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受験戦争
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王城を後にして、そそくさと馬車に乗り帰る。
王太子は、「もう帰るのか!」とか、言ってたけど無視、無視。
嫌いなアイヴィー王太子にこれ以上付きまとわれるのは、迷惑以外の何物でもない。アイヴィー王太子がいつまでも婚約者然としていると、お嫁の貰い手がなくなっちゃうじゃない!
父が帰ってきてから、相談すると、意外にも隣国へ留学すればいいじゃないか?ついでに隣国なら新しい出会いがあるかもしれないので、一挙両得だということになった。
隣国で新しい出会いがあればいいけど?ネガティヴに考えても仕方がないから、とりあえず留学することにした。
留学先の学園の入試に合格した。どこの学園に通えばいいのかわからないから、受験できるところすべてに受験した。
幸い国内受験ができたので、わざわざ隣国へ行かなくても済んだ。
隣国では、キリのよい学期から行くことができるところの学園を選んだ。着々と留学準備は進み、ついに!留学のため、隣国へ渡った。その当時、相変わらず聖女様の所在は不明であった。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
朝陽が昇ると同時に、あたり一面明るくなった。
よく見ると突っ立っている衛兵は壁にもたれて居眠りをしている。
「なーんだ、これなら暗いうちに出て行ってもわからなかったか?」とも思ったけど、念には念を入れることにする。
麗華は、自身に隠蔽魔法をかけ、そっと出てみる。衛兵は気持ちよさそうに船をこいでいる。
猫足、すり足でそろそろと出る。
確か、この物語の主人公はジュリエンヌで、隣国へ留学するはず、それなら私も隣国へ留学してやろう。今からジュリエンヌの住む公爵邸へ行き、そこで勉強するのだ。チートがあるから、ジュリエンヌが読んでいるような教科書をペラペラと速読するだけで、すべて記憶できるのだから、いまなら東大理Ⅲでも合格できるような気がするわ。
なんとかジュリエンヌと仲良くならなきゃね。
でもなかなか、きっかけがつかめず仲良くなれない。
そうこうしているうちに、ジュリエンヌが合格して、隣国に渡って行ったので、私も自分に隠蔽をかけたまま、透明人間にでもなったような気分で、馬車の屋根に乗ったまま、隣国へと行くことにしたのである。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
学園では、全寮制で、一人ずつの個室の中に寝室と侍女部屋、応接室、勉強部屋、バストイレまである。寮の施設として、食堂、応接室、面談室、男女別の大浴場、男女別のトイレがあり、なかなか快適でした。
隣りのお部屋の子とは、すぐ仲良くなれたわ。ジュリエンヌと同じ日に寮に入ってきた子、名前はレイカという、やはり留学生みたい。
黒髪黒目で聖女様みたいな雰囲気のある子、まさか?聖女様ってわけじゃないよね?
聖女様が行方不明になられてから、我が公爵家では不思議なことばかり起こってるけど、レイカと関係ないはずよね?
食堂に用意してあった食事が消えてしまったり、洗濯物が一人分、なくなるなど大したことではないと言えば、それまでだけど、ジュリエンヌの勉強部屋が確かに誰かがいたような形跡が残っていたり、でもそのおかげで、勉強がはかどったわ。
誰かわからない精霊様が一緒に勉強してくださったおかげで、今まで気づかない勉強方法が見えてきたし、大助かりだったことも事実である。
とうぜんですわよ。現代ニッポンの東大受験のためのノウハウを異世界でやっているのですもの。レイカはそういいたいところを我慢して言わず、
公爵家からはマーガレットという侍女が付き添って来てくれることになったけれど、ここまでの設備があれば、来てもらわなくてもよかったかもしれない。でも淑女のたしなみとして、侍女なしで出歩くのは、ご法度だから致し方ないか。
入学式まで、まだ日があったので、レイカと街へお買い物がてら遊びに行きましたわ。レイカは17歳でジュリエンヌより1歳年上だと思えないほど、幼く見えたわ。若くというべきね。でも、この国に来てからの初めてのお友達だから嬉しい。お茶して、甘いものを食べたわ。レイカの国では、甘いものの種類がたくさんあるらしいわ。今度、作り方を教えてくださるそうで、楽しみにしています。
学年の途中から転入する学生のための入学式が行われる。すごいね!人数はまあ少ないと言えば、少ないけど、それでも30人足らずぐらい入る。28人のためにわざわざ、入学式を行うなんて、きちんとして居ると言うか格式張ってるというべきか。
入学式の後は、オリエンテーションで、今日は、そのまま解散しました。
寮の自室に戻り、ぐったりしているとノックの音が、侍女が扉を開けると、そこには、なんとこの国イソフラスのリチャード王太子様がみえていました。
「は、はじめまして。隣国エドワードのブランネット公爵の娘でジュリエンヌと申します。」
「突然、お訪ねして申し訳ない。実は、エドワードから聖女様がお忍びで来られたとの情報を得まして。ジュリエンヌ嬢が聖女様で?」
