悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません

青の雀

文字の大きさ
上 下
3 / 11

3.

しおりを挟む
 気が付けば、四つん這いの姿勢にさせられている。

 え?まだ解放されていないの?

 ちょうどうつぶせ寝の状態にされているのだが、お腹のあたりに大きめのクッションを置かれ、おしりとあそこは、丸見えになっている。

 「どうだ?エリーゼ、そんなに俺がイイか?俺も嬉しいよ、エリーゼがこんなにも俺のことを好いていてくれたとは、知らなかった。これから、もっといっぱい気持ちよくさせてやるから。」

 エリーゼは、フルフルと頭を左右に振るも、うつぶせ寝させられているから、うまく殿下に伝わらない。

 「学園ですれ違っても、エリーゼはいつも澄ました顔で俺のことを無視するだろ?あれで、俺がどれだけ毎日、落ち込んでいたと思う?それが、今日は、こんなにも俺に悦んでくれて、いやらしい声をあげてくれる。エリーゼの新しい一面が見られて、本当に良かったと思っているよ。」

 そういいながら、いきなり後ろからズプリと刺されるが、もうそれほど痛みはない。でも、何度か出し入れをされると先ほどの痛みがぶり返してくる。傷口に障るのだ。

 「お、おねが、お願い、お願いします。も、もう許して。」

 「許すわけないだろ?俺は命の恩人なんだぜ?」

 悪いタイミングで階段から落ちたものだと思う。エリーゼは昔から小足でバランスが悪いのだ。だから階段の上り下りをするときはいつも手すりの方に行き、手すりを持ってでないと上り下りをしない。でも、あの時、男爵令嬢のリリアーヌ様が下から上ってこられて、つい手すりを離したときに、バランスを崩して、落ちてしまったのだ。

 だから突き落とされたとか、そんなものではないと思っている。でも、踊り場まで落ちたことも確かで、その場に王太子殿下がいらっしゃったこともラッキーだったとしか言いようがない。

 だから、黙って抱かれようと思っているのに、なぜか甘い声が漏れてしまう。

 はしたない。という気持ちもあるが、この声のせいで、ゴードン様が悦んでくださるのなら、女としての冥利ではないかとさえ思う。

 ぬぷっ。ぬぷっ。ぬぷっ。ぬぷっ。パチュン。パチュン。パチュン。パチュン。

 「あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。イク。イク。イクー!」

 エリーゼが、ぐったりしても、まだ律動は終わらない。それどころか、激しさは増すばかりだ。

 「なぁ、エリー(エリーゼの愛称)、どうか俺のことを愛してくれよ。頼むからさ。」

 そういわれても、困る。だって、5歳の時にお妃選定会があり、気が付いたら、エリーゼが将来の后候補として、選ばれていたわけで、そこには愛がない。そして、今も愛しているというわけではない。

 悪夢を見ているとき、乙女ゲームの世界だと思い出しても、詰んだ。という気持ちだけで、今から媚を売り、ゴードンに好かれようだなんて気はサラサラ持っていなかったのだ。ただ、これが運命なら、仕方なく受け入れるつもりでいた。

 それにだいたい、あの乙女ゲームでは、王太子やその他の攻略者とエッチするのは、もっぱらヒロインのリリアーヌのはずで、悪役令嬢は、最後に輪姦される以外は、純潔のまま断罪に挑むものだったはずなのだ。

 それが今は形勢が逆転していて、なぜか王太子に犯されているのが悪役令嬢というのは解せない。

 でも、王太子は、エリーゼを犯しているという認識はなく、命の恩人だからお礼をしてもらっているとでも、思っているのだろうか?

 それとも、もうお礼の部分は済んでいて、エリーゼがいつまでも、声をあげているので、愛し合う行為として、やっておられるのかは、定かではない。

 女子大生時代、何度もハッピーエンドでクリアしてきたけど、こんなストーリー展開は経験したことがない。

 だけど、「声」に関しては、どうしようもなく、いくら「声」を我慢しようにも、勝手に艶めかしい声が漏れてしまうのだから。さるぐつわでも噛ませてもらえば、少しぐらいの声ならわからないかもしれないけど、殿下はエリーゼの「声」に満足していらっしゃるみたいだから、さるぐつわなんて、到底してもらえないのだ。

 愛することもできないまま、この地獄から終わりが来るのだろうか?

 「なぁ、頼むよ。エリー。お願いだから俺に愛をくれ。俺に愛をくれたら、これからは毎日、エリーを愛してやる。無理はしない、一日一度だけにするから、愛してくれないと感じたら、今日みたいに何度でも犯すが、どっちがいい?」

 げ!これが毎日続くって言うの?冗談じゃない。どうやれば、愛したことになるのか、わからないまま、エンドレスセックスは続く。

 仕方なくエリーゼは、やっとの思いで口を開くが、受け入れてもらえない。

 「愛しています。ゴードン様、だからもう、お止しになって。」

 「ダメだ。目に愛情を感じられない。」

 そんなこと言われても、このままだと声が枯れて、潰れてしまうかもしれないのに。

 「どうすれば、愛していると証明できますか?」

 「俺を満足させてくれ。」

 え!? 今まで、さんざん満足していたのではないの?あれは、エリーゼに快楽を与えるためにしていた芝居だったの?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました

ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫

梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。 それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。 飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!? ※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。 ★他サイトからの転載てす★

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

処理中です...