9 / 35
第9話 官憲 対 教団”S”②
しおりを挟む
扉を開けて飛び込んできたのは、足利の配下の一人である鮫島であった。
「どうしたのだシエラ?(鮫島の洗礼名)」
足利はそう鮫島に問うと、教団の僕である彼は即座に応じた。
「ハッ!!アルファ聖師に従僕たるシエラめが申し上げますッ!!
電探に複数反応がございまして・・・端的に申し上げますと・・・恐らく北部軍管区所属の哨戒艦が4隻迫っております」
足利は瞬きほどの間、驚愕の色を顔に浮かべたものの”正常”を取り戻した。
得物を取り出すため、懐に手を突っ込んだままの客人に向き直ると
「疾く此処を立ち去られよ、これは取引どころではないッ」
と言い放った。
先程まで薬物で重火器を密輸しようとしていた人間から出たとは思えぬ正論に、先生は動揺したものの、「失礼・・・」とだけ伝えて部屋をあとにした。
足利は、彼の影が見えなくなるのを確認すると吸息し、怒声を飛ばした。
「なんでここに官憲来てんだよッ!嗚呼ッ!物買うって段階じゃねえぞ、オイッ!」
「”隠密機能停止”!!折伏を開始するッ!」
「官憲はこの國の穢れッ!!清浄あるのみ!」
と矢継ぎ早に言うと、騒ぎによって部屋に駆けつけていた信徒たちは、尻に火のついた牛のように興奮を発露させた。
「聖師の仰言のままにッ!」
信徒たちはそう口々に言うと、それぞれの持ち場に駆けていった。
ぽつん、と一人残った足利は頭を抱え、
「どうしよっかなぁ・・・」
と呟いた。
「どうしたのだシエラ?(鮫島の洗礼名)」
足利はそう鮫島に問うと、教団の僕である彼は即座に応じた。
「ハッ!!アルファ聖師に従僕たるシエラめが申し上げますッ!!
電探に複数反応がございまして・・・端的に申し上げますと・・・恐らく北部軍管区所属の哨戒艦が4隻迫っております」
足利は瞬きほどの間、驚愕の色を顔に浮かべたものの”正常”を取り戻した。
得物を取り出すため、懐に手を突っ込んだままの客人に向き直ると
「疾く此処を立ち去られよ、これは取引どころではないッ」
と言い放った。
先程まで薬物で重火器を密輸しようとしていた人間から出たとは思えぬ正論に、先生は動揺したものの、「失礼・・・」とだけ伝えて部屋をあとにした。
足利は、彼の影が見えなくなるのを確認すると吸息し、怒声を飛ばした。
「なんでここに官憲来てんだよッ!嗚呼ッ!物買うって段階じゃねえぞ、オイッ!」
「”隠密機能停止”!!折伏を開始するッ!」
「官憲はこの國の穢れッ!!清浄あるのみ!」
と矢継ぎ早に言うと、騒ぎによって部屋に駆けつけていた信徒たちは、尻に火のついた牛のように興奮を発露させた。
「聖師の仰言のままにッ!」
信徒たちはそう口々に言うと、それぞれの持ち場に駆けていった。
ぽつん、と一人残った足利は頭を抱え、
「どうしよっかなぁ・・・」
と呟いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる