6 / 10
ひと夏の経験
6
しおりを挟む
馬車の客室に勝手に載せていただいた、先客のおばあさんは、実はおばあさんではなく、おばさんだった?いやいや、失礼な違うでしょ?先に召喚されていた聖女様だったのである。
「私もニッポンから、召喚されてきてしまったのだけど、子宮がないし、子供が産めないことを言ったら、追い出されてしまってね。」
「それで、これからどうなさるのですか?」
「ニッポンへ帰りたいけど、帰る方法がわからないから、とにかく旅をしようと思ってね。」
「お腹すいていませんか?」
「王城を出るとき、お金をもらってね。それで、食堂へ行って食べたよ。あなたは?大丈夫?」
「私、佐々波麗華と申しまして、私なら、あなたをニッポンへ返すことができるのですが……。」
「え?それは、どういう?」
「まず、あなた様のお名前を伺っても構いませんか?私、この物語の作者なのです。ここは、私が書いた小説の中の世界なの。信じてもらえるかどうか、わからないけど、過去にも自分が書いた小説の中に迷い込んでしまって。」
「信じます。まず、私の名前は、松永みどり、と申します。東都大学病院に入院中に夜中寝ているベッドから転げ落ちて、この世界に来てしまいました。」
「わかりました。今すぐ、転移でかまいませんか?」
「あなたは、どうするの?佐々波さんも一緒に帰る?」
「あなたを送って行かないといけないから、どうなるのかな?たぶん、いったんは帰ります。」
聖女部屋の文机の中にあった羊紙とペンで松永みどりさんを返すべく、小説を書く。
気が付くと、松永みどりさんが消えていたけど、本当に帰れたかどうか、確認しないとね。テレパシー付与しとけば、良かった。仕方なく、異空間に松永さんの荷物をしまい込んで、みどりさんの入院しているベッドのところまで、転移する?入院面会時間は、とっくに過ぎている。どうしたものか?
松永さんのためにも、いったん帰ることとする。
気が付けば、曲がり角のところで、自転車にぶつかりそうになっていて、誰かが、「危ない!」と叫んで、麗華の身代わりになってくれたみたい。
「大丈夫ですか?」
自転車の人身事故って、割と多いのよね。無灯で走るんだから、そちらは見えていても、歩行者には見えていないから、よく起こる。特に雨の日なんて、傘を片手で刺して無灯で走ってくる。こちらも傘をさしているから、足元近くまで来ないと気づけない。
雨の日、自転車乗る人って、バカじゃないかと思うわ。
麗華の身代わりになってくれた人は、大学のサークルの先輩で菊池先輩。
「痛たたた~。」
麗華は医者の娘で医者の卵にもなっていない学生なので、どうしていいかわからないが、とにかく、警察に連絡する。
見た感じは、大した怪我をしていないように見えるが、念のため、救急車を呼ぶ。相手が年寄りの場合、後で死ぬ場合があると新聞で読んだ記憶がある。
最近は、自転車の自賠責保険というのがあるらしい。
救急車で運び込まれた病院は、偶然にも東都大学病院、松永みどりさんの入院している病院で、待合室で待っている間にこっそり抜け出して、入院部屋へ見に行くことにする。
確かに、松永さんは戻られていたので、松永さんの私物をロッカーの中に入れて、そのまま戻ろうとしたら。
「佐々波さん、ありがとう。」
「また、元気になられたら、お会いしましょうね。」
ベッドのサイドバーをセットして、病室から出る。
待合室に戻った麗華は、菊池先輩の傷が大したことがないらしく、ほっとする。
でも、なぜ、あんな時間にあんな場所に先輩はいらしたのかしら?
でももうこれで、私の書いたstoryがかわってしまったから、アンスターシアちゃんが幸せになれるかどうかわからなくなってしまう。
だって、松永さんは、ブライアン・ブラッドフォ-ドと結婚する代わりに、ブライアンは、両手両足を失って、ブラッドフォード国は滅びる話になっているのだけど。
かといって、病人の松永みどりさんをあのまま異世界には置いておけない。医者の衿持に関わるからである。まだ、医者じゃないけどね。
処置室から、菊池先輩が出てきた。どうやら、入院しなくても済むそうです。良かったわ。
菊池先輩は、たまたまバイト帰りで、目の前に麗華が歩いているのを発見して、声をかけようと思って、急ぎ足で歩いていたところ、麗華がそれに気づき、さらに急ぎ足になったため、必死に追いかけていたそうで、その時、自転車が突っ込んでくるのを見かけ、咄嗟に庇ってくれたらしい。
「なんだぁ!それならそうと声をかけてくれたら、良かったのに。てっきり、痴漢だと思って焦ったわよ。」
「ごめんごめん。でもさ、気のせいかもしれないけど、一瞬、佐々波さんが消えたように見えたよ。」
「え?」
「いや、自転車が突っ込んできたとき、一瞬白い光が見えて、ほんの一瞬のことだから、見間違いかもしれないけど。」
「実はね。菊池先輩、信じてくれないかもしれないけど、高校生の頃から、私が書いた小説の中の世界に入り込んでしまうの。」
「え?うそだろ?小説ってどんな?」
前回の小説は、召喚聖女の話でヒロインがジュリエンヌ、王太子殿下から聖女召喚に成功したからといって、婚約破棄され、隣国へ留学したら、ジュリエンヌ自身が聖女として覚醒してしまい、結局は玉の輿になる話。
今回は、やっぱり召喚聖女の話なんだけど、聖女として召喚された人が子宮がんで全摘された人で、王太子はその人と結婚するも両手両足を失ってしまい、やがてその国は亡びる、という話で、ヒロインはアンスタ-シアでハロルド王太子殿下とハッピーエンドになるっていうお話。
麗華はかいつまんで、自転車にぶつかりそうになった時、ブラッドフォード国に召喚されてしまったけれど、なんとか逃げ出すことができ、途中で先に召喚された子宮がんの患者さんに出会ってしまったことから、その人をニッポンに帰すため、再びこちらの世界に戻ってきたとき、先輩が事故にあったという経緯を話した。
「まさか、君があの小説の作者だったとは?その小説のstory改ざんしたの俺だよ。」
「なんですって!?」
「いやいや、ごめん、悪気はなかったんだけど、すんなり玉の輿というのも、ちょっとおもしろくないだろう?」
「そういう問題じゃないわよ!」
「あなたが勝手にstoryを改ざんしてくれたおかげで、私が異世界へ呼ばれるのよ。責任は取ってもらうわよ。」
すぐ、その場で異世界から持ってきた羊紙でさらさらと書く。
再び白い光に包まれて、気が付いたら、馬車の中にいたわ。さっきまで松永みどりさんがいた席に菊池先輩が座っていた。
「な、何をする!」
「先輩が作者の意向を無視して、story改ざんしたから、責任取ってください。ここは、先輩が改ざんした小説の世界です。この馬車は隣国へ向かっています。さっきまで、先輩が今座っている場所に松永みどりさんがいらっしゃいました。とりあえず、無賃乗車になるから、先輩を透明人間に変えますね。」
麗華は、菊池先輩に隠蔽魔法をかけると、みるみる透明人間になっていくが、麗華には、見える。
「佐々波さん、魔法が使えるの?すごいな、うらやましい。」
「一応、聖女だから。作者特権であるかもしれない。さっきまでいらした松永さんは遣えなかったみたいだし。そのあたり、どういう仕組みかわからないのだけど、とにかく前回から使えたわ。」
「なんだか、腹が減ったよ。あの時、佐々波さんを見つけなければ今頃、飯にありついていたのに。」
「自業自得でしょ。ふふ。簡単なものならあるけど食べる?」
「ありがたい!口に入るものなら何でも食べるよ。」
麗華は、さっき王城の食堂でかっぱらってきた食事を菊池先輩の前に出した。
「私もニッポンから、召喚されてきてしまったのだけど、子宮がないし、子供が産めないことを言ったら、追い出されてしまってね。」
「それで、これからどうなさるのですか?」
「ニッポンへ帰りたいけど、帰る方法がわからないから、とにかく旅をしようと思ってね。」
「お腹すいていませんか?」
「王城を出るとき、お金をもらってね。それで、食堂へ行って食べたよ。あなたは?大丈夫?」
「私、佐々波麗華と申しまして、私なら、あなたをニッポンへ返すことができるのですが……。」
「え?それは、どういう?」
「まず、あなた様のお名前を伺っても構いませんか?私、この物語の作者なのです。ここは、私が書いた小説の中の世界なの。信じてもらえるかどうか、わからないけど、過去にも自分が書いた小説の中に迷い込んでしまって。」
「信じます。まず、私の名前は、松永みどり、と申します。東都大学病院に入院中に夜中寝ているベッドから転げ落ちて、この世界に来てしまいました。」
「わかりました。今すぐ、転移でかまいませんか?」
「あなたは、どうするの?佐々波さんも一緒に帰る?」
「あなたを送って行かないといけないから、どうなるのかな?たぶん、いったんは帰ります。」
聖女部屋の文机の中にあった羊紙とペンで松永みどりさんを返すべく、小説を書く。
気が付くと、松永みどりさんが消えていたけど、本当に帰れたかどうか、確認しないとね。テレパシー付与しとけば、良かった。仕方なく、異空間に松永さんの荷物をしまい込んで、みどりさんの入院しているベッドのところまで、転移する?入院面会時間は、とっくに過ぎている。どうしたものか?
松永さんのためにも、いったん帰ることとする。
気が付けば、曲がり角のところで、自転車にぶつかりそうになっていて、誰かが、「危ない!」と叫んで、麗華の身代わりになってくれたみたい。
「大丈夫ですか?」
自転車の人身事故って、割と多いのよね。無灯で走るんだから、そちらは見えていても、歩行者には見えていないから、よく起こる。特に雨の日なんて、傘を片手で刺して無灯で走ってくる。こちらも傘をさしているから、足元近くまで来ないと気づけない。
雨の日、自転車乗る人って、バカじゃないかと思うわ。
麗華の身代わりになってくれた人は、大学のサークルの先輩で菊池先輩。
「痛たたた~。」
麗華は医者の娘で医者の卵にもなっていない学生なので、どうしていいかわからないが、とにかく、警察に連絡する。
見た感じは、大した怪我をしていないように見えるが、念のため、救急車を呼ぶ。相手が年寄りの場合、後で死ぬ場合があると新聞で読んだ記憶がある。
最近は、自転車の自賠責保険というのがあるらしい。
救急車で運び込まれた病院は、偶然にも東都大学病院、松永みどりさんの入院している病院で、待合室で待っている間にこっそり抜け出して、入院部屋へ見に行くことにする。
確かに、松永さんは戻られていたので、松永さんの私物をロッカーの中に入れて、そのまま戻ろうとしたら。
「佐々波さん、ありがとう。」
「また、元気になられたら、お会いしましょうね。」
ベッドのサイドバーをセットして、病室から出る。
待合室に戻った麗華は、菊池先輩の傷が大したことがないらしく、ほっとする。
でも、なぜ、あんな時間にあんな場所に先輩はいらしたのかしら?
でももうこれで、私の書いたstoryがかわってしまったから、アンスターシアちゃんが幸せになれるかどうかわからなくなってしまう。
だって、松永さんは、ブライアン・ブラッドフォ-ドと結婚する代わりに、ブライアンは、両手両足を失って、ブラッドフォード国は滅びる話になっているのだけど。
かといって、病人の松永みどりさんをあのまま異世界には置いておけない。医者の衿持に関わるからである。まだ、医者じゃないけどね。
処置室から、菊池先輩が出てきた。どうやら、入院しなくても済むそうです。良かったわ。
菊池先輩は、たまたまバイト帰りで、目の前に麗華が歩いているのを発見して、声をかけようと思って、急ぎ足で歩いていたところ、麗華がそれに気づき、さらに急ぎ足になったため、必死に追いかけていたそうで、その時、自転車が突っ込んでくるのを見かけ、咄嗟に庇ってくれたらしい。
「なんだぁ!それならそうと声をかけてくれたら、良かったのに。てっきり、痴漢だと思って焦ったわよ。」
「ごめんごめん。でもさ、気のせいかもしれないけど、一瞬、佐々波さんが消えたように見えたよ。」
「え?」
「いや、自転車が突っ込んできたとき、一瞬白い光が見えて、ほんの一瞬のことだから、見間違いかもしれないけど。」
「実はね。菊池先輩、信じてくれないかもしれないけど、高校生の頃から、私が書いた小説の中の世界に入り込んでしまうの。」
「え?うそだろ?小説ってどんな?」
前回の小説は、召喚聖女の話でヒロインがジュリエンヌ、王太子殿下から聖女召喚に成功したからといって、婚約破棄され、隣国へ留学したら、ジュリエンヌ自身が聖女として覚醒してしまい、結局は玉の輿になる話。
今回は、やっぱり召喚聖女の話なんだけど、聖女として召喚された人が子宮がんで全摘された人で、王太子はその人と結婚するも両手両足を失ってしまい、やがてその国は亡びる、という話で、ヒロインはアンスタ-シアでハロルド王太子殿下とハッピーエンドになるっていうお話。
麗華はかいつまんで、自転車にぶつかりそうになった時、ブラッドフォード国に召喚されてしまったけれど、なんとか逃げ出すことができ、途中で先に召喚された子宮がんの患者さんに出会ってしまったことから、その人をニッポンに帰すため、再びこちらの世界に戻ってきたとき、先輩が事故にあったという経緯を話した。
「まさか、君があの小説の作者だったとは?その小説のstory改ざんしたの俺だよ。」
「なんですって!?」
「いやいや、ごめん、悪気はなかったんだけど、すんなり玉の輿というのも、ちょっとおもしろくないだろう?」
「そういう問題じゃないわよ!」
「あなたが勝手にstoryを改ざんしてくれたおかげで、私が異世界へ呼ばれるのよ。責任は取ってもらうわよ。」
すぐ、その場で異世界から持ってきた羊紙でさらさらと書く。
再び白い光に包まれて、気が付いたら、馬車の中にいたわ。さっきまで松永みどりさんがいた席に菊池先輩が座っていた。
「な、何をする!」
「先輩が作者の意向を無視して、story改ざんしたから、責任取ってください。ここは、先輩が改ざんした小説の世界です。この馬車は隣国へ向かっています。さっきまで、先輩が今座っている場所に松永みどりさんがいらっしゃいました。とりあえず、無賃乗車になるから、先輩を透明人間に変えますね。」
麗華は、菊池先輩に隠蔽魔法をかけると、みるみる透明人間になっていくが、麗華には、見える。
「佐々波さん、魔法が使えるの?すごいな、うらやましい。」
「一応、聖女だから。作者特権であるかもしれない。さっきまでいらした松永さんは遣えなかったみたいだし。そのあたり、どういう仕組みかわからないのだけど、とにかく前回から使えたわ。」
「なんだか、腹が減ったよ。あの時、佐々波さんを見つけなければ今頃、飯にありついていたのに。」
「自業自得でしょ。ふふ。簡単なものならあるけど食べる?」
「ありがたい!口に入るものなら何でも食べるよ。」
麗華は、さっき王城の食堂でかっぱらってきた食事を菊池先輩の前に出した。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
平和的に婚約破棄したい悪役令嬢 vs 絶対に婚約破棄したくない攻略対象王子
深見アキ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・シェリルに転生した主人公は平和的に婚約破棄しようと目論むものの、何故かお相手の王子はすんなり婚約破棄してくれそうになくて……?
タイトルそのままのお話。
(4/1おまけSS追加しました)
※小説家になろうにも掲載してます。
※表紙素材お借りしてます。
美人の偽聖女に真実の愛を見た王太子は、超デブス聖女と婚約破棄、今さら戻ってこいと言えずに国は滅ぶ
青の雀
恋愛
メープル国には二人の聖女候補がいるが、一人は超デブスな醜女、もう一人は見た目だけの超絶美人
世界旅行を続けていく中で、痩せて見違えるほどの美女に変身します。
デブスは本当の聖女で、美人は偽聖女
小国は栄え、大国は滅びる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄で命拾いした令嬢のお話 ~本当に助かりましたわ~
華音 楓
恋愛
シャルロット・フォン・ヴァーチュレストは婚約披露宴当日、謂れのない咎により結婚破棄を通達された。
突如襲い来る隣国からの8万の侵略軍。
襲撃を受ける元婚約者の領地。
ヴァーチュレスト家もまた存亡の危機に!!
そんな数奇な運命をたどる女性の物語。
いざ開幕!!
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な心の侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気と見なして疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う心穏やかな人生を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】傷跡に咲く薔薇の令嬢は、辺境伯の優しい手に救われる。
朝日みらい
恋愛
セリーヌ・アルヴィスは完璧な貴婦人として社交界で輝いていたが、ある晩、馬車で帰宅途中に盗賊に襲われ、顔に深い傷を負う。
傷が癒えた後、婚約者アルトゥールに再会するも、彼は彼女の外見の変化を理由に婚約を破棄する。
家族も彼女を冷遇し、かつての華やかな生活は一転し、孤独と疎外感に包まれる。
最終的に、家族に決められた新たな婚約相手は、社交界で「醜い」と噂されるラウル・ヴァレールだった―――。
完膚なきまでのざまぁ! を貴方に……わざとじゃございませんことよ?
せりもも
恋愛
学園の卒業パーティーで、モランシー公爵令嬢コルデリアは、大国ロタリンギアの第一王子ジュリアンに、婚約を破棄されてしまう。父の領邦に戻った彼女は、修道院へ入ることになるが……。先祖伝来の魔法を授けられるが、今一歩のところで残念な悪役令嬢コルデリアと、真実の愛を追い求める王子ジュリアンの、行き違いラブ。短編です。
※表紙は、イラストACのムトウデザイン様(イラスト)、十野七様(背景)より頂きました
オルブライト公爵家の女たち~フェロモン女王を溺愛するためなら、えんやこら
青の雀
恋愛
婚約破棄から玉の輿 112話スピンオフ
本編では3女スカーレットの話からでしたが、長女、次女もストーリー展開します。
我がオルブライト公爵家は、代々顔だけ美人を輩出する家である。高位貴族は、とにかく美人を嫁にしたい。ブス・ブサイクな子供ができてほしくないからである。それで、生まれてすぐ女の子なら、即刻、縁談が決まってしまうのである。ちょうど血統書付きの愛玩動物のようなものである。もし生まれてきたのが男児である場合は、長男を除いて次男は、スペア価値があるが、三男以降は、皆、どこかの貴族の養子としてもらわれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる