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*トキの試験
しおりを挟む「すっかり毒気を抜かれちゃったけど、俺とアールはライバルという事でいいんだよね?」
「ああ。だが、神子は私のものだ」
「神子としてはね」
またバチッと火花が散る。
「あの、俺の意見も……」
「どちらを選ぶか決まったのか?」
「え、いや、まだ」
「それなら黙っていろ」
「辛辣! え、俺がどっちを選ぶかの話だよな?」
「そうだが?」
何を今更な事を、と呆れた顔をするが、アールこそそうじゃない。
「そんな態度じゃ選んで貰えないよ? 神子君、選ぶなら俺だよね」
「私だろう?」
「アール。まずはその態度を改めたらどうだ?」
「もう改めたが、お前に優しくする必要はないからな」
(俺そっちのけで言い争い、少女マンガかな?)
私の為に争わないで! を実体験するとは、元の世界で生きていたら一生なかった事だろう。
「へ……ひゃっ! トキさんっ……あっ、待っ、んんっ」
「お二人が言い争っていらっしゃる間は、私がフウマさんのお相手をして差し上げますね」
「ふあっ、ひっ……、いきなり激しっ、やあっ……!」
突然引き寄せられ、膝の上に乗せられる。
そんな軽々と、と思っている間に背後から抱きしめられ、服の上から胸に爪を立てられた。
小刻みに抉りながら、下肢を包み込み激しく揉まれる。それも、布に包まれたモノの先端を、器用に指先で擦りながら。
「トキ!」
「動かないでください。どちらがフウマさんに相応しいか、今から試験を行います」
凛とした声に、二人はぴたりと動きを止めた。
トキには昔から、有無を言わせぬ迫力があった。それが発揮される機会は片手で足りるほどだが、アールでさえ言い返せないものがある。
それは神官としての力か、御使いの力か。……だが。
「トキ。私は神子を守ると決めた。返して貰うぞ」
「アールっ……」
「まだ駄目ですよ」
アールが手を伸ばすと同時に、トキは風真を抱えたまま立ち上がり、距離を取る。
「私はフウマさんの今現在最も近しい友人として、お二人を見極めなければならないのです」
「見極めるだと?」
「……お二人が私のようでしたら、フウマさんを任せる訳には参りません」
小さく呟いた言葉は、風真にだけ聞こえた。
「トキさん。俺のために悪者にならなくていいです。見極めるなら俺が自分で……」
「フウマさんは絆されやすいので、申し訳ありませんが、お任せ出来ません」
「うっ……」
痛いところを。言い返せない間に、トキはアールとユアンに視線を向けた。
「愛らしく鳴くフウマさんを前に、無体を働かずに堪えられるかの試験ですよ」
「そんな事か」
「余裕だね」
アールとユアンは安堵した様子で笑った。
(いやいや、不安しかないぞ?)
踏まれたり開発されたり突っ込まれそうになったり、わりと不安というか心配しかない。
アールはまだ赤ちゃんだし、ユアンも二人きりよりライバルがいた方がむきになるタイプ。人間性を信じる信じないではなく、我慢は赤ちゃんレベルの二人に心配しかないのだ。
「試験なんてするまでもなく合格だよ」
「そうだな。トキ、神子を返せ」
「ひゃっ!」
服の裾から手が滑り込み、変な声を上げてしまった。
トキの少しひんやりした手のひらが胸を撫で、尖りを摘み上げる。もう片手も服の中に突っ込まれ、下肢を直に握られた。
(ベルトのやつ穿いてくれば良かった!)
今日に限ってウエストがゴムの服にしてしまった。しかも伸縮性があり、トキの手が好き勝手に動く。
「あっ、あ、んっ」
下を揉まれ、上は強く摘んで転がされ、爪で弾かれる。あまりに的確に与えられる快楽に声が抑えきれない。腕で腕を押さえられ、口を塞ぐ事も出来なかった。
「トキさんっ……ふっ、ぁ、声っやだっ」
「可愛らしいですよ、フウマさん」
「かわくなっ、んっ、ぁ」
耳元で囁かれ、耳を噛まれる。それは俺がしてたやつ、とユアンが小さく呟いた。
耳を噛みながら、下肢の先端を指先が強く擦る。胸も爪を立てられ、摘み上げられて、強烈な刺激にびくびくと体を震わせた。
「やんっ、や、ひゃぅんッ」
「……トキは、神職だったね?」
「ええ。このように触れたのは、フウマさんが初めてです」
「初めてで、それか?」
ひゃんひゃん言いながら涙を浮かべて悶える風真を見つめる。
「フウマさんにだけ発揮出来る、才能……でしょうか」
「うあんッ、あ、あぅッ」
「……そうか。それがお前の言う、業か」
「少々違いますが、これもその一部ですね」
「ひん、っ……普通に会話すんなっ! ひゃ、ああっ!」
頑張って文句を言った途端、強烈な快感が襲った。だが達したくなくて我慢すると、胸に爪を立てたままで抓り上げられる。
「ひ、ぃっ……!」
先端を抉るように刺激され、痛みと快感に堪えきれずに絶頂を迎えた。
脳まで痺れ、頭の中が真っ白になる。アールたちが何か言っている声も、どこか遠くに聞こえた。
(最短コースでイかされてしまった……)
達してしまえば、頭はやけに冷静に考える。思い返せばいつも早かった気がするが、体感では今日が一番だ。
まだ指先まで痺れている。あまりにも、……気持ちよかった。
はふ、と息を吐くと、トキの唇が宥めるように髪に触れる。
完全に力の抜けた風真を片手で軽々と抱えながら、風真の出したものでベタベタになった手を二人にだけ見せつけた。
「お二人とも合格です。……と言いたいところですが、フウマさんの乱れるお姿に見入っておられただけですね?」
トキの鋭い指摘。アールはそっと視線を逸らし、ユアンは逆ににっこりと良い笑顔を見せた。
「ごめんね、神子君。神子君の事は好きだけど、神子君のえっちな姿も好きだから……」
「分離して考えないでください!」
「それなら、神子の喘ぐ姿だけにして、心は諦めろ」
「だからどっちも俺だって!」
「それは困るな。俺を好きになってくれて、俺に喘がされる神子君が欲しいからね」
「体が目当てなのか?」
「体も、だよ。アールも心だけじゃ満足出来ないだろ?」
「……どちらも欲しいな」
「そういう事だよ」
そうか、とアールが納得してしまう。丸め込まれるな、と風真は内心で叫んだ。
「心も体も、俺の方が確実に満足させられるけどね」
「私がお前に劣るはずがないだろう?」
「それでしたら、私も負けないと思いますよ?」
トキまで対抗し始めた。背後から風真をぬいぐるみのように抱きしめたまま。
トキに抱きしめられるのは好きだ。髪を撫でられるのも。それは、アールやユアンにされるのも好きだ。
気持ちが良い事をされるのも、三人ともが上手くて、嫌だと言いながらも最終的には気持ち良かった、で終わってしまう。
でも。
だからといって。
「バッドエンドは嫌だーーっ!!」
「え?」
「フウマさん?」
「何だそれは」
三人の玩具になるエンドは絶対に嫌だ。ジタバタと暴れる風真を、トキが慌ててきつく抱きしめた。
「みんな俺にえっちなことばっかりっ……みんななんてもうっ、……もうっ馬鹿ーー!!」
当然嫌いと言われると思っていたアールとユアンは目を瞬かせる。
「フウマさんは、嘘でも嫌いだと言わないのです」
愛しげに見つめ、いい子、とばかりに黒髪に頬を擦り寄せた。その顔はまるで、愛犬をもふもふと愛でる時のよう。
「ですが言わないだけで、嫌われないとは限りませんので」
トキはにっこりと笑う。
そのあまりに底冷えする笑顔に、お前が言うな、と……その場の誰も、言えなかった
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