侍女がお茶の用意をしてくれたので、王太子殿下にお茶を勧めながら
「いいえ。わたくしのことでは、ございませんわ。」
「エドワード国で、確かに異世界召喚で聖女様が来られたとは、聞き及んでおりますが、わたくしのことではございませんわ。」
「そうですか?我が学園においても、明日、聖女認定を行いますので、ぜひ、ご参加ください。」
王太子殿下が退室され、侍女のマーガレット相手に「そういえば、聖女様が逃げ出されたのって、だいぶ前のことよね?」
「イソフラスに向かわれたのかしら?」
「エドワードの噂ではございますけど、召喚された聖女様は、17歳で黒髪黒目が特徴らしいでございますわよ。」
「え?そうなの?初耳―!ん?ということは、やっぱり、隣の部屋のレイカが怪しい?」
「まあ、いいわ。これも何かのご縁ですもの。」
翌日、クラス分けが決まり、ジュリエンヌとレイカは同じクラスで喜んでいる。新しいクラスに入る前に聖女認定儀式が行われた。
入学式が行われた場所の一番前の檀上中央にハンドボールほどの水晶玉が置かれている。それに女子生徒は順番に手をかざしていくのだ。
ジュリエンヌの番が来たので、何気に手をかざしたら、見事に光り輝いて、騒然とした。すぐに別室に連れていかれ、聖女の称号を表すローブと冠?ティアラが贈られた。ほかにも賞状みたいなペーパーと水晶?のペンダントは、いつもするようにとの仰せとともに。
次にレイカが手をかざすと、やっぱり光り輝いて、一度に二人の聖女が誕生した瞬間であったのである。レイカも別室に連れていかれ、聖女の称号を表すローブと冠?ティアラが贈られた。ほかにも賞状みたいなペーパーと水晶?のペンダントを肌身離さずつける。
レイカは召喚聖女ですから、光り輝いて当然です。
そこで初めて、レイカは隣国から逃げ出してきた聖女であると身分を明かします。
そして、ジュリエンヌを巻き添えにしてしまったことを詫びる。
「え?どういうことですの?」
「実は、あの王太子殿下と結婚させられるのが嫌で逃げてきました。大聖堂にいるときにジュリエンヌと婚約破棄すると言っていたのを聞き、ジュリエンヌ様とともに、イソフラスへ留学したく、勉強部屋にお邪魔していましたのよ。」
「やっぱり、精霊様の正体はレイカ様だったのね。初めて会ったとき、妙に懐かしく感じたのは、そのせいでしたか?」
「黙っていて、ごめんなさい。」
「いいわよ。誰だって、アイヴィーなんかとは、結婚したくないものね。」
そう言って、ジュリエンヌとレイカは笑い合って、親友となるのでした。
王太子は、「もう帰るのか!」とか、言ってたけど無視、無視。
嫌いなアイヴィー王太子にこれ以上付きまとわれるのは、迷惑以外の何物でもない。アイヴィー王太子がいつまでも婚約者然としていると、お嫁の貰い手がなくなっちゃうじゃない!
父が帰ってきてから、相談すると、意外にも隣国へ留学すればいいじゃないか?ついでに隣国なら新しい出会いがあるかもしれないので、一挙両得だということになった。
隣国で新しい出会いがあればいいけど?ネガティヴに考えても仕方がないから、とりあえず留学することにした。
留学先の学園の入試に合格した。どこの学園に通えばいいのかわからないから、受験できるところすべてに受験した。
幸い国内受験ができたので、わざわざ隣国へ行かなくても済んだ。
隣国では、キリのよい学期から行くことができるところの学園を選んだ。着々と留学準備は進み、ついに!留学のため、隣国へ渡った。その当時、相変わらず聖女様の所在は不明であった。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
朝陽が昇ると同時に、あたり一面明るくなった。
よく見ると突っ立っている衛兵は壁にもたれて居眠りをしている。
「なーんだ、これなら暗いうちに出て行ってもわからなかったか?」とも思ったけど、念には念を入れることにする。
麗華は、自身に隠蔽魔法をかけ、そっと出てみる。衛兵は気持ちよさそうに船をこいでいる。
猫足、すり足でそろそろと出る。
確か、この物語の主人公はジュリエンヌで、隣国へ留学するはず、それなら私も隣国へ留学してやろう。今からジュリエンヌの住む公爵邸へ行き、そこで勉強するのだ。チートがあるから、ジュリエンヌが読んでいるような教科書をペラペラと速読するだけで、すべて記憶できるのだから、いまなら東大理Ⅲでも合格できるような気がするわ。
なんとかジュリエンヌと仲良くならなきゃね。
でもなかなか、きっかけがつかめず仲良くなれない。
そうこうしているうちに、ジュリエンヌが合格して、隣国に渡って行ったので、私も自分に隠蔽をかけたまま、透明人間にでもなったような気分で、馬車の屋根に乗ったまま、隣国へと行くことにしたのである。
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学園では、全寮制で、一人ずつの個室の中に寝室と侍女部屋、応接室、勉強部屋、バストイレまである。寮の施設として、食堂、応接室、面談室、男女別の大浴場、男女別のトイレがあり、なかなか快適でした。
隣りのお部屋の子とは、すぐ仲良くなれたわ。ジュリエンヌと同じ日に寮に入ってきた子、名前はレイカという、やはり留学生みたい。
黒髪黒目で聖女様みたいな雰囲気のある子、まさか?聖女様ってわけじゃないよね?
聖女様が行方不明になられてから、我が公爵家では不思議なことばかり起こってるけど、レイカと関係ないはずよね?
食堂に用意してあった食事が消えてしまったり、洗濯物が一人分、なくなるなど大したことではないと言えば、それまでだけど、ジュリエンヌの勉強部屋が確かに誰かがいたような形跡が残っていたり、でもそのおかげで、勉強がはかどったわ。
誰かわからない精霊様が一緒に勉強してくださったおかげで、今まで気づかない勉強方法が見えてきたし、大助かりだったことも事実である。
とうぜんですわよ。現代ニッポンの東大受験のためのノウハウを異世界でやっているのですもの。レイカはそういいたいところを我慢して言わず、
公爵家からはマーガレットという侍女が付き添って来てくれることになったけれど、ここまでの設備があれば、来てもらわなくてもよかったかもしれない。でも淑女のたしなみとして、侍女なしで出歩くのは、ご法度だから致し方ないか。
入学式まで、まだ日があったので、レイカと街へお買い物がてら遊びに行きましたわ。レイカは17歳でジュリエンヌより1歳年上だと思えないほど、幼く見えたわ。若くというべきね。でも、この国に来てからの初めてのお友達だから嬉しい。お茶して、甘いものを食べたわ。レイカの国では、甘いものの種類がたくさんあるらしいわ。今度、作り方を教えてくださるそうで、楽しみにしています。
学年の途中から転入する学生のための入学式が行われる。すごいね!人数はまあ少ないと言えば、少ないけど、それでも30人足らずぐらい入る。28人のためにわざわざ、入学式を行うなんて、きちんとして居ると言うか格式張ってるというべきか。
入学式の後は、オリエンテーションで、今日は、そのまま解散しました。
寮の自室に戻り、ぐったりしているとノックの音が、侍女が扉を開けると、そこには、なんとこの国イソフラスのリチャード王太子様がみえていました。
「は、はじめまして。隣国エドワードのブランネット公爵の娘でジュリエンヌと申します。」
「突然、お訪ねして申し訳ない。実は、エドワードから聖女様がお忍びで来られたとの情報を得まして。ジュリエンヌ嬢が聖女様で?」
侍女がお茶の用意をしてくれたので、王太子殿下にお茶を勧めながら
「いいえ。わたくしのことでは、ございませんわ。」
「エドワード国で、確かに異世界召喚で聖女様が来られたとは、聞き及んでおりますが、わたくしのことではございませんわ。」
「そうですか?我が学園においても、明日、聖女認定を行いますので、ぜひ、ご参加ください。」
王太子殿下が退室され、侍女のマーガレット相手に「そういえば、聖女様が逃げ出されたのって、だいぶ前のことよね?」
「イソフラスに向かわれたのかしら?」
「エドワードの噂ではございますけど、召喚された聖女様は、17歳で黒髪黒目が特徴らしいでございますわよ。」
「え?そうなの?初耳―!ん?ということは、やっぱり、隣の部屋のレイカが怪しい?」
「まあ、いいわ。これも何かのご縁ですもの。」
翌日、クラス分けが決まり、ジュリエンヌとレイカは同じクラスで喜んでいる。新しいクラスに入る前に聖女認定儀式が行われた。
入学式が行われた場所の一番前の檀上中央にハンドボールほどの水晶玉が置かれている。それに女子生徒は順番に手をかざしていくのだ。
ジュリエンヌの番が来たので、何気に手をかざしたら、見事に光り輝いて、騒然とした。すぐに別室に連れていかれ、聖女の称号を表すローブと冠?ティアラが贈られた。ほかにも賞状みたいなペーパーと水晶?のペンダントは、いつもするようにとの仰せとともに。
次にレイカが手をかざすと、やっぱり光り輝いて、一度に二人の聖女が誕生した瞬間であったのである。レイカも別室に連れていかれ、聖女の称号を表すローブと冠?ティアラが贈られた。ほかにも賞状みたいなペーパーと水晶?のペンダントを肌身離さずつける。
レイカは召喚聖女ですから、光り輝いて当然です。
そこで初めて、レイカは隣国から逃げ出してきた聖女であると身分を明かします。
そして、ジュリエンヌを巻き添えにしてしまったことを詫びる。
「え?どういうことですの?」
「実は、あの王太子殿下と結婚させられるのが嫌で逃げてきました。大聖堂にいるときにジュリエンヌと婚約破棄すると言っていたのを聞き、ジュリエンヌ様とともに、イソフラスへ留学したく、勉強部屋にお邪魔していましたのよ。」
「やっぱり、精霊様の正体はレイカ様だったのね。初めて会ったとき、妙に懐かしく感じたのは、そのせいでしたか?」
「黙っていて、ごめんなさい。」
「いいわよ。誰だって、アイヴィーなんかとは、結婚したくないものね。」
そう言って、ジュリエンヌとレイカは笑い合って、親友となるのでした。
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