132 / 270
*一度目の摂取
しおりを挟む「そういえば、殿下は一緒に入られましたね?」
「……何かあったにしては、神子君が静かだな」
「声が出せない状態なのでしょうか」
「だから、想像させないでくれ」
「私はおかしな事は言っていませんよ?」
トキはにっこりと笑う。そうこうしているうちに、風真とアールがトイレから出てきた。
「フウマさん、ご無事ですか?」
「え? 無事です……?」
「何もなかったようで安心しました」
「あ、はいっ。アールが支えててくれたので転びませんでした」
心配されていたのかと、へらりと笑う。
「……そうですか」
「神子君は眩しいな……。浄化されたよ……」
二人の罪悪感に満ちた声。風真は首を傾げた。
「あの、……ユアンさん、途中ですみません」
「気にしないでいいよ」
「すみません……」
アールが風真をベッドに降ろすと、手を取られてユアンのソレへと導かれた。
「ユアン、早く出せ」
「善処するよ」
順番待ちで苛立ち始めたアールに、ユアンはつい小さく笑ってしまう。
「頑張りますっ」
飲むのは一度だけではなかった。風真は慌ててソレを口に入れた。
「んぅっ……ん、んーっ!」
トキの手が今度は胸に触れ、きゅうっと粒を摘まれる。弱い場所を刺激されてはたまらずに、口を離してへたりとユアンの脚の上へと倒れ込んだ。
「ふぁ、ひゃっ、ひゃあんッ」
その間も両方の粒を捏ねられ、びくびくと震える。頬に当たる固いモノ。黒髪がそれを擽り、ユアンは小さく吐息を零した。
だがそんな些細な刺激では達せない。ユアンは愛しげに風真を見下ろし、顎を掴み上向かせた。
「神子君、お口が留守になってるよ」
「んむっ」
(ユアンさん、時々こういう言い方するーっ)
後頭部をそっと押さえられ、逃げられないようにされる。腰を器用に揺らして上顎に擦り付けられて、ゾクゾクとした快感が生まれた。
「ふ……うぅンッ、ん、んむっ」
(俺が気持ちよくなってどうすんの!)
視界が利かない分、感覚が鋭くなっている。咥内を擦られる感覚も、容赦なく抓り上げられる胸も、いつの間にか下着だけにされた自身も腰が揺れてシーツに擦り付けてしまい、全てが気持ちいい。
快楽が込み上げ、びくびくと震える。全身が痺れる感覚。それでも下肢に濡れた感触はなかった。
(やば……ずっとイってる……)
全身に快感が走り、身を捩る。生理的な涙が零れ、気持ち良さに勝手に腰が揺れ続けた。
「もっと気持ちよくなりましょうね」
「ンッ! んぅッ――!」
ぎゅっと自身を掴まれ、下着の上から先端を爪で弄られる。白い視界の中でパチパチと火花が散り、途方もない快感に襲われた。
「くっ……」
喉奥に締め付けられ、ユアンも絶頂を迎える。咥内に熱い体液が叩き付けられ、風真はまたびくりと震えた。
「は……、ぅ……」
咥内には甘い蜜の味。まるで媚薬のように体を熱くして、頭の中までとろりと快楽に蕩ける。
ユアンのモノが口から抜かれた時には、風真はぐったりとしていた。
「ぁ……、……も、気持ちいの……や、です……」
二人に責められ、途方もない快楽を知ってしまった。こんなものを続けられたら、頭も体も馬鹿になってしまう。
「びゃっ!!」
「っ……すみません、つい……」
グッと風真自身を掴んだ手を離し、トキは珍しく慌てる。アールとユアンの前で、風真を快楽に顔を歪ませて泣き喚かせるところだった。
「トキ、気持ちは分かるよ。今の神子君は、煽り方が完璧だった」
「はい。無意識ですから困ります……」
「困るな」
「俺の方が……困ります……」
三人ともに溜め息をつかれても、煽った気などないのだから困ってしまう。
(ゲームの要素、まだ残ってんだな)
治療や譲る話で合意したとはいえ、特にアールはここまで落ち着いていられないと思っていた。それが当然のように三人でえっちなあれこれをされる流れになるとは。
(……え、これってバッドエンドフラグ立った?)
回避したはずのバッドエンドは、三人の玩具。三人の愛のある玩具にされるフラグを立ててしまったのではないか。
そんなまさか。無意識にぶるっと震えると、寒いと勘違いされたのか、肩から薄手の毛布が掛けられた。
「あ……ありがとう、ございます」
誰が掛けてくれたか分からない。だがこの優しさは、バッドエンドルートには入らないと言われているようだった。
「視界は、どう?」
「……やっぱりまだ、全然です」
「じゃあ、もう一回だね」
それでもまだ足りないと三人には分かる。次もユアンのソレが唇に触れ、風真は咄嗟に口を覆った。
「ちょっとだけ、休憩ください。ユアンさんの大きすぎて、顎が……」
「ありがとう、神子君。……あ、ごめんね、神子君」
「本音の方が出ちゃったんですね」
「褒められたら嬉しいよね」
「そうでしょうね。羨ましいです」
見えない目でユアンのそれを見つめ、つん、とつつく。
「……煽らないで。二人がいなかったら限界だったよ」
「すみません……」
今のは失敗だった。風真は慌ててユアンのソレを掴み、扱き始める。
「理性が飛ぶ前に、身体を落ち着かせようとしているのでしょうが……」
「今の状態で触れるのは自殺行為だな」
「そうなの!?」
風真はパッと手を離す。
「途中で止められると余計に襲いたくなる」
「どうしろと!?」
また掴み、扱きながら先端をちゅうちゅうと吸った。どちらにしろ駄目なら、早く出して貰うしかない。
「っ、上手だよ、フウマ……」
(ユアンさんの声やばいんだってっ……)
褒めるように顎下を擽られ、胸がきゅうっとなる。呼応するように体が反応して、また勝手に腰が揺れた。
今度はトキには触れられず、じわじわと体の奥に熱が溜まっていく。
触って欲しいなど言えない。これもトキの意地悪だろうか。咥内を擦る固いものに感じながら、ぽろぽろと快楽に涙を零した。
16
お気に入りに追加
825
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
戸森鈴子 tomori rinco
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
異世界に転移したら運命の人の膝の上でした!
鳴海
BL
ある日、異世界に転移した天音(あまね)は、そこでハインツという名のカイネルシア帝国の皇帝に出会った。
この世界では異世界転移者は”界渡り人”と呼ばれる神からの預かり子で、界渡り人の幸せがこの国の繁栄に大きく関与すると言われている。
界渡り人に幸せになってもらいたいハインツのおかげで離宮に住むことになった天音は、日本にいた頃の何倍も贅沢な暮らしをさせてもらえることになった。
そんな天音がやっと異世界での生活に慣れた頃、なぜか危険な目に遭い始めて……。
勇者になるのを断ったらなぜか敵国の騎士団長に溺愛されました
雪
BL
「勇者様!この国を勝利にお導きください!」
え?勇者って誰のこと?
突如勇者として召喚された俺。
いや、でも勇者ってチート能力持ってるやつのことでしょう?
俺、女神様からそんな能力もらってませんよ?人違いじゃないですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる