34 / 82
34
しおりを挟む
「な、泣いてても仕方ないよな……考えよう、知っていこう……元の世界に帰るために」
僕は涙を拭いて、自分に言い聞かせていた。奮い立たせるように、諦めないようにした。
こぼれた僕の言葉を聞いていたマナチ、ツバサ、ジュリは泣き止んでいった。まるで僕が泣くの終了しようかって言っているみたいだ。
「ま、まずは情報を共有していこう」
いつアカネがやってくるのかわからないが、それまでの間に出来ることがあるはずだと思った。ムッツーは相変わらずぼーっとしていて、このまま放っておいて大丈夫なのだろうか。洗脳が解けた後に洗脳されていた間の記憶はそのまま残るから、情報共有していく中で彼女も聞いていた方がいいかもしれない。
「前にツバサが言っていた銃と防具の関係性、銃の適正距離とか、そういった事を教えてくれないか」
僕は前に聞いたことをさらに詳しく教えてくれると思った。
「ゲ、ゲームの知識なので、その……」
ツバサは自信なさそうになっていた。
「そのゲームって銃撃乱舞だったりするのか?」
「え、あ、はい……」
「知らないと知ってるとは変わってくるから、教えてくれないか」
するとツバサはおずおずと話し始めてくれた。
「銃といっても様々な種類があり、拳銃、ショットガン、サブマシンガン、アサルトライフル、マシンガン、スナイパーライフル等があります。それぞれ適正距離があって拳銃が一番短くて、スナイパーライフルが一番遠くから攻撃できます。ただ、この私が持ってる銃やヨーちゃんが持ってる銃などは銃撃乱舞で出てくる銃で見た事のない銃なのでもしかしたら色々違うかもしれません」
「私が持ってるこのショットガン、軽量型小型自動散弾銃参禄式というのも銃撃乱舞には出てきてない」
ジュリが銃を召喚し、教えてくれた。
「え、じゃあ私のこの銃も? HKA-502って言うんだけど……」
ツバサがマナチが召喚した銃を見て眉間に皺を寄せていた。
「502……聞いたことがないですね。でも形はどことなく見た事はあります」
「ということは、僕たちが持っている銃は現実の銃ではない、のは確かなのかもしれないな」
僕はクリスベクターカスタムブレイクスルーを召喚した。
「もしかしたら、そうかもしれません」
ツバサが悩みながら答えてくれた。
「どういうことだ?」
「私が知らないだけで秘密裡に開発された最新の銃、という可能性もあるので」
「なるほど、それでそれぞれ適正距離があるということは戦い方もあったりするって事だよな」
ツバサが一呼吸し、彼女が持つ銃をいったん消した。
「近距離、中距離、遠距離とわけるとしたら、ジュリが持つショットガンは近距離、ヨーちゃんが持つ銃は近距離から中距離、アサルトライフルは中距離で銃によっては遠距離も対応ができるといった感じになります。ただ、私たちが身に着けている防具や扱われている銃弾から当てはまるのかわかりません。なので、実際に試射したり、訓練をしたりしないと見えてこないのかなと思いました」
手がかすかに震えており、銃を撃つのが怖く感じているようだった。
「ツバサも実際に撃ってみるとスッキリすると思うよ」
ジュリがとんでもないことを言い出した。
「え」
「アカネちゃんに言われた手ネズミを撃ったけれど、いいストレス発散になった。まあ、生き物を殺しているから何言ってるんだろうだけど、小さくて力がない私には頼れる力だって感じたんだ」
マナチはジュリが言った言葉を聞き、大きく頷いていた。
「わ、私も何かあったときにちゃんと戦えるようになりたいです」
そして、マナチも触発されたように言った。みんなが協力していけば乗り切っていけると僕は思った。
その後はアカネやベェスチティが来ることなく、夜がふけっていった。互いの情報を共有し、アビリティ・スキルについて話し合っていた時に、生存確率がぐんと減っていった。僕たちは突然20%まで下がった事で顔を見合わせた、それが何を意味するのかわからずだったが、銃を召喚し、入口の方を警戒した。。
しかし、建物の入口からは何かやってくる気配もなく、何か近寄ってくるような音もなかった。
すると生存確率が20%から30%まで上がった。
「いったい何だったんだ?」
疑問に思い建物の中を見渡したりした。
「わからない、わからないけれど、今減った生存確率が30まで戻った……」
ジュリが生存確率の変化を口に出して言ってくれた。僕たちが何かを感じ取ったと思ったのだが、そうではなく警戒したことによって生存確率が戻ったのではないかと考えた。
銃を召喚する事によって、生存確率が上がった事で僕たち四人は銃を出したままにした。生存確率が上がったままになり、その事についてそれぞれ話し合う事になった。
「も、もしかして、これでどうにかしないといけない事が起きる……ってことかもしれない」
僕は銃で決着をつけないといけない状況が差し迫っているのではないかと思った。
ツバサはそうなってしまうのは嫌だなと顔ににじみ出ていた。だが、彼女が今まで知っている知識があれば銃を使って対処して、クリアすることで生き残る予測ができるのではないかと思う。そして、それが現実に今自分たちに起きている事で、信じたくなく拒絶したいのだろうと僕は思った。
これから起こりえる事をゲームやアニメであるような展開を知っていて、嬉々として楽しめるのは死なないという約束された状態だ。だが、今はそんな約束もされていないので、怖いという感情がどうしても襲ってきてしまう。
「や、やるしかないのかもしれない……よね」
ツバサは噛みながら受け入れたくないものの、自身が予想している何かに対して覚悟を決めようとしていた。
「やる、やるしかない」
ジュリは、すでにネズミを殺した事によって変わった感じがしていた。引き金を引くという行為に対して、試射した時とは比べ物にならない程、生きているものに対して撃つことへの躊躇いが低くなっているようだった。
僕はマナチの方を向き、彼女が微妙に震えてるのに気づき、守らなければと思った。
僕は涙を拭いて、自分に言い聞かせていた。奮い立たせるように、諦めないようにした。
こぼれた僕の言葉を聞いていたマナチ、ツバサ、ジュリは泣き止んでいった。まるで僕が泣くの終了しようかって言っているみたいだ。
「ま、まずは情報を共有していこう」
いつアカネがやってくるのかわからないが、それまでの間に出来ることがあるはずだと思った。ムッツーは相変わらずぼーっとしていて、このまま放っておいて大丈夫なのだろうか。洗脳が解けた後に洗脳されていた間の記憶はそのまま残るから、情報共有していく中で彼女も聞いていた方がいいかもしれない。
「前にツバサが言っていた銃と防具の関係性、銃の適正距離とか、そういった事を教えてくれないか」
僕は前に聞いたことをさらに詳しく教えてくれると思った。
「ゲ、ゲームの知識なので、その……」
ツバサは自信なさそうになっていた。
「そのゲームって銃撃乱舞だったりするのか?」
「え、あ、はい……」
「知らないと知ってるとは変わってくるから、教えてくれないか」
するとツバサはおずおずと話し始めてくれた。
「銃といっても様々な種類があり、拳銃、ショットガン、サブマシンガン、アサルトライフル、マシンガン、スナイパーライフル等があります。それぞれ適正距離があって拳銃が一番短くて、スナイパーライフルが一番遠くから攻撃できます。ただ、この私が持ってる銃やヨーちゃんが持ってる銃などは銃撃乱舞で出てくる銃で見た事のない銃なのでもしかしたら色々違うかもしれません」
「私が持ってるこのショットガン、軽量型小型自動散弾銃参禄式というのも銃撃乱舞には出てきてない」
ジュリが銃を召喚し、教えてくれた。
「え、じゃあ私のこの銃も? HKA-502って言うんだけど……」
ツバサがマナチが召喚した銃を見て眉間に皺を寄せていた。
「502……聞いたことがないですね。でも形はどことなく見た事はあります」
「ということは、僕たちが持っている銃は現実の銃ではない、のは確かなのかもしれないな」
僕はクリスベクターカスタムブレイクスルーを召喚した。
「もしかしたら、そうかもしれません」
ツバサが悩みながら答えてくれた。
「どういうことだ?」
「私が知らないだけで秘密裡に開発された最新の銃、という可能性もあるので」
「なるほど、それでそれぞれ適正距離があるということは戦い方もあったりするって事だよな」
ツバサが一呼吸し、彼女が持つ銃をいったん消した。
「近距離、中距離、遠距離とわけるとしたら、ジュリが持つショットガンは近距離、ヨーちゃんが持つ銃は近距離から中距離、アサルトライフルは中距離で銃によっては遠距離も対応ができるといった感じになります。ただ、私たちが身に着けている防具や扱われている銃弾から当てはまるのかわかりません。なので、実際に試射したり、訓練をしたりしないと見えてこないのかなと思いました」
手がかすかに震えており、銃を撃つのが怖く感じているようだった。
「ツバサも実際に撃ってみるとスッキリすると思うよ」
ジュリがとんでもないことを言い出した。
「え」
「アカネちゃんに言われた手ネズミを撃ったけれど、いいストレス発散になった。まあ、生き物を殺しているから何言ってるんだろうだけど、小さくて力がない私には頼れる力だって感じたんだ」
マナチはジュリが言った言葉を聞き、大きく頷いていた。
「わ、私も何かあったときにちゃんと戦えるようになりたいです」
そして、マナチも触発されたように言った。みんなが協力していけば乗り切っていけると僕は思った。
その後はアカネやベェスチティが来ることなく、夜がふけっていった。互いの情報を共有し、アビリティ・スキルについて話し合っていた時に、生存確率がぐんと減っていった。僕たちは突然20%まで下がった事で顔を見合わせた、それが何を意味するのかわからずだったが、銃を召喚し、入口の方を警戒した。。
しかし、建物の入口からは何かやってくる気配もなく、何か近寄ってくるような音もなかった。
すると生存確率が20%から30%まで上がった。
「いったい何だったんだ?」
疑問に思い建物の中を見渡したりした。
「わからない、わからないけれど、今減った生存確率が30まで戻った……」
