比較的救いのあるBLゲームの世界に転移してしまった

雪 いつき

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*メ……

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「子供が出来る出来ないは別にして、毎日愛し合いたいな」
「毎日っ……」

 体力に自信のある風真ふうまでも絶句する。
 ユアンとトキに少し悪戯された時でさえ、息も絶え絶えになっていた。あれ以上に体力を使う事を毎日など、やはり王宮騎士団の隊長様は格が違うのだ。

(いや、そういう意味の愛し合うじゃないかもだし!)

「君の感じるところを、たくさん可愛がってあげたいな」

(そういう意味だった!)

「ユアンさんっそれ、ちょっとおじさんっぽ、ひゃんッ」

 体を反転され、背後から抱きつかれてきゅっと胸の尖りを摘まれた。

「君から見たらおじさんかもしれないね」
「すみませんっ、たった五歳しか違いませ、ンンッ」

 今度は両方を押し潰され、捏ねられる。何がどうしたのか、もうすっかりそんな雰囲気になってしまった。


「ユアンさっ……あっ、ひゃふっ」

 指先で擦られ、熱い吐息が零れる。

(やばいっ……、開発した張本人は強いっ……)

 焦らしと責めを絶妙に使い分け、緩急を付けて責める。
 捏ねられ、カリカリと爪で引っ掻かれ、爪を立ててから指先で弾く。感じる場所を知られている体は、あっさりと陥落した。

「いっ……あっ、だめっ、強いのだめっ」
「強いのがいいの?」
「ひゃ、ひぃんッ!」

 両方を抓りながら引っ張られ、甲高い声が上がった。そのまま捏ねながら先端を指先で擦られ、身を捩ってあられもない嬌声を零す。

「ひゃめっ……ら、ひゃうっ、ひゃぁんっ」
「……本当に可愛い声で鳴くよね」
「はうっ、っ……ワンワンッ!」
「可愛いなぁ。おすわりって言って欲しいの?」
「!?」

 本気トーンの低い声が耳に注がれ、びくりと震えてユアンの腕に抱きついた。

「に……人間、なので……」
「そう? 可愛かったのに」

 もふっと髪に顔が埋められ、命拾いしたと胸を撫で下ろす。

(ユアンさんはえっち上級者だった……)

 きっと自分の知らない激しいプレイを色々と知っているのだろうと、独断と偏見でそう決めつけた。それなら触られるだけなら初心者向け、とこの状況を錯覚してしまう。

 だが。

「ハッ……、俺の貞操観念がっ」
「大丈夫だよ。これはただ、神子君可愛い可愛いってしてるだけだから」
「可愛いする場所そこじゃないですよねっ……」
「じゃあ、ここ?」
「――ッ!!」

 下肢を握り込まれ、声もなく喘いで背をしならせる。強烈な快感が駆け上がり、目の前に星が散った。


「あ……、イっちゃったかな?」

 びくびくと震える体。ユアンは下肢から手を離し、風真の顔を覗き込んだ。
 上気した頬で瞳を蕩けさせ、荒い呼吸を繰り返す。開いたままの口からはちらちらと赤い舌が覗いた。

 思わず、ごくりと喉が鳴る。
 このまま、ここで……。

「ぎりぎり……セーフです……。俺、ちょっと遅くなったかも……?」

 飛びかけた理性を繋ぎ止めたのは、風真の声だった。
 達した感覚はあったのに、下着の中は濡れていない。嬉しそうな声を出す風真の下半身へ、ユアンも視線を向ける。
 服に染みはない。これは。

「神子君、それ、メ……」
「……目?」
「……目の毒だね」
「誰がこうしたと……」
「俺かな」

 柔らかい生地の服を持ち上げ、こんもりと主張する。確かにまだ治まりは見せていなかった。


「……いつもと違うイき方したのかもね」
「なんか体中がびりびりしました」
「そっか。……身体がびっくりするくらい、気持ちよかったんじゃないかな」
「……そうですね」

 その絶頂の名は伏せて、ユアンは確信する。こんな些細な刺激でなるほどに、風真の身体を開発してしまったのだと。

「責任取らせて欲しいなぁ……」
「っ、後は自分でやりますからっ」

 勃たせた責任だと思いジタバタと暴れ出す風真を抱きしめ、髪に頬を寄せる。本当に、察しが悪くて純粋で、とても可愛い子だ。

「着替えはあるし、今度は胸だけでイってみようか」
「イきませんっ、イけませんからっ」
「神子君はすぐイちゃうから、ゆっくりじっくり気持ちよくなろうね」
「いっそひと思いにやってください!」

 色気なく騒いでも、暴れても、ユアンは楽しそうに風真に触れる。
 それから延々と焦らされ、ひゃんひゃん喘がされてはまた焦らされ、イきひゃぃ……と何度も舌足らずに懇願して、ようやく達する事が許された。



(不本意にも、大変スッキリしました……)

 クライマックスを終え、最近抜いてなかったからな、とぐったりしたまま遠くを見つめる。

 有言実行。ゆっくりじっくり気持ちよくされてから、胸だけで射精させられてしまった。
 その間に何度か達した感覚があったのは何だろう?
 出してないのにどうして?
 風真は首を傾げる。ユアンに問いただしても、神子君が感じやすいからじゃないかな、とにこやかな笑みが返るだけだった。



 ――体力が93になりました。

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