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11.通学
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アンドレアのクラスに、王太子殿下をはじめとするイケメンがしょっちゅうアンドレアの顔を見たさにやってくるものだから、その度に女子生徒から黄色い声が飛び交う。
そのせいかどうかはわからないが、いつの間にかアンドレアはクラスの中心人物に祀り上げられているようなもの。
それはおそらくワーキュレー殿下のせいだと思うわ。なぜなら、婚約者でもない殿下が毎日、アンドレアのクラスの様子を見に来ることで、男子生徒は、アンドレアの近くにいれば、いずれは、殿下とお近づきになれるかもしれないという期待で、将来、出世できるかもと見込んで、アンドレアの周りから離れない距離を置いている。
女子生徒も、最初は、アンドレアとワーキュレー殿下の仲を疑いはしたようだが、まったく何の関係もないというっことがわかってからは、殿下の目に留まるかもしれないという期待を込めて、アンドレアの学友のような顔をして、アンドレアの周りにピタリと張り付いている。
いい加減にしてよね。ったく、うんざりするったら、ありゃしない。
それにアンドレアの兄カルバンは、次期筆頭公爵になる身、殿下がダメでも、兄の方のお眼に止まれば、玉の輿間違いないから、アンドレアと表面上仲良くしておくことは、悪くはない話なのである。
それに殿下の取り巻き連中もそうそうたるメンバーだから、兄がダメでも、宰相の令息や騎士団長の息子などが、ターゲットの候補に挙がっているのだろう。
学園をなんだと思っているのだろうか?女子生徒は、将来の婿殿を探しに来て、男子生徒は、将来の出世の糸口を探しに来ているという。
ああ、ばかばかしい。
アンドレアとしては、兄以外は、誰もかれもポンコツにしか見えないのだけどね。
学園では、ワーキュレー殿下とその取り巻き、それにクラスの男子生徒が常にアンドレアのまわりに出没するものだから、カルバンお兄様がいつの間にか、シスコンになってしまわれて、行き帰りは必ず、お兄様の馬車を共にするようになったのだ。
「ああ、なんと麗しいアンディ(アンドレアの愛称)よ。兄は、アンディのことが心配でたまらない。アンディは剣の腕は確かに立つが、男女の機微というものが今ひとつわかっていないというか、なんというか。」
わかっていないのは、アンタの方だ。と言いたいところをグッと我慢している。なぜなら、今、アンドレアはお兄様の膝の上に座らされているのだから、それも横抱きの姿勢のまま座らされているというよりも抱かれていると言った方が形容は正しい。さすがに妹には、欲情していないみたいだが、居心地の悪さと言えば、この上ない。
それともお兄様にとっては、アンドレアはまだまだ子ども扱いなのだろうか?まだ幼子と変わらないから、こんな恥ずかしい姿勢で座らされ続けているのかわからない。
一度、父上に話してみなければ、と思う。
学園では、いつもアンドレアの周りに人だかりができ、のんびりすることもままならない。
せめて家ぐらいは、ゆっくりしたいと思っていても、筆頭公爵家だから、来客も半端がないぐらいに多い。
それで優羽㎜時まで待って、父にそれとなく馬車での移動中のことを告げると、父はみるみるうちに顔色が変わっていく。
そうそう。ふつうはその反応よね。いくら兄妹とはいえ、年頃の男女がひとつ馬車の中で撮るべき態度ではない。何か間違いがあれば、公爵家の恥さらしもいいところ。
父は、兄を呼びつけしかりつけている様子に、ホっとするも、明日からは本当に無事に一人で通学できるものかを心配する。
翌朝、家の前には、馬車が二つ用意されているのを見て、ホっと胸をなでおろす。
でも、アンドレアの乗るはずの馬車になぜか父上も乗り込んできて、アンドレアをお姫様抱っこしたまま、父の膝上に座らされる格好になっただけ。これなら、カルバンと変わらない。
いや、カルバンの方がまだ若い男だけあって、親父臭がしないだけマシというもの。
げ!勘弁してよ。ったく。
行きは、父の膝の上、帰りはカルバンの膝の上と行きと帰りに誰の膝か変わっただけで、同じ姿勢にほとほと疲れる。
昨日、父がカルバンに叱った内容は、