ジュリが生存確率の変化を口に出して言ってくれた。僕たちが何かを感じ取ったと思ったのだが、そうではなく警戒したことによって生存確率が戻ったのではないかと考えた。
銃を召喚する事によって、生存確率が上がった事で僕たち四人は銃を出したままにした。生存確率が上がったままになり、その事についてそれぞれ話し合う事になった。
「も、もしかして、これでどうにかしないといけない事が起きる……ってことかもしれない」
僕は銃で決着をつけないといけない状況が差し迫っているのではないかと思った。
ツバサはそうなってしまうのは嫌だなと顔ににじみ出ていた。だが、彼女が今まで知っている知識があれば銃を使って対処して、クリアすることで生き残る予測ができるのではないかと思う。そして、それが現実に今自分たちに起きている事で、信じたくなく拒絶したいのだろうと僕は思った。
これから起こりえる事をゲームやアニメであるような展開を知っていて、嬉々として楽しめるのは死なないという約束された状態だ。だが、今はそんな約束もされていないので、怖いという感情がどうしても襲ってきてしまう。
「や、やるしかないのかもしれない……よね」
ツバサは噛みながら受け入れたくないものの、自身が予想している何かに対して覚悟を決めようとしていた。
「やる、やるしかない」
ジュリは、すでにネズミを殺した事によって変わった感じがしていた。引き金を引くという行為に対して、試射した時とは比べ物にならない程、生きているものに対して撃つことへの躊躇いが低くなっているようだった。
僕はマナチの方を向き、彼女が微妙に震えてるのに気づき、守らなければと思った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
可不可 §ボーダーライン・シンドローム§ サイコサスペンス
竹比古
ライト文芸
先生、ぼくたちは幸福だったのに、異常だったのですか?
周りの身勝手な人たちは、不幸そうなのに正常だったのですか?
世の人々から、可ではなく、不可というレッテルを貼られ、まるで鴉(カフカ)を見るように厭な顔をされる精神病患者たち。
USA帰りの青年精神科医と、その秘書が、総合病院の一角たる精神科病棟で、或いは行く先々で、ボーダーラインの向こう側にいる人々と出会う。
可ではなく、不可をつけられた人たちとどう向き合い、接するのか。
何か事情がありそうな少年秘書と、青年精神科医の一話読みきりシリーズ。
大雑把な春名と、小舅のような仁の前に現れる、今日の患者は……。
※以前、他サイトで掲載していたものです。
※一部、性描写(必要描写です)があります。苦手な方はお気を付けください。
※表紙画:フリーイラストの加工です。
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。
こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。
なんか気が付いたら目の前に神様がいた。
異世界に転生させる相手を間違えたらしい。
元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、
代わりにどんなものでも手に入るスキルと、
どんな食材かを理解するスキルと、
まだ見ぬレシピを知るスキルの、
3つの力を付与された。
うまい飯さえ食えればそれでいい。
なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。
今日も楽しくぼっち飯。
──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。
やかましい。
食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。
貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。
前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。
最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。
更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのにいつのまにか溺愛ルートに入りそうです⁉︎
sutera
恋愛
仕事に疲れたボロボロアラサーOLの悠里。
遠くへ行きたい…ふと、現実逃避を口にしてみたら
自分の世界を建て直す人間を探していたという女神に
スカウトされて異世界召喚に応じる。
その結果、なぜか10歳の少女姿にされた上に
第二王子や護衛騎士、魔導士団長など周囲の人達に
かまい倒されながら癒し子任務をする話。
時々ほんのり色っぽい要素が入るのを目指してます。
初投稿、ゆるふわファンタジー設定で気のむくまま更新。
2023年8月、本編完結しました!以降はゆるゆると番外編を更新していきますのでよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる