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受験戦争
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エドワード王国の王都にある王城の舞踏会にて。豪華なシャンデリア。真っ赤な絨毯の上で色とりどりのドレスを身に纏った令嬢がそれぞれのパートナーと踊っている。
「公爵令嬢ジュリエンヌ・ブランネット、そなたとは、今宵をもち婚約を破棄とする。」
高らかに宣言されたのは、この国の王太子殿下アイヴィー・エドワード様だ。
嫌いなアイヴィー殿下からの婚約破棄のことだから、どうでもよかったのだけど、一応、儀礼として理由を聞く。
「理由は、何でございましょうか?お聞かせいただけますか?」
「此度、聖女様を異世界から召喚したのだ。まだ、お目覚めになっておらぬが、我が国にもやっと、聖女様を手に入れることができたからだ。そなたには、もう用はない。」
「左様でございましたか、それは重畳でございますわね。それではこれにて失礼をさせていただきますわね。」
次の日、婚約破棄の違約金はすぐに支払われた。まるで、あらかじめ用意していたかのように。
ジュリエンヌは、アイヴィーのことが嫌いだった。いつも上から目線で偉そうで。10年間のお妃教育の時間を返せ!って言いたいところだが、過分な賠償金をもらったので、我慢する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
私、鬼百合女子学園高校の2年生、佐々波麗華(さざなみれいか)17歳。
いちおう、ウチの学校はエスカレーター式の学校で幼稚園から大学まで無試験で行ける。。
ウチの両親は、母が弁護士、父が開業医で一応、セレブ?勝ち組?と言われているから、鬼百合はいわゆるお嬢様学校なのよね。
その分、偏差値は低いが、卒業後はみんないいところへお嫁に行くだけだから、就職なんて、どうでもいいんだけど、両親がいわゆる受験戦争真っただ中世代だったもので、少しでも私の偏差値が落ちるとうるさく言う。
「麗華ちゃんは、何が何でも東京大学理科Ⅲ類に合格しなきゃダメだよ。」
「偏差値は常に72以上でないとダメ。60代になれば、おやつ抜きですからね。」
それで、学校帰りに今日も塾。毎日お弁当箱2つ持って、学校へ行く。昼用と夜用。
English-Japanese dictionaryとお弁当箱2個は重いよ。持っているだけで、手がしびれてくるわ。それに国語辞典と漢和辞典。受験が終わったら、重量挙げの選手を目指せるかもというぐらいの重量である。
麗華は、趣味で小説投稿サイトにファンタジー小説を書いている。
「あーあ、こういう時に魔法があったらいいな。転移魔法や異空間収納、ペラペラと本をめくるだけで本の中身がすべて記憶できるような魔法、言語理解の魔法なんてあれば、こんなに受験勉強を頑張らなくてもいいのに。」
足元にあった石ころを何気に蹴飛ばしたら、電柱に当たり、はじき返されて麗華に当たったと思った途端、真っ白の光に包まれて……。
気が付くとヨーロッパの大聖堂のようなところに寝転がされていたのだ。
「え?うそ?」
「聖女様、気が付かれましたか?」
「我がエドワード王国にようこそ。」
そこは、麗華が書いている小説の中だった。
「うまくいったな、これでジュリエンヌと婚約破棄できるというものだ。」
「あの女、いつも生意気で気に食わなかったのだ。妃教育は10年間頑張ってくれたが、できれば聖女様と結婚したいからな。」
{え?けっこん?今、結婚って言ったよね。そうだ、ここは私が書いた小説の中だ。この王子?王太子だっけ?確かバカの俺様だったような気がする。逃げ出そう。ここは私が書いた小説の中なら、地下道があったはず、その抜け道を通って。}
とにかく、麗華は寝たふりを決め込んだ。寝たふりをしていれば、王城の普通の部屋で寝かせてもらえるはずだから、苦労して召喚した聖女様だから、雑な扱いはされないはず。
麗華の思惑通り、王城の聖女様用のお部屋に寝かされることになった。
しばらく、侍女の気配があったが消えたところで、薄目を開ける。
いない!誰もいない!
ピンクのフリフリネグリジェを着ているから、制服に着替えてから出ることにしよう。自分が書いたご都合主義の小説だから、ひょっとしたら、王城の外へ出て、日の光に当たった途端、元のニッポンの道路にいるかもしれない。
だから、ネグリジェのままでは、都合が悪いのだ。でも、このネグリジェ超かわいらしいから、できれば欲しい。もしかしたら、不測の事態に備えてもらっておこう。かばんの中に入れることにする。
私が書いた小説の中での設定では暖炉のところに地下道へ降りられる階段があったはず。
カラの弁当箱2つが入ったカバンをもち上げようとしたら、やっぱり重い。辞書3冊が入っているからだ。
ひょとして?チートスキルなんて、もらってないよね?