「なんて羨ましいことを今まで独り占めにしていたとは。明日から、その役目の半分をよこせ。いいな?」
ということだと知らされたときは、愕然としたもの。
そのせいかどうかはわからないが、いつの間にかアンドレアはクラスの中心人物に祀り上げられているようなもの。
それはおそらくワーキュレー殿下のせいだと思うわ。なぜなら、婚約者でもない殿下が毎日、アンドレアのクラスの様子を見に来ることで、男子生徒は、アンドレアの近くにいれば、いずれは、殿下とお近づきになれるかもしれないという期待で、将来、出世できるかもと見込んで、アンドレアの周りから離れない距離を置いている。
女子生徒も、最初は、アンドレアとワーキュレー殿下の仲を疑いはしたようだが、まったく何の関係もないというっことがわかってからは、殿下の目に留まるかもしれないという期待を込めて、アンドレアの学友のような顔をして、アンドレアの周りにピタリと張り付いている。
いい加減にしてよね。ったく、うんざりするったら、ありゃしない。
それにアンドレアの兄カルバンは、次期筆頭公爵になる身、殿下がダメでも、兄の方のお眼に止まれば、玉の輿間違いないから、アンドレアと表面上仲良くしておくことは、悪くはない話なのである。
それに殿下の取り巻き連中もそうそうたるメンバーだから、兄がダメでも、宰相の令息や騎士団長の息子などが、ターゲットの候補に挙がっているのだろう。
学園をなんだと思っているのだろうか?女子生徒は、将来の婿殿を探しに来て、男子生徒は、将来の出世の糸口を探しに来ているという。
ああ、ばかばかしい。
アンドレアとしては、兄以外は、誰もかれもポンコツにしか見えないのだけどね。
学園では、ワーキュレー殿下とその取り巻き、それにクラスの男子生徒が常にアンドレアのまわりに出没するものだから、カルバンお兄様がいつの間にか、シスコンになってしまわれて、行き帰りは必ず、お兄様の馬車を共にするようになったのだ。
「ああ、なんと麗しいアンディ(アンドレアの愛称)よ。兄は、アンディのことが心配でたまらない。アンディは剣の腕は確かに立つが、男女の機微というものが今ひとつわかっていないというか、なんというか。」
わかっていないのは、アンタの方だ。と言いたいところをグッと我慢している。なぜなら、今、アンドレアはお兄様の膝の上に座らされているのだから、それも横抱きの姿勢のまま座らされているというよりも抱かれていると言った方が形容は正しい。さすがに妹には、欲情していないみたいだが、居心地の悪さと言えば、この上ない。
それともお兄様にとっては、アンドレアはまだまだ子ども扱いなのだろうか?まだ幼子と変わらないから、こんな恥ずかしい姿勢で座らされ続けているのかわからない。
一度、父上に話してみなければ、と思う。
学園では、いつもアンドレアの周りに人だかりができ、のんびりすることもままならない。
せめて家ぐらいは、ゆっくりしたいと思っていても、筆頭公爵家だから、来客も半端がないぐらいに多い。
それで優羽㎜時まで待って、父にそれとなく馬車での移動中のことを告げると、父はみるみるうちに顔色が変わっていく。
そうそう。ふつうはその反応よね。いくら兄妹とはいえ、年頃の男女がひとつ馬車の中で撮るべき態度ではない。何か間違いがあれば、公爵家の恥さらしもいいところ。
父は、兄を呼びつけしかりつけている様子に、ホっとするも、明日からは本当に無事に一人で通学できるものかを心配する。
翌朝、家の前には、馬車が二つ用意されているのを見て、ホっと胸をなでおろす。
でも、アンドレアの乗るはずの馬車になぜか父上も乗り込んできて、アンドレアをお姫様抱っこしたまま、父の膝上に座らされる格好になっただけ。これなら、カルバンと変わらない。
いや、カルバンの方がまだ若い男だけあって、親父臭がしないだけマシというもの。
げ!勘弁してよ。ったく。
行きは、父の膝の上、帰りはカルバンの膝の上と行きと帰りに誰の膝か変わっただけで、同じ姿勢にほとほと疲れる。
昨日、父がカルバンに叱った内容は、
「なんて羨ましいことを今まで独り占めにしていたとは。明日から、その役目の半分をよこせ。いいな?」
ということだと知らされたときは、愕然としたもの。
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