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第1章
第45話 死神様の圧迫面接 中編
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黄泉津大神とアイナの戦いは激しさを増して行く。真夜中の空き地に、ぶつかり合う金属の音が響き渡る。
複数の発砲音がすれば、その弾丸を弾く度に火花が散る。暗闇の中で、マズルフラッシュと飛び散る火花があちこちで煌めく。
手数と弾幕で勝負するアイナと、斬り掛かる黄泉津大神が戦場を駆ける。流石に神である黄泉津大神とて、現界して肉体を得ている以上は銃弾で負傷する。
そして肉体に大きなダメージを負えば、本人にもそれなりの反動が行く。アイナは神殺しの武器を使用していないので、黄泉津大神が死ぬ事はない。しかしだからと言って、大量の弾丸を浴びれば無事では済まない。
「面倒な小娘ね」
「それが売りなんですよ!」
「だったらこうする」
黄泉津大神が雷の魔術を使用する。紫電の槍がアイナへと向かうが、お得意の装甲板で雷撃をガードする。
流石は神の魔術と言うべきか。アイナが頻繁に使用するお気に入りの装甲板も、ただの一撃で再使用が不可能な程のダメージを受けた。
常用しているので予備はまだまだあるが、一撃で駄目にされては流石に消耗が激しい。ガードするのは極力避ける方向でアイナは対応する。
幸い魔力弾での撃ち落としが効果的と判明し、装甲板の無駄な消耗は防げた。だが今度はその分手数が減ってしまう。次第にアイナの方が押され始めた。
「クッ!」
「やはり所詮は人の子か」
「まだ終わりじゃない!」
アイナがSランクになれた理由。それは魂と工房に関係がある。通常錬金術師は、自身の魂と直結する特殊な空間を持つ事が出来る。
工房と呼ばれるその空間は、魔術師の魔力量によってサイズが決まる。Bランクの錬金術師で、大体ワンルームぐらいのサイズだ。
ではアイナはと言うと、巨大な工場だ。まだアイナが幼い頃に、工房の拡張を行い拡大をした。
先ず魔力を精製する魔力炉を作り設置。その増えた魔力炉の魔力を使い工房を拡張。その繰り返しで自身の魔力量を押し上げ、事実上のSランクと変わらない領域まで伸ばした。
しかし本来は、そんな真似は出来ない。普通はそんな方法で、魔力量を増やせない。何故なら工房に魔力炉を置いても、本人の魔力ではないからだ。
ならば何故アイナはそんな真似が出来たのか。それは彼女が、自身にかけた禁呪に関係がある。アイナは自分自身すらも、兵器とする事にした。
魔力炉によって稼働する、人間兵器として自分を改めて定義した。拡張した工房と複数台の魔力炉、それらを含めてアイナと言う一つの兵器なのだ。
だから黄泉津大神は、その歪な魂の在り方を嫌った。人でありながら人の身を超え、兵器となった歪んだ魂。禁呪により人間では無く一つの魔導兵器となった存在。
それがアイナ・クラーク・三島の真実。魔導犯罪への怒りと憎しみから、人間として生きる事を辞めてでも戦う力を求めた結果。そんな彼女が魂を歪めてまで用意した複数台の魔力炉は、まだまだ余力を残している。
「5番炉まで全力稼働! 兵士起動!」
「今回はワシも文句は言わんよ」
「転送!」
アイナの周囲に、突然鋼鉄の犬と鳥が現れる。犬の方はシェパードに似た外見をしているが、似ているのは外見だけだ。
全身が機械で出来ており、背に二門のレールガンを背負っている。4本の足には鋭利なブレードが脚に沿う様に装着されている。
胸元にある小型のガトリング砲が、正面に砲門を向けていた。鳥も同じく機械で出来たワシの様な見た目だ。
だがこちらも同じく武装をしており、翼の内側にはどう見ても小型のミサイルにしか見えない武装が装着されている。その翼も見るからに鋭利な形状をしていた。
足のツメには銃口が付いており、クチバシの中にも銃口らしき代物がある。全身これ凶器と言わんばかりの、可愛げの欠片もない存在だった。
「攻撃開始! 撃て!」
「こちらはワシに任せておけ」
「何だそれは!? 面妖な!」
アイナが召喚した機械兵は、ヘンリーが操作を担当する。ただの人間には複数の機械兵の同時操作は難しい。しかしヘンリーは元人間なだけの精霊だ。
脳が一つしかない人間とは違い、複数の機械兵を同時に操るのは難しくない。1対3となった戦いは、再びアイナが優勢となる。
アイナ自身の銃撃と、ヘンリーが操作する機械兵2体による攻撃。特に犬型機械兵のレールガンと、鳥型機械兵のミサイルが高火力だ。
普通の人間が当たれば、肉片となる威力がある。幾ら神とは言っても、そのレベルの火力をまともには受けられない。肉体に深刻なダメージを受けてしまう。
「おのれ小娘!!」
「まだまだ、こんなものじゃないですよ!」
黄泉津大神が行使する雷の魔術と、アイナ達の放つ弾丸が交差する。元々激しかった戦闘は、更に過激なものへと変わって行く。
激化するその戦いは、常人ならば数秒で消し炭になる程の高火力の応酬。あちこちに小さなクレーターを作りながら、激しい攻防が繰り返される。
