悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません

青の雀

文字の大きさ
上 下
2 / 11

2.

しおりを挟む
 「うっ。……。」

 「目覚めたか?大事ないか、どこか傷むところはあるか?」

 なに!? この展開?ひょっとしたらエリーゼではなく、ヒロインとして転生してしまった?と思うほど、ゴードンは気づかわし気に眉を下げている。

 「ええっと、わたくしは?」

 「覚えていないのかい?階段から、突き落とされてしまったのだよ。幸い、俺が近くにいたものだから、助けて、こうして城の俺の部屋に運んだというわけさ。」

 ああ、やっぱり悪役令嬢として、転生したわけではなかったと、ホッと胸をなでおろす。

 あのバッドエンドにだけは、なりたくない。といつも思っていたので、とりあえず、安心するが、どうも違和感がある。

 なぜか、スースーと風通しがいい。それに顔にかかる髪の色が、どう見てもブロンドで、リリアーヌの黒髪には見えない。

 エリーゼが目覚めたことで、侍医が呼ばれるが、侍医の表情がなぜか、ギョっとしている。それもそのはずで、エリーゼは、運び込まれたときの姿と違い、制服をほとんどそれもいやらしく脱がされた状態になっていて、明らかに王太子がエリーゼのカラダをオモチャにしたことがわかる。

 「どこを見ておる?」

 王太子が声を荒げ、侍医は何も言わずに、エリーゼにだけ微笑んで部屋を後にした。

 侍医が部屋を出て行ったことを確認した王太子殿下は、今度はエリーゼに馬乗りになりながら、エリーゼの唇にチュッチュとリップ音を立てながら、キスをしていき、

 「大した怪我でもなく、よかったな。俺が助けてやったのだぞ。」

 「ありがとうございます。殿下。」

 エリーゼとしては、早く殿下に退いてほしい。妙にギラギラした殿下の眼が怖い。でも、殿下は唇をエリーゼから離すことなく、髪を撫でる。

 チラっと垣間見た髪の色も金髪で、やっぱりおかしい?ひょっとしたら、もう断罪シーンは終わっていて、これから殿下に捕食されるのだろうか?これから何百人という男たちに輪姦され、息も絶え絶えになり、その後はギロチンが待っているだけとか?

 でも、そうなるとしたら、さっきの侍医は何だったのか?という疑問が頭をよぎる。

 「ほう。他のことを考えているとは、余裕だな?」

 「ち、ちがっ……。」

 急に半開きになった口に殿下の舌がねじ込まれてくる。息もできない激しいキスに、それだけで頭がくらくらしてくる。

 殿下の舌はエリーゼの舌を絡めとり、口の中全体を縦横無尽に動かされる。そして歯茎歯列を順番に舐めて、二人の唾液が混ざり、今にも滴り落ちようとしている。

 「!」

 どさくさにまぎれて、殿下がエリーゼのおっぱいに触る。エリーゼは自分の意志とは関係なく、下腹が熱くしびれていくことを感じるが、今や、殿下の手を阻止することだけで、頭がいっぱいなのだ。

 「ああん。」

 ゾワゾワとした甘い感覚がエリーゼのカラダを駆け巡っていく。

 鼻に抜けるような声に、エリーゼ自身が驚きを隠せない。まさしく男を奮い勃たせるような声に、ゴードンもさらに荒々しく頂を口に含み、舌で転がせ、甘噛みをする。

 なんとか、殿下の頭を自分から話そうと試みるが、男の力には抗えない。殿下はエリーゼの膝を立たせ、その間に顔を埋める。

 「いやぁぁぁぁぁぁぁ。殿下、どうか、お許しを……。」

 「許すわけないだろ?君のここはどんどん溢れてきて、いやらしいカラダをしているね。気に入ったぞ、俺好みだ。」

 「どうして?」

 「俺は君の命の恩人だと言ったはずだが?それに君は、俺の婚約者だからな。」

 その瞬間に、エリーゼは、悟ってしまった。やっぱり、悪役令嬢の方だったことを。もしや、目が覚めたらリリアーヌとして転生していたかも?という甘い考えは吹っ飛んでしまったのだ。

 やっぱりバッドエンドの未来しかない。

 「うっ。」

 「痛いか?辛抱してくれ。力を抜いて、深呼吸をすると楽になる。」

 そんなこと言われても、今、アノ最中に深呼吸なんて、できない。それでも、殿下にわからないように大きく息を張って出していくと、幾分か痛みがマシになってくる。

 ぱちゅ、ずちゃ、ぱちゅ、ぬぷっ、ぱちゅ、ずちゃ、ぱちゅ、ぬぷっ、ぱちゅ。

 「ああん。何かが来る。」

 「こういう時は、イクといいましょうね。」

 「イクとは?どこへ?」

 「ああん。ダメダメ、出ちゃう。」

 「イクといってください。」

 「イ……ク……。」

 「よく言えました。では、ご褒美に。」

 今度は、向かい合ったまま、殿下の膝の上に座らされ。チュッチュとキスされながら、下から何度も突き上げてくる。

 ぬぷっ、ぬぷっ、パン、パン、ぬぷっ、ぬぷっ、パン、パン。

 エリーゼは、おっぱいを上下に揺らしながら、殿下の顔の前に誘っている。決して、誘う意思はないのだが、落ちないように殿下の背中に手をまわして、のけ反らしていくと、どうしても誘っているようにしか見えない。

 「いいですね。カラダの相性、抜群ですね。これは、クセになりそうなぐらい美味しいですよ。」

 「あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。あっ。」

 「エリーゼ、気持ちいい?感じている?エリーゼの中に全部入ったよ。エリーゼの中、気持ちいいよ。もっと、腰を動かしてごらん。」

 もうもうもうもう、頭がおかしくなりそう。そのままエリーゼは意識を手放してしまう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

(R18)灰かぶり姫の公爵夫人の華麗なる変身

青空一夏
恋愛
Hotランキング16位までいった作品です。 レイラは灰色の髪と目の痩せぎすな背ばかり高い少女だった。 13歳になった日に、レイモンド公爵から突然、プロポーズされた。 その理由は奇妙なものだった。 幼い頃に飼っていたシャム猫に似ているから‥‥ レイラは社交界でもばかにされ、不釣り合いだと噂された。 せめて、旦那様に人間としてみてほしい! レイラは隣国にある寄宿舎付きの貴族学校に留学し、洗練された淑女を目指すのだった。 ☆マーク性描写あり、苦手な方はとばしてくださいませ。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ
恋愛
 私が5才の時に彼はやって来た。  十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。  黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。  でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。  意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

処理中です...