俺様王様の世話係

茶子ちゃ

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俺様王の世話係8

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結局俺は裸で、精液ベッタリのまま風呂場に連れてこられた。
先程のよくわからない2人の軽い言い争いはなんだったのだろう。

頭を悩ませる時間もつかの間、ファラスは龍一郎をタイルの床に下ろすとシャワーを頭からかけた。


「取り敢えず身を清めろ、アイツに触られた所全部だ!」


不機嫌そうにそう言うとジャージャーとひたすら身体にシャワーをかけた。


「な、なんだよ。なんでそんなに不機嫌なんだよ」

アルスさんと喧嘩(?)した腹いせなのだろうか、行動と顔が険しい。
つか俺に当たらないで欲しい。
まさにパワハラ上司じゃないか。

もしかして俺がきちんと夜伽が出来なかったせいか……なるほど。
こいつに尽くさないと俺は処刑されてしまう。


「何をしている?」

ピタリとファラスの行動が止まった。
そりゃそうだろう、ファラスの腰に巻いたタオルに手をかけたからだ。

「いや、さっきのじゃ満足しなかったんだろう?」

「そういう事ではない」

「ならなんでそんなに怒ってるんだ?」

ファラスは急に困惑した顔になる。
頬に手を当てなにやら考え始めた。
浴室に数分の沈黙が流れた、俺はファラスのタオルから手を放した。


「お前と……アルスがそうやって交わっていると、よくわからないが嫌だった」


数分考えた後出た言葉がそれだった。

ん???これって俺の勘違いか?
これってよくある恋人が他の人と仲良くしたら嫉妬したとかなんとかのやつだよな。

という事は……。



ファラスはアルスさんの事が好きなんだ。


「え。あ……それはごめん」

「何故謝る?」

「アルスさん独り占めしてたから、いや俺は別にアルスさんの事が好きとかではなくて」


龍一郎は一生懸命誤解をとこうとした、タイルに膝と手をつき土下座した。
それは処刑を免れようとする龍一郎の意思だった(勘違いだけど)


「いや。待てどういう事だ、すまん理解が追いつかない」

「だーかーら、アルスさんとファラスが相思相愛なのに俺が横槍入れるように入って来たからお怒りなんだろう!頼むから処刑はやめてくれ!」

「処刑?相思相愛?」


ピタリとまた空気が止まった、上から見下ろすファラスの視線は(コイツ何か勘違いしてないか?)の視線だった。


「クッ……はっ……ハハハハッ」


ファラスは腹を抱えて笑い始めた。
キョトンとした顔で龍一郎はファラスを見つめる。


「え?違うのか?」

「今のこの気持ちがわかった」


跪いている俺の前に膝をつき、ファラスの息遣いが聞こえてきたと思ったらキスされていた。


「え?あ?な、なんだ?なに?」

「お前は鈍感な奴だな、俺がお前に好意を寄せている事わからないのか?」


ファラスが俺に行為を……。
という事はファラスは俺が好き?


「な、なんで?!ぉわっ?!ンっんんんーっ」


何か喋ろうとする前にファラスに深い口付けをされた。舌を念入りに絡み取られ、吸い付かれる。
巧みなキスに腰が砕けそうになった。


「お前を抱きたい……」


静かな浴槽にファラスの色気のある声が響いた。
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