神の無尽蔵な魔力と、工房で大量生産され続ける尽きる事の無い弾薬。終わりの見えない撃ち合いは、まだまだ終わりが見えそうに無かった。
複数の発砲音がすれば、その弾丸を弾く度に火花が散る。暗闇の中で、マズルフラッシュと飛び散る火花があちこちで煌めく。
手数と弾幕で勝負するアイナと、斬り掛かる黄泉津大神が戦場を駆ける。流石に神である黄泉津大神とて、現界して肉体を得ている以上は銃弾で負傷する。
そして肉体に大きなダメージを負えば、本人にもそれなりの反動が行く。アイナは神殺しの武器を使用していないので、黄泉津大神が死ぬ事はない。しかしだからと言って、大量の弾丸を浴びれば無事では済まない。
「面倒な小娘ね」
「それが売りなんですよ!」
「だったらこうする」
黄泉津大神が雷の魔術を使用する。紫電の槍がアイナへと向かうが、お得意の装甲板で雷撃をガードする。
流石は神の魔術と言うべきか。アイナが頻繁に使用するお気に入りの装甲板も、ただの一撃で再使用が不可能な程のダメージを受けた。
常用しているので予備はまだまだあるが、一撃で駄目にされては流石に消耗が激しい。ガードするのは極力避ける方向でアイナは対応する。
幸い魔力弾での撃ち落としが効果的と判明し、装甲板の無駄な消耗は防げた。だが今度はその分手数が減ってしまう。次第にアイナの方が押され始めた。
「クッ!」
「やはり所詮は人の子か」
「まだ終わりじゃない!」
アイナがSランクになれた理由。それは魂と工房に関係がある。通常錬金術師は、自身の魂と直結する特殊な空間を持つ事が出来る。
工房と呼ばれるその空間は、魔術師の魔力量によってサイズが決まる。Bランクの錬金術師で、大体ワンルームぐらいのサイズだ。
ではアイナはと言うと、巨大な工場だ。まだアイナが幼い頃に、工房の拡張を行い拡大をした。
先ず魔力を精製する魔力炉を作り設置。その増えた魔力炉の魔力を使い工房を拡張。その繰り返しで自身の魔力量を押し上げ、事実上のSランクと変わらない領域まで伸ばした。
しかし本来は、そんな真似は出来ない。普通はそんな方法で、魔力量を増やせない。何故なら工房に魔力炉を置いても、本人の魔力ではないからだ。
ならば何故アイナはそんな真似が出来たのか。それは彼女が、自身にかけた禁呪に関係がある。アイナは自分自身すらも、兵器とする事にした。
魔力炉によって稼働する、人間兵器として自分を改めて定義した。拡張した工房と複数台の魔力炉、それらを含めてアイナと言う一つの兵器なのだ。
だから黄泉津大神は、その歪な魂の在り方を嫌った。人でありながら人の身を超え、兵器となった歪んだ魂。禁呪により人間では無く一つの魔導兵器となった存在。
それがアイナ・クラーク・三島の真実。魔導犯罪への怒りと憎しみから、人間として生きる事を辞めてでも戦う力を求めた結果。そんな彼女が魂を歪めてまで用意した複数台の魔力炉は、まだまだ余力を残している。
「5番炉まで全力稼働! 兵士起動!」
「今回はワシも文句は言わんよ」
「転送!」
アイナの周囲に、突然鋼鉄の犬と鳥が現れる。犬の方はシェパードに似た外見をしているが、似ているのは外見だけだ。
全身が機械で出来ており、背に二門のレールガンを背負っている。4本の足には鋭利なブレードが脚に沿う様に装着されている。
胸元にある小型のガトリング砲が、正面に砲門を向けていた。鳥も同じく機械で出来たワシの様な見た目だ。
だがこちらも同じく武装をしており、翼の内側にはどう見ても小型のミサイルにしか見えない武装が装着されている。その翼も見るからに鋭利な形状をしていた。
足のツメには銃口が付いており、クチバシの中にも銃口らしき代物がある。全身これ凶器と言わんばかりの、可愛げの欠片もない存在だった。
「攻撃開始! 撃て!」
「こちらはワシに任せておけ」
「何だそれは!? 面妖な!」
アイナが召喚した機械兵は、ヘンリーが操作を担当する。ただの人間には複数の機械兵の同時操作は難しい。しかしヘンリーは元人間なだけの精霊だ。
脳が一つしかない人間とは違い、複数の機械兵を同時に操るのは難しくない。1対3となった戦いは、再びアイナが優勢となる。
アイナ自身の銃撃と、ヘンリーが操作する機械兵2体による攻撃。特に犬型機械兵のレールガンと、鳥型機械兵のミサイルが高火力だ。
普通の人間が当たれば、肉片となる威力がある。幾ら神とは言っても、そのレベルの火力をまともには受けられない。肉体に深刻なダメージを受けてしまう。
「おのれ小娘!!」
「まだまだ、こんなものじゃないですよ!」
黄泉津大神が行使する雷の魔術と、アイナ達の放つ弾丸が交差する。元々激しかった戦闘は、更に過激なものへと変わって行く。
激化するその戦いは、常人ならば数秒で消し炭になる程の高火力の応酬。あちこちに小さなクレーターを作りながら、激しい攻防が繰り返される。
神の無尽蔵な魔力と、工房で大量生産され続ける尽きる事の無い弾薬。終わりの見えない撃ち合いは、まだまだ終わりが見えそうに無かった。
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