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死に戻り1

14.結婚

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それからパパは、すっかり若い女のカラダにのめりこんでしまわれる。

アンジェリーヌはというと、自分で蒔いた種だから仕方がないと思いつつも、前世でも唯一の見方だった陛下に抱かれることは願ってもないこと。

前世で、陛下は亡くなられる直前まで、アンジェリーヌのことを信じていらっしゃってくださっていた。たぶん、陛下にはリリアーヌの魅了魔法が効いていなかったと思われる。

それがリリアーヌは気に入らなかったのだろう。陛下を謀殺し、王太子を即位させた。そして国王殺しの罪をアンジェリーヌにかぶせ、処刑したのだ。

前世でも、早いうちに陛下のモノになっていれば、また違う人生があったと思うと、今世の選択は間違っていないようにも思われる。

それと処女膜は再生できる。聖女様の魔法でいくらでも再生できるのだ。だから、もし早く陛下が亡くなられたとしても、この若さだもの。それこそ出奔して、若い男とやり直しができる。

だから、毎晩の営みも拒否せず、付き合っているのよ。

でも、正直なところ、愛してくれている人からの愛撫は、今まで経験したことがないような快楽をアンジェリーヌにもたらしてくれる。

パパが言うには、アンジェリーヌのカラダは特に締りがよく、ナカは何かが蠢いているような感覚があるそうだ。そして子種を放出した後は、逆流するような感覚があり、とても気持ちがいい。

一度、アンジェリーヌを抱いたら、もう二度と他の女は抱けない。満足できないというぐらいアンジェリーヌのカラダは素晴らしかった。

そして、陛下と睦みあうようになってから、めきめきとアンジェリーヌのカラダ付きは女らしくなってくる。
パパ好みに開発されることにより、女性ホルモンの働きが活発になり、フェロモンがムンムンむせ返るほどの輝きを放つ。

アンジェリーヌの王宮での立場は、表向きクリストファー殿下のお妃候補の一人。だが、実態は、国王陛下の愛妃で15歳になると結婚する予定になっている。このことは、マキャベリ家にはまだ内緒にしている。二人だけの秘密だけど、お妃候補の中で、ただ一人アンジェリーヌだけが奥宮に住まわせてもらっている。

奥宮の使用人は、クリストファー殿下のお妃候補と同一人物だと知っている者はいなく、陛下が王妃を失くされてから寂しさに耐えかねて、側妃を娶ったぐらいにしか思っていないようだった。

13歳になった時、一人目の王子を産んだ後、立て続けに2人の王子を産んだところで、陛下はアンジェリーヌとの結婚を発表されることになり、クリストファー殿下の立太子の儀は延期されることになった。

「父上!再婚など、一言も聞いておりませぬ!」

「俺の個人的なことだからな。俺たちは愛し合って結ばれた運命の相手なのだよ」

「それも私の婚約者候補の娘など、父上は騙されておられるのです。そんな売女が母上の代わりが務まろうはずもございません!」

「何を申すか、アンジェは亡き妻が存命の頃より、王妃代行として公務をしておったのだぞ。これ以上、我が妻を愚弄するのなら、俺にも考えがある」

それは廃嫡を意味する言葉で、バカのクリストファーにでも理解でき、震えあがったことは言うまでもない。

他のお妃候補だった令嬢も、アンジェリーヌがうまくやったと思っているようだったが、今更クリストファーのところから逃げ出せない。

それに風前の灯火とはいえ、第1王子には違いがないから。

マキャベリ公爵夫妻は開いた口が塞がらないという姿で、王家に抗議に行くも、かわいい孫の姿を目にすると、一転して結婚を喜ぶようになったのだ。

貴族の間では、国王がアンジェリーヌ嬢を手籠めにしたという話がもっぱらだが、結局のところ、ロリコンとファザコンが結婚したに過ぎないという意見が大半を占める。
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