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裕介の奴、学生時代に高校の時イジメに遭っていた話をしたら、「今度はイジメた奴から、必ず俺が守る」と耳障りのいいことを言っておきながら、あれはウソだったのね。
裕介は女性に気を持たせるところがある。その気遣いが優しさだと信じているから始末に悪い。
そう言うところが、女神様の弁を借りれば、女を幸せにできない男と言われるところだと思う。
優柔不断で、その場限りの耳障りのいい言葉を紡ぐ。
もうじき、桜が送った資料の採決が下りる。
年末に離婚話が出て、3月31日に離婚成立。翌日の4月1日に臨検に行き、その火に殺された。
紗々は、4月1日に紗々と会わずに、その部署に配置換えで行ったことで臨検は桜一人の手柄となっている。
4月に臨検を行うのは、理由があり、4月に局長が新しくなる。そのため、新しい局長に手柄を立てさせるため、新体制を印象付けるため、臨検を行う。
まさに桜は、そこを狙ったのだ。だから、もし桜に何かあっても、必ずその件は立件されるということを踏まえて、臨検に入ったのだ。
博衛堂と言えば、業界大手の広告代理店だから、マスコミ関係は叩きごたえがある。普通の会社員よりも年収が多いから、世論の反感を招きやすい。そう言うところが不正を行っていたとわかれば、国策として、処分できる。
一罰百戒を狙い、裕介を奪った鈴に対しても復讐できると踏んだ。
二人に近づいたのも、相手の動向を探るため、紗々(桜)は、昔から、そう言うところは、自分の目で確かめたい性格。
裕介はもうエリートではないにもかかわらず、紗々や鈴の前では、まだエリート面をしている。
それだけが、裕介のプライドなのだろうか?
博衛堂は3か月間の営業停止処分となる。
今迄桜と婚姻関係を継続中の頃は、桜から何らかの目こぼしがあったと考える会社は、その縁を断ち切ってしまった裕介に対する恨みが増す。
会社は、裕介へのさらなる処分を検討する。そうとは知らない裕介は、3か月間の長期休暇を貰えたと勘違いして、鈴との新婚旅行を計画している。
預貯金、会社の株券は、桜へ慰謝料として渡したものの、まだ会社の持ち株がある。それを売れば、新婚旅行の費用ぐらいねん出できると思っているようだが、持ち株会で得た株券は、退職してからでないと売れない。ということを知らない。
財形貯蓄と同じように考えている。
結婚した時から、持ち家の苦労をしないできた裕介は、その意味、ボンボンということ。
さらなる追い打ちをかける事件が起きた。
それは、鈴に届いた1通のメール。
その内容は、4月1日の夕刻、臨検を終え、霞が関の交差点で鈴が桜の背中を押している画像だった。
「警察に知らされたくなければ、50万円を持って、霞が関の交差点へひとりで来い。」
ウソでしょ?50万円も払えるわけがない!指定された日時に、鈴はすっぽかし行かなかった。次の日、またメールが来る。
「払えないなら、カラダで払ってもらう。」
ヤダ。まさか?……と、そこに玄関チャイムが鳴る。
「ピンポーン!佐倉さん、宅配便です。」
なんだ、宅配化と思って、玄関ドアを開けるとそこには、見知らぬ男性が複数人立っており、玄関を開けた途端、部屋の中になだれ込んできた。
「ちょ、ちょっと。」
「カラダで払ってもらうって、言ったでしょ?人殺し。」
鈴は両手両足を押さえ付けられ、着ていた服をビリビリに裂かれる。
複数人の男たちに輪姦され、その模様をビデオに撮られている。
「俺たちから逃げられるなど、思ってないよね?服を破られたくなければ、明日は全裸で待っているがいい。」
次の日も男たちは、来た。昨日とは、メンバーが違うように見える。
「なんで、こんなひどいことを?」
「ひどいこと?それは奥さんのほうだと思うぜ、高校時代から被害者をイジメ、旦那を寝取り、そのあげく殺したんだもんな。恐ろしい女だ。」
裕介は女性に気を持たせるところがある。その気遣いが優しさだと信じているから始末に悪い。
そう言うところが、女神様の弁を借りれば、女を幸せにできない男と言われるところだと思う。
優柔不断で、その場限りの耳障りのいい言葉を紡ぐ。
もうじき、桜が送った資料の採決が下りる。
年末に離婚話が出て、3月31日に離婚成立。翌日の4月1日に臨検に行き、その火に殺された。
紗々は、4月1日に紗々と会わずに、その部署に配置換えで行ったことで臨検は桜一人の手柄となっている。
4月に臨検を行うのは、理由があり、4月に局長が新しくなる。そのため、新しい局長に手柄を立てさせるため、新体制を印象付けるため、臨検を行う。
まさに桜は、そこを狙ったのだ。だから、もし桜に何かあっても、必ずその件は立件されるということを踏まえて、臨検に入ったのだ。
博衛堂と言えば、業界大手の広告代理店だから、マスコミ関係は叩きごたえがある。普通の会社員よりも年収が多いから、世論の反感を招きやすい。そう言うところが不正を行っていたとわかれば、国策として、処分できる。
一罰百戒を狙い、裕介を奪った鈴に対しても復讐できると踏んだ。
二人に近づいたのも、相手の動向を探るため、紗々(桜)は、昔から、そう言うところは、自分の目で確かめたい性格。
裕介はもうエリートではないにもかかわらず、紗々や鈴の前では、まだエリート面をしている。
それだけが、裕介のプライドなのだろうか?
博衛堂は3か月間の営業停止処分となる。
今迄桜と婚姻関係を継続中の頃は、桜から何らかの目こぼしがあったと考える会社は、その縁を断ち切ってしまった裕介に対する恨みが増す。
会社は、裕介へのさらなる処分を検討する。そうとは知らない裕介は、3か月間の長期休暇を貰えたと勘違いして、鈴との新婚旅行を計画している。
預貯金、会社の株券は、桜へ慰謝料として渡したものの、まだ会社の持ち株がある。それを売れば、新婚旅行の費用ぐらいねん出できると思っているようだが、持ち株会で得た株券は、退職してからでないと売れない。ということを知らない。
財形貯蓄と同じように考えている。
結婚した時から、持ち家の苦労をしないできた裕介は、その意味、ボンボンということ。
さらなる追い打ちをかける事件が起きた。
それは、鈴に届いた1通のメール。
その内容は、4月1日の夕刻、臨検を終え、霞が関の交差点で鈴が桜の背中を押している画像だった。
「警察に知らされたくなければ、50万円を持って、霞が関の交差点へひとりで来い。」
ウソでしょ?50万円も払えるわけがない!指定された日時に、鈴はすっぽかし行かなかった。次の日、またメールが来る。
「払えないなら、カラダで払ってもらう。」
ヤダ。まさか?……と、そこに玄関チャイムが鳴る。
「ピンポーン!佐倉さん、宅配便です。」
なんだ、宅配化と思って、玄関ドアを開けるとそこには、見知らぬ男性が複数人立っており、玄関を開けた途端、部屋の中になだれ込んできた。
「ちょ、ちょっと。」
「カラダで払ってもらうって、言ったでしょ?人殺し。」
鈴は両手両足を押さえ付けられ、着ていた服をビリビリに裂かれる。
複数人の男たちに輪姦され、その模様をビデオに撮られている。
「俺たちから逃げられるなど、思ってないよね?服を破られたくなければ、明日は全裸で待っているがいい。」
次の日も男たちは、来た。昨日とは、メンバーが違うように見える。
「なんで、こんなひどいことを?」
「ひどいこと?それは奥さんのほうだと思うぜ、高校時代から被害者をイジメ、旦那を寝取り、そのあげく殺したんだもんな。恐ろしい女だ。」
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