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マーガレットと第2王子様のチャールズ殿下、スカーレットと第3王子様のリチャード殿下、2組のラブラブカップルが誕生する。
2組のカップルは競い合うように、どちらかがイチャイチャし始めたら、もう1組も負けじとばかりに、イチャイチャ始める。
父のアンドロメダ王は、目のやり場に困っていると、「わたくしたちも」と母が誘う。
そして3組のカップルは、王政を放り出したまま、愛し合うのです。
結婚式は、当初モノクローム国で行われるはずだったが、2組のカップルが離れたがらないから、急遽、アンドロメダでそれぞれ挙式してから、旧マゼラン国と旧オメガ国に、それぞれ新居を構えることになったのである。
モノクローム国は、縁談により戦わずして、2つの大国の領土を得ることになる。
しかし、話はそれで終わらなかったのである。本国のモノクローム国は、二つの大国の領主権をアンドロメダから、奪い取ることを計画する。アンドロメダは、元より、娘二人の嫁ぎ先なので、娘の婿の国になるものと信じて結婚させたのだが、娘婿が王になることではなく、モノクローム本国のあくまでも一領主として、二人の王子を捉えている。
アンドロメダ父王は、ふたたび双子の聖女様を里帰りさせ、マゼラン、オメガ、アンドロメダの周囲に厳重な結界を張り巡らせる。悪意、敵意を持つ者が結界を突破しようとすると、弾き飛ばされるというものである。
双子の聖女様が結界を張り終えた時は、既に懐妊の兆しが見える頃であったのだ。
双子の聖女様の旦那様は、政略で結婚したわけではなく、自分たちも双子で、相手の女性も双子だから、気が合って結婚した恋愛結婚である。お見合いは単なる出会いの場に過ぎない。
それを本国の親も長男の王太子も勘違いしている。チャールズとリチャードは、主権を主張する親たちと一戦を交える気でいる。
その頃、モノクローム国の王の間では、国王様とロバート王太子殿下が激論を戦わせている。
「チャールズ、リチャードは養子に行ったのですから、容姿先の領土をかすめ取るような真似はおやめください。」
「甘いな。アンドロメダ国は、双子の聖女様で保っている。あの聖女様が結婚して、留守になったアンドロメダを攻め落とす好機ではないか?親元が攻め落とされれば、アンドロメダ国もろとも、大国の領土の主権を主張できる。」
「そのために、弟王子二人と一戦交える気ですか?」
「あいつら、いざとなれば、モノクロームの味方をするに決まっておる。」
「そうとは限らないでしょう。聖女様たちは、懐妊されたという情報が入ってきております。妻と子を守るために、闘う気でいるかもしれません。」
「ならば、あいつらともども、討ち取ってやるまでよ。狙うは、アンドロメダ国のみ、抵抗されれば、チャールズ、リチャードといえども容赦はしない。」
翌日、進軍することを決める。アンドロメダ国のオメガやマゼランと隣接していない国境から攻め入ることにしたのだが、いっこうに国境を超えたとの知らせが届かない。
「なぜだ、なぜだ。あんな小国の奴ら、全員蹴散らかせてやるものを、なぜ、侵攻できない。」
モノクローム国王は苛立つ。
「まずは、和平条約を結びましょう。その上で隙あらば、アルキメデス王の首を討ち取る。王さえいなくなれば、王都が陥落するのも時間の問題でしょう。」
「ロバート、さすがだな。では和平の交渉人に双子の王子を仕立てようぞ。」
「それでは、和平にはなりますまい。国王様、自らが誠意をもっていかれるのがよろしいかと存じます。お嫌なら、この私めが代わりに行きますが。」
「いやいや、そなたはこの国を外敵から守らねばならない役目を担っておるから、ここはひとつ舅として、和平に見せかけるとしようか。」
モノクローム王も、国境を超えられなかった。それどころか、馬車もろとも弾き飛ばされ、馬車は木っ端みじんとなる。見せかけの和平交渉などでは、結界が通れないのは、当たり前のことなのだが、それすら気づかず、小国だから、と侮ったツケを支払わされる。
ロバート王太子殿下は、モノクローム王が戻ってこないことを不審に思い、今度はマゼラン、オメガにいる双子の王子を懐柔する作戦に切り替える。
しかし、ここでも両国の国境超えができず、苦悩する。結局、主権は、アンドロメダにあることを認めざるを得なくなる。
アンドロメダ王は、しばらく結界をそのままにすることにしたのである。いずれ、娘婿の二人の王子にオメガ、マゼランを独立国とするつもりでいるから、あえて今は、そのままにすることにする。
なぜなら、ふたりの聖女様の恩恵をアンドロメダ国も享受できるから、アンドロメダの領土の一部としておいた方が、なにかと都合がいい。
そして、マーガレット、スカーレットは臨月を迎え、二人そろって、アンドロメダへ里帰りして、二人同時に双子を産みます。
ただし、マーガレットは男の子の双子を、スカーレットは女の子の双子を産みます。
いっぺんに4人の孫に恵まれたアンドロメダ国は、今日も大賑わいです。
マーガレットとチャールズ、スカーレットとリチャードの家庭は、いつまでも笑い合える幸せな国を築いていきます。
2組のカップルは競い合うように、どちらかがイチャイチャし始めたら、もう1組も負けじとばかりに、イチャイチャ始める。
父のアンドロメダ王は、目のやり場に困っていると、「わたくしたちも」と母が誘う。
そして3組のカップルは、王政を放り出したまま、愛し合うのです。
結婚式は、当初モノクローム国で行われるはずだったが、2組のカップルが離れたがらないから、急遽、アンドロメダでそれぞれ挙式してから、旧マゼラン国と旧オメガ国に、それぞれ新居を構えることになったのである。
モノクローム国は、縁談により戦わずして、2つの大国の領土を得ることになる。
しかし、話はそれで終わらなかったのである。本国のモノクローム国は、二つの大国の領主権をアンドロメダから、奪い取ることを計画する。アンドロメダは、元より、娘二人の嫁ぎ先なので、娘の婿の国になるものと信じて結婚させたのだが、娘婿が王になることではなく、モノクローム本国のあくまでも一領主として、二人の王子を捉えている。
アンドロメダ父王は、ふたたび双子の聖女様を里帰りさせ、マゼラン、オメガ、アンドロメダの周囲に厳重な結界を張り巡らせる。悪意、敵意を持つ者が結界を突破しようとすると、弾き飛ばされるというものである。
双子の聖女様が結界を張り終えた時は、既に懐妊の兆しが見える頃であったのだ。
双子の聖女様の旦那様は、政略で結婚したわけではなく、自分たちも双子で、相手の女性も双子だから、気が合って結婚した恋愛結婚である。お見合いは単なる出会いの場に過ぎない。
それを本国の親も長男の王太子も勘違いしている。チャールズとリチャードは、主権を主張する親たちと一戦を交える気でいる。
その頃、モノクローム国の王の間では、国王様とロバート王太子殿下が激論を戦わせている。
「チャールズ、リチャードは養子に行ったのですから、容姿先の領土をかすめ取るような真似はおやめください。」
「甘いな。アンドロメダ国は、双子の聖女様で保っている。あの聖女様が結婚して、留守になったアンドロメダを攻め落とす好機ではないか?親元が攻め落とされれば、アンドロメダ国もろとも、大国の領土の主権を主張できる。」
「そのために、弟王子二人と一戦交える気ですか?」
「あいつら、いざとなれば、モノクロームの味方をするに決まっておる。」
「そうとは限らないでしょう。聖女様たちは、懐妊されたという情報が入ってきております。妻と子を守るために、闘う気でいるかもしれません。」
「ならば、あいつらともども、討ち取ってやるまでよ。狙うは、アンドロメダ国のみ、抵抗されれば、チャールズ、リチャードといえども容赦はしない。」
翌日、進軍することを決める。アンドロメダ国のオメガやマゼランと隣接していない国境から攻め入ることにしたのだが、いっこうに国境を超えたとの知らせが届かない。
「なぜだ、なぜだ。あんな小国の奴ら、全員蹴散らかせてやるものを、なぜ、侵攻できない。」
モノクローム国王は苛立つ。
「まずは、和平条約を結びましょう。その上で隙あらば、アルキメデス王の首を討ち取る。王さえいなくなれば、王都が陥落するのも時間の問題でしょう。」
「ロバート、さすがだな。では和平の交渉人に双子の王子を仕立てようぞ。」
「それでは、和平にはなりますまい。国王様、自らが誠意をもっていかれるのがよろしいかと存じます。お嫌なら、この私めが代わりに行きますが。」
「いやいや、そなたはこの国を外敵から守らねばならない役目を担っておるから、ここはひとつ舅として、和平に見せかけるとしようか。」
モノクローム王も、国境を超えられなかった。それどころか、馬車もろとも弾き飛ばされ、馬車は木っ端みじんとなる。見せかけの和平交渉などでは、結界が通れないのは、当たり前のことなのだが、それすら気づかず、小国だから、と侮ったツケを支払わされる。
ロバート王太子殿下は、モノクローム王が戻ってこないことを不審に思い、今度はマゼラン、オメガにいる双子の王子を懐柔する作戦に切り替える。
しかし、ここでも両国の国境超えができず、苦悩する。結局、主権は、アンドロメダにあることを認めざるを得なくなる。
アンドロメダ王は、しばらく結界をそのままにすることにしたのである。いずれ、娘婿の二人の王子にオメガ、マゼランを独立国とするつもりでいるから、あえて今は、そのままにすることにする。
なぜなら、ふたりの聖女様の恩恵をアンドロメダ国も享受できるから、アンドロメダの領土の一部としておいた方が、なにかと都合がいい。
そして、マーガレット、スカーレットは臨月を迎え、二人そろって、アンドロメダへ里帰りして、二人同時に双子を産みます。
ただし、マーガレットは男の子の双子を、スカーレットは女の子の双子を産みます。
いっぺんに4人の孫に恵まれたアンドロメダ国は、今日も大賑わいです。
マーガレットとチャールズ、スカーレットとリチャードの家庭は、いつまでも笑い合える幸せな国を築いていきます。
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