3 / 30
3 忍び寄る足音
しおりを挟む
澄んだ湖、綺麗な山々、変な鳥、見た事のない魚。
目覚めた俺は、自分のいる場所が夢の世界だと思いたくなった、現実逃避という言葉が1番当てはまるだろう。
目覚めた時は何故か湖の浅瀬に浮いていた。
驚きで一瞬溺れかけたが浅瀬で足がつく場所だったのがせめてもの救いだ。
勝ち割られた頭はというと、傷は深いものの血は止まっていた。
血をたくさん流し過ぎたか頭がクラクラする。
食事もとってないせいかもしれない。
腹減った、そして俺は今どこにいるんだ…。
フラつきながらなんとか陸に辿り着いた。靴も流されたのかずぶ濡れの靴下で足をつく。
綺麗な紫色の花々が桃太によって踏まれていくが、そんな事構っている暇はない。
何か食糧がないと生きてはいけないし、今の状況いつも冷静な桃太も前代未聞で焦っている。
しかも何故か紫の花を踏んだと同時に異臭を放ち始めた。
「くっせ?!何だこの花!」
踏むまいと思っても咲いていない所がないくらいびっしりと紫の花が咲いていた。
気分わりぃのになんなんだ。まさかあの発狂男に変な呪いでもかけられたか……。
俺は生きていけるのだろうか。
最近は何も不安に思った事はなかったのに…。
頭の中は不安と、若干の好奇心もあった。
ここは日本ではない、それはわかっていた。
なにかの力によって、どこかの世界に飛ばされた、外国か……最悪の場合、地球には存在しない場所。
最悪の場合は避けたいが。
外国ならなんとか日本に帰れる手段はあるだろう、だが後者の場合日本に帰るのは不可能に近い。
ぐるぐる考えが交差していく。
取り敢えず臭いが人がいる所まで歩こう。
と、歩き始めた時。
急に遠くから何かのとてつもない叫びが聞こえた。今まで聞いたことがないような声だ。
獣か?猪か?いや違う…。
なんなんだ、助かったと思ったら。
苦虫を噛み潰したような顔をする。
激しい足音と叫び声はだんだんと近づいてくる、相当足の速い獣なのだろう。
どうしようもないが、死ぬ訳にはいかない…逃げるか……いや……。
戦うか。
素手は無理だと思い、近くに転がっている石と木をへし折り、垂れ下がったツルを長めに引きちぎり木と石を括り付けた。
これで倒せるだろうか。
わからないが、簡単に殺されてたまるか。
息を飲み、少し木が生い茂った場所へ移動する。
もう獣は近い、すごい声だ。
目覚めた俺は、自分のいる場所が夢の世界だと思いたくなった、現実逃避という言葉が1番当てはまるだろう。
目覚めた時は何故か湖の浅瀬に浮いていた。
驚きで一瞬溺れかけたが浅瀬で足がつく場所だったのがせめてもの救いだ。
勝ち割られた頭はというと、傷は深いものの血は止まっていた。
血をたくさん流し過ぎたか頭がクラクラする。
食事もとってないせいかもしれない。
腹減った、そして俺は今どこにいるんだ…。
フラつきながらなんとか陸に辿り着いた。靴も流されたのかずぶ濡れの靴下で足をつく。
綺麗な紫色の花々が桃太によって踏まれていくが、そんな事構っている暇はない。
何か食糧がないと生きてはいけないし、今の状況いつも冷静な桃太も前代未聞で焦っている。
しかも何故か紫の花を踏んだと同時に異臭を放ち始めた。
「くっせ?!何だこの花!」
踏むまいと思っても咲いていない所がないくらいびっしりと紫の花が咲いていた。
気分わりぃのになんなんだ。まさかあの発狂男に変な呪いでもかけられたか……。
俺は生きていけるのだろうか。
最近は何も不安に思った事はなかったのに…。
頭の中は不安と、若干の好奇心もあった。
ここは日本ではない、それはわかっていた。
なにかの力によって、どこかの世界に飛ばされた、外国か……最悪の場合、地球には存在しない場所。
最悪の場合は避けたいが。
外国ならなんとか日本に帰れる手段はあるだろう、だが後者の場合日本に帰るのは不可能に近い。
ぐるぐる考えが交差していく。
取り敢えず臭いが人がいる所まで歩こう。
と、歩き始めた時。
急に遠くから何かのとてつもない叫びが聞こえた。今まで聞いたことがないような声だ。
獣か?猪か?いや違う…。
なんなんだ、助かったと思ったら。
苦虫を噛み潰したような顔をする。
激しい足音と叫び声はだんだんと近づいてくる、相当足の速い獣なのだろう。
どうしようもないが、死ぬ訳にはいかない…逃げるか……いや……。
戦うか。
素手は無理だと思い、近くに転がっている石と木をへし折り、垂れ下がったツルを長めに引きちぎり木と石を括り付けた。
これで倒せるだろうか。
わからないが、簡単に殺されてたまるか。
息を飲み、少し木が生い茂った場所へ移動する。
もう獣は近い、すごい声だ。
41
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い


美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。


性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる