前世調理師の婚約破棄された公爵令嬢料理人録 B級グルメで王太子殿下の胃袋を掴めるように頑張ります!

青の雀

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6 から揚げ、パスタ

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 5話の続き

 ミルフィーユがお茶会のお菓子を断ったことで、姉が直談判に来て、ついでにお好み焼きに焼きそばなどを注文してくれた、護衛についてきた全員分のビールを注文してくれたので、騎士は大喜びしています。

 「はい、おまちどおさま、熱いから暑いから気を付けてください。」

 1人1個のから揚げとともに、冷えたビールを出していく。から揚げは付き出し代わりである。

 「これで仕事終わりの楽しみができた。」

焼き立てのお好み焼きと焼きそばを姉に提供していくと、騎士が姉のほうをチラチラ見る。ソースのいい匂いが食欲をそそるのである。

 お箸が無理なので、フォークを添えて出すと、がむしゃらに食べまくり、とても王妃様の食事風景には、見えなかったのである。

 「ミルフィーユちゃん、美味しいわ。」

 さっきまで怒りまくっていたのが、嘘みたいに上機嫌になって、全員分のお好み焼きと焼きそばの注文が来ましたわ。

 その後は、から揚げをつまみに宴会になっていく。旦那様が心配されないかしら。と思っていたら、あまりにも帰りが遅いので、義兄が様子を見に来て、姉の様子(お酒を飲んで上機嫌でいたから)にビックリ!怒り出すのかと思ったら、

 「自分にも同じものをくれ。」とおっしゃられて、理解のある旦那様でうらやましい限りです。

 2階で国のお偉いさんが来ていることを知らない1階の客が「料理はまだか!」

 今日はお好み焼きと焼きそばしかメニューにないのに、とんかつやぶり大根を注文して、その注文に応えられないと侍女が返事すると侍女の胸倉を掴む狼藉を働く者が出てきたのである。

 義兄にそのことを、こっそり言ったら
 騎士団の一個隊が動いて、全員、逮捕されましたわ。
 仕方ありませんわね。
 運が悪いのは、お客様のほうですもの。

 釜揚げうどんなら、本日のお料理の中になくても、すぐできるのですけど他のお料理は仕込みをしないと出せない。ぶりはてりやきぐらいなら、すぐ出せるけど、大根は、米ぬかで湯がいて、味をしみこませるために味付けでいったん、焚いてからさますという工程があるため、すぐには提供できないのである。

 それでそういう不埒な客が来ると困ると相談すると騎士団の一個隊が順番にマドレーヌ亭の警備にあたってくれるようになりましたわ。一応、営業時間内のみですが、早めに来ていただいた場合、賄いつきにすると、希望者が殺到したと伺いましたのよ。

 さて、「本日のお料理」は何にしようかしら。昨日、焼きそばを出して好評だったから、今日はパスタにしようかしら。ミートにナポリタン、ペペロンティー、カルボナーラ。ラザニアは、少しパスタの形状が違うのよね。なんというかオーブンで焼き上げるのよね。

 前世ニッポン人のミルフィーユはラーメンでもうどんでもお箸で食べるものなら何でもOKだけど、ここの人たちは、フォークで食べる文化だから。郷に入れば郷に従えってこと。

 スパゲティを考えていたら、ほかにピザ、グラタン、リゾットと食べたくなり、イタ飯フェアにしよう。

 そう言えば、この世界に飛んでから食べてない、ずいぶん久しいわ。ピザって個人的には、ビールと合うのよね。

 グラタンはワインと合うって人いるけど、まあどっちでも行けるように用意だけしとくか。それとも騎士団の人に味見してもらう?

 ラビオリも作ろうとしたけど、手軽なパックがないから、諦めようと思ったら、また上から降ってきたので、作ることにしよう。

 まず、たっぷりのお湯でラビオリをゆでる。

 フライパンにオリーブオイルでほうれん草を炒め、フォールトマト缶をぶっこむ。

 ラビオリをお皿に盛り、トマトソースを上からかけて出来上がり。簡単でしょ。

 出来上がりを早速、騎士団の人に味見をしてもらったわ。賄い代わりに出したのだけど、お代わりまで要求されて、ワインをガブガブ飲まれたわ。やっぱり、ラビオリは辛いか?

 明日の料理は、餃子にしよう。ラビオリを見ていて、餃子を連想する当たり、さすがに元ニッポン人ね。
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