、今月に入ってすぐ、レオが
「またニッポンから来た転生者を見たぞ。前と同じ男だった。」
と言った所から始まる。
「え?どこどこ?どんな人だった?」
「ん?割と精悍な感じのいい男のように見えた。」
「どこで?どこで?」
レオに案内された場所へ行ってみても、もういない。当り前である。お地蔵様でもないのだから、いつまでも同じ場所にはいない。
「一人だった?」
「従者を連れておったぞ。」
そうなると、そこそこ身分が高い人なのだろうか?
それから、レオの目撃情報を頼りに、いろいろ行ってみたが全部空振り。それでも、目撃情報はすべて、街道沿いにあることから、おそらく、その先にあるネオデジャマイカに向かったのではないか?と推察する。
セレンティーヌは診療所をそそくさとたたみ、いつの間にか転生者の男性を追いかけるために冒険を続けるように変わっていく自分に気づく。
気になって仕方がないのである。いまだ見ぬその男性が前世の父親や夫の可能性もあるというのに、突き動かされるように、その男性の後を追う。
それで晩餐会を失念してしまったというわけです。
会場と燕尾服はある。料理はアクリル板から仕入れ、並べるだけ。奥様方のドレスもアクリル板で仕入れて、明日の朝にでも発とう。大所帯なので、なかなか大変なのである。
最近、パイロットの勉強をするため、アクリル板からその関係の書籍を購入したのだが、ちんぷんかんで???普通免許では、飛べない。
気圧や高度のことも勉強しなければならないし、とにかく実地で飛ばないと意味がない。ゼロセンでも買って、練習しようかしらね。グライダーのほうがいいか?
そうそう奥様方のドレスだった。めんどくさいので、同じデザインのドレスを色違いで買っていく。パンティは、それに合わせてLLサイズのものをこれも何十枚と色違いで買っていき、最後は、ブラなんだけど、これはアンダーのサイズがわからないと決められない。たいていの奥様はHカップでいいのだけど、今回は時間がないので、ノーブラか手持ちで参加してもらうこととした。このことが思わぬ波紋を呼ぶことになるのだが、セレンティーヌは気づかない。
あんなことになるのなら、ヌーブラでも買って、全員に前もって渡しとけばよかったと後で思う。
王子は、貴族用の座敷牢?に入れられたそうだ。思いがけず、よそ者の冒険者にアテレックの恥部をさらしてしまった結果となってしまう。
アテレック王家も、王子と聖女がうまくいけば?という下心があっての席順だったのだが、それが裏目に出てしまう。
陛下がパーティに遅れられた理由が、イケメン王子に「くれぐれも聖女様の前では酒を飲むな。」ということを釘刺していたにもかかわらず、どんどん酒を飲みすぎ、酒癖の悪さが露呈したのである。
勲章だけでもありがたいと思っていた聖女様一行に、口止めの意味を兼ねて法外な報奨金が出たのである。
妻帯者の冒険者は大喜びしているが、細君は、それがイケメン王子の口止め料であると見破る。
イケメン王子の酒癖の悪さは、ほぼ酒乱レベル、聖女様の力で治そうと思えば治せるが、セレンティーヌはほっとく、今に肝臓がやられて、ほっといた方が早死にするから。その方が民衆のためにも、いいのでは?
