転生令嬢は魔王に溺愛される~二度目の人生、魔王様に捧げます

青の雀

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アレクサンドラ・ショワズール

懐妊

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 断頭台を後にした。アレクサンドラは、ルシファーとともに、魔界へ行きます。

 本来なら、あの場で死んで、何もかも失うアレクサンドラでしたが、ルシファーに助けていただき、今は幸せです。

 魔界は、おどろおどろしい処だとばかりに思っていましたが、花が咲き乱れ、空には虹がいつもかかっています。まるで、楽園のような所です。色とりどりの蝶々が舞っていて、きれいだと見とれていたら、蝶々ではなく、妖精だったらしいです。

 アレクサンドラは、ルシファー様の館で暮らすことになりました。

 貝殻を模したキングサイズのベッド、ふかふかのマットレス、ピンクの天蓋付きである。アレクサンドラが好きそうな部屋の調度品、何もかもがアレクサンドラ好みで仕様されている。

 ルシファー様は、15年前から、この日が来ることを予見していて、アレクサンドラ好みになるように指示を出していたらしい。

 ルシファー様とアレクサンドラは結婚することになりました。もう、王国は滅んだも同然です。王位継承権者がいなくなったのですから。いくら、魅了魔法にかかっていたとしても13年間にわたる婚約者を冤罪で処刑するなど、考えられない所業です。

 結婚式の日が近づいてきました。蝶々だと思っていた妖精さんがアレクサンドラにいろいろなものを持ってきてくれます。お花で作った冠や首飾り、貝殻をつなぎ合わせたアクセサリー、花の蜜や香水、珍しい蜘蛛の糸で編んだレース、どれもこれもかわいらしいものばかりで、アレクサンドラは目を輝かせます。

 アレクサンドラのそんな表情をルシファーは、愛おしく眺めます。

 早いもので、あっという間に結婚式の日が来ました。
 アレクサンドラは、朝から風呂に入り、念入りに磨き上げられます。そして、蜘蛛の糸で編んだ総レースの花嫁衣装に身を包み、ルシファー様の到着を待ちます。ルシファー様は白いタキシードをお召しになっていて、胸に赤いバラを1輪指しておられました。

 誓いのキスのとき、ほんの触れるだけのキスを想定していたのに、口の中を舌で蹂躙されるようなキスをされたので、アレクサンドラは、ぐったりと倒れてしまいました。それをルシファーがお姫様抱っこをして、ベッドまで運んでいきます。

 ベッドの上に静かに降ろされたアレクサンドラは、ルシファーの手により、すべて脱がされ、誓いのキスをするような勢いで、体中にしるしをつけられます。もちろん、大事なところまでもすべて。

 初夜の行為は、一〇日間にわたり行われ、食事は合間に携帯食のようなものを取っただけでした。それもルシファーの膝の上に座らされて、ほとんど口移しで。
 最初、アレクサンドラはカラダのあちこちが痛く、本心から「やめてー」と叫んでいましたが、ルシファーの狂ったような愛撫にも次第に慣れていき、たぶんもう、ルシファーでなければ、満足できないようなカラダにされてしまいました。

 結婚式から3か月、相変わらず毎晩、抱かれているけれど、1日中ではなくなったので少しは、平穏な日常を取り戻せた頃。カラダに異変を感じたら、懐妊していました。
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「本日は晴天なり」は「婚約破棄から聖女」に移しました。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。https://www.alphapolis.co.jp/novel/431903331/951444099
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