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*精一杯2
しおりを挟む「ハルト……」
「はい、っ……あ、んんっ」
「ここまで、だね?」
「はぃ……ぁ、あぅっ」
先端を奥に少し当てられただけで、きゅうっとナカのモノを締め付けてしまう。
小さく息を呑むウィリアムに、暖人はもう一度意図的に締め付けてみた。
「っ……ハルト、今のはわざとかな?」
「わざとです」
ウィリアムが感じてくれたのが嬉しくて、くすりと笑う。するとウィリアムの手が背に回り、グッと抱き寄せられた。
「……ハルト、悪い子だ」
「ひゃっ、あっ、耳だめっ……」
「何故?」
「んんっ……は、ぁっ、だめ、っ」
甘く咎める声に、体が疼いて仕方がない。逃れようと背を反らせると、突き出された胸に吐息が触れた。
「ウィルさんっ、やっ……あぁっ、ぁっ、んぅっ」
舌が尖りに触れ、ねっとりと押し付けられる。緩い刺激にも、暖められた体は敏感に反応を返し、ウィリアム自身をぎゅうっと締め付けた。
「っ、あ、あついっ……」
ゆっくりと始まる抽挿。押し込まれる度に、もう人肌になっている湯が中に入り熱くてたまらない。
緩い動きと、胸に与えられる緩い刺激。だが。
「いッ……っ、は、ぅ……」
突然尖りに軽く歯を立てられ、そこを労るように舐める。また噛まれ、びくりと体を跳ねさせた。
痛みに感じてしまった事よりも、驚いたのは。
(ウィルさんも噛んだりするんだ……)
過保護過ぎてそんなことはしないと思っていた。
だがそれが、嬉しくて。
本当は、もっと好きにして欲しい。理性なんて捨てて欲しがって欲しい。
「っ……ウィル、さんっ」
「ハルト?」
唇が離れた隙に、肩に手を乗せ自ら腰を揺らし始める。
「ウィルさんも、きもちぃ、ですか?」
ちゃんと彼にも気持ち良くなって欲しい。一緒に、気持ち良くなりたい。
ふわりと微笑む暖人の頬を、目を細め、そっと撫でた。
「っ……ああ、気持ち良いよ」
「良かった……。俺も、きもちいです」
「ハルト……、愛しているよ」
「あ……俺も、です……ウィルさん、大好きです」
恥ずかしそうに笑う暖人に、そっと口付ける。暖人に禁じられた深いキスをしても、今度は嫌がらなかった。
舌が触れる度に、ナカを擦る度に暖人は身を震わせ甘い声を上げる。
暖人を抱いているのだと、そう感じる度に、心も体も気持ちが良くてたまらない。
「ハルト、ハルト……」
「んっ、ウィルさ、……あっ、んぁっ」
「可愛い、愛しているよ、ハルト」
「ウィルさんっ、ぁ、ぅっ……すき、好きですっ、あっ、ああっ」
激しく揺さぶられる度に、バシャバシャと湯が跳ね飛び散る。潤んだ視界の端で舞う花びら。
(やっぱり、ウィルさんと、って感じがする……)
華やかな色と、甘い香り。それにきっと、ベッドよりももっと近くにいられる。
肌が触れ合う感触が、仄かに暖かな湯の温度が、体をますます敏感にさせて。
「あっ、ぁ……っ、も、イっちゃ、っ……」
「いいよ、ハルト」
「ひぁっ、ん、っウィルさんも、一緒にっ……」
「っ、ハルトっ」
震える体に力を込め、ナカをぎゅうっと締め付ける。抜けるタイミングでぎゅうぎゅうと締めると、ウィリアムは息を詰め、奥歯を噛み締めた。
「ウィルさんっ、ウィルさ、んっ……すき、すきっ」
「っ……」
ウィリアムの頬に触れ、熱を孕んだ空色の瞳を見つめる。
この世界に来て、あの森で助けられてから、ずっと優しく見守っていてくれた瞳。愛していると、言葉より深く真っ直ぐに伝わってくる。
大好きな瞳、大好きな、ひと。
「あ、っ……あいして、ます」
「ッ……ハルト、っ」
「んぁっ、ッ――……!」
一際甘い声を注がれ、奥を抉られて、声もなく絶頂を迎える。
背をしならせる暖人を抱き締め、存在を、想いを刻み付けるように奥深くへと熱を放った。
熱い息を吐き、呼吸の整わないままでウィリアムは暖人の顔を覗き込む。
「ハルトっ?」
腕の中でぐったりとしている暖人に、慌てたのだ。
だが、その表情は安らかで、規則正しい寝息が聞こえてくる。暖人は、すやすやと気持ち良さそうに眠っていた。
「……そうか、力を使ったから」
それも、バスルームが真っ白になる程の光だった。そこにこの運動をすれば、眠くもなるだろう。
それにもう夜中だ。暖人は元々良く寝る子だった。
そっと自身を抜くと、んっ……と悩ましい声が聞こえる。
「……寝込みを襲う訳にはいかないな」
己に言い聞かせ、深く息を吐いた。
「ハルト……、ありがとう」
頬を撫で、唇に触れるだけのキスをする。
今まで気持ちいいかと気にしてくれる人はいなかった。一緒に、とその言葉がどれ程嬉しかったか。
気持ち良くなって貰おうと、慣れないながらも頑張って煽ってくれたのだろう。一生懸命に頑張る姿が、あまりにも愛しかった。
本当は、暖人の感じる姿を見ると、こちらまで気持ちが良いのだ。永遠に感じさせていたいと思う程に。
だが今日、それ以上の快楽を知ってしまった。
欲をぶつけ、こちらが悦くなればなる程、暖人は嬉しそうに笑う。普段の愛らしく清純な姿からは想像も出来ない程に、甘く、淫らに。……癖になってしまいそうだ。
これからも暖人はそれを望むだろう。また煽ってくれるかもしれない。
それに、暖人から求めてくれた事が……、泣きたい程に、嬉しかった。
頬にキスをして、そっと目を細める。
許されるなら、暖人の望むように煽られてみたい。想いをぶつけたい。だが。
「俺を煽るなら、もう少し体力を付けて貰わないといけないな」
愛しげに頬を撫でる。
暖人が思う以上に、こちらはずっと欲深い人間なのだから。
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