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*三つの箱:オスカー3

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 ベッドへとそっと下ろされ、向かい合わせに座る。

(……どうしよう、ものすごく恥ずかしい)

 オスカーと二人でベッドの上、というこの状況。今からあの手に処理をして貰う、その為に。

(……まって、あの手に触られる……? あの、危険な……?)

 先程のあれこれを思い出し、小さく震えると同時に体が熱くなる。
 あんな手に触れられたら、一瞬かもしれない。思わずそっと正座をして俯いた。


「ハルト?」
「っ……」

 名を呼ばれ、過剰に反応してしまう。耳まで真っ赤にしてぷるぷると震えながら、膝の上に置いた手でぎゅっと夜着を掴んだ。

 オスカーは、伸ばしかけた手をぴくりと震わせる。
 そして、暫し思案して。

「悪いが、俺も一緒にさせて貰う」
「一緒? ……あっ」

 己のベルトに手を掛けるオスカー。暖人はるとはすぐに言葉の意味を理解した。
 どうしよう、とまた思いながらも、ちらりと視線を向けた先では確かに布の上から反応を見せるものが。

「……オスカーさん、男の俺相手でもそうなってくれるんですね。嬉しいです」

 動揺よりも、歓喜がまさった。
 暖人の嬉しそうな声と、戸惑いながらも下肢に向けられる視線。
 無自覚で純粋ゆえのそれに、まだ主張を始めた程度だった自身は、本格的に熱を帯びてしまった。

「他人の口に手を突っ込んで興奮する趣味はなかったんだがな。想う相手だと違うらしい」

 そう言ってベルトを外し、前を寛げる。
 その様子を、ついジッと見つめてしまった。……そして、震える。

(大きいのは予想してたけど、これは……)

 思った以上に……比喩を用いるなら、まさに、凶器。
 何を食べて育てばここまで凶悪な感じになるのだろう。暖人は自分のそれを思い出し、同じ男として悲しくなった。


 だがやはり、反応してくれた事が嬉しくて。

「あのっ、失礼しますっ」
「は? あっ、おい!」

 オスカーも喜んでくれるかも、と、勢いのままに体を伏せ、大きく口を開けた。
 制止される前にそれを口に含んだのだが。

(まさかの……、先っぽしか入らない……)

 これ以上は歯を立ててしまいそう。顎も痛い。暖人は迷い、一度口を離して、慣れない仕草でぺろぺろと舐め始めた。

「っ、こら!」
「んぅっ……?」
「まったく、お前は……」

 オスカーは暖人を引き剥がし、呆れたように息を吐く。前触れもなく突然行動に出るところは何とかならないものか。

「今お前にそれをされたら、襲わない自信がない」

 怒られてシュンとする暖人の頭を撫で、子供のように腕の下に手を入れて引き寄せ、膝に乗せた。
 そして暖人の服の裾を腹の上まで捲り、下着から暖人自身を取り出す。

「わっ、駄目ですっ……」

 止める間もなくぴったりとくっつけられ、触れる熱さに息を呑んだ。
 やはりサイズ感の違いがあまりに酷く、恥ずかしくなる。だがそれ以上に……オスカーのモノと触れ合っている事が、視覚的に気持ちを昂らせた。

(あのいつも冷静なオスカーさんと、こんな……)

「っ……」

 二人分一緒に握らされ、その熱さと固さに咄嗟に手を離しそうになる。だがその上からオスカーの手が重ねられた。

「あっ、っ……んっ、ぅ」

 オスカーの手が上下すると、必然的に暖人の手も動く。
 その動きに合わせ、密着している固いモノも暖人の敏感な裏筋に刺激を与えた。

「ふぁっ、っ……ふ、ぅっ……」
「ハルト。我慢せず声出せ」
「やっ、恥ずかしいですっ……」
「……可愛い事を言うな」
「え? うぁっ、あっ、やらっ」

 また口に指を突っ込まれ、舌をぐちゃぐちゃにされる。
 たった少しの間でも強制的に痺れるような快感が与えられ、オスカーの思惑通りにもう口を閉じられなくなってしまった。


 とろりと蕩けた顔をする暖人にキスをして、オスカーのもう片手が暖人自身の先端を擽るように撫でる。

「んぁっ、あっ、ふ、ッやぁっ……」

 だらしなく開いたままの口から、霰もなく声が零れる。
 大袈裟な程の嬌声。だが、演技でも何でもない。恐れていた通り、この手は危険だ。

「やっ、それ、だめっ、……っ、やだぁっ……」

 ぷちゅぷちゅと溢れる透明の液を混ぜるように指が円を描き、時折先端を摘むように擽られる。
 子供のようにイヤイヤと首を振っても、オスカーは愉しげに目を細めるだけで。

「オスカーさ、っ……もっ、イっちゃ……」

 二人のモノを扱く手は、もうオスカーの支えなしに動いてしまう。いつの間にか両手を添え、技巧も何もなくただ本能のままに動かしていた。

「ああ、イけ」
「ひッ、っ――……!」

 たった一言、耳元で囁かれた途端、暖人は声もなく絶頂を迎えた。
 勢い良く飛び散る白濁が、二人の服を濡らす。

「っ、……悪い、もう少し借りる」

 暖人の手を掴み、オスカー自身を握らせた。その上から手を重ね、ぐちゃぐちゃと粘着質な音を立て扱く。
 己のモノに纏わり付く白濁が暖人のものだというだけで、今までにない程の興奮を覚えた。


 固く反り返ったモノから、どろりと濃い液体が吐き出される。

「っ……、は……」

 熱い吐息を吐くオスカーを、暖人はそっと見上げた。
 達した後の快感に濡れる瞳。普段の男らしい姿からは想像も出来ない程に、あまりにも艶っぽい色気にぞくりとする。


 この人に、抱かれたい……。


 ふと浮かんだ想い。この顔を、もっと見たい。もっと、気持ちよくなって欲しい……。

「……そんな顔するな。収まらなくなる」
「んっ……」

 困ったように笑ったオスカーは、押し付けるだけのキスをして、暖人を抱き締めた。
 そんな欲する顔をされては、今度は触るだけでは終われそうにない。


 素直に体を預けてくる暖人の髪に唇を押し付け、ふと視線を落とした。

 最後まではしなかったが、これは許容範囲内なのだろうか。
 暖人の声があまりに感じ入ったもので、声だけ聞くと完全にただの性行為だ。

 思い出すとまた勃ちそうで、許容範囲内という事にしよう、と己に言い聞かせそっと息を吐いた。

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