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第12話 官憲 対 教団”S” ⑤
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「9アース」乗員は危機が迫っている事を確信した。
すぐさま鮫島は配下の一人に指示を出した。
「電子妨害は既に行っているな!電波欺瞞紙投射ァ!同時に回避行動を取る、取り舵いっぱ~い、ヴィンペル(連装機関砲)起動!」
船上のコンテナに偽装されていた速射砲・機関砲がベェルを脱ぐ。
艦に搭載されたそれらが火を噴く。と同時に、船体はが急速な傾きを見せた。
旋回はほぼ間に合うことは無いだろう。
しかし乗員は皆、生きることを諦めていなかった。
2発の対艦誘導弾のうちの片割れが弾丸を浴びせられ、その役目を果たさぬまま海中に消える。
残り1発・・・。
全員が一丸となる中、聖師:足利は教主に祈りを捧げていた。
もはや、海戦の素人にできることはそれしか無いことを知っていたからだ。
その瞬間、それまで教団の教典の一節を映していた通信用画面に乱れが生じた。
雑音も生じたために信徒は皆画面に釘付けになる。(官憲による通信妨害の可能性が大であったから)
黒い画像が示されたあとに、”それ”が正体を現す-。
まさしくそこに映し出されているのは、教主:斎藤の姿であった。
唐突に艦内全体に彼の者の声がこだまする。
「どうだね”読者”の諸君?こちらが一方的に敗北を喫する・・・そんな結末、つまらないとは思わないか?」
足利・鮫島が同時に「彼は何を言っているのだ、そもそも誰に語りかけているのだ?」と発言したのも束の間―。
もう一発の誘導弾が緩やかな螺旋を描きながら、海面に接触する。
哨戒艦「さくら」艦長の石崎は困惑した。
「何が起こったのだ?」
彼がそう考えるのも無理はない。
突如として、誘導弾の反応が消失したのだ。
念のため2発発射した誘導弾が「9アース」に突入することはなかった。
教団内では騒めきが広がっていた。
「奇跡だ・・・」
足利が一人、孤独に呟いた。
同様に「9アース」の戦闘指揮所では歓喜の声が挙がっていた。
すぐさま鮫島は配下の一人に指示を出した。
「電子妨害は既に行っているな!電波欺瞞紙投射ァ!同時に回避行動を取る、取り舵いっぱ~い、ヴィンペル(連装機関砲)起動!」
船上のコンテナに偽装されていた速射砲・機関砲がベェルを脱ぐ。
艦に搭載されたそれらが火を噴く。と同時に、船体はが急速な傾きを見せた。
旋回はほぼ間に合うことは無いだろう。
しかし乗員は皆、生きることを諦めていなかった。
2発の対艦誘導弾のうちの片割れが弾丸を浴びせられ、その役目を果たさぬまま海中に消える。
残り1発・・・。
全員が一丸となる中、聖師:足利は教主に祈りを捧げていた。
もはや、海戦の素人にできることはそれしか無いことを知っていたからだ。
その瞬間、それまで教団の教典の一節を映していた通信用画面に乱れが生じた。
雑音も生じたために信徒は皆画面に釘付けになる。(官憲による通信妨害の可能性が大であったから)
黒い画像が示されたあとに、”それ”が正体を現す-。
まさしくそこに映し出されているのは、教主:斎藤の姿であった。
唐突に艦内全体に彼の者の声がこだまする。
「どうだね”読者”の諸君?こちらが一方的に敗北を喫する・・・そんな結末、つまらないとは思わないか?」
足利・鮫島が同時に「彼は何を言っているのだ、そもそも誰に語りかけているのだ?」と発言したのも束の間―。
もう一発の誘導弾が緩やかな螺旋を描きながら、海面に接触する。
哨戒艦「さくら」艦長の石崎は困惑した。
「何が起こったのだ?」
彼がそう考えるのも無理はない。
突如として、誘導弾の反応が消失したのだ。
念のため2発発射した誘導弾が「9アース」に突入することはなかった。
教団内では騒めきが広がっていた。
「奇跡だ・・・」
足利が一人、孤独に呟いた。
同様に「9アース」の戦闘指揮所では歓喜の声が挙がっていた。
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