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介護
5.
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エレベーターを降りると、艶子さんは、
「いいところね、気に入ったわ。私もここへ引っ越してこようかしらね。」
「以前から、アソコで暮らしていらしたんですか?」
「いいえ。前は長男夫婦と同居していたんだけど、私の尿器が発覚してからは、嫁が芦子に家の手配をしてくれてね・それからずっと一人暮らし、寂しかったわよ。だから美桜ちゃんには、感謝しているのよ。本当よ。ありがとうね。」
「もし、よろしければ、ウチに来ませんか?」
「ええっ!嬉しいけど、新婚さんのお宅にお邪魔するなんてね。それにしても、美桜ちゃんが、ウチに来てから康夫ったら、一度も顔を見せに来やしないわね。あなた達夫婦、うまくいっているの?」
「たぶん大丈夫だと思いますけど、私も新婚旅行から帰ってすぐ、艶子さんのところへ行くように言われただけで、その後、一度も顔を合わせていません。」
「わかったわ。今日は、美桜ちゃんの家に泊まることにする。それで康夫にお説教してやるんだから。あはは。」
楽しそうに艶子さんは、笑う。
そういえば、この3か月の間、一度も康夫と顔を合わせていないことを、今更ながら気拭き、重い足取りで、自宅のカードキーを挿し込むとなぜか施錠されていない。
「え?今日は、平日だから康夫さん会社に行っているはずなのに、施錠されていない。」
入ろうとする美桜を静止して、艶子さんが先に玄関ドアを開け中に入っていく。
もし、中に空き巣がいたら、美桜ちゃんと鉢合わせさせるわけにはいかないという艶子さんらしい判断だとわかる。
玄関には、女性もののハイヒールがきちんと脱ぎ揃えてあったのだ。
ん?こんな時間に、タワマンに来るのは、ウチの母か義母しか見当がない。でも、どう見ても若い女性が掃くようなブランドものの痛そうな靴。
それに平日なのに、なぜか康夫の沓もあったから、康夫のお客様なのかと思った。
美桜は、リビングに置きっぱなしのお皿やコップ、それにコンビニ弁当の空き箱、ペットボトルを片付けて行く。
その直後、艶子さんは寝室に入っていったはずなのに、なぜか男性の叫び声が聞こえる。たぶん、康夫だ。尋常ではない叫び声に一度は様子を見に行こうと思ったが、アルツハイマー症の狂暴性が出てしまってからでは、美桜では止められないことを知っているので、あえてと目に行かなかった。
続いて、女性の悲鳴が聞こえる。
ん?これは、お義母さんの声とも思えないので、慌てて流しに出しっぱなしの水をとめ、タオルで手を拭いてから、寝室に駆け付ける。
それは、美桜と康夫のベッドで明らかに誰かが愛し合っていたかのような様子で、使用済みのコンドームが散らばっている。
まだ一度も寝たことがないダブルベッドはシーツから布団に至るまで、真っ赤に染まり、今、怒ったばかりの惨状に呆然と立ち尽くしてしまった。
過剰防衛にはならない。帰宅したら、見知らぬ男女がコトの真っ最中で、逆上して殺してしまっても、無罪になる。おまけに大姑はアルツハイマー症なので、それだけでも、無罪になるものということだから。
倒れている男女、2人とも、見たこともない知らない人?だという気がした。
とにかく怪我をしているようだから、救急車を3台呼ぶことにする。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
救急車を呼ぶとき、ついでに来る警察にも同じことを話す。
久しぶりに帰宅すると、玄関のドアが開いていて、おばあちゃんが空き巣だったら、美桜ちゃんが困るから、私が先に入るよ。大丈夫だから、と念を押された。
見覚えのない女性もののハイヒールに空き巣は、女性の単独犯だと思うが、義祖母に任せることにする。
部屋の中に入ると、脱ぎ散らかった洋服に、コンビニ弁当の空き箱、ペットボトルが散乱していて、それらを流しに運び洗い流して、ゴミ箱に入れられるものは入れるという作業に夢中になってしまい、出しっぱなしにしていた水道の音で寝室内の騒ぎにまったく気づかないでいた。
流しの中がいっぱいになり、さらなる洗い物を求めて、いったん蛇口を閉めた時に、ようやく異変に気付き、義祖母が向かったであろう奥の部屋、「寝室を探す。
寝室のダブルベッドのそばに義祖母が倒れていて、そのすぐそばに見知らぬ男女が裸で倒れていることが分かったので、慌てて救急車を呼ぶ。
「一人だと思っていた空き巣が実は、二人いたということですね?」
「はい。そういうことになります。」
「いいところね、気に入ったわ。私もここへ引っ越してこようかしらね。」
「以前から、アソコで暮らしていらしたんですか?」
「いいえ。前は長男夫婦と同居していたんだけど、私の尿器が発覚してからは、嫁が芦子に家の手配をしてくれてね・それからずっと一人暮らし、寂しかったわよ。だから美桜ちゃんには、感謝しているのよ。本当よ。ありがとうね。」
「もし、よろしければ、ウチに来ませんか?」
「ええっ!嬉しいけど、新婚さんのお宅にお邪魔するなんてね。それにしても、美桜ちゃんが、ウチに来てから康夫ったら、一度も顔を見せに来やしないわね。あなた達夫婦、うまくいっているの?」
「たぶん大丈夫だと思いますけど、私も新婚旅行から帰ってすぐ、艶子さんのところへ行くように言われただけで、その後、一度も顔を合わせていません。」
「わかったわ。今日は、美桜ちゃんの家に泊まることにする。それで康夫にお説教してやるんだから。あはは。」
楽しそうに艶子さんは、笑う。
そういえば、この3か月の間、一度も康夫と顔を合わせていないことを、今更ながら気拭き、重い足取りで、自宅のカードキーを挿し込むとなぜか施錠されていない。
「え?今日は、平日だから康夫さん会社に行っているはずなのに、施錠されていない。」
入ろうとする美桜を静止して、艶子さんが先に玄関ドアを開け中に入っていく。
もし、中に空き巣がいたら、美桜ちゃんと鉢合わせさせるわけにはいかないという艶子さんらしい判断だとわかる。
玄関には、女性もののハイヒールがきちんと脱ぎ揃えてあったのだ。
ん?こんな時間に、タワマンに来るのは、ウチの母か義母しか見当がない。でも、どう見ても若い女性が掃くようなブランドものの痛そうな靴。
それに平日なのに、なぜか康夫の沓もあったから、康夫のお客様なのかと思った。
美桜は、リビングに置きっぱなしのお皿やコップ、それにコンビニ弁当の空き箱、ペットボトルを片付けて行く。
その直後、艶子さんは寝室に入っていったはずなのに、なぜか男性の叫び声が聞こえる。たぶん、康夫だ。尋常ではない叫び声に一度は様子を見に行こうと思ったが、アルツハイマー症の狂暴性が出てしまってからでは、美桜では止められないことを知っているので、あえてと目に行かなかった。
続いて、女性の悲鳴が聞こえる。
ん?これは、お義母さんの声とも思えないので、慌てて流しに出しっぱなしの水をとめ、タオルで手を拭いてから、寝室に駆け付ける。
それは、美桜と康夫のベッドで明らかに誰かが愛し合っていたかのような様子で、使用済みのコンドームが散らばっている。
まだ一度も寝たことがないダブルベッドはシーツから布団に至るまで、真っ赤に染まり、今、怒ったばかりの惨状に呆然と立ち尽くしてしまった。
過剰防衛にはならない。帰宅したら、見知らぬ男女がコトの真っ最中で、逆上して殺してしまっても、無罪になる。おまけに大姑はアルツハイマー症なので、それだけでも、無罪になるものということだから。
倒れている男女、2人とも、見たこともない知らない人?だという気がした。
とにかく怪我をしているようだから、救急車を3台呼ぶことにする。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
救急車を呼ぶとき、ついでに来る警察にも同じことを話す。
久しぶりに帰宅すると、玄関のドアが開いていて、おばあちゃんが空き巣だったら、美桜ちゃんが困るから、私が先に入るよ。大丈夫だから、と念を押された。
見覚えのない女性もののハイヒールに空き巣は、女性の単独犯だと思うが、義祖母に任せることにする。
部屋の中に入ると、脱ぎ散らかった洋服に、コンビニ弁当の空き箱、ペットボトルが散乱していて、それらを流しに運び洗い流して、ゴミ箱に入れられるものは入れるという作業に夢中になってしまい、出しっぱなしにしていた水道の音で寝室内の騒ぎにまったく気づかないでいた。
流しの中がいっぱいになり、さらなる洗い物を求めて、いったん蛇口を閉めた時に、ようやく異変に気付き、義祖母が向かったであろう奥の部屋、「寝室を探す。
寝室のダブルベッドのそばに義祖母が倒れていて、そのすぐそばに見知らぬ男女が裸で倒れていることが分かったので、慌てて救急車を呼ぶ。
「一人だと思っていた空き巣が実は、二人いたということですね?」
「はい。そういうことになります。」
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