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エリーゼは、最初は困惑しながらでもゴードン様を受け入れていくうちに、なんとなく心が通じ合うような感覚に陥っていた。
でも、それは気のせいで、エリーゼの独りよがりだということを思い知ることになるとは、夢にも思っていなかったのだ。
あの階段から転落して以来、ほとんど毎日一緒にいたというのに、気づいていなかったエリーゼにも落ち度があるのかもしれない。
最初はあれだけ抵抗していたゴードンとのセックスも、どうせ、お嫁に行くのだからという半ばあきらめで、もう許していたのだ。
むしろ毎日肌を合わせることで、お互いの健康状態ができて良かったとさえ思うようになっていたという
それなのに、今更婚約を白紙撤回したいとはどういう意味だろう?
今日、メルセデス王家よりルビンシュタイン家に正式に申し出があったのだ。
父は、エリーゼとゴードンがそんな関係になっていることを知らずにいたから、承諾してしまう。
エリーゼは泣きながら、父に抗議するも、父が白紙撤回を受け入れた後で、どうすることもできないでいる。
「エリーがそんなにゴードン殿下のことが好きになっているとは、思ってもみなかったよ。前はあんなに嫌がっていたではないか?それなのに、どうして?」
「それは……。」
やはり言えない。
白紙撤回された令嬢は、普通に、また別の貴族へ嫁ぐことができるが、もしゴードン殿下との関係が知られたら、修道院送りになることが目に見えている。
公爵家の美人令嬢であれば、引く手あまたの縁談が来ることは間違いない。父に諭され、ゴードン殿下のことを諦めようと努力するが、諦めきれない。
考えようによっては、どうせ、後半年もすれば、卒業式で断罪されて、数えきれない男たちから侮蔑の眼を向けられ、輪姦されてしまうことよりは、今、婚約を白紙撤回されることの方がダメージは少ないのかもしれない。
もう、悪役令嬢でも何でもなくなるのは、いいことかもしれない。
でも、ゴードンにより、カラダ中の隅々まで、開発され尽くした、このカラダで本当によそにお嫁に行くことなどできるのであろうか?
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃、王城でも、ひと悶着がある。
「ゴードンよ、隣国との王女と会うだけでも会ってみたらどうだ?」
「いいえ。お会いしません。私は、エリーゼを愛しています。エリーゼ以外の女性と結婚することなど考えられないのです。」
「なに、青臭いこと言っているのだ。隣国の王女と結婚して、同盟関係になれば、我が国は安泰だと申しておるだろう。いつまでもエリーゼ嬢に固執していないで、もっと世界に目を向けろ。」
「イヤです。私は、エリーゼさえ側にいてくれて、笑ってくれていたら、他に何も望みません。どうか、私を廃嫡でも何でもしてください。私は、エリーゼと結婚します。」
「はぁー。そんな岡惚れしているとは、知っていたが、まさかそこまでエリーゼのことを愛していたとはな。しかし、エリーゼ嬢とは、もう婚約を白紙撤回しておるぞ。」
「なんですと!? それでルビンシュタイン家の返事はなんと?」
「もちろん、承諾したさ。白紙撤回なら、娘がキズモノにならず、他の貴族といくらでも婚姻させられるからな。」
「エリーゼが、誰か他の男と結婚する!? ダメだ。そんなことさせられない。エリーゼは俺のモノだ。俺の女だ。エリーゼが、他の男と結婚するのなら、エリーゼを殺して、俺も死ぬ。」
「何をたわけたことを言っているのだ?エリーゼ嬢にも、エリーゼ嬢の人生があるのだぞ?」
「私とエリーゼが、すでに婚約者以上の関係があったとしてでもですか?ひょっとすれば、エリーゼは、私の子を孕んでいるかもしれません。」
「な、なんだとぉ?それは、まことか?いつからだ?いつから、そんな関係になったと申す?」
「あれは、新学期が始まって、始業式の次の日からでした。侍医は、私がエリーゼ嬢に乱暴を働いたことを見て見ぬフリをしていますよ。ここの城の奴らは、誰一人として、エリーゼと私との関係を口外しませんでしたからね。」
「ルビンシュタイン公爵はこのことを知っているのか?」
「たぶんご存知ないと思います。エリーゼと私だけの秘密ですから。」
「うぐ……。もし、孕んでいたとすれば、問題だな。生まれてきた子供を王家に取り上げるか。それとも……金で解決するか、だな。相手の貴族にも、口止めをしないといけないからな。月数が足りないと、誤解を招く恐れがある。」
「父上!この期に及んで、まだそのような戯言を!私は、心底、エリーゼを愛しているのです!卒業したら、エリーゼを妻に娶ります。」
「ならぬ!そなたは、隣国の王女と結婚するのだ!」
「嫌です!お断りします。」
ゴードンは、部屋に戻ったふりをして、そのまま王城を出ていく。
エリーゼと駆け落ちするつもりで。前々から、少しずつではあるが、隣国の王女との話は聞いていた。だから、家出をする準備期間ぐらいは、タップリとあったのだ。金と食料と水さえあれば、どこか新天地に行き、百姓でもしながら、親子3人仲良く暮らしていく自信がある。
でも、それは気のせいで、エリーゼの独りよがりだということを思い知ることになるとは、夢にも思っていなかったのだ。
あの階段から転落して以来、ほとんど毎日一緒にいたというのに、気づいていなかったエリーゼにも落ち度があるのかもしれない。
最初はあれだけ抵抗していたゴードンとのセックスも、どうせ、お嫁に行くのだからという半ばあきらめで、もう許していたのだ。
むしろ毎日肌を合わせることで、お互いの健康状態ができて良かったとさえ思うようになっていたという
それなのに、今更婚約を白紙撤回したいとはどういう意味だろう?
今日、メルセデス王家よりルビンシュタイン家に正式に申し出があったのだ。
父は、エリーゼとゴードンがそんな関係になっていることを知らずにいたから、承諾してしまう。
エリーゼは泣きながら、父に抗議するも、父が白紙撤回を受け入れた後で、どうすることもできないでいる。
「エリーがそんなにゴードン殿下のことが好きになっているとは、思ってもみなかったよ。前はあんなに嫌がっていたではないか?それなのに、どうして?」
「それは……。」
やはり言えない。
白紙撤回された令嬢は、普通に、また別の貴族へ嫁ぐことができるが、もしゴードン殿下との関係が知られたら、修道院送りになることが目に見えている。
公爵家の美人令嬢であれば、引く手あまたの縁談が来ることは間違いない。父に諭され、ゴードン殿下のことを諦めようと努力するが、諦めきれない。
考えようによっては、どうせ、後半年もすれば、卒業式で断罪されて、数えきれない男たちから侮蔑の眼を向けられ、輪姦されてしまうことよりは、今、婚約を白紙撤回されることの方がダメージは少ないのかもしれない。
もう、悪役令嬢でも何でもなくなるのは、いいことかもしれない。
でも、ゴードンにより、カラダ中の隅々まで、開発され尽くした、このカラダで本当によそにお嫁に行くことなどできるのであろうか?
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その頃、王城でも、ひと悶着がある。
「ゴードンよ、隣国との王女と会うだけでも会ってみたらどうだ?」
「いいえ。お会いしません。私は、エリーゼを愛しています。エリーゼ以外の女性と結婚することなど考えられないのです。」
「なに、青臭いこと言っているのだ。隣国の王女と結婚して、同盟関係になれば、我が国は安泰だと申しておるだろう。いつまでもエリーゼ嬢に固執していないで、もっと世界に目を向けろ。」
「イヤです。私は、エリーゼさえ側にいてくれて、笑ってくれていたら、他に何も望みません。どうか、私を廃嫡でも何でもしてください。私は、エリーゼと結婚します。」
「はぁー。そんな岡惚れしているとは、知っていたが、まさかそこまでエリーゼのことを愛していたとはな。しかし、エリーゼ嬢とは、もう婚約を白紙撤回しておるぞ。」
「なんですと!? それでルビンシュタイン家の返事はなんと?」
「もちろん、承諾したさ。白紙撤回なら、娘がキズモノにならず、他の貴族といくらでも婚姻させられるからな。」
「エリーゼが、誰か他の男と結婚する!? ダメだ。そんなことさせられない。エリーゼは俺のモノだ。俺の女だ。エリーゼが、他の男と結婚するのなら、エリーゼを殺して、俺も死ぬ。」
「何をたわけたことを言っているのだ?エリーゼ嬢にも、エリーゼ嬢の人生があるのだぞ?」
「私とエリーゼが、すでに婚約者以上の関係があったとしてでもですか?ひょっとすれば、エリーゼは、私の子を孕んでいるかもしれません。」
「な、なんだとぉ?それは、まことか?いつからだ?いつから、そんな関係になったと申す?」
「あれは、新学期が始まって、始業式の次の日からでした。侍医は、私がエリーゼ嬢に乱暴を働いたことを見て見ぬフリをしていますよ。ここの城の奴らは、誰一人として、エリーゼと私との関係を口外しませんでしたからね。」
「ルビンシュタイン公爵はこのことを知っているのか?」
「たぶんご存知ないと思います。エリーゼと私だけの秘密ですから。」
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「父上!この期に及んで、まだそのような戯言を!私は、心底、エリーゼを愛しているのです!卒業したら、エリーゼを妻に娶ります。」
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「嫌です!お断りします。」
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