ブツブツ言いながら、「収納!」と念じてみたら、あら、不思議!異空間の中に消えた。
やったー!小躍りしたくなる気持ちを必死に抑えて、暖炉の中の地下道へと続く階段へ降りることにする。
地下道へと続く階段を下りながら、「ステータス!」と小声でつぶやくと、転移魔法も異空間収納も言語理解も創造魔法も、速読魔法もほかにも便利そうな魔法が書かれてあった。
おお!なんというチート!聖女として召喚されたから、女神様?からのプレゼントだと思っておこう。なんて、これは私が書いた小説よ。ご都合主義で何が悪い!問題ある?
長い階段を下りていく。真っ暗で前がよく見えない。「ライト!」とつぶやいて、前方だけを照らしながら進むことにする。
それにしても学校帰りだから、よく革靴を履いていたかと思うわ。これが家にいるときや塾だったら、スリッパや上履きで底が良くてもゴム製だから、何か踏めば弱い。また足の裏に響く。
革靴でも響くと言えば、響くが、少し水が流れているようだ。チョロチョロという水音が聞こえる。
やっと平坦な部分に出られたので、これが地下道なのであろう。ネズミがちゅうちゅうと鳴いているが、今はそんなことに構っていられない。
怖いという気持ちはもちろんあるが、ここで結婚させられるよりは、マシだ。
やっと外へ出られたが、すぐ横に衛兵が立っている。再び地下道の中に入り、朝が来るのを待つ。
ここでライト魔法を使うと目立つからである。地下道の中で、自分が隠蔽魔法を使えるかどうか確認すると、どうやら、使えるみたい。朝陽が昇れば、自分に隠蔽魔法をかけて脱出することを決意する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
しばらくすると、この公爵邸のある場所や王都の中心部で衛兵が警戒している姿がまま見られるようになる。噂では、お城で、せっかく召喚した聖女様に目を離したすきに逃げられてしまわれたそうだった。
でもジュリエンヌには、他人事だったわ。一度、婚約破棄をした相手とは、二度と婚約できないという不文律が存在しているからで、今は、安全圏の中にいるから。
ところが、次の夜会のとき、妙にアイヴィーがなれなれしく、ジュリエンヌに付きまとうのだ。理由は、単純、聖女様に逃げられたので、とりあえずの婚約者が欲しいのだ。ジュリエンヌは、スペアか?お妃教育が済んでいる令嬢となれば、なおさらだとは思うけど、近寄ってくるのは許し堅い行為。ほかの殿方を寄せ付けないようにするためだろうけど、もし聖女様が見つかれば、すぐポイされるジュリエンヌとしては、側に来ないでよ!と言いたくなるのも無理はない。
いっそのこと、街から出ようか?それとも領地へ帰ろうか?今はまだ、王都の学園に在籍しているので、お父様が帰っていらしたら、相談することにしましょう。
「公爵令嬢ジュリエンヌ・ブランネット、そなたとは、今宵をもち婚約を破棄とする。」
高らかに宣言されたのは、この国の王太子殿下アイヴィー・エドワード様だ。
嫌いなアイヴィー殿下からの婚約破棄のことだから、どうでもよかったのだけど、一応、儀礼として理由を聞く。
「理由は、何でございましょうか?お聞かせいただけますか?」
「此度、聖女様を異世界から召喚したのだ。まだ、お目覚めになっておらぬが、我が国にもやっと、聖女様を手に入れることができたからだ。そなたには、もう用はない。」
「左様でございましたか、それは重畳でございますわね。それではこれにて失礼をさせていただきますわね。」
次の日、婚約破棄の違約金はすぐに支払われた。まるで、あらかじめ用意していたかのように。
ジュリエンヌは、アイヴィーのことが嫌いだった。いつも上から目線で偉そうで。10年間のお妃教育の時間を返せ!って言いたいところだが、過分な賠償金をもらったので、我慢する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
私、鬼百合女子学園高校の2年生、佐々波麗華(さざなみれいか)17歳。
いちおう、ウチの学校はエスカレーター式の学校で幼稚園から大学まで無試験で行ける。。
ウチの両親は、母が弁護士、父が開業医で一応、セレブ?勝ち組?と言われているから、鬼百合はいわゆるお嬢様学校なのよね。
その分、偏差値は低いが、卒業後はみんないいところへお嫁に行くだけだから、就職なんて、どうでもいいんだけど、両親がいわゆる受験戦争真っただ中世代だったもので、少しでも私の偏差値が落ちるとうるさく言う。
「麗華ちゃんは、何が何でも東京大学理科Ⅲ類に合格しなきゃダメだよ。」
「偏差値は常に72以上でないとダメ。60代になれば、おやつ抜きですからね。」
それで、学校帰りに今日も塾。毎日お弁当箱2つ持って、学校へ行く。昼用と夜用。
English-Japanese dictionaryとお弁当箱2個は重いよ。持っているだけで、手がしびれてくるわ。それに国語辞典と漢和辞典。受験が終わったら、重量挙げの選手を目指せるかもというぐらいの重量である。
麗華は、趣味で小説投稿サイトにファンタジー小説を書いている。
「あーあ、こういう時に魔法があったらいいな。転移魔法や異空間収納、ペラペラと本をめくるだけで本の中身がすべて記憶できるような魔法、言語理解の魔法なんてあれば、こんなに受験勉強を頑張らなくてもいいのに。」
足元にあった石ころを何気に蹴飛ばしたら、電柱に当たり、はじき返されて麗華に当たったと思った途端、真っ白の光に包まれて……。
気が付くとヨーロッパの大聖堂のようなところに寝転がされていたのだ。
「え?うそ?」
「聖女様、気が付かれましたか?」
「我がエドワード王国にようこそ。」
そこは、麗華が書いている小説の中だった。
「うまくいったな、これでジュリエンヌと婚約破棄できるというものだ。」
「あの女、いつも生意気で気に食わなかったのだ。妃教育は10年間頑張ってくれたが、できれば聖女様と結婚したいからな。」
{え?けっこん?今、結婚って言ったよね。そうだ、ここは私が書いた小説の中だ。この王子?王太子だっけ?確かバカの俺様だったような気がする。逃げ出そう。ここは私が書いた小説の中なら、地下道があったはず、その抜け道を通って。}
とにかく、麗華は寝たふりを決め込んだ。寝たふりをしていれば、王城の普通の部屋で寝かせてもらえるはずだから、苦労して召喚した聖女様だから、雑な扱いはされないはず。
麗華の思惑通り、王城の聖女様用のお部屋に寝かされることになった。
しばらく、侍女の気配があったが消えたところで、薄目を開ける。
いない!誰もいない!
ピンクのフリフリネグリジェを着ているから、制服に着替えてから出ることにしよう。自分が書いたご都合主義の小説だから、ひょっとしたら、王城の外へ出て、日の光に当たった途端、元のニッポンの道路にいるかもしれない。
だから、ネグリジェのままでは、都合が悪いのだ。でも、このネグリジェ超かわいらしいから、できれば欲しい。もしかしたら、不測の事態に備えてもらっておこう。かばんの中に入れることにする。
私が書いた小説の中での設定では暖炉のところに地下道へ降りられる階段があったはず。
カラの弁当箱2つが入ったカバンをもち上げようとしたら、やっぱり重い。辞書3冊が入っているからだ。
ひょとして?チートスキルなんて、もらってないよね?
ブツブツ言いながら、「収納!」と念じてみたら、あら、不思議!異空間の中に消えた。
やったー!小躍りしたくなる気持ちを必死に抑えて、暖炉の中の地下道へと続く階段へ降りることにする。
地下道へと続く階段を下りながら、「ステータス!」と小声でつぶやくと、転移魔法も異空間収納も言語理解も創造魔法も、速読魔法もほかにも便利そうな魔法が書かれてあった。
おお!なんというチート!聖女として召喚されたから、女神様?からのプレゼントだと思っておこう。なんて、これは私が書いた小説よ。ご都合主義で何が悪い!問題ある?
長い階段を下りていく。真っ暗で前がよく見えない。「ライト!」とつぶやいて、前方だけを照らしながら進むことにする。
それにしても学校帰りだから、よく革靴を履いていたかと思うわ。これが家にいるときや塾だったら、スリッパや上履きで底が良くてもゴム製だから、何か踏めば弱い。また足の裏に響く。
革靴でも響くと言えば、響くが、少し水が流れているようだ。チョロチョロという水音が聞こえる。
やっと平坦な部分に出られたので、これが地下道なのであろう。ネズミがちゅうちゅうと鳴いているが、今はそんなことに構っていられない。
怖いという気持ちはもちろんあるが、ここで結婚させられるよりは、マシだ。
やっと外へ出られたが、すぐ横に衛兵が立っている。再び地下道の中に入り、朝が来るのを待つ。
ここでライト魔法を使うと目立つからである。地下道の中で、自分が隠蔽魔法を使えるかどうか確認すると、どうやら、使えるみたい。朝陽が昇れば、自分に隠蔽魔法をかけて脱出することを決意する。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
しばらくすると、この公爵邸のある場所や王都の中心部で衛兵が警戒している姿がまま見られるようになる。噂では、お城で、せっかく召喚した聖女様に目を離したすきに逃げられてしまわれたそうだった。
でもジュリエンヌには、他人事だったわ。一度、婚約破棄をした相手とは、二度と婚約できないという不文律が存在しているからで、今は、安全圏の中にいるから。
ところが、次の夜会のとき、妙にアイヴィーがなれなれしく、ジュリエンヌに付きまとうのだ。理由は、単純、聖女様に逃げられたので、とりあえずの婚約者が欲しいのだ。ジュリエンヌは、スペアか?お妃教育が済んでいる令嬢となれば、なおさらだとは思うけど、近寄ってくるのは許し堅い行為。ほかの殿方を寄せ付けないようにするためだろうけど、もし聖女様が見つかれば、すぐポイされるジュリエンヌとしては、側に来ないでよ!と言いたくなるのも無理はない。
いっそのこと、街から出ようか?それとも領地へ帰ろうか?今はまだ、王都の学園に在籍しているので、お父様が帰っていらしたら、相談することにしましょう。
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