あんな顔だけ王子が王位に就くより、もっとまともな者が王位に就いた方が100倍いい。
セレンティーヌは、せっかく冒険者の奥様方にドレスをプレゼントしたのだから、ともう一度ドレスを着る機会を上げようと、アテレックを出国する前に、ドレスコードのあるパーティを開くことにする。
会場は、いつものマンションの屋上では味気ないから、またアクリル板で会場を探す。
迎賓館にしようか、それともスカイツリー?アベノハルカスもいいかも?でも、屋上は風がきつすぎて、飛ばされちゃうかもしれない。
お料理は帝国ホテルの仕出しを取ろう。あとは、会場選びだけ。ベルサイユ宮殿なんていいかも?でも血塗られた歴史があるからなぁ。それにベルサイユ宮殿にはトイレがなく、庭でみんな用を足していたらしいよ。そのニオイ消しのためにフランスでは、香水が発達したんだってさ。
それでは、シンデレラ城にしようか?階段で靴を落としたら、玉の輿に乗れる?というゲン担ぎをするのもいいかもしれない。
美女と野獣のお城もいいよね。もちろん王子様に変身してからのお城だよ。
いろいろ悩んだあげく、デズニーのシンデレラ城を買い、そこでセレンティーヌは住居とすることにしたのである。玉の輿願望丸出し。
長年住み慣れた公爵邸を異空間に仕舞いこむ。でも、冒険先で、シンデレラ城を出すほどの場所がなかったら、また出番にするつもりでいる。
冒険者の家族からの反響は良かった。これから毎月1回ぐらいは、着飾ってパーティをすることになったのである。
これも福利厚生の一環である。旦那の冒険者の衣装は黒の燕尾服だけでも、ご家族の奥様方のドレスは、毎月新調することにしたのである。たまには、時間がない時はアクリル板で買うこともあるけど、アクリル板でのドレス購入はなかなか評判がいいらしい。なぜなら、ソーシャルダンス用の衣装だから、踊りやすいように、美しく華やかなドレスに仕立ててある。
貞淑な貴族令夫人が着るような、コルセットで、身体をとことん締め付け、首が詰まったものではなく、胸や太ももが露になったドレスで旦那を挑発するらしい。もちろんブラジャーも寄せてあげるものを一緒に買って、渡す。パンティもショーツやズロース型のものでもなく、衣装に合わせて同じ色のものを選ぶ。万が一、見えても衣装の一部にしか見えないようなものを選ぶ。
まぁ、後はお好きにやってくださいな。
それぞれの旦那はまんざらでもなさそう。自分の妻が美しく着飾ることに誇りを感じているようで、うっかり、パーティの日程を組むのを忘れてしまったら、旦那のほうから、
「今月はいつやりますか?」と問い合わせが来る。
今月も、ついうっかり忘れたのである。なぜ忘れたかというと、今月に入ってすぐ、レオが
「またニッポンから来た転生者を見たぞ。前と同じ男だった。」
と言った所から始まる。
「え?どこどこ?どんな人だった?」
「ん?割と精悍な感じのいい男のように見えた。」
「どこで?どこで?」
レオに案内された場所へ行ってみても、もういない。当り前である。お地蔵様でもないのだから、いつまでも同じ場所にはいない。
「一人だった?」
「従者を連れておったぞ。」
そうなると、そこそこ身分が高い人なのだろうか?
それから、レオの目撃情報を頼りに、いろいろ行ってみたが全部空振り。それでも、目撃情報はすべて、街道沿いにあることから、おそらく、その先にあるネオデジャマイカに向かったのではないか?と推察する。
セレンティーヌは診療所をそそくさとたたみ、いつの間にか転生者の男性を追いかけるために冒険を続けるように変わっていく自分に気づく。
気になって仕方がないのである。いまだ見ぬその男性が前世の父親や夫の可能性もあるというのに、突き動かされるように、その男性の後を追う。
それで晩餐会を失念してしまったというわけです。
会場と燕尾服はある。料理はアクリル板から仕入れ、並べるだけ。奥様方のドレスもアクリル板で仕入れて、明日の朝にでも発とう。大所帯なので、なかなか大変なのである。
最近、パイロットの勉強をするため、アクリル板からその関係の書籍を購入したのだが、ちんぷんかんで???普通免許では、飛べない。
気圧や高度のことも勉強しなければならないし、とにかく実地で飛ばないと意味がない。ゼロセンでも買って、練習しようかしらね。グライダーのほうがいいか?
そうそう奥様方のドレスだった。めんどくさいので、同じデザインのドレスを色違いで買っていく。パンティは、それに合わせてLLサイズのものをこれも何十枚と色違いで買っていき、最後は、ブラなんだけど、これはアンダーのサイズがわからないと決められない。たいていの奥様はHカップでいいのだけど、今回は時間がないので、ノーブラか手持ちで参加してもらうこととした。このことが思わぬ波紋を呼ぶことになるのだが、セレンティーヌは気づかない。
あんなことになるのなら、ヌーブラでも買って、全員に前もって渡しとけばよかったと後で思う。
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