巻き込まれ召喚聖女は、商人として成り上がる ～日本から持ってきたタブレットPC、異世界通販で大活躍

第1章 異世界召喚

18.アテレック町

　マサコさんがベルソ村のトニー村長と結婚することになり、この世界に留まることが決定した。マサコさんの菩提寺にあるお墓をマリのお寺で引き受けることになり、試しに父へメールをしたら繋がった。日本では、異世界奪還に向けて対策準備室ができた。マリを含む女性陣のほぼ全員が妊娠して、出産した。

　4か月経過して全員の赤ちゃんの首が座ったので、隣町のアテレック町へ出発することになった。この頃では、夜中、3時間に一度授乳のため起こされることもなくなった。
　異世界日本人の人口が200人になったので、大型バス3台では足りない。再び異空間収納から乗用車を出した。ベビーシートを人数分揃え設置した。

　聖魔法が使える元聖女のマリは、3号車先頭車両に乗った。もちろん我が息子とパパ（鈴鹿先輩）も一緒だ。子供って、不思議よね。キャッキャと機嫌よくしているときはみんなと一緒、一人が泣き出したら全員で大合唱。示し合わせているみたい。

　アテレック町へ着いた。
　いつものように、市会議員のミサキ先生が手続きをしてくださっている。本当に先生がいらして、良かったわ。感謝しています。

　ベルソ村のように、宿で宿泊せず、町のはずれに全員分の家を出して、宿泊することにした。赤ちゃんの泣き声がしたら、他のお客さんの迷惑になるだろうと考えた。町長は遮音結界を張るから構わないとおっしゃってくださったけど、辞退した。

　アテレック村でも、日本へ連絡できるか試したら、無事、繋がった。

　我が息子の名前は「大和（やまと）」になった。「鈴鹿大和」いいんじゃない？
　ウチの父の命名は、予想通りシワシワネームの「炭次郎」

　「なんで、長男なのに次郎なのよ！」文句を言ったら

　お父さん、けっこう考えた（？）らしく、日本で流行しているアニメの主人公なんだって。
　それって、単なるパクリでしょ⁉

　信じられないわ。孫の名前をパクリで決めるなんて、いい加減にしてよね。

　てんやわんやがあり、「大和」に収まった。
　鈴鹿先輩は「光り輝く」から「光輝」にしたかったらしいけど、画数が多いと受験の時、名前を書く欄に時間がかかるから不利になるって、反対したのよ。

　その大和くんが、泣いている。パパが抱っこしているから不機嫌なのかな？と思って、マリが抱いたら、なんとなく熱い？
　熱が出てる！
　バスでの移動が負担だったのかしら？
　急いで、医師のカズヤ先生の所へ走る。

　幸い、一晩寝たら治った。

　翌朝、カズヤ先生のところへ、お礼のあいさつに伺った。
　「マリさん、聖魔法が使えるんだったら、自分で治せるかもよ？」

　「マサコさんは、陣痛の時、聖魔法を使って痛みを抑えていたみたい。ヒールとか言ってたよ。」

　「え!? うそっ⁉」
　聖魔法って。治癒魔法のことなの⁉
　マリは、てっきり魔物を倒すだけのための魔法だと思ってた。

　そういえば、忙しくて（？）ステータス内のスキルをろくすっぽ試したことがなかった。

　今一度、ステータスを確認してみた。

名前　鈴鹿マリ
年齢　24歳
種族　人間
職業　会計人　主婦
　普通スキル
　・聖魔法
　・土魔法
　・火魔法
　・水魔法
　・光魔法
　・風魔法
　・雷魔法
　・地図作成魔法
　・転移魔法
　・防音魔法
　・修復魔法
　・経理

　特殊スキル　
　・言語理解
　・異空間収納
　・鑑定
　・隠蔽
　・創造魔法
　・異世界通販
　・異世界通信
　・無限魔法

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　知らない間に、たくさん増